これまでのあらすじ
レレラとハリッコの操る《デュアレイド》に《アンデッドバスター》のデータを奪われながらも、遂にファクトリーへ到着した二人。
不安を覚えるアルカ、焦るレーラビ…
近付く旅の終わり、そこで待つものとは…?


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第28話「呪詛の根源へ③」


レーラビは導かれるままゲートを開き…アザーフォビア内部施設"ファクトリー"へと辿り着いた。
「…ここまで、本当に長かったぜ」
壁や床は無造作に配置された配管で埋め尽くされており、常に何かを切削する機械の駆動音が響いている。


「待ってよレーラビくん!」
「すまないぜ、何かに呼ばれたような気がしたのだぜ…」
追いつくアルカ、虚空を見つめるレーラビ…
「気を取り直して先へ進むぜ」
「…うん」


二人は一本道を進み…壁に寄りかかった白いアームヘッドの残骸や、未完成の兵器群の前を通り過ぎてゆく。
「…アルカ、君は下がっているのだぜ」
何かの存在に気付いたレーラビは手でアルカを制止する。


「…そこに居るのはわかっている、出て来るのだぜ!」
直後、進行先の天井から、何かがべちゃりと音を立て落下する!
「チ、気付かれたか…」
ゆっくりと立ち上がる人影…紫の肌で緑の髪の男…ファクトリーのファントム!


「ヒヒ…俺は8番目の尖兵"リャレリャレイ・バルバルケルカル"…」
8番目の尖兵バルバルは両手に怪しい注射器を持ち、ガンアクションの要領で回転させている!
「名前は覚えなくていいぜ、お前達はここで仲良く死ぬんだからなァ…」


この狭い通路では機体の顕現は行えない為、レーラビは白兵戦闘態勢を取る…!
「死ヒャアーッ!!」
ジャンプ二連注射器刺突!速い!!
「ぜぬう!!」
バルバルの両手を掴み注射器を防ぐ!


反撃の蹴り!バルバルは衝撃を受け後ろに吹き飛ぶ!だが不敵な笑み!
「グエッ…ヒヒヒ」
レーラビの両手に異変!紫の液体が付着している!
「ぐあああ!何をしたのぜ…」
「毒だよ、苦しいだろ…?」


「だが、これ程の毒素…お前も無事では済まない筈だぜ」
「ヒヒ、俺はもう"慣れちまった"のさ!」
そう言いバルバルは新しい注射器を自分に突き刺し注入!
彼の紫の身体に、更に黒い斑点が浮かび出す!


…ファクトリーの尖兵は、"他の尖兵による攻撃"以外の外的要因では絶対に死なない特性を持つ。
8番目の尖兵バルバルは、その特性を利用し自身に猛毒を注入、人型猛毒兵器へと進化したのだ。
「くっ…不死身さの濫用だぜ」


「レーラビくん…」
一方その頃、アルカは少し離れた場所から二者の戦いを見守っていた。
(今、僕が出ても…足手纏いになるだけだ)
無力さを噛み締めるアルカ…


トトントトントントン…
何処からともなく御蓮太鼓のリズムが聞こえ始める…
「え…何?誰か居るの…?」
アルカの背後の風景が歪み、巨大な何かが姿を表す…光学迷彩だ!
「ゴッド・アンド・デス…」


「あ、あなたは…?」
そこに居た者は、マワシとガスマスクを装着した橙色の丁髷の巨漢…新手のファントム戦士!!
「アイアム…レジラベレリリレラ・アブソリュート・ゼロノヤマ…」


次回、第29話「呪詛の根源へ④」へ続く。


  • リャレリャレイ・バルバルケルカル
肌が紫、髪が緑色の男の姿を取った8番目の尖兵。
全身から猛毒が滴っている非常に危険なファントム戦士。
名前が長すぎる為「バルバル」と略される。


  • レジラベレリリレラ・アブソリュート・ゼロノヤマ
ゴレンの相撲レスラーの姿を取った9番目の尖兵。
戦闘用アームヘッド並みの白兵戦闘力を持つ、ファクトリー最強の実力者。
名前が長すぎる為「ゼロノヤマ」と略される。



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最終更新:2017年11月05日 21:44
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