これまでのあらすじ
トライアルとクアドアルの協力で、辛くもカドケウスを制したレーラビ一行。
この先に待っている尖兵は、ルラ・リリ・レギレイただ一人…。
……旅の答えは、もう、目と鼻の先に。


ストーリー:リターン・デイズ
第47話「救世計画リターン・デイズ⑥」


赤紫の髪の男…レーリレイが培養液のプールから復活し、レーラビがその手を取り引き上げる。
「レーリレイ…その、すまないぜ」
「構わんさ…どの道、変異したボディを放棄しなければ人間の姿には戻れんしな」


「リグ…大丈夫?」
「…うん、すごく痛かっただけで大丈夫だよ」
リグも遅れて目を覚ます。
「さあ行こう、この先にレギレイが居る筈だ」


レーラビ達は用心して次の部屋へ進む…そこは無数の筐体が整列するコンピュータールームだった。
「…レギレイ、観念して計画を全部喋るのだぜ」
その奥には、天井や壁から伸びるコード群を背中に接続している青い髪の女が一人。


「…いいでしょう、リターン・デイズ計画へのアクセスを許可します」
青い髪のファントム…ルラ・リリ・レギレイは、無数の金の歯車で構成された天体模型のような装置を取り出す。
「リターン・デイズ?…それにその機械は」


「…エクスマギア」
「レギ、知っているのぜ?」
歯車が回転を始め、部屋中に古代機械生命の映像が表示される。
「あれは…『まだヘブンが存在していた頃の宇宙』そのものを、データとして保存しているオーパーツだ」


「そう…ファクトリーはこの情報を解析し、未来の事象を予測していました。
…ですが、このデータの真の利用法は、他にあったのです」
「他、だと?」


「歴史改変により発生したレゾナンスギア…その能力は、記憶の復元」
「そして、その対になるオブシギア…その能力は、物質と生命の復元」


「3つのギアの性質を合わせれば、現行宇宙に過去宇宙のセーブデータを何度でも上書きする事が可能となり、無限にこの世界を延命できる…それこそが《リターン・デイズ計画》」


「だ…だが、レゾナンスギアとオブシギアの副作用は相当なものだ!そんなことすれば無事では…」
「…その為の器、最初の人を作る為の装置がエキスパンドギアなのです」
「だが…」「すわ…」


「…選別も、尖兵同士の戦いも、ギアの奪い合いも、全てはその停滞の為だったと言うのぜ?」
「ええ、結果としては」
「…だったらその計画を話すべきでは無かったぜ、俺はリターン・デイズとファクトリーを潰すぜ」


「…何故です?」
「最初の人になれる奴なんて居ないぜ…ずっと一人だなんて、耐えられるはずがない」
「…果たして、本当にそうでしょうか?」
「どういう意味だぜ」


「さあ、後で解りますよ……」
エクスマギアが黄金色の輝きを放ち…その光が部屋中を満たす!!
「ぜぜ!?」「レーラビくん!」


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『…ハロー、プリムラよ。
ここまで来た以上、一部始終は全部撮ったわ。
…その後、急に部屋中が凄い光に包まれて…光が収まった頃には、皆何処かへ消えて…ああ、アタシ、アイドルよりレポーターとかの方が向いてるかもしれないわね。』


次回 第48話「レプリカの宇宙」に続く。


  • ルラ・リリ・レギレイ(スペア)
ファクトリー6番目の尖兵にして、レギュレータ04の権限を持つ者。
彼女は《リターン・デイズ計画》進行の為に生産された個体である為、人間への擬態を必要としていない。


  • エクスマギア
宇宙船ファクトリーが保持していた、ヘブン人類史以前に作られたと推定されるオーパーツ。
本装置には多少の誤差はあるが《宇宙そのもののデータ》が保存されており、ファクトリーはその情報を利用することである程度の未来を予測できた。


  • リターン・デイズ計画
4番目の先兵レイル・レーラビの裏切りによる《レゾナンスギア》の発生を受け、レギレイが新たに設計したプラン。
《エクスマギア》に保存された過去宇宙をそのまま現行宇宙に上書き保存することで宇宙を延命する、真の救世計画。



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最終更新:2018年07月03日 21:59
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