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ぶっ飛ばせ! レヴェッカさん - (2021/09/24 (金) 22:37:58) のソース
*ぶっ飛ばせ! レヴェッカさん ◆lbhhgwAtQE カズマの野郎……見つけ出したら何してやろうか……。 あたしは、あいつをどんな目に遭わせるか考えながら、森の中を歩いていた。 ひとまず目指すのは、地図中央に描かれた市街地だ。 カズマの野郎はそこにいる――あたしはそう予想したのさ。 理由は二つ。 一つは、あいつと同行していたなのはというガキが先行してそちらに向かっていたから。 何だかんだ言って、あいつはあのガキの事を気に掛けていた。……案外、惚れてたのかもな。 ……んまぁ、そういうわけだから、あいつが惚れた女の後を追っていく可能性は高かった。 そして、二つ目は……女の勘さ。 ――んだって? だったらどうして、森の中を歩いてるかって? バーカ。んなことも分かんねぇのかよ。 いいか? 今のあたしの装備はこのイングラムだけだ。しかも残弾にだって限りがある。 限りある残弾を無駄遣いしないためには、目的地に着くまでは人気の少ない森の中をこうやって移動していった方が効率がいいんだよ。 ……あ? もし目的地の前の道にカズマがいたら無駄足になるって? ……知るか!! あたしはあたしのやりたい方法で道を進む。 それでいいだろ!? 『――――――12時間生き延びることが出来た哀れな生存者どもよ、おめでとう』 そして、そんな機嫌が悪かったときだよ。 あのギガなんとかとかいう仮面野郎が放送を始めたのは。 『ククク……ハァーハッハッハ! ヒァハハハハハハッ!』 相変わらずいけ好かない笑い方で奴の放送は終わった。 ありゃ、口先だけで、絶対にタイマンじゃ戦えないチキン野郎の笑い方だ。このあたしが言うんだから間違いない。 ……だけど、そんなチキン仮面は二つ面白いことを言ってくれた。 一つはあのメイドが死んだってことだ。 あの殴ろうが撃とうが何食わぬ顔で反撃してくるようなイカれた女でも死ぬことがあるらしい。 是非、それを実行したクレイジーな野郎の顔が見てみたい。 そしてもう一つは…………ぷぷっ。 「ぶわっはっはっはっは!! 馬鹿だ! 馬鹿だあいつ! 禁止エリアに指定されてらぁ!!」 なんでも、あたしが縛り上げたゲイナー坊やのいる場所が何と禁止エリアに指定されることになるらしい。 あんな死んだら絶対後悔するような格好で身動き取れないまま、時間が来たらズガンか。 こりゃ、下手なテレビのコメディショーより数百倍面白いときたもんだ。 あのチキン仮面の野郎、あたしのジョークのツボを知ってるらしい。 放送を聞いてあいつはどうしているだろう。 ガクガク震えてる? ションベンちびって泣いてる? それとも風邪引いて寝込んでるか? いやいや、あいつの事だから、あたしと同じようにして縄を切ろうとするだろうな。 だけど残念だったな、ゲイナー坊や。 そーいうのにうってつけの手ごろなガラス片は全部遠くに撒いちまったんだよ。 ま、せいぜい頑張って時間までに脱出するこった。 イカれた殺人鬼達が寄り付く前にな。 ……ま、あいつだって、黙って爆発するほど馬鹿じゃないだろうがな。 名簿を丸暗記したり、不本意とはいえあたしから一本取ったり……なんかロックと似てるような気がするんだよな。 腕っ節はからきしの癖に、ちょっと頭がいい事を鼻にかけたようにあたしに突っかかってくるようなところとかが。 ――そんな奴だからどうせ、今回だって何とかしちまうだろうさ。あたしが何かしなくてもさ。 ……って、あたしには元々助ける気なんてないんだからな! しばらく歩き続けて。 あたしはようやく市街地中央の裏手にあたる場所までたどり着いた。 んで、その小高くなってる場所から市街地を見てみたんだが……何なんだあれは。 一直線に家が吹っ飛んでいたり、その向こうじゃ一区画まるごと吹っ飛んだみたいに煙が立ち込めてて……。 あれか? どっか頭がイカれた連中が戦車や戦闘機で爆撃したりしたのか? だったら、そんな奴と会うのはゴメンだね。こんなサブマシンガン一つでどうにかできる相手じゃねぇよ。 せめて、対戦車用のライフルとかランチャーがあればいいんだけどよ。 「まったく……ここにはロアナプラ以上にイカれた野郎が集まってるって事か?」 「ねぇねぇ、ロアナプラってなーに?」 「あぁ? 知らないのか? ロアナプラってのはなぁ――――」 って、待て。 誰だ、今あたしに声を掛けてきたのは? あたしは声のした背後を振り向いてみた。すると…… 「やぁ、こんにちは!!」 ……そこには蜘蛛がいやがった。 ぼこぼこの装甲板に覆われた真っ青な蜘蛛が。 「……な、なんだテメェ?」 「僕はタチコマ! 公安九課の思考戦車だよ、よろしく!」 戦車……だと? この青蜘蛛が? ……だが、よく見てみると、その蜘蛛の口にあたる部分ににある突起には何やら物騒なものがついやがる。 こりゃあ、まさか……。 「お前が……戦車だと?」 「うん! ――まぁ、君たちにとってはロボットって言った方が分かりやすいかもしれないけどね!」 「まぁ、んなのはどうでもいい。それよりも……あれをやったのはお前か?」 あたしは見るも無残な住宅街を指差しながら、その青蜘蛛戦車に聞いてやる。 ――すると、そいつは前足をその顔の前で横に振る。 「違う違う! 僕達はここに来たばっかりだから知らないよぉ! それに僕達には家を破壊する理由なんてないし」 「僕達、だと?」 「あ、しまっ――」 自分で仲間がいることを口にするたぁ、自称ロボットの癖になんとも馬鹿な蜘蛛だ。 そうかい、そうかい。 こいつはその今どこかに潜んでいる仲間とやらとつるんで、このレヴィ様を陥れようとしているのかい。 「いい度胸だぜ……!」 あたしは、その物騒な口の射程から逃げるべく、その蜘蛛の頭の上に乗っかるとその脳天にイングラムをかざす。 「うわぁっ! う、上に乗るなんて想定外だよ!」 「あたしをなめんなよ。……さぁ、そのお仲間の位置を教えてもらおうか。でないと脳天に9ミリ弾の嵐を食らわs――」 「待ってください!!」 って、何だ何だ!? 今度は蜘蛛の後ろについてた箱みたいなのから人が出てきただと!? 「あ、ダメだよフェイトちゃん! この人は――」 「いいよ、タチコマ。きっとちゃんと話せば分かってくれるはずだよ……」 いきなり出てきた仮装パーティみたいな格好をした金髪のガキは、そう言ってあたしの方を見る。 「――私はフェイト。フェイト・T・ハラオウン。私とタチコマにはあなたと戦う意志はありません。ですから、話を聞いてくれますか?」 ――ったく、何だってんだよ。 ま、でもタチコマっちゅう戦車野郎はともかく、このフェイトとかいうガキからは、殺気の類は感じたりしない。 だったら、心優しいレヴィ姉さんとしては、ひとまずはこのガキの話を聞いてやってもいいかなって思ったよ。 もしかしたら、カズマの野郎の居場所を知ってるかもしれないしな。 話を聞くに、どうやらこいつらは温泉の方から人を探しながら下山してきたみたいで、カズマには会ってないらしかった。 ったく、使えねぇ。 ……いや、そうでもないか。何せ、こいつらが探してるっちゅうお友達の中には、あのなのはっていうガキの名前があったんだから。 そういや、なのはって奴もフェイトって名前を何回か言ってたようないなかったような……。 「あの……あなたは見ませんでしたか。なのはを」 「――あと、トグサ君も!」 そうさ、こいつらはなのはってガキの居場所を知りたがってる。 ――だったら、それを利用してやるのがあたし流のやり方だ。 「……あぁ、トグサってのは知らねぇけど、なのはってのは茶髪を二つに分けたガキだろ? ついさっきまで一緒だったぜ」 「――ほ、本当ですか!?」 ほら、掛かった。 あとはこっちに引きずり込むだけだ。 「今は見ての通り別れたがな、どっちの方に行ったかは知ってる」 「お、教えてください! なのはは……どこに行ったんですか!?」 「あぁ、教えてやるさ。……ただし、こっちにもそれ相応の報酬を支払ってもらうがな」 「報、酬……?」 「きっと、情報料をくれって言ってるんだよ。この人は」 そうだぜ、戦車。 あたしはタダで奉仕するほど甘ちゃんじゃない。 ビジネスは常にギブアンドテイク。 こっちが何かしてやってんのに何も得られないなんて話がロアナプラでまかり通る訳がない。 「――そうだな、ひとまずお前らの持ってる武器とデイパックの中身を見せてみな。そん中から何かあたしが欲しいものを貰う。んで、そうしたら情報を教える。これでどうだい、お嬢ちゃん」 そんな条件に、ガキは躊躇う。 そりゃそうだ。ここで生き残る為に必要な武器や道具をとられるかもしれないんだからな。 ……だが、それ以上にこいつはそのお友達とやらの居場所を知りたがっている。 だったら、その答えは―― 「……分かりました。あなたの要求を飲みます」 そう言って、ガキは二人分のデイパックを差し出す。 Yeah、面白いくらいに思い通りだ。 「オーケイ。それじゃ、ありがたく拝見いたしますよっと」 まず一つ目のバッグを開ける。 すると出てきたのは……得体の知れない箱、女の写真が貼られた手帳、妙に飾られた如雨露、そして…… 「何だこりゃ。西瓜か!?」 カバンをひっくり返すと出るわ出るわの大行進。……なんだってんだ、これは。 「お近づきのしるしにお一つどーぞ」 フザけるな。こんなモンもらって…………まぁ、ここじゃ貴重な食料だし一つくらい貰ってもいっか。 「――ったく、下らないもんばっかり持ちやがって…………って、おいおいこれは……」 西瓜を持ち上げたときだった。 その西瓜の山に埋もれていた、あたしが探し求めていたブツが見つかった。 ――ベレッタM92F。こいつをカスタムすればカトラスになるっていうあたしにとっちゃ使い勝手のいい拳銃だ。 「こんないいもんを見つけられるとはな。これもあたしの日頃の行いおかげかねぇ」 勿論、これはいただきだ。 さて、大方こっちは調べたから、次は二つ目だ。 ……と、早速それっぽい手触りのものを掴んだぞ、と。 「どれどれ、今度はどんな――って、待て待て。こりゃあ……」 バッグから引きずり出すと、それはあたしの背丈くらいはありそうな巨大なライフルだった。 「これ、対戦車用か?」 「NTW20対物ライフル。サイトー君の愛用品だよ。剣菱の新型多脚戦車の装甲だって撃ち抜けるよ」 多脚戦車ってのが何だかはよく分からないが、どうやら対戦車ライフル並みの威力ってことは違いなさそうだ。 こりゃあ、とんだ掘り出し物が見つかったかもなぁ。 ――そして、結局あたしはベレッタと対物ライフル、そしてオマケとして西瓜を頂く事にした。 「……それじゃ、約束です。なのはの居場所を聞かせてください」 ま、貰うもんも貰ったしな。 あたしは、そいつがクーガーとかいう早口野郎の背に乗って市街地の方へ向かっていたことを伝えた。 「……分かりました。ありがとうございます」 すると、ガキは戦車のハッチを開けて、再度その中へ入っていく。 「ま、精々死なないようにしな。あたしみたいに心が広~~い連中ばっかりじゃないんだからな、ここにいるのは」 これ以上、こいつらと付き合ってても何も得られない。 あたしはそう判断して、早々にここを離れようと背を向けた……が。 「あ、ま、待ってください」 ガキがあたしを呼び止めてきた。 「……何だ? まだ用があるのかい?」 「えっとその……レヴィはここの南の方から来たんですよね?」 「ん? あぁ、そうだけど」 「それじゃあ、ここから南の……F-8のあたりを通ったりしませんでしたか? どこかに身動きが取れない人がいるらしいんですけど……」 ……おいおい、こんなこと聞くなんて、もしかしてアレか? こいつ、もしあたしがいるって言ったら助けに行くつもりなのか? あのゲイナー坊やを。 あたしは少し考えた末に、とりあえず本当の事を言うことにした。……どうせ、あたしには関係ないしな。 「あぁ、そういえばいたねぇ。まさにF-8のあたりでぐるぐる巻きにされて身動きの取れない坊やが」 「――それ、本当ですか!?」 「これだけいいもんを貰ったんだ。これくらいの情報は嘘なしでサービスしてやったつもりだけど。ま、信じるのも疑うもの勝手だけどよ」 「あなたは……そこまで分かっていて、どうして助けに行かないんですか?」 その目は、あからさまにあたしを非難するような目だった。 ったく、胸糞悪い目つきだ。 「ハッ、何言ってやがる。あたしにはあいつを助ける義理なんかこれっぽちもないんだ。それにテメェの身くらいテメェだけで何とかしろってんだよ」 「そうですか……」 ――何だよ、何だよ、その目は。 あたしが何か間違ったこと言ったか? 「行こう、タチコマ。……F-8に」 「いいのかい? なのはちゃんの方は」 「うん。私には誰かが死ぬのを放っては置けない。それになのはだって……私と同じようにすると思うし」 「……分かった。それじゃ、全速前進で行くよ! ポッドの中に入って」 そう言われ、ガキはポッドの中にもぐりこむ。 ……そして、ハッチを閉める直前、顔を出すとその目をあたしへと向けた。 「情報をありがとうございました。……それではこれからもご無事で」 「それじゃあね! バイバーイ!!」 ハッチが閉められるのと同時に戦車は進路を南に走り去っていった。 ……な、何だってんだ? あたしが何か間違ったことしたか? この自分自身が生きるか死ぬか分からない世界で、他人の心配をするってのは馬鹿がすることだろ。 それなのに、何であたしは……あんな下の毛も生え揃っていなさそうなガキに見下されなきゃいけないんだ。 このレヴィ様がどうして……。 ふざけてる、ふざけてる、ふざけてる、ふざけてる…………。 「チクショウ!! 糞ッタレが!」 その瞬間、あたしは気付いたら、あの戦車とその中の小生意気な糞ガキを追っていた。 ……どうやら、あのガキにもあたしをイラつかせた事の恐ろしさを教えてやらなきゃいけなくなったみたいだ。 ――決して、ゲイナー坊やが心配で追ってるわけじゃないからな。そこ勘違いするなよ! 【D-7/E-7との境界付近 1日目/午後】 【レヴィ@BLACK LAGOON】 [状態]:腹部に軽傷、頭に大きなタンコブ、頭からバカルディを被ったため少々酒臭い、かなりイライラ [装備]:イングラムM10サブマシンガン、ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発) NTW20対物ライフル@攻殻機動隊S.A.C(弾数3/3)、ぬけ穴ライト@ドラえもん [道具]:支給品一式、予備弾薬(イングラム用、残弾数不明)、バカルディ(ラム酒)1本@BLACK LAGOON、割れた酒瓶(凶器として使える) 西瓜1個@スクライド [思考・状況] 1:フェイト……待ちやがれ! 2:ゲイナー坊や? 知らねぇよ! 3:カズマ? 借りは返す! 4:ロック? まぁあいつなら大丈夫だろ 5:気に入らない奴はブッ殺す! [備考] ※双子の名前は知りません。 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】 [状態]:全身に軽傷、背中に打撲、決意 [装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは、双眼鏡 [道具]:支給品一式、西瓜1個@スクライド、 [思考・状況] 1:F-8に向かい、参加者(ゲイナー)を救出する。 2:1の後に市街地へ向かい、なのはを探す。 3:カルラの仲間に謝る。 4:引き続き双眼鏡を使って自分の友人やタチコマの仲間を探し、合流する。 5:眼鏡の少女と遭遇したら自分が見たことの真相を問いただす。 基本:シグナム、ヴィータ、眼鏡の少女や他の参加者に会い、もし殺し合いに乗っていたら止める。 【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態]:装甲はぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料満タン、爆走中 [装備]:タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C タケコプター@ドラえもん(故障中、残り使用時間6:25) [道具]:支給品一式×2、燃料タンクから2/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜46個@スクライド 龍咲海の生徒手帳、庭師の如雨露@ローゼンメイデンシリーズ [思考・状況] 1:フェイトの指示に従い、F-8へ急行! 2:フェイトを彼女の仲間の下か安全な場所に送る。 3:トグサと合流。 4:少佐とバトーの遺体を探し、電脳を回収する。 5:自分を修理できる施設・人間を探す。 6:薬箱を落とした場所がそこはかとなく気になる [備考] 光学迷彩の効果が低下しています。被発見率は多少下がるものの、あまり戦闘の役には立ちません。 効果を回復するには、適切な修理が必要です。 タケコプターは最大時速80km、最大稼動電力八時間、故障はドラえもんにしか直せません。 レヴィの荷物検査の際にエルルゥの薬箱を落とした事に気付きました。 *時系列順で読む Back:[[峰不二子の消失]] Next:[[勝利者の為に]] *投下順で読む Back:[[契約しよう]] Next:[[今、助けに行きます]] |153:[[「借りは返す」]]|レヴィ|189:[[鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on]]| |165:[[Boys don't cry]]|フェイト・T・ハラオウン|189:[[鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on]]| |165:[[Boys don't cry]]|タチコマ|189:[[鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on]]|