パピルサグ(10年8月発売)

全領域対応多脚型ナイトフォーゲル「ACS-001A パピルサグ」
※佳作入賞後販売元をMSIからドロームに変更し、設定を修正して再提出したもの。
つまり第2版。



主要データ

デザイン

曲線と直線の複合したデザイン。
どちらかと言えば曲線的な部分が多い。
異形にして巨大。

塗色は赤系。

歩行形態


悪魔を思わせる半人型の上半身に
蠍とカブトガニを足したような多脚型の下半身。

飛行形態時の胴体上部が歩行形態の上半身を構成。

独立した頭がなく、胸部と頭部が一体化したような構造。
前部は飛行形態時の機首。レーダー等飛行用センサーを内蔵。
頭胸部、機首の後ろ側に完全閉鎖型の球形コクピットを内蔵。
メインカメラは単眼状。。
装甲に入ったスリットの内側に複眼状のサブカメラが隠れている。

機体各部に外界把握用に無数の補助センサー。

両肩に大型のエンジン2機を搭載。
エンジン下から腕。
腕は機体の大型化により格闘戦時に腕が届きにくくなるという問題を解決するため
大型で特に下腕部が長い異様な形状をしている。

上半身と腰部は、ペインブラッドのような骨に似た機構で接合。
構造面だけでシルエットは余り似ていない。

飛行形態時の胴体下部が下半身を構成。

腰部ユニット中央部は上から見ると六角形のような形状。
後方に尻尾状のスタビライザーが長く伸びる。
前部から武装内蔵サブアーム「ブラストシザース」が生える。
後部左右、下側にエンジン2機が張り出す。

エンジン上部横に主翼が接続されている。
歩行形態時は折り畳んで上に向けられた状態。

エンジン横から左右に3本ずつ、計6本の脚。
脚は6本ともほぼ同じ構造のもの。

飛行形態


分厚くなったカブトガニまたはエイのような異様な形状。
もしくは上側に膨らんで尻尾と刺の生えたB-2爆撃機が近いか。

上から見ると一見大型の全翼機だが、
中央の胴体が膨れているので厳密には全翼機ではない。
尻尾と相まってスピリットゴーストと印象は大きく異なる。

本体を上半身は腹部を折り畳んで接合。
腕はエンジン下から横に上げた後折り畳みつつ後ろに向け、
主翼の下、折り畳んだ脚と翼の間に収容。
翼の下側の固定具で固定される。

頭胸部の前側が機首に。

腰部上側の主翼を展開。

脚部は蟹のように折り畳み関節をロックして収納。
ブラストシザースも関節を畳んで腰部ユニット下側に接合するような状態でロック。

腰に上半身と脚を折り畳んでくっつけるような構造の変形機構。

潜航形態

飛行形態から各部閉鎖で潜航可能のため基本的には外観は変わらず。

ただし格闘武器を保持するためにブラストシザースを展開するので、
飛行形態から下側の鋏を展開した形状になる。
腕の生えたエイかカブトガニのようなデザイン。

変形機構図


設定

機体説明

ドロームの開発した大型KV。
既存機と一線を画す異形のシルエットを持ち、その形状から魔人型とも言われる。
あらゆる状況に対応できる汎用性こそがKVに当初求められていたものであり、
これこそがKVが既存兵器と一線を画す最大の特性である、
つまりKVとは万能兵器である、との考えに基づき、
その思想を体現すべく徹底的に汎用性を追求して開発された全領域対応万能機。
この特異な形状は全領域対応を目指した結果によるものである。

飛行型をベースに機体構造に耐圧構造を盛り込んだことで限定的ながら潜水能力を備える。
これにより空陸水のあらゆる領域で戦えるKV初の3領域対応を実現した。
更に既存の全機体中でもトップクラスの拡張性も備えているが、
全領域対応と豊富なペイロードの両立を目指した結果、機体サイズが極めて大型化。
その代償として機動性が低下しコストも高騰、
更に万能型であるが故に余り秀でた能力がないと言う短所も抱えている。

モジュール化された複数のユニットの接合により構成される機体構造を持つ。
この構造により柔軟な機体構造を獲得し、各部の可動範囲が広くなっていて、
ユニット交換により整備を行えるため整備性が向上している。
この構造自体は本来は脚部の可動範囲拡大が目的で採用されたものである。

初の多脚型ということもあり、開発途中までは脚部の変形機構は独立稼動を必要としていた。
量産型では連動変形が可能となっているが、部分変形機構も残されており、
飛行・潜航形態で脚部を展開、陸戦形態で脚部を畳む等の中間形態をとることがマニュアルで可能となっている。
基本的にはこの機能に特に意味はないが、
発想次第で活かせるのではという理由でマニュアル操作機能が残されている。

なお、部分変形時も通常の変形と同じように行動力を消費する。

飛行形態から腕部を展開した特異な潜航形態を持つ。
この有腕潜水艇と呼ばれる形態によりある程度の機動力と格闘能力を両立した。

テンタクルス改のホバー推進技術を応用し、
各部のスラスターを噴射する事である程度のホバリングが可能。
とはいえ、装輪走行の代わりにホバー駆動を行うといった程度のもので、
能力修正や特殊な効果は持たない。

なお、常時ホバーを行っている訳ではなく、
通常時は歩行を行い、必要に応じてホバーを起動する方式となっている。

潜水能力を持つ機体のため、
コクピットは乗員の安全を考慮してフロート付きのイジェクションポッドにもなる
閉鎖式コクピットを採用。
大型の機体のためコクピット内のスペースにも余裕がありAU-KVにも対応可能。

型式番号はAdvanced All-round Armaments-complex type-Scorpionの略。
2文字目のCはcomplexの頭文字ではなくAが3つなので3乗を表すキューブから取っている。

機体愛称は独特の歩行形態から想起されたメソポタミアの伝説上の蠍人間の名が由来。

愛称から連想された蠍座α星のアンタレスに因み赤を制式色としている。

構造解説

機体後部にスラスターポッドを複数、節状に連ねて
尾の様な形状にしたヴァリアブルテイルスラスターを装備。
これは各関節の可動とそれぞれの節に搭載された推力偏向ノズルの可動により
推力方向を複雑に変化させることで機動力を向上する先進的な姿勢制御システムである。
このユニットの搭載により巨大化により低下した機動力をある程度補っているが、
それでも一般的な機体と比べると鈍重さは否めない。
なお、これ単体には特に能力修正等の効果はない。

パイロットの生存性を考慮した結果、
コクピットブロックは周囲を装甲で覆った球形の閉鎖式コクピットを採用。
このコクピットは緊急時には丸ごと射出されるイジェクションポッド式となっている。
更に、水中での戦闘を行う機体であることを考慮し、フロートが装着されているため、
水中で射出されコクピットは自然に水上へ浮かび上がるようになっている。

大型化により増加した重量を支える脚部の負荷分散と、
瞬発力より走破性と安定性を重視し二脚型ではなく
ほぼ同じ構造のもの六本からなる多脚型の脚部構造を採用している。
脚は強度的余裕を充分にとって設計されていて、
六本のうちニ本までなら損傷しても歩行に支障はない。
なお、ほぼ同一の構造をした脚を採用しているのは
部品数と稼動数の増加により悪化した整備性を補うためである。

モジュール化された複数のユニットを接合することで機体を構成するという設計を採用。
これによりチェック部位が多いことによる手間はあるものの、
必要に応じて損傷・故障したユニットを交換することで補修を行えるため、
前線での整備員への負担はある程度軽減されている。

腰部ユニット下側に固定武装として武装内蔵式サブアーム「ブラストシザース」を装備。
これはレーザー砲を内蔵した蠍の鋏状のサブアームで、
銃として使用する他に通常の腕と同じように武装マウントとして使用することが可能。
ただし破暁のサブアーム同様特殊な動作プログラムはないため
戦術的に特筆すべき効果は持たない。
爪の間からレーザーを発射するので物を持っている間は射撃を行えない。
飛行形態では関節を畳んで胴体側に接合するような形でロックされ、
固定式レーザー砲として使用可能。
このレーザー砲は大気中用と水中用の2つのSESを搭載することで、
戦場を選ばず使用可能という機体本体同様の万能兵装である。
反面汎用性を重視したため威力に難があるという欠点も存在している。
なお、鋏は頑強に造られているが、コーティング等を施さない限り
直接殴ってもバグアに有効な打撃を与えることは期待できない。

メルス・メスから入手したアルバトロスのデータと、
ドローム側で研究していた技術の複合により、
テンタクルスよりも洗練された耐圧構造を備える。
ただ、飛行能力との両立を目指したため、
この構造は潜水深度の増加ではなく耐圧装甲の簡易化を目的として使用されている。

飛行形態の各部を閉鎖しブラストシザースのみを展開することで潜航形態へと変形する。
この形態は強化変形機構による行動力を消費しない高速変形とは別方向での
水中での機動力と格闘能力の両立へのアプローチの結果と言えるものである。

飛行と潜水の両立の代償として性能を犠牲にしており、
潜航形態で機動力が低下するという欠点がある。
また潜航可能深度も浅く留まっている。
そのため、未だ発展途上の技術でもあるとも言える。

なお、耐圧性の問題で、水中での人形への変型は行えない。
(水中用キット装備時は可能だが、余り意味はない)

試作段階では脚部を独立可動させる必要があった。
その名残として量産型でも部分変形が可能となっている。
マニュアル制御により歩行形態から脚部のみを折り畳んだ形態や、
飛行形態または潜航形態で脚だけ展開した形態をとることができる。
ただし特殊な動作プログラムは搭載していないため戦術的に特筆すべき効果は持たない
基本的には無意味な機能だが、発想次第で活かせるのではという
傭兵の発想の柔軟さに期待したというのがこの機構を残した理由であるという。
また、活用されたならばそれによるデータ収集ができるという理由もある。

部分変形を行う場合も行動力は通常通り消費する。

飛行形態からブラストシザースを展開することは一応可能だが、
高速飛行中(高空マップ上)に実行すると腕がもげるという理由により禁止されている。
低速飛行時(低空マップ上)はそのようなことは起きないが、
飛行中に武器を振り回して白兵戦を行うとバランスを崩して墜落する恐れがあるので
こちらについても禁止されている。

各部スラスターの噴射により、限定的なホバリングも可能。
ただしグリフォンのような特殊効果や能力修正はない。
ブーストを使用すれば歩行形態での滞空する動作の応用で水上走行も一応可能。
ただし燃費が劣悪なため余り実用的とは言い難い。

なお、直接水中から空中に飛び上がることはできない。
離水するには一旦浮上する必要がある。

ホバーシステムは基本的にはテンタクルス改のものの発展形だが、
スピリットゴースト試作機の技術もスラスター配置と制御系等で部分的に参考とされている。

ブレス・ノウ、アグレッシヴ・ファング、SESエンハンサーの技術を応用した
アサルト・フォーミュラと呼ばれる複合強化システムを搭載。
これは敵機の機動予測とSESへのエネルギー注入により一時的に出力を増大させるものであり、
出力系統を切り替えることで攻撃・命中を上昇させるモードAと
知覚・命中を上昇させるモードBを選択して発動可能となっている。
性質的にも技術的にもファルコン・スナイプと似ている部分があるものの、
アサルト・フォーミュラは汎用性を優先して調整された為、上昇量では劣っている。

全領域万能機というこれまでにない野心的な機体のため、
一見設計面でも新機軸を多く盛り込んでそうに思われるが、
実際には大部分が既存の機体に用いられた技術の流用・応用・発展からなる
堅実な設計をしていて、新規技術の採用部分は少ない。
ある意味ではドロームの保有する技術の集大成的存在とも言える機体である。

こういった枯れた技術を主軸に設計が行われた理由は、
新鋭技術を導入することにより整備性の悪化やコストの上昇を懸念したというのもあるが、
何より汎用機には安定性が重要であるという考えが大きい。

重装汎用型という視点で見ると、
この機体はバイパーの後継であると言えるかもしれない。

飛行形態が同じ全翼機ということでよくスピリットゴーストと比較されるが、
実際のところ設計思想も想定されている運用方法も大きく異なるため
共通項は全翼機という部分くらいしか存在しない。
スピリットゴーストが展開能力の高い砲撃機として設計されているのに対し、
パピルサグは状況対応能力の充実を主眼において開発されている。
またパピルサグの装甲は比較的曲線的な形状であり、
長い尾と相まってスピリットゴーストとはかなり印象が変わっている。

頭部がないという独特の形状も
MSIが試作機を公開したが2010年7月現在未だ制式採用の目処が立っていない
射撃戦KV・ガンスリンガーとの類似を指摘されるが、
本機の頭部がないのは耐圧性の向上を意図したものであって
特にガンスリンガーとの関連性はない。

機体諸元

飛行・通常最高速度 M1.68
飛行・ブースト最高速度 M5.49
飛行・巡航速度(経済) 902km/h

歩行最高速度 31km/h
装輪走行(ホバー) 335km/h(瞬間)

潜水・通常最高速度 M0.04(27kt/h)
潜水・ブースト最高速度 M0.07(46kt/h)
潜水・巡航速度(経済) 34km/h(18kt/h)

全長 28.1m
本体長(テイルスタビライザー除く) 18.6m
全翼 27.5m ~ 33.9m
全高 6.2m

空虚重量 36.8t(20.9tに軽量化)

直立時の全高 17.8m
歩行形態・全幅 19.1m
歩行形態・全長 23.4m

乗員 1名(簡易補助シートあり)

スペック

装備力とスロット数は極めて高い。

潜水能力付加のために装甲が厚く防御・抵抗高め。
大型なので生命は高め。反面回避は低い。
万能型なので攻撃と知覚は同等。

拡張性と特殊機能を優先したので他の能力は全体的に値段の割に低目。

攻撃200
命中220
回避80
防御260
受防260
知覚200
抵抗260

装備600
行動3
生命200
練力160
移動3

副兵装4(うち固定武装1)
アクセ5

固定武装

ブラストシザース

副兵装 非物理
命中20 知覚20 射程15 重量50

SES搭載武器。ドローム製。パピルサグ固定武装。
装弾数24。一度に6発使用。リロード可。
蠍の鋏に似た形状の武装内蔵型サブアーム。
爪の間にレーザー砲を搭載し非物理射撃攻撃を行える。
更に通常の腕同様の武装マウントとしても使えるが戦術的に特筆すべき効果は持たない。
なお武装マウントとして使用中は射撃は行えない。
飛行時は関節を畳んでロックされ、固定式レーザー砲として運用可能。
大気中用と水中用のSESを搭載により場所を問わず使用できる。
この武器は空中・陸上でも水中でも使用可能。

スキル

有腕潜水艇モード

飛行形態から各部を閉鎖しブラストシザースを展開して潜航形態へ変形。
耐圧構造と機体各部の閉鎖により水中での行動が可能。
腕(サブアーム)を展開する為格闘攻撃も行える。
ただし潜水能力は本格的な水中機には及ばない限定的なもので、潜航可能深度は浅く、
耐圧のため空陸用スラスターを閉鎖するため機動力も低下する。

なお、離水の為には水上に浮上し、腕部を開放した後で、高度変更の行動力を消費する事になる。
水中から空中への離脱は出来ないことに注意。

また、安全の為水中での歩行形態への変形及び飛行中のブラストシザースの展開は行えない。

深度75mまで潜航可能。
潜行中は消費練力が3→5に増え、更に回避-20、移動-1の修正を受ける。
変形には通常通り行動力1が必要。

(水中用キット装備時は75mまで歩行形態で潜行可、
ダイバーフレーム装備時は潜航形態で200mまで潜航形態で潜行可、
両方装備時は200mまで歩行形態で潜行可)

アサルト・フォーミュラ

ブレス・ノウ、アグレッシヴ・ファング、SESエンハンサーを基にした複合強化システム。
出力系統の切り替えによって物理・非物理双方に対応している。
汎用性を優先したため類似スキルのファルコン・スナイプに上昇量は劣る。

▼アサルト・フォーミュラA
敵機動の予測とSESへのエネルギー付与により一時的に出力を増大させるスキル。
モードAは物理攻撃用。練力を消費し攻撃と命中を高める。

練力20を消費。1ターンの間攻撃・命中に+50の修正を受ける。
アサルト・フォーミュラBとの併用はできない。

▼アサルト・フォーミュラB
敵機動の予測とSESへのエネルギー付与により一時的に出力を増大させるスキル。
モードBは非物理攻撃用。練力を消費し知覚と命中を高める。

練力20を消費。1ターンの間知覚・命中に+50の修正を受ける。
アサルト・フォーミュラAとの併用はできない。

予備資料

設定補遺

開発経緯

本機は傭兵向けのKV販売で遅れをとっていたドローム社が、
最大手メガコーポの誇りと威信をかけて送り出した機体である。

銀河の高性能汎用機シラヌイの成功や、
MSIのディアブロ及び(ドロームから見れば実質的に子会社の)メルス・メスのディスタンの初期機体採用、
奉天が将来的な宇宙機開発を見越して開発を開始した天、
これらに対抗するためにドロームは汎用性の高い万能機の開発を決めた。

最も汎用性に優れた機体とは何かを検討した結果、
あらゆる領域に対応できる能力を持つことと、
そのために状況に応じた様々な装備を選択可能な機体、
つまりKVという兵器の原点を突き詰めた機体を開発することとなった。

他社の次世代型KVの存在が開発理由の一因であるということもあり、
本機はドロームの技術を結集した次世代標準の指標でもある。

先進的全領域武装複合体という呼称はここから来ており、
現在の「KV」という概念の次の段階の兵器目指すという野心的な意味合いが込められている。

野心的な発想や特異な外観からは一見想像もつかないが、
当機は既存技術の集積と応用によって設計された「堅実な」機体であり、
実はバイパー、スカイタイガーの後継を意識している。

これらの点から見ると、
次世代機でありながら思想的な原点回帰と現行技術の集大成を果たした機体であるとも言える。


バリエーション

傭兵向けに供与されているA型以外にも幾つかのバリエーションが存在する。
試作機も含めるとかなりの量になるが、ここにその一部を記載しておく。

▼XAM-000
原型となった初期案。
完全に人型からかけ離れた姿をしていて
円盤状の胴体から直接長い腕と6本の脚が生えるという異形の機体。
蟹のような外見。
汎用性と柔軟性の向上を求められて再設計が行われ、
上半身を備える半人型の機体へと再構築された。
ACS-001の有腕潜航形態はこの案を元にしており、
XAM-000の脚を折り畳んだのとシルエットはほぼ同じである。

因みにこの案を元にした歩行戦車型KVという案が生まれ、検討されたが、
陸戦機では大きなシェアが見込めないと判断され、計画のみに留まっている。

型式番号はExperimental All-round Moduleの意。

実機は建造されていない案のみの機体。

▼XAS-000-1~5
機体構造と変形機構の検討の為のテストモデル。
XAM-000を半人型へと再設計するにあたって、
幾つかの異なる変形機構が検討された。

提案された5つの試案をシミュレーター上で比較検討した結果、
タイプ5をベースとすることとなり、
その後はシミュレーターでのデータ収集が行われ、
全シミュレーション過程終了後実機を建造しての試験に移行した。

型式番号はExperimental All-round Armaments-complexの意。
3文字目のSはAが2つなので2乗を意味するスクウェアからとられている。

採用されたXAS-000-5はACS-001とほぼ同じ外観だが、
1~4は変形機構が異なったため印象の異なる姿をしていた。

やはり実機が建造されていない、シミュレーター上のデータのみ存在する機体。

因みに型番末尾の番号は第○案を表している。

▼XAC-000
シミュレーターでのXAS-000-5のテスト結果を元に建造された試作機。

試作機でのテストの進行段階によって仕様の異なる試作機が複数制作され、
また、同じ機体でも何度も改修を行ったため時期によって細部が異なる。

以下は実戦可能な装備を施して最終テストを行った機体「XAC-000-6」についての解説。

外観は量産型と違いは無いが試作機であることを示すため塗色が異なる。
この機体にはテストパイロットの趣味で淡い金色の塗装が施されていた。

型式番号はExperimental Advanced All-round Armaments-complexの意。
これまでにない革新的機体という意味合いでAdvancedを冠され、
それによってAが3つになったため、3字目が2乗のSから3乗のCに変わっている。

XAC-000-5までの試作機は既に解体され現存せず、
XAC-000-6は最終改装が行われACS-000と型番が変更された。

なお、XAS-000と違いこちらの型番末尾の番号はバージョンを示す数字。

▼ACS-000
量産試作機。
XAC-000-6に改装を施し、量産化にあたっての最終調整を行った機体。
制式採用が見送られた装備やテスト用の機材が取り除かれ、
細かい不具合の修正のための改良が行われた。

この機体はその後試験用機材として使用されている。

▼ACS-001B
正規軍向けの仕様。
A型より拡張性は下がっているが、基本性能が引き上げられている。

拡張性より基本性能を優先したのは、
傭兵のほうが軍人より装備選択の自由度が高く、
高レベルの強化も行い易いという理由による。

外見的にA型との違いはないが標準色が異なり青く塗られている。

▼ACS-001C
正規軍向け、指揮官仕様。
B型よりも通信機能が強化され、C4I能力を付加されている。
また、エンジン出力の強化と装甲の増強によりB型よりも若干性能が向上している。

位置付け的にはシラヌイS型甲に近いが、ノーマルのシラヌイとS型程の性能差はない。

外見は塗色が違い紫系に塗られていて、
頭部に一角状の大型ブレードアンテナを搭載しているのが特徴。

非採用機材

プロトタイプで実験されたが不採用となった技術。

▼次世代型制御システム
機体の部分的な駆動制御による柔軟性の向上及び、
反応速度の向上を目指して試作された新型コクピットシステム。
コクピットとOSと専用パイロットスーツのセットからなる。

左右の操縦桿は前後左右斜め以外に引っ張りと押し込みと捻りに対応し、
五指に対応するトリガーが備えられた特異なものを使用し、
それと5つのフットペダルとキーボードと組み合わせて操縦するという複雑な機構が特徴。

また、パイロットスーツとコクピットにはセンサーが増設され、
脳波と体電流を測定して反応速度向上を狙っていた。

更に視線入力と音声入力も補助として備えられていた。

このコクピットは余りに実験的過ぎた為
枯れた技術の応用による堅実な機体には合わないとされ採用が見送られた。

テスト用OSには各部の駆動チェック用にフルマニュアルモードが存在し、
フルマニュアル時は殆どの部位を独立させて稼働させることが可能。
ただしこのシステムはあくまでもデータ収集用のため操作が極めて煩雑で、
戦闘時は通常モードで制御していた。
エミタAIのサポートを受けているとはいえ、
戦闘中にマニュアル制御を行うのは複雑すぎて隙が大きく現実的ではないと思われる。
上記の通りテスト用のため当然量産型への搭載も最初から考慮されていない。

▼水上移動ホバー
グリフォンに対抗すべくホバーの推力を強化し水上移動能力を付加する試み。
MSIのようなモーション制動技術のノウハウがなかったため開発は難航。
地面を蹴る事ができない分の機動力低下を解決できず、
また、機体重量を支えるための推力を得ようとすると燃費が劣悪となるという問題により
実用レベルに達しないと判断され採用が見送られた。

なお、量産機もブーストによる空中浮遊の応用的な動作を行えば、
擬似的な水上移動は可能であるが、燃費が悪く安定性も悪いため実用的とは言い難い。

▼低空飛行格闘
低空を低速で飛行時(低空マップ上)に格闘攻撃を行おうという試み。
2つの方法が検討され、どちらも不採用となっている。

まず、ホバースラスターの応用についてだが、
これは水上移動の実用化中止に伴って中止された。

もう一つの方法として検討されたのは、部分変形による格闘である。
飛行形態からサブアームのみを展開した状態での飛行については、
高速飛行中(高空マップ上)は機体強度の問題で不可能とされたが、
低速での飛行時は理論的には可能ということで検討された。
しかし、航空機として飛行している状態で武器を持った腕を振り回すと、
バランスを崩し墜落の恐れがあるためこれも廃案となった。
一応量産型も飛行形態でサブアームを展開すること自体は不可能ではないが、
これらの問題から禁止されている。

気流制御力場発生装置の搭載も検討されたが、
フェニックスとの差別化、搭載スペースの問題、コストの問題などで見送られている。

▼水中機動力向上計画
気流制御力場発生装置の搭載が検討された時に提案された案。
気流でなく水流を制御することで機動力の低下を補うというもの。
実現には気流制御力場発生装置を大幅に改良する必要性があることと、
そもそも装置の搭載自体が見送られたことにより計画中止となった。

なお、廃案が早かったため、
実現可能かという技術検証も殆ど行われていない。
そのため実現可能であったのかすら不明瞭である。

▼尾部兵装
蠍人間の名を付けることが決定されたことから提案された計画。
尾に武装を搭載することでより蠍らしさを増そうと思った技術者の発案。
可動する尾に針や銃を搭載し敵の意表を突く、
銃を搭載またはスラスター噴射炎に攻撃力を持たせて後方防御用に使用する
……と、いった案が提案されたが、
有効性やコストの問題、更には機動力を補うことが優先されたためいずれも廃案となっている。


推奨装備案

▼DR-3荷電粒子砲
銃アイコン
主兵装 非物理
命中30知覚160射程40重量280
装弾数8。一度に2発使用。リロード可。
両肩に装備する2連装式の荷電粒子砲。
カートリッジのエネルギーを内蔵した専用増幅器で増幅して使用するため
発射時に練力を消費しないが、威力は低めに留まっている。
また、機構が大型化したため非常に重量が嵩むという問題点もある。
製造施設は完全閉鎖されていて内部機構もブラックボックス化されている。
強化不可。

▼KA-02エネルギー集積砲
ミサイルアイコン
主兵装 副兵装
攻撃110命中50射程50重量140
装弾数4。リロード可。
KA-01試作型エネルギー集積砲を改良した空対空エネルギー砲。
威力と命中精度を保ちつつ射程と装弾数を強化した。

▼水陸両用練機槍斧「ランツクネヒト」
槍アイコン
主兵装
命中10受防5知覚80射程5練力-30重量160
長さ15m程の長大なKV用ビームハルバード。
柄のスイッチを押すと導体がビームを帯び非物理ダメージを与える。
大型ゆえの取り回しの悪さを補い、突進力を強化するために各部にブースターを装備。
その推力により長い射程を持つが代償として燃料効率が悪化する。
水陸両用の為2系統のSESを搭載したことにより重量も増加してしまった。
この武器は陸上・水中両方で使用できる。

▼水陸両用ソニックネイル「バンシー」
剣アイコン
主兵装 副兵装
攻撃100命中15受防10射程0練力-40重量50
KVの両手に装着する篭手。
リッジウェイ改のヘッジローを元に開発された高周波振動兵器。
5指の動きに連動して爪が可動し、柔軟な動きが可能。
この武器は陸上・水中両方で使用できる。

▼対空垂直発射ミサイル
銃アイコン
主兵装 副兵装
攻撃40命中50射程40重量50
装弾数12。一度に4発使用。
VLS式のミサイルランチャー。
対空攻撃を主眼に調整されたミサイルを上方へ撃ち上げる方式で発射する。

▼D-10水陸両用突撃銃
銃アイコン
主兵装 副兵装
攻撃30命中15受防5射程20重量60
装弾数18。一度に3発発射。リロード可。
扱いやすさと汎用性を重視したアサルトライフル。
取り回しはよく水陸両対応だが性能は抑えめ。
この武器は陸上・水中両方で使用できる。

▼50mm4連装長距離魚雷
魚雷アイコン
主兵装 副兵装
攻撃20命中40射程80重量80
装弾数20。一度に4発発射。リロード不可。
射程を重視した魚雷。
水中用武器の中でもトップクラスの射程を持つが威力は低い。

▼フレキシブルシールド
アクセサリ
防御5受防20抵抗15重量30
両肩等に装備する可動式シールド。
自動または手動で制御されるサブアームの先に小型の盾が付いている。

▼複合装甲「レムレース」
アクセサリ
回避-30防御25抵抗30生命10重量70
追加装甲「スペクター」を改良した追加装甲。
拡張性を損なわずスペクターよりも装甲強度を上昇させたが、
重量が増加し装備負荷と運動性能の低下率が悪化してしまった。

雑文

スペシャルサンクス

紀藤トキGSD
聖真琴
アルヴァイム

付記

もしパピルサグの後継機を作りたい人がいるなら質問があるなら答えますよ。
最終更新:2011年04月28日 20:55
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