これまでのあらすじ
アルカを攫った犯人、殿様先輩は忍者先輩により忍者の里へ連行され、先輩騒ぎは一先ず幕を閉じた。
そしてコーバンは、知り合いの技術者アシヤ博士に依頼させていたパーツを受け取る。
アームヘッド・ツヴァイヘンダーの新たな可能性とは...?


ストーリー:カウンター・アタック
第19話「調和レゾナンス」


デベロッパー仮設ハンガー内。
レイルとアルカは、コーバンからそれぞれダイヤルの付いた小型装置を手渡される。
「これは一体...?」「何だぜ?」
「それはレゾナンスギア、二人のパイロットを同調させ、機体に出力させる為の装置...」


「この装置があれば、アルカ君への負荷を分散し、なおかつレーラビ君の機体操作技能をより確かにフィードバックできるはずだ」
「なるほどぜ...なら早速起動実験ぜ?」
「ああ、...アルカ君も大丈夫かね?」


「.....ええ、僕は大丈夫です...」
アルカは前回のツヴァイでの戦闘...雷電のオーバーンとの戦いで発生した融合現象を思い出す。
「今度は大丈夫だぜ、君には俺がついてるぜ」
「レーラビくん...!」


ーーー
『...ではこれより起動実験を開始する、ギアの同調律少しづつ上げてくれたまえ』
カチ、カチ、カチ....アルカがメインシートに、レイルがコクピットの隅に収まった状態でそれぞれのギアのダイヤルを回していく...


『そこで一旦止めて機体の起動を』
言われた通り、アルカは機体の起動キーを操縦桿横の鍵穴に差し込む。
「レーラビくん...」
何度も起動した機体だが、今回はいつも以上に緊張する。
目があったレイルは静かに頷く。


「ツヴァイヘンダー...起動します」
レイルの後押しによりキーを思い切って回す。
機体のカメラアイが点灯....起動に成功、ハンガー内の職員からしめやかに歓声が上がった。


1001010011001001010100


...見覚えの無い家の一室にレイル・レーラビは立っていた。
(...ここはどこだ?...俺たちはさっきまで機体の起動をしていたんじゃ)
近くにいたアルカに話しかけるが返事は無い。
「お父さん、お母さん、遅いなあ...」
レイルを認識しないままアルカは独り言を言う。


(干渉できない...これはアルカの記憶?)
そこへ新たな人物...アルカより少し年上の女性が現れる。
「あっ、お姉ちゃんお帰り、お父さんもお母さんもまだ帰ってきてないみたい」
「ただいま....え、そうなんだ。電話はしたの?」


「うん...でも繋がらなくて」
「あー、じゃあ私が直接呼んでくるよ、早く晩御飯も食べたいしね」
そう言い姉はピンクの傘を持ってさっさと出て行ってしまう。
「あ...待ってお姉ちゃん!」
アルカはまた一人になった。


(姉か...何故だろうか、レレラを思い出すから苦手だな)
...それから体感時間で約一時間、姉も連絡がつかなくなったようだ。
「...どうしたんだろう?」
何か、嫌な予感のよぎったアルカは...家族の様子を見に外へ出る事にしたのだった。


...雨の降る夜。
傘をさしたアルカは一人、少し歩いた先にある両親の職場、メッサー本社ビルへ向かう...。


次回、第20話「調和レゾナンス②」に続く。


  • レゾナンスギア
2人のパイロットの意識を同調させ1機のアームヘッドに出力する為の装置。
両方のパイロットが同機体を起動できる事を前提としている非実用的な特注品。



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最終更新:2017年01月10日 15:44
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