これまでのあらすじ
レーラビの姉、レレラの送信した謎のデータにより、《アンデッドバスター》の力を発現。
ファクトリーの刺客を退けたアルカとレーラビ。
だが、レレラの真の目的は二人を助ける事ではなく、ラギレスからオブシギアを奪う事だった。


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第24話「アルカとアルカ」


ファクトリーに最も近い人間の街"セクション30"。
「うっ.....」
レイル・レーラビは宿屋に到着すると同時にエネルギー切れを起こし、うつ伏せでベッドに倒れこんだ。
「わっ!大丈夫?」


「ぜぜ...大丈夫、前の戦いで少し体力を使い過ぎただけだぜ」
体力を消耗するクアドレイの形態変化の中でも、アンデッドバスターは特に消費量が高かったのだ。
「アルカ、すまないが何か食べる物を買ってきて欲しいぜ...」


ーーー


...そして、人が集まり活気付く市場!
「えーと、何がいいかな...ドーナツがあれば喜んでくれるんだけど」
「お嬢ちゃん、この漬けキノコはどうだい?精がつくよ!」
「えへへじゃあ後でレーラビくんに...あと僕お嬢ちゃんじゃないです」


「よし...これぐらいで良いかな、早く帰って一杯看病してあげたいな...」
大量の食品(その殆どがドーナツ)を袋に詰め、宿に戻ろうとするアルカだったが...
「見つけた、オリジナル」
「...へ?」


ーーー


一方その頃、宿で待つレーラビは...
「うう...アルカ、心配だぜ」
布団の中で一人後悔していた。
「女性と誤認されて悪い奴に襲われたら大変だぜ...やはり一人で出歩かせない方が良かったのぜ....?」


ーーー


....何者かに強引に手を引かれ、地下室に連れられたアルカは困惑していた。
「え...僕?女の子.....?」
なぜならその正体が、アルカに瓜二つの顔を持つピンク髪の"少女"だった為だ。


「...ボクはアルカ・クラララ・リグ。
ファクトリーのファントム...そして、君のコピーだよ」
アルカと名乗る少女は、アルカと同じ声で確かにそう言ってみせた。
「あの日レーラビさんに助けられてから、ずっと君の事を探してたんだ」


「そうだったんだ...僕はレーラビくんをファクトリーを目指して旅をしているんだ、良かったら君も一緒に....」
そこでアルカの雰囲気が変わった。
「...まだ、何も教えて貰って無いんだね、やっぱりレーラビさんは優しいな」


感情を抑えつつ、少女は語り始めた。
「...レーラビさん達ファクトリーの尖兵は、意図して造られた英雄なんだ。
この星の歴史上に存在する《英雄になれそうな人》のコピーを何人も作って、それを選別する....そうすればそのうち本物が生まれる」


「でも、そのプロセスには一つ問題があるんだ...」
「...問題?」
「完成したオリジナルが何処かで生きている限り、選別が完了する確率が限りなくゼロに近付くんだ」
「え....それって、終わらないって事」


「そういう事だよ...君がのうのうと生きている間にボク達は、何度も何度も何度も!!」
真実を知りへたり込むアルカに、アルカは追い討ちを掛ける。
「ボクは選別を止められない無力な自分が許せない...!」


「だから...今からボクが知る限り最悪の方法で辱めて、苦しめて、壊してあげる」
アルカはアルカの手首を掴み、力づくで押さえつけ.....!?


次回、第25話「アルカとアルカ②」に続く。



  • 尖兵
ファクトリーにより意図的に製造された、歴史を変える程の力を持ったヒーロー型ファントムの総称。
英雄の素質のある人間の複製を大量に生産、それらを何度も選別する事でそのうちの一体が尖兵となる。


  • セクション30
アザーフォビア付近に存在していた居住・観測エリアの名称。
堅牢な建造物のみを残し放棄されていたが、何故か野良アームヘッドが寄り付かない為ネクストエイジでは人間の街として発展した。




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2017年05月14日 18:30
添付ファイル