......時間座標再計算開始...完了。
...NTN.2030.1.17.19.51...


これまでのあらすじ
デベロッパーの反乱により、メッサー社の"アームヘッド廃止計画"は阻止された。
それから数週間、レイル・レーラビはアルカ・クライアと共にヘブンの衛星《トンドルの月》へと向かう事に決めたのだった....


ストーリー:カウンター・アタック外伝「スネーク・フット」


トンドルの月、不毛の山脈。
そこで一隻の小型シャトルが煙を撒き散らしながら、無様に不時着する。
「レーラビくん...船、壊れちゃったよ」
「すまないぜ、無重力で海を思い出してしまったのだぜ...」


扉を開け降り立つ二人組...アルカ・クライアとレイル・レーラビだ。
「凄いや...僕達、ずっとあの星に居たんだね」
そう言いアルカは青色の惑星を指差す...
「ぜぜ、ドーナツみたいで綺麗だぜ」
「あはは、何それ」


(今頃ヘブンは...いや、これで良いのだぜ、こうしなければ君を守れないのだぜ)
レーラビは青色の惑星を眺め、何かを決意した。
「...レーラビくん、どうしたの?」
「...何でも、無いのだぜ」


ーーーーー


...一方その頃、惑星ヘブン。
破壊が蔓延し、燃え上がる市街地...人間側のアームヘッド達と、ぐんじょう色のアームヘッド《狂い人形》の大群が熾烈な戦いを繰り広げていた。


攻性粒子ブレード二刀流の機体《フランベルグ》と、そのパイロットのハリッコ・ハリヤーマン。
「はあ、このままじゃ残業最高記録を突破しそうだわ....」
長時間に渡る戦闘で、彼女も機体も限界に達しようとしていた。


しかし、狂い人形は容赦無くバトルプロペラを回転させ上空から襲って来る!
フランベルグは右手のテトラダイ刀で回転する刃を弾き、左手のテトラダイ刀で狂い人形の首をはねる!
「ああもう!しつこい!」


身体からホーンが切り離された事により、狂い人形のコクピットは弛緩...意識を失ったパイロットが排出される。
...だが未だ、上空には複数の敵。
デベロッパーの皆はもうここには居ない、一人で戦うしかないのだ。


ーーー
「レーラビくん、どうしよう...あっちで戦争が始まったって」
「ああ...そうみたいだぜ」
「みんな、大丈夫かな...早く助けに戻らないと」
ーーー


ハリッコの操るフランベルグは強く、多くの敵機を撃破した...だが、長く戦いを続ければ必ずミスは起こる。
「げ...これはちょっと不味いかも」
死角から打ち込まれた触手に貫かれ、フランベルグはビルに縫い付けられてしまったのだ。


そして、フランベルグに取り付いた狂い人形の触手が、隔壁をメキメキこじ開け始める!
「ちょ、無理無理無理!」
ハリッコの脳裏に、吸収されたパイロットの末路が浮かぶ!このままでは!


...が、ここで触手の動きが止まった。
狂い人形が何者かの砲撃により破壊されたのだ。
「無理...え?」
ハリッコは操縦席に抱きつきながら砲弾が飛んできた方向を見る、そこには...


「ごめんあそばせ...ですわ」
対アームヘッド榴弾砲を軽々と片手で担ぐ、青紫の髪の少女が居た。


次回「スネーク・フット②」に続く。


  • ハリッコ・ハリヤーマン
元デベロッパー職員の女性。
優秀なパイロット適性を持つが、デベロッパー解散後"アームヘッド最終反乱"に巻き込まれ...


  • フランベルグ:Ad-EX01
ハリッコ・ハリヤーマンの搭乗する、デベロッパーの試作型アームヘッド。
攻性テトラダイブレードを二門装備した、高機動近接機体。


  • 狂い人形:
アームヘッド最終反乱における、ファントム陣営の主力兵器。
生きた人間を生体ユニットとして取り込む能力で、機体性能を大幅に上昇させる事が可能。
(出典:アームヘッド三章ジ・エンド)



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最終更新:2017年03月08日 22:50