これまでのあらすじ
アルカとレーラビを守る《クアドレイ》が砕け散り、セイル・ライラビットのファントム《LLLL(クアドエル)》が顕現した。
……もう、後戻りは出来ない。


ストーリー:リターン・デイズ 第53話「ターニング・ポイント②」


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…電脳空間からログアウトさせられたアルカは、現実世界…ファクトリーのコンピュータールームに転送されていた。
「レーラビくん…」
無数に設置されたモニターには、対峙する顔の欠けた輝く巨人と帽子を被ったアームヘッド。


「…アルカ、戻って来たんだね」
後ろから声を掛けられる。振り向くとリグとハリッコが居た。
「リグ、ハリッコさん…他の皆は…」
二人は黙り込む、アルカもそれ以上は質問できなかった。


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「…俺を複製し、無数の生命を複製し、最後には……」
LLLL(クアドエル)内部の結晶化した空間で、レイル・レーラビは静かに呟く。
「それは冒涜だ…破壊する」


レゾナンスギアの接近を感知した巨人は、棒立ちのまま欠けた頭部から由来不明の光線を放ち迎撃!
対するLLLLは自身を加速し、連続短距離瞬間移動…攻撃を回避しつつ距離を詰め、両腕のホーンを展開する!!


が、そのアームキルを予知した巨人は光線照射を中断…サイコキネシス攻撃へと移行する!
『…!!』
…LLLLの動きが止まり、少しづつ機体が圧縮されてゆく!!


ーーーーー


…無数の光の線が広がる空間で、赤いもやもやしたものがセイル・ライラビットに話しかけてくる。
(ぜぜぜぜぜ…セイル・ライラビット…)
「む…君は、複製体の人格か?」


(…いいや、正確には違うな。レイル・レーラビとは、一度バラバラになった"俺"と"お前"がミックスされた存在だぜ)
「何?ならば君は一体…」
(ぜぜ、無理に思い出さなくてもいいぜ…それより力を貸してやるぜ、あれを破壊したいんだろう?)


セイルが静かに頷くと、赤いもやもやは一気に大きくなり、空間を覆い尽くす。
(よし来た、俺が奇跡を起こす力を貸してやるぜ……アルカ・クライアを助けたときみたいにな)
何かが次々と書き換えられ、力が漲ってくる!!


ーーーーー

…動きを封じられたLLLLを破壊するべく、巨人は両腕を交差し極大破壊光線を放つ!!
『…はあっ!!』
覚醒したLLLLは咄嗟にサイコキネシスを跳ね除け、右手を翳す!!


翳した右手から赤と青の螺旋光線!巨人の破壊光線と激突し、爆発と共に対消滅!!
更にその爆発から飛び出したLLLLは"追憶剣レゾナンス"を引き抜き、巨人の頭部に突き刺す!!
『お前はただの機械だ!最初の人にはなれない!』


串刺しにされた巨人は、宇宙の情報を全て思い出しそのショックで悲鳴を上げもがき苦しむ!!
『◎◎◎◎◎◎ーーーー!?!?!!?』
…疑似宇宙空間が崩壊し、一番下のレイヤーである市街地の中央に巨人が落下する!!!


ーーーーー

次回 第54話「ターニング・ポイント③」に続く。


  • R(欠けた輝きの巨人):型式番号不明
世界の根幹にアクセスできる存在"最初の人"を模したアームヘッド。
バリア・サイコキネシス・原理不明破壊光線など常軌を逸した特殊能力を持つが、未完成である為電脳空間でしかその存在を維持できない。



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最終更新:2018年07月19日 20:16
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