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Birth&death - (2022/06/10 (金) 23:23:55) のソース
*Birth&death ◆Ua.aJsXq1I 本当に気楽でいいな、圭一君は…… 私は、あの2人(?)が怪しげな事をしていないかどうか警戒しているのに、圭一君はお構いなしにどんどん歩いて行く。 今までこういったことをしなかった分、余計に疲れを感じた。 しかし、ここでめげるわけにはいかない。圭一君の命もかかっている。 レナは、すっと心臓に左手をあてる。 大丈夫、落ち着いてる。呼吸も正常、精神も安定してる。 クールに、クールになれレナ。本当の敵は一体どこにいるんだ? 彼らが人間じゃないってのは確かであった(故に必要以上に警戒しているのだが) さらにいうならば、その実力に関してはどちらとも不明である。 しかし、ソロモンにおいては確実に強力な力を持っているはず…… それこそ私達が四人がかりで襲っても勝てるかどうか、というレベル。 しかし彼だけなのだろうか? 否、他に強力な力を持っている奴はいるはずだ。 頭がよさそうなソロモンの事だ、きっと同じ事を考えてるに違いない。 じゃあそういった敵に出会った時、ソロモンならどうする? 私達と一緒に戦う? 多分そうだろう……小夜って人の危険が追い払われるのだから…… しかし考えろレナ、私や圭一君(次元さんはわからないが)のようなただの一般人は、むしろ足を引っ張ってしまう。 もし自分が生き残る可能性を1%でも増やそうとしたらどうする? 仮に騙して殺すより、生かして自分の盾にする方がよいのでは? ……痒い、なんでこんなに痒いのだろう 蚊にでも刺されたのか? いやそれでもこの痒みはおかしい……首周り全体が痒い…… 耐えろレナ、落ち着けレナ、どうやったら自分の盾に出来る? 私だったらどうする? 「大丈夫ですか?」 私はいきなりの言葉に驚き、体が止まった。 気付くと目の前にはソロモンが立っていて、後ろの方では圭一君も心配そうに見ている。 どうやら次元さんが、私の様子を見てソロモンに言ったのだろう。 実際首周りが痒いのだが、平気な振りを装った。 「え? あ、はい大丈夫ですよ」 ―洗脳― その間にも私の頭の中に浮かんできた言葉。 そうだ、私達を操り人形にすればいいのではないか? それならば弾除けぐらいにはなるだろう、という考えか? そして確かに実行しそうである。 と、私の目は大きく見開いた。 ソロモンが、胸ポケットから何かを取り出そうとした。 私は反射的に、これまでにない早さで後ろに下がる。 「大丈夫ですよ、僕はこう見えても医者なんですよ」 私の警戒心を解くつもりなのか少しだけ笑みを含めた。 正直その笑みの裏側で悪どい事を考えてそうだが…………待て、今なんて言った? 医者? 私は一瞬監督の顔を思い出したが、振り払った。 医者――という事はもちろん薬とかに詳しいはず。 薬――を注入する為にはもちろん注射器が必要になる。 「症状を聞くだけですよ、心配しないでください」 そして胸ポケットから取り出した物が見えた。 それは――紛れもない注射器であった。 「来るなぁ!!」 私は声を荒げてソロモンに制止をかけ、鉈を強く握った。 その様子に、少なからず全員が驚いている。 落ち着け、相手も手荒な真似は出来ないはず…… やはり敵は私の目の前にいた。 しかし、尻尾をつかんだというのに、相手に逃げ道を作ってしまった。 医者だから――注射器を仮に持っていたとしてもなんら怪しまれない、というわけか。 ならば医者という発言が嘘なのか……? ならばこの痒みもソロモンの仕業? いや過ぎた事を考えても何も変わらない。 問題はこの後、だ。 様子見なのか、相手はこちらとの間合いを詰めてくる様子はない。 それはつまり実力行使に移る気はあまりない、と捉えてもよいだろう。 下手に手を出したら、圭一君や次元さんが黙っていないはず。 私はとりあえずある事を聞きたかった。 「その注射器で何をする気なのですか?」 「注射……ですか?」 ソロモンが答えるのに少し時間がかかった。まるで何を言っているんだ?という感じで…… 私はソロモンの右手の方を指した。そりゃあ「あなたを洗脳するためです」とか言うはずがない。 しかし、圭一君や次元さん、蒼星石にはソロモンの背中しか見えないはず。 ここで注射器の存在を知らせるのは、悪い方向ではないと思った。 すると予想通り、圭一君がソロモンさんの隣に並んだ。蒼星石も一緒だった。 何やら小声で話している。2人とも注射器の方を見ているので、きっと内容はソレだ。 何を話しているのかはわからない。しかし、ここで襲ってしまっては何より圭一君を裏切ってしまう。 圭一君……圭一君は私の味方だよね? 「圭一君……」 私は圭一君に助けを求めた。 可能ならば圭一君とこの場から去りたかった。 説明は後ですればよい。圭一君だけは私の方に来て欲しかった。 何となく壁が出来ていると感じ、とにかく私は圭一君にこっち側に来てほしかった。 しかし、 「レナ……少し休まないか? 寝たらきっと治るからさ」 私は一瞬頭の中が真っ白になる。 え? え? 何を言ってるのかな圭一君? 何で休まなければならないの? 寝ちゃったら最期、ソロモンの言いなりになっちゃうよ? 治るって何? この痒み? ソロモンは何を圭一君に言ったの? 「圭一君……? 私の事を信じてくれないの?」 嘘だよね? 圭一君はずっと仲間なんだよね? 裏切ったりなんかしないよね? いつの間にか次元さんも近くにいた。 レナの頭の中に最悪な状況が入り込んでくる。 「いや……そういうわけじゃないんだけど……とりあえずソロモンさんの言うこと聞こうぜ……?」 言葉が出なかった。私は圭一君がとても憎い存在に感じた。 何でソロモンの肩を持つんだ……新しい仲間の方が大事って事かな、かな? 違う! 圭一君はそんな人じゃない! じゃあ何で!? レナにとっての最悪な状況、それは…… ―圭一君や次元さんがもう洗脳されている― 何かが切れた感じがした。 私は洗脳されない、洗脳されるならここで死んだ方がマシだ!! 間合いを詰めながら鉈を振り上げる。 それに感付いたソロモンは圭一君を、次元さんは蒼星石を抱えて距離をとった。 「レナさんは幻覚症状にかかってると思われます」 ソロモンは、レナに聞こえないぐらいの声で言った。 圭一と、それについてきた蒼星石は驚く他なかった。 ソロモンは続ける。 「このシャーペンを注射器と間違えています」 と、言いながらソロモンは手に持っているシャーペンに視線を向けた。 2人も視線をそっちに向ける。 「原因は不明ですが、おそらく極度の疑心暗鬼やストレスからだと思われます。 しかし、なぜこれだけを注射器と見間違えるのはわかりません……」 「その……治る方法はあるのですか?」 「治療薬がない今はとりあえず体を休めるのが第一条件です。 しかし、私の言う事は聞いてくれない様子なので、圭一君から伝えてくれませんか?」 ソロモンの提案に黙って頷く圭一。 しかし、彼の頭の中ではなにか引っ掛かる点があった。 それは彼自身がこのような状況に陥った……気がするのであった。 「圭一君……」 と、いきなりレナが優しい声をかけきた。 確かに、今までずっと仲間だった圭一になら耳を傾けてくれるかもしれない。 そういう思惑があった。 圭一も同じように出来る限り優しい声を出した。 「レナ……少し休まないか? 寝たらきっと治るからさ」 レナは圭一の言葉を聞いた瞬間、キョトンとした目になった。 まるで自分にとって予想外の出来事にあったかのように…… 「圭一君……? 私の言うことが信じられないの?」 圭一自身『幻覚』という言葉は使わなかった。 使ったら余計な誤解を招く物だと思っていた。 ここで圭一やソロモンらの勘違いが一つだけあった。 レナの幻覚症状のきっかけはソロモンや蒼星石と出会った時、『力』を持った存在との行動。 そして、その症状は他ならぬ極度の疑心暗鬼から起こったのであった。 「いや……そういうわけじゃないんだけど……とりあえずソロモンさんの言うこと聞こうぜ……?」 ここでソロモンの名ではなく、圭一自身の名前を取ればまた話は違ったかもしれない。 その言葉を聞いた途端、レナの目が変わった。 今まで見たことがない鋭い目つき、一言で表すならばそれは狂気。 レナは一気に間合いを詰めてきて、鉈を振り上げた。 それに反応するかのようにソロモン達は後ろに下がり、鉈は地面に食い込んだ。 追撃は――こなかった。 思いとどまったのか、ソロモンがレイピアを構えたからなのかはわからなかった。 とりあえずこの緊迫した状況下でも圭一はソロモンに事情を聞こうとする。 「ソロモンさん!」 「まずいな……」 見てわかる。レナは狂ってしまったのかもしれなかった。 「おいおい、どうするんだ?」 次元は腰の銃に手を当てる。 蒼星石もナイフを構えだす。 「彼女の目でわかりますが、非常に危ないです。ここで被害を止める為死んでもらうしか……」 対するレナはいつソロモン達を襲ってもおかしくない状況であった。 しかし、圭一だけが、圭一だけがなんとなくわかっていた。 疑心暗鬼からの幻覚症状、もちろん圭一自身レナみたいな状況になった事は一度もない。 しかし、なぜか記憶にある自分……それは今のレナと変わりがなかった。 圭一にとってレナは大切な、むしろ一番大切といってもいいほどの仲間である。 そんな人を殺せるのか? 圭一は周りを見る。みな臨戦態勢であり、自分だけが呆然と立ち尽くしていた。 違う違う違う違う!! このいかれたゲームで最初に出会えた仲間じゃないか! それだけでも奇跡なのに皆まだ生きてる――奇跡は起こり続けているんだ!! それなのにその奇跡を潰していいのか!? レナはちょっとした病気にかかっただけだろう!? 圭一は自分に何度も言い聞かせる。 ここでレナを殺してしまったら、俺は一生後悔するに違いない、と。 圭一は決心するかのように、目をつぶりながら大きく深呼吸をとった。 「ソロモンさん、次元さん、蒼星石……ここは俺に任せて下さい」 レナには聞こえないが、3人にははっきりと聞こえた。が、誰もが耳を疑った。 既にレナの精神がおかしいのは見ての通り、脱出派としてはここで被害を最小限に抑えるのが最善策。 それなのに1人に任せるなど言語道断、蒼星石はそれを口に出す。 「圭一くんだけに任せるわけにはいかない。ここで止めるのが道――」 「じゃあ聞くが蒼星石の友達が狂ってたとしてもだ。目の前で殺されるのは許される事なのか?」 蒼星石は圭一の反論に対抗できず、黙った。 確かに自分の姉、翠星石が仮にこのゲームに乗ってたとしても目の前で殺されるのは見てられない。 それは他の2人にも言えた事でもあった。 「それに……」 圭一が続ける。 「レナを救ってやりますから。そんで、きっとそれは俺にしか出来ない事です……その間にレナも信頼してくれる仲間、見つけて下さい」 笑っていた。こんな状況下で、仲間の1人がおかしくなったのに…… もちろん圭一は信じている、レナが元に戻ってくれるのを、だから笑える。 信じる事が奇跡の連鎖を続けるのだから…… ソロモンは圭一を見る、圭一もまたソロモンを見る。 言葉は発せられない、目で訴えているからであった。 「わかりました。ここは任せましたよ圭一君」 ソロモンは圭一の決意の強さに折れたのか、クルッと反転してやや小走りでこの場を去っていった。 蒼星石も反論せず、黙ってソロモンに従った。 次元は考え事をしながらも、圭一の事を時々見ながらソロモンの後についていった。 レナがこの間何のアクションも起こさなかったのには理由があった。 それはレナが異様なまでに冷静であったからだ。 レナはここで死ぬ気であった。 しかし、普通に戦って4対1――しかも1人は銃を持っている。 とてもじゃないが1発で終わるかもしれない状況であった。 ゆえに自分の不甲斐なさに憤りを感じた。 ずっと信頼してた圭一君に裏切られた。 それだけ……だがそれがレナにとって最も重要な事であり、熱くなってしまった理由…… だから圭一だけが残って他の人が去っていったのは正直嬉しいと感じた。 微かにだがレナはソロモン達が喋った事が聞こえた。 「……りま……。……任せ……」 ソロモン達は圭一に任せた、と捉えていいのだろう。 理由は考えなかった。むしろレナにとっては、今ここで圭一との戦いに集中したかった。 ここで圭一を殺せば、レナの命はまだ延びる。彼らを殺すチャンスが手に入るという事であった。 「ソロモンさんに洗脳されたかわいそうな圭一君……せめて私の手で殺してあげる」 「洗脳? 何言ってるんだお前、馬鹿じゃねーのか?」 あざ笑う圭一、レナは目を細めて何も喋らなかったが、内心相当怒っていると目に見えてわかった。 レナはもう躊躇わなかった。この圭一君は今までの圭一君ではない。 洗脳されてしまった、と言い聞かせて鉈の射程範囲内にまで距離を縮めて右からの薙ぎ払い。 圭一は防ぐかのように、ナイフを壁代わりにつかった。 甲高い金属音と共に発生された火花、レナはこの時少しだけ……興奮した。 「ちょい落ち着こうぜレナ、このまま俺の楽勝勝ちってのはやっぱりつまんないだろ?」 ギガゾンビ……てめーには悪いが、この前原圭一様を動かすには悪魔の脚本程度じゃ無理だって事だな!! 閻魔の大王様の脚本なら動くかもしれねえなぁ! もちろん、このイカれたゲームから脱出する役をなぁ!! レナは俺とは違ってとても強い。その証拠に最後まで俺に話しかけたじゃねえか!! きっと……今だって心のどこかで……俺の事を信じてる部分があるはずだろ!? だから俺は死なねえ! レナも魅音も沙都子も梨花ちゃんも皆死なせねえ!! 俺は絶対に諦めねえ!! こんな迷路壁ごとぶっ壊してやるぜ!! 「ソロモンさんに洗脳されたかわいそうな圭一君……せめて私の手で殺してあげる」 レナ……お前は悪い病気にかかってるだけなんだよな。 どうやれば治るかはわからない。だけど俺は信じる。信じて信じて信じて! いつも通りいってやろうじゃないか圭一!! 殺し合う運命なんてぶち壊してやる!! 「洗脳? 何言ってるんだお前、馬鹿じゃねーのか?」 あざ笑ってやった。そりゃあもう自分でもむかつくぐらいに、な。 レナが腹立ていると目に見えてわかる……といきなり俺の方へと突っ込んできた。 ヘヘッ、そうこなくっちゃな!! 俺は避けるという概念を今だけ捨てた。 ここは開戦の合図、それを受け入れなきゃいけないだろ!? ナイフを迫りくる鉈と自分の間に入れ込む。 否応なしに響く甲高い金属音、僅かに発生した火花に俺は、少し興奮した。 だけどこのまま興奮したまんまじゃだめだ。 命をかけた戦いでも俺達は楽しんでいこうじゃねえか!! 「ちょい落ち着こうぜレナ、このまま俺の楽勝勝ちってのはやっぱりつまんないだろ?」 落ち着けの部分は、自分にも言い聞かせた。 その間も金属と金属が擦れ合う、力はほとんど互角、どちらも引く気配がなかった。 「何を言っているのかわからないかな、かな。圭一君は私に勝てると思ってるの?」 「あぁ! 勝つ気満々負ける気無し、だな!! どうだ、ここはいっちょ部活らしくやっていこうじゃねえか!?」 「アハハハハハ、いいかな、かなぁ!!それって勝った方が」 言葉を止め、鉈への力をさらに強くしてきた。 いきなりの出来事であったので俺はたまらず、後ろに下がった。 「正義って事だね!!」 おいおい、女に力負けしてどーする前原圭一! 俺は負けじとレナの方へと突っ込み攻撃に移り変わる。 「レナが勝ったら認めてやろうじゃねえか! むしろお前の言いなりになってレナの手となり足となり……なんだったら盾にでもなってやろうじゃねえか!!」 「へー、じゃあ今動かない盾になってくれるかな! かなぁ!?」 レナの鉈を動かすスピードが早くなった。 しかし、力に関しては鉈の方が上であるが、小回りに関してナイフの方が上である。 むしろレナのスピードが速まる事で、1発1発の力は軽減され丁度よかった。 上! 右! 左! 斜め! いろんな方向から鉈が俺の体めがけて襲い掛かってくるが、全部ナイフで上手く受け止めた。 「圭一君防戦一方だよ? もっと頑張って欲しいな!!」 「バーカ、ハンデを与えてるんだよ! すぐ勝ってもつまらないじゃねえかよ!! てか俺が勝った時の褒美を言い忘れてたなぁ……そうだな、俺の義理の妹になって毎日『お兄ちゃん』って愛情込めて言ってもらおうか!? 服は日替わり定食、制服、メイド、コスプレその他諸々ぉ! もちろんネコ耳、眼鏡などのトッピングもつけさしてもらうぜええええ!!」 「なぁ?」 「いいかな?」 「ちょっといいですか?」 3人がほとんど同時に喋り、立ち止まった。 少し気まずい雰囲気が出たが、ソロモンが次元の話を進めようとした。 「なんですか?」 「……悪いが、俺はあそこに戻らしてもらうわ」 蒼星石が「え?」と口からこぼしてしまった。それだけ驚きな事であった。 一方のソロモンは察していたのか、それといった動揺は見られなかった。 次元は帽子をさらに深く被り、もう一度「悪い」とだけ言った。 「あなたが行ってどうするのですか?」 「あいつらは……特に圭一はこんな所で死んではいけない奴だと思うんでな。なぁに、危なくなったら助けてやる程度さ」 目はわからなかったが、口調は少し笑みを含んでいた。「これぐらいいつもの事だよ」、みたいな意味が含まれていたかもしれない。 ソロモンは次元や蒼星石に聞こえない声で「任せます……」と言った。 怒る気配は全くなく、むしろそれを受け入れる準備があったかのように、 「6時の放送にC-5で落ち合いましょう。禁止区域になってしまったらB-5、B-6、C-6と最初の方が優先ですので忘れないでください」 と、言った。 それが合図だった。次元はそれを聞くと「サンキュ」とだけ言い、さっき来た道を再び戻っていった。 取り残されるソロモンと蒼星石、蒼星石は次元が見えなくなった途端、ため息を吐いた。 「あなたはどうしたのですか?」 「ん……僕もちょっと心配になってね」 「僕もですよ」 少しだけ上を向いて、少しだけ笑った。 皆同じ思いであったのだ。なんだかんだいって圭一とレナが心配なのであった。 蒼星石は黙ってソロモンを見る。 「だから、次元さんに任せたんですよ。思えば僕達があんな事をしなかったら、もしかしたらここを笑って通っていたのかもしません」 蒼星石は初めてレナと圭一に会った時の事を思い出す。 確かにあの時ソロモンと蒼星石の行為で少なからずレナに疑心暗鬼を抱かせたに違いない。 それが直接の原因かもしれないし、追い討ちをかけたのかもしれない。 「ならば僕達は行かない方がいいでしょう……少なからず僕の事は相当嫌ってますからね……」 やれやれといった感じの苦笑いをとった。蒼星石も「そうかもね……」と呟いた。 「なぁに、彼らならきっとうまくいくでしょう。信じてやりましょう。 僕達は僕達でレナさんでも信頼できるような仲間を探しましょう。彼らと再会したとき文句を言われない為にも」 蒼星石はちょっとだけ吹いてしまった。「レナさんでも」というのがちょっと面白かったからだ。 蒼星石は姉、翠星石の事を思う。 ソロモンもまた、音無小夜の事を思う。 あのレナの姿を見た今、彼らは一刻も早く見つけなければ、と思うのであった。 【B-2とB-3の境界線辺り・一日目 昼】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:若干興奮、半覚醒(レナと似たような状況に圭一は陥った自分があるのでは? と思っている) [装備]:コンバットナイフ [道具]:支給品一式(水食料一食分消費) [思考・状況] 1:レナを救い出す。今はそれしか考えていない。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:祟りへの恐怖、雛見沢症候群発症、若干興奮 [装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に [道具]:支給品一式(水食料一食分消費) [思考・状況] 1:今は圭一との戦いにだけ集中している。 【次元大介@ルパン三世】 [状態]:健康、圭一達がいる場所に急行中 [装備]:.454カスール カスタムオート(弾:7/7)@HELLSING ズボンとシャツの間に挟んであります [道具]:支給品一式(水食料一食分消費)、13mm爆裂鉄鋼弾(35発) [思考・状況] 1:早く圭一達がいるところに辿り着く 2:圭一が殺されそうになったとき、助ける。 3:ルパンを探す 4:殺された少女(静香)の友達と青い狸を探す 5:ギガゾンビを殺し、ゲームから脱出する 基本:こちらから戦闘する気はないが、向かってくる相手には容赦しない。 【ソロモン・ゴールドスミス@BLOOD+】 [状態]:健康、僅かながらの焦り [装備]:レイピア [道具]:支給品一式(水食料一食分消費)、白衣、ハリセン、望遠鏡、ボロボロの拡声器(運用に問題なし) [思考・状況] 1:音無小夜と合流し、護る 2:他4人の知り合いを探す 3:圭一達が生き残ってくれると信じる 基本:次の次(夕方)の放送でC-5(禁止になったら次に該当する場所)に行くようにする。それまでは探索 【蒼星石@ローゼンメイデンシリーズ】 [状態]:健康、少しだけ焦りと心配 [装備]:朝倉涼子のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱 [道具]:支給品一式(水食料一食分消費)、リボン、ナイフを背負う紐、双眼鏡(蒼星石用) [思考・状況] 1:翠星石と合流し、護る 2:他4人の知り合いを探す 3:圭一達が生き残ってくれると信じる 基本:次の次(夕方)の放送でC-5(禁止になったら次に該当する場所)に行くようにする。それまでは探索 *時系列順で読む Back:[[一人は何だか寂しいね、だから]] Next:[[正義の味方Ⅱ]] *投下順で読む Back:[[一人は何だか寂しいね、だから]] Next:[[正義の味方Ⅱ]] |124:[[Lie!Lie!Lie!]]|前原圭一|161:[[「あはははは!」]]| |124:[[Lie!Lie!Lie!]]|竜宮レナ|161:[[「あはははは!」]]| |124:[[Lie!Lie!Lie!]]|次元大介|161:[[「あはははは!」]]| |124:[[Lie!Lie!Lie!]]|ソロモン・ゴールドスミス|161:[[「あはははは!」]]| |124:[[Lie!Lie!Lie!]]|蒼星石|161:[[「あはははは!」]]|