これまでのあらすじ
アルカ・クライアは、自分の複製体であるアルカ・クラララ・リグに出会い、ファクトリーと尖兵の真実、自らの行動の代償を知らされる。
だが、最早後戻りは出来ない。
呪詛の根源アザーフォビアはもうすぐそこに…


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第26話「呪詛の根源へ」


…朽ち果てたフェンスの向こう、壊れた金属柱が立ち並ぶ荒野を抜け…ついに二人は、旅の終着点"アザーフォビア"に到達した。
「…ねえ、レーラビくん」
「どうしたぜ?アルカ」
ひどく風化したゲートの前で、二人は立ち止まる。


「あのさ…レーラビくんは、レーラビくんのオリジナルの事…どう思ってる?」
レイル・レーラビは少し間を置いて、その問いに答え始めた…
「…セイル・ライラビット…結局その名前しか思い出せなかったぜ」


「運命がねじ曲がり、君と俺がこの時代、この場所に来る羽目になったのも、全ては彼が居たからだぜ」
「レーラビくん…」
「だが、今の俺がこれ以上思う事は無いぜ…彼と俺は意識や記憶を共有しない"別者"だからだぜ」


「べつもの…そうだったんだ、答えてくれてありがとう、レーラビくん」
アルカは何かを決心し、拳を握り締める。
「…何か、あったのぜ?」
「ううん大丈夫、僕の問題だから…」


ゲートを開き、先へ進むと円形に広がる大部屋。
所々経年劣化で崩れているが、壁面の機械はまだ生きており、青い光を放ち続けている。
「まだ動いてる」
「ここは時間の流れがおかしいのだぜ…」


「ところで…何故お前が此処にいるのぜ?」
レーラビの視線の先に、青い光を放つ柱の上には…シリーズRR、レレラが立っていた。
「…貴方達のレゾナンスギアを、頂きに来ましたの」


「そんな…レレラさんはファクトリーとは縁を切ったんじゃ」
「いえ、これはわたくしの意思ですわ…彼女には"記憶に干渉する装置"が今すぐ必要ですの」
レレラは日傘を開き、そこから"棺桶"を出現させる。


「ぜぜ!?」
レレラの持つ黒曜石のギアが黒い輝きを放つ!
「改めて紹介しますわ、彼女こそわたくしのパートナー…」
棺桶の蓋が開き、中から黒い粒子が溢れる!


「…レレラ、なんという事をしたのだぜ…」
棺桶の中にいた者は、男性用の黒いスーツを着た銀髪の女性。
「ハリッコ、さん…?」
かつてデベロッパーの仲間だったハリッコ・ハリヤーマンがそこに居た。


「…いえ、彼女はまだハリッコ・ハリヤーマンではありませんわ…」
レレラは無言で立つハリッコの顔を撫で、さらに続ける。
「オブシギアで肉体と生命は復元できても、記憶や人格だけは空白のままですの」


「アルカ、戦闘は避けられない…もはや倒すしかないぜ」
「レーラビくん…解った、僕も戦う」
アルカとレーラビはレゾナンスギアを取り出し、機体顕現の構えを取る!
『『クアドレイ、顕現!』』


「さあ…貴女の得意な戦いですわ」
「……」
レレラは黒曜石のギアを構え、ハリッコは静かに頷く!
黒い粒子の渦が発生し、その中で二人が溶け合う!
『『…デュアレイド』』


次回、第27話「呪詛の根源へ②」へ続く。


  • レレラ
レイル・レーラビの姉にあたる、2番目の尖兵。
人間ハリッコ・ハリヤーマンに特別な感情を抱いており、彼女の記憶を復元するためレゾナンスギアの強奪を狙う。

  • ハリッコ・ハリヤーマン?
アームヘッド・デベロッパーの職員として、アルカ達と共にメッサー本社と戦ったかつての仲間。
レレラの所持する黒曜石のギアにより生命活動は復元されたが、記憶の復元は出来ていない。


  • デュアレイド:ReRela
オブシギアを介して顕現した「生命」を司るアームヘッド。
全身を構築するナノ・アームヘッドを操り、身体構造の変化…そして"死者の蘇生"を可能とする。



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最終更新:2017年11月05日 21:37