...最終回「朝焼けジャンクヤード」


ーーー
職員の協力により、落下したツヴァイのもう片方のホーン、プロトデルミス装甲などが一箇所に集められた。
「ツヴァイが僕との融合で身体を再構築出来たのなら...」
「...俺たち二人でも同じ事は出来るはず、だぜ!」


PPPPP...レイルとアルカはレゾナンスギアのダイヤルを限界まで回転させる。
「おい、それってまさか...」
周囲のプロトデルミスが吸収され、レゾナンスギアを中心に空中に赤い機械の回路のような模様が浮かぶ!
「...アームヘッドの顕現!」


赤い光は一箇所に纏まり、ひとつの巨人を形作る!
『...やった、成功だ!』
氷の化身の眼前に、片腕武器のアームヘッド...後にRRRR(クアドアル)と呼ばれる機体が出現する!
『...この身体に慣れるには少し時間がかかるぜ』


すかさずそこへ氷の触腕!
反応したアルカが右腕の刃で防ぐも、その部位から凍結が始まる!
『う...ああ....っ、レーラビくん...』
『ぐ...アルカ!大丈夫ぜ!?』
同調率の高さに起因する痛覚の共有!
普通の人間では耐え切れない激痛だ!


『ぼ...僕は大丈...夫、だよ。レーラビ...くん』
『うわああアルカ!それは大丈夫ではないぜ!』
(...仕方ない、補正を実行するぜ)
何処かで何かが書き換わる!
『はっそうか調和だぜ!』


何らかの調和能力でクアドアルは高速移動を行い、空気との摩擦で発熱、氷を溶かす!
『セイル・ライラビット...だぜ!』
そのスピードを乗せた炎の拳で氷の鎧を叩き壊す!
『レーラビくん...僕なんかの為に』
『君だからここまでするのだぜ』


アルカが危険を承知でさらに同調率を上げる!
『アルカ...これ以上は君の命に関わるぜ!』
『いいんだ、僕はあの事件を、あのコアを、今日ここで止めないといけないんだ。その為なら...』


『...解ったぜ、アルカ』
『ありがとう、レーラビくん』
クアドアルは右腕のアームホーンを前に構え、赤いテトラダイ粒子をチャージする!
『...最後は僕達の調和で!』
『がってんだぜ!』


二人は二人の調和の名前を叫ぶ!
...ただし、恥ずかしいので声には出さずに。


大量のアームヘッドを封印する装置、忌々しい封印の儀の地下室、名も無きトーアのコア...
...全ては、一瞬で崩壊した本社ビルの瓦礫に埋まった...。


ーーーーー


レイルは落下した本社ビルの一室からレギを発見した。
「やあ、どうしたんだいレイルレーラビ...私に止めを刺しにきたのかい?」
レギは崩壊に巻き込まれ、身体の半分以上を失っていた。
「いや、そんな事はアルカは望んでいないぜ...それより質問があるぜ」


「レギ...何故お前はあんな方法で俺たち"兄弟"を作り、関係ない人々から犠牲を出してまで人類の延命を図ったんだぜ」
「...俺、僕だっけ?まあいいや...それを作った"ファクトリー"のプランに従ったまでさ...」


「ファクトリー...ぜ?」
"ファクトリー"...そう言い残しレギはその活動を終えた。
アームコアに直接データを保存できるレイル達と違い、機械の人形であるレギはもう復元する事はできない。
「レギ...」


「レーラビくん、そこに誰か居るの?」
「いや、人は誰もいない様だぜ」
「そっか...じゃあ、僕達も帰ろう」
「...俺は、どこへ帰ればいいのぜ?」
「レーラビくん.....」


ーーーーー


...朝焼けの中、僕達はこれまでの事とこれからの事を話しながら家に帰った。
いつもの帰り道、ジャンクヤードを通って。


「ねえ、レーラビくん...やっぱり僕の養子になる?」
「...本気(マジ)ぜ?」


最終回「朝焼けジャンクヤード」終わり。



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最終更新:2017年01月10日 15:57