これまでのあらすじ
名も無きトーアに取り込まれたアルカを救出するべく、回路の協力でレギの支配を逃れたレイルと、ドルザルガンを完成させた雷電のオーバーンは共同戦線を貼る事になった。
これは、運命への反撃の物語...


ストーリー:カウンター・アタック
第31話「赫赫カウンターアタック」


ツヴァイヘンダーが襲ってきた!
無数の氷の結晶が取り付き、リミッターの外れたマルチシューターから攻性テトラダイ刀を生成!刀身に触れた柱が次々と切断されてゆく!
『気をつけるぜ!あれは普通の暴走アームヘッドじゃないぜ!』


アーキデルタはグレネード残弾を全て叩き込む!
ツヴァイは片手を翳しグレネードを全て凍結させ、光の剣を振り下ろす!
『これはどうだぜ!』
凍結したグレネードを蹴り攻性テトラダイ刀にぶつけ、爆発させる!
氷が溶け蒸気が発生する!


蒸気を突き抜け回転飛翔拳!
『ドルザーナックル!』
だがツヴァイは片手で受け止め、一瞬で氷漬けにする!
『今だぜ!』
その隙にアーキデルタは至近距離でフィジカル弾を連射!右手マルチシューター破壊を試みる!


ツヴァイは背中から生えた氷の腕でそれを迎撃する!先端には起動していないアームホーン刀!
『レイル!』
マルチシューターを覆っていた氷の結晶は破壊され、放熱が出来なくなり熱量で自壊した!
...だがその代償として、アーキデルタの胴体にホーン刀が深々と突き刺さった。


そのままアーキデルタは持ち上げられ、傷口から氷が広がってゆく。
『俺は大丈夫だぜ...それより今がチャンスだぜ!』
レイルの居るコクピットは機体背部のコンテナ、この構造がレイルを救ったのだ!
そして、雷電のオーバーン、隻腕のドリルドルザルガンは静かに頷いた。


『ドルザーバースト!!』
貯蔵された残存粒子を全て放出、超高濃度のテトラダイ粒子は機体を黄金に染め上げる!
『ドルザートルネード!!!』
右腕のドリルから電撃を伴った竜巻が発生!!
氷の腕、マルチシューター、背部ホーン刀を封じられたツヴァイは抵抗できず動きを止められる!!!


『ドルザァァァァッ!!』
黄金のドリルドルザルガンが直進!
『ドリル!!クラァァァァァッシュ!!!』
次々と出現する氷壁をドリルで砕きながら直進!!
『ふんっ!!』
氷漬けになり使い物にならなくなったドリルアームをパージし直進!!


アームを失いただのヘッドと化したドルザルガンは胸部の攻性テトラダイ砲...否、獅子のあぎとで氷の化身に噛み付く!!
『ドルザァァァァッ!!ビイイイイイィィィィィムッ!!!』
至近距離、全テトラダイを圧縮した黄金の攻性テトラダイ粒子が厚い氷を溶かしてゆく!!!


だが、後一歩、足りなかった。
「畜生、最強への道は遠いな」
テトラダイを失ったドルザルガンは停止し、凍り付いてしまった。
「いや、お前のお陰で勝てたぜ、オーバン」
レイルはコクピットから脱出し、地面に向けられたアーキデルタのライフルを手動で起動した。
「馬鹿、俺様は雷電のオーバーンだ」


地面に向かって放たれたフィジカル弾は...足元で凍結した大量の不発グレネードに引火、大爆発を起こす!!
残っていた氷が溶け、飛び移ったレイルはコクピットを力尽くでこじ開ける!
「アルカーーーッ!!」
レイルはコクピットに閉じ込められたアルカを救出した!
「...レーラビくん!!」


ーーーーー


夜明け前の本社外、制圧に無事成功したデベロッパー一行は点呼を行っていた。
「...よし、犠牲者無し。」
コーバン・ガッポは"ガッポ族の感"に従って本社の計画を阻止した。
それは間違っていなかった...はず。
「皆、本当に有難う...これがアームヘッドと人の共存の一歩になればいいのだが」


が、突如、アルカの身に覚えのある冷気が吹き付ける。
「...っ!?...皆さん、避難を!」
寄り代を失った筈の氷の化身が足元を凍結させながら浮遊していた。
「あれは...ツヴァイヘンダー?」
「あの野郎、まだ生きてやがったのか!」


ーーー
氷の化身は何かを探すように周囲を浮遊している。
レギは落胆した様子でそれを見ていた。
「封印の儀は失敗...未来は変えられないというのか」
アームヘッドの廃止も失敗、これではこの先に起こる反乱は...
「だが、これは彼らが選択した答えだ。見届けよう、最期まで。」
ーーー


「おい!何とかしないとやばいぞ!」
メットの下で焦る雷電のオーバーン、あれの恐ろしさは彼が一番知っている。
「でも、もう戦えるアームヘッドは...」
...ここでアルカは気付いた。
二人を繋ぐレゾナンスギアの同調率が、表示数限界を超えていたのだ。


「...レーラビくん、これって」
「...まだ、戦えるアームヘッドは残ってるぜ」


「...うむ、解った。皆、彼らを援護するぞ」
コーバンは「私がこの機体を作り、アルカ君を危険に曝してしまった私の罪、それを償う機会を彼が作ってくれたのではないか」と思ってしまったのだ。
「ええっ!部長、正気ですか!?」
ハリッコはこの状況に既視感を感じながらも驚愕した。


最終回「朝焼けジャンクヤード」に続く。


  • ツヴァイヘンダー/SystemAlka
"名も無きトーア"のコアが"巫女"を依り代にした結果誕生した機体。
異常な戦闘能力を持つが、依り代との結び付きが非常に強い為に、依り代が死亡するとコアの意思が損傷し二度と起動出来なくなる。

  • 名も無きトーア
有史以前の世界で猛威を振るっていた氷の神格。
便宜上トーアと呼称されているが、生前は猛禽類のマスクを被った怪物の姿をとり、秩序を乱す存在だった。
が、古代の巫女に心を惹かれてしまい、その隙を突かれ打ち取られた。



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最終更新:2017年01月10日 15:56
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