「井の中のふたり」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
井の中のふたり - (2021/07/26 (月) 08:43:47) のソース
*井の中のふたり ◆M91lMaewe6 俺が目を開けると、さっきと変わらない夜の風景がそこにあった。 見張りを終えた俺はすぐに寝付き、すぐに目が覚めてしまったようだ。 俺はさっきまでのレナを思い出した。あまり大丈夫そうには見えなかった。 俺もそうだったけどあいつも出会った時、かなり殺気立ってたような気がする。 俺よりも……あいつが休んだほうが良いんじゃないかと思う。 ……もう少し横になれば、起きてレナと見張りを交代できるくらいにはなれるよな。 そう考えながら、俺は支給品のことを考える。 レナの鉈とコンバットナイフ。 武器は武器だが正直言って、心細い。 もし他の参加者の支給品の中に銃器があるとする。 殺し合いに乗った奴がそんなのを持ってたら、俺とレナは太刀打ちできないだろう。 ……闇討ちして、怪しい奴から奪う手を思い浮かべそうになるがやめる。 最初からこんなんじゃ、協力して脱出なんてできっこない。 表に出てしまったらどうするんだ。 それに……できれば銃なんて使いたくない。 俺は雛見沢に来る前の忌まわしき過去を思い出し、ため息をついた。 魅音達とそれ以外の参加者を味方につける。これは脱出する必要条件だろう。 だけどそう簡単にうまくいくとは思えない。 俺達もそうだが、向こうも他人を易々と信用しないだろう。 俺達と他の参加者に共通する、明るい材料がほしい。 俺はそれを探すべく、ゲーム開始時のギガゾンビのルール説明を思い出していった。 ★★★ 「……」 案の定、レナは緊張した様子だった。 俺はわざと物音をたて、小声でレナに話しかけた。 「おい……レナ……」 「……け、圭一くん、まだ早いよ」 「見張り、代わろうぜ」 レナはきょとんとした表情で目をぱちくりさせた。 「お前、俺より疲れてるだろ?放送になったら起こしてやるから」 「え?どうして?駄目だよ」 思った通りの反応だった。 俺はそんなレナを見てしょうがないなと思いつつ言った。 「だったら一緒に起きてようぜ。俺、また疲れたら寝るからさ」 「…………う、うん、分かった」 レナは迷っていたが、渋々そう答えた。 俺は少し距離を取りつつ、レナの背後を守る形で座り込む。 「…………」 「…………」 俺達は一言も発しないまま、ただ時間が流れていくのを感じ取る。 俺はさっき浮かんだ策をいつレナに言おうかと、タイミングを見計らっていた。 レナから話しかけてくる様子はない。 首輪への恐怖を抑えつつ、多分時間にして2.30分位経ってからレナに話を持ちかけた。 ★★★ 放送前後の方針を決めた俺達は少しずつ、北へと進む。 上を見上げると、空が少し明るくなったような気がした。 もうすぐ、放送か? 「圭一くん……本当に……」 「……ああ」 レナは気が進まない様子だった。 俺も逆の立場だったら反対してたかも知れない。 だが、力も武器も貧弱な俺達が生き残るには色んなものが必要だ。 俺はこれから試す。地図の外に出たら、どうなるかを。 即、首輪を爆破されるかも知れないとレナは危惧してるようだ。 その点については俺は大丈夫だと思う。 わざわざ、これだけ大がかりな舞台を用意したんだ。 あの時に奴に食って掛かった人達はともかく、余程のことがない限り、 他の参加者相手に自ら手を下すことはないだろう。 万が一の心配もあって、それも怖いが……その為の確認だ。 もし爆破されないなら、奴のゲームに対する姿勢もある程度分かるし、 奴の居場所も地図の中の可能性が高くなる。 他の参加者も既に試してるかもしれないが、俺とレナがその情報を得るだけでも価値がある。 そう信じたい。 俺はレナを手で制し、前へ進む。 雛見沢に来る前の俺とは違うという証明のための前進でもある。 「…………」 背後にレナの息が聞こえた。俺が声をかける前にレナは言った。 「私も……一緒にいくよ」 俺は犠牲になるとしたら俺一人でいいと、止めようとする。 レナは俺を追い越すと前へどんどんと進んだ。 俺はあわてて追いかけた。 空が光ったような気がした。 放送が始まった。 『警告します。禁止区域に抵触しています。 あと30秒以内に爆破します』 【A-2森・北部 初日 早朝】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:正常。 [装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:魅音、沙都子、梨花との合流、ゲームの脱出。 2:高校へ向かい、人が出るのを確認してから中に入る。情報収集。 3:マーダーと出会ったらレナを守る。殺すことに躊躇はあるがやる時はやる覚悟。 4:仲間になりそうだったら様子を見た上で判断する。 5:レナが心配。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:比較的正常。祟りへの恐怖。 [装備]:コンバットナイフ [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:魅音、沙都子、梨花との合流、ゲームの脱出。雛見沢に戻って、オヤシロ様に謝る。 2:圭一の方針に従う。 3:マーダーと出会ったら容赦なし。どちらかというと武器は圭一が持ってる鉈がいい。 4:仲間になりそうだったらは圭一の判断に従う。 でも自分の判断でダメだと思ったら、可能であれば殺す。 5:もしも脱出が不可能なら……? *時系列順で読む Back:[[Unknown to Death. Nor known to Life]] Next:[[Is he a knight?]] *投下順で読む Back:[[Unknown to Death. Nor known to Life]] Next:[[Is he a knight?]] |62:[[敵はどこだ]]|前原圭一|124:[[Lie!Lie!Lie!]]| |62:[[敵はどこだ]]|竜宮レナ|124:[[Lie!Lie!Lie!]]|