これまでのあらすじ
「コールド・スリープ機能を備えた宇宙船でヘブン崩壊後の時代まで待ち、直接ファクトリーに突入する」という非常に無謀な作戦を決意したアルカ達に、遂に惑星ヘブンを去る日が訪れた。
全ては、大切なものを取り戻す為に・・・


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第59話「さよなら僕たちの」


惑星ヘブン末期、某日…小さな光たちが青い星から飛び立ち、宇宙へと旅立ってゆく。
セントラルニューメッサーシティの大戦艦「ドルザーエンプレス」を旗艦とする移民船団だ。


「…本当に宜しいのですか?初代様」
通信機越しに、現国王"旋律のケンバーン"が問いかける。
『お前達は過去に囚われず、未来へと突き進め…過去の因縁に決着を付けるのは過去の者の責務だ』
「了解です…どうかご武運を」


その言葉の後、船団から一隻の小型宇宙船が離脱…ヘブンから最も近い無人惑星に着陸した。
『…到着したぞ、手筈通りここでファクトリーを待ち伏せする…また会おう』
それだけを告げたオーバンは自身を休眠状態にし、一切動かなくなった。


「アルカ君」「オリジナル…」
「…うん、ツヴァイヘンダードライ、冷凍睡眠モード」
宇宙船内の倉庫に固定された白いアームヘッド《ツヴァイヘンダードライ》は、アルカ、リグ、ハリッコの三人を載せたまま、機体の冷却を開始する…


「…さよなら、僕たちの…」


ーーーーーーーーーー


それから…惑星ヘブンは崩壊し…長い時を経て、セットされたタイマー通りにアルカ達は目を醒ました。
「時間座標確認…完了。
 大丈夫。タイムパラドックスの心配はない、ファクトリーに向かおう」


「やっぱり…僕たち本当に…」
窓の外には何も無い不毛の大地と、真っ暗な宇宙の闇だけが広がっていた。
そう…惑星ヘブンはもう、この時代には存在しないのだ。


「うーん、少し前まで普通に仕事してた筈なんだけど…現実味に欠けるわね」
遅れて目覚めたハリッコは伸びをし、硬直した身体を元に戻す…
「…アルカ君も真面目に考えない方がいいわ、ただ目的だけを果たしましょう」


「ハリッコさん…ありがとうございます」
「いいのよ…私も君の事、応援してたんだから」
三人は予め冷凍しておいた食料を全て平らげ、倉庫から操縦席へと向かった。


◎ーーーーー◎


…時代不明、元ヘブン座標付近。
『…警告!コレ以上接近スレバ攻撃ヲ開始シマス』
無人の大型宇宙船"ファクトリー"のオート警告を無視し、一隻の小型宇宙船が接近を続ける。


『攻撃開始!』
対空砲から光線が射出され、小型の宇宙船は無残にも一瞬で破壊される。
『???』
…が!その残骸の中から、1機の白いアームヘッドが現れる!!


『ワハハハいいぞ!そのまま壁に穴を開けて突入だあ!』「私ハリッコだけど狭いわ」「オリジナル、頑張って!」
そして…その狭いコクピット内部には、一人の人間と三体の人ならざる者たち!


「…ツヴァイヘンダードライ、ファクトリーの攻略を開始します!」


次回、第60話「マスター・キー」に続く!


  • セントラルニューメッサーシティ船団
大戦艦ドルザーエンプレスを旗艦とする宇宙移民船団。
宇宙に旅立つ為、再び人間とアームヘッド…そして無数のシリーズRRRRR達が協力し、アルカ達と別れた後、新天地を求め旅立った。

  • ツヴァイヘンダードライ
惑星ヘブン末期に製造された特殊状況攻略用アームヘッド。
調和能力を応用したコールド・スリープ機能、宇宙空間での活動を想定したスラスターを装備しており、戦闘用でなく"小型宇宙船"に近い特性を持つ。



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最終更新:2018年10月17日 22:35