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「薬師は見た? 血で血を洗う商店街!」(2021/07/13 (火) 01:00:02) の最新版変更点
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**薬師は見た? 血で血を洗う商店街! ◆lbhhgwAtQE
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの元へと歩き出してからしばらく。
道中、何かが弾けるような音や何かが爆発、崩壊する音など色々な音を聞き、恐怖を感じながらもエルルゥは、着々とステッキが指し示した南西へと向かっていた。
「こっちで……合ってるよね?」
コンパスを見ながらの移動であったが、エルルゥにとって方角を指し示す針など初めて見る物であり、それがどれ程信用できるのかは未知量だった。
また、それに加えこれほど歩いているのに、今まで誰にも会っていないというのも、不安要素の一つだった。
「まさか……通り過ぎちゃった、なんててことは無いわよね」
誰に言うでもなく、一人心地に呟き、ひきつった笑みを浮かべる。
「あは、あははは…………そ、そうよ! とにかく誰かに会うまでは歩かなきゃ! えぇ!」
エルルゥはそう自分に言い聞かせ、止めていた足を再び動き出した。
――その先に何があるかという不安を抱きつつ。
更に歩くこと幾許か。
「……これだけ歩いても誰にも会わないなんて……やっぱり通り過ぎちゃったのかなぁ……」
流石に歩くのに疲れたのか、エルルゥは近くにあった電柱にもたれかかり溜息をついた。
そして、彼女は地図を広げると現在位置を確認する。
「最初にいたのが確かここ。……で、南西に向かってずーっと歩いてきたわけだからぁ……」
指が地図の上を走り、そして一点で止まった。
――指が止まったのは“F-3”と指定されたブロック。
「まだ水辺も見えていないし、きっとここら辺だと思うんだけど……」
周囲を見渡すが、やはりその視界には人っ子一人映らない。
「やっぱり、どこかの建物の中にいるのかな」
現在アルルゥがいるF-3エリアは、いわゆる商店街になっている地区で彼女の今歩いている通りの両岸には商店が立ち並んでいる。
もしかしたら、この中のどこかに……そんな仮定が彼女の脳裏をよぎった。
そして、彼女の背後にも、そんな商店の内の一軒があった。
「…………一応、探すべき……よね」
エルルゥの身体は自然と、その商店へと吸い込まれていった。
ガラス戸を開けると、その中は当然のように薄暗かった。
月明かりと通りの街灯の光が差し、かろうじて店内の様子が伺える程度といったところだ。
「すみませ~ん。誰かいらっしゃいますか~?」
エルルゥは声を掛けながら恐る恐る中へと入る。
そして、店内を一周してみるが誰もいる気配はなく。
「やっぱりいないかぁ。……でも、こんな調子で探していたらいつまで経っても――はにゃにゃ!!」
収穫なしと判断し店を出ようとした矢先、彼女は唐突に床に伸ばされていた電気コードに躓いてしまった。
そして、躓いた彼女はそのまま転倒、更にその際に身体を支えようとして伸ばした手で棚にあった商品をぼとぼとと落としてしまう。
「いつつ……。んもう、何で私ばっかりこんな目に…………って、あら? これは……」
エルルゥは起き上がると同時に、転んだ拍子に落とした商品の箱を手に取った。
そして、そこに書かれていたのは――
「えっと、なになに、胃腸薬……って、これが薬?」
エルルゥが入った店――それは薬局だった。
そして、薬師として修行中の身である彼女にとって、ここに置いてある多様な医薬品はまさに興味の対象であった。
箱詰めされた胃腸薬――それを早速開けてみると、そこから出てきたのは小分けになった袋。
しかも、よく見れば密閉されているようで、保存が利くようになっていた。
「これなら、何か病気になるたびに調合しなくても済むのね。……便利だわぁ」
試しに袋を開けて、中身である粉を舐めてみると、それは確かに自分が調剤する薬にどこか通じる味だった。
「――ほ、他にはどんな薬があるのかしら?」
エルルゥは棚に手を伸ばし、次なる医薬品を調べることにした。
人探しの事などすっかり忘れたように、まるで現実から逃げるように……。
様々な薬を調べた結果。
エルルゥは、ここに置いてある薬の効率のよさにひどく感心した。
飲みやすい喉越しにした飲み薬――これさえあれば、オボロの二日酔い対策も万全だろう。
凝縮して固形にしたり、楕円形の食べれる器に包むことで苦さをおさえている粉薬――アルルゥだってこれなら蜂蜜無しでも飲んでくれそうだ。
更には、筋肉の痛みとる効果がある布や、出しやすい口のついた容器に入ったペースト状の傷薬、それに傷口に貼る糊のついた包帯――戦場に出る皆にもってこいのもののようだ。
「おばあちゃんにも見せたかったな……」
いつしかその腕の中には、いくつもの薬の箱やビンが抱えられており、彼女はそれら全てをデイパックに詰め込んだ。
……あれだけ大量に入れたのに小さいまま、しかも重さもそのままなデイパックに今更エルルゥは驚きはしない。
何というか……慣れたらしい。この自分の知る範疇を超えた世界の技術力に。
「それじゃ、そろそろルイズフランソワブ……なんとかさん探しを再開――」
――BANG!!
ガラス戸に手を掛けた瞬間、何かが破裂するような音がエルルゥの耳に飛び込んだ。
「ひゃあ!」
驚きおののき尻餅をついてしまうエルルゥ。
そして、ガラス戸の向こうからは立て続けに炸裂音や何かを切り裂く音、ガラスが割れる音が聞こえてくる。
「な、何なの? どこか近くで聞こえているみたいだけど……」
何が起こっているのか――それが気になった彼女は恐る恐るガラス戸を少し開け、外を見てみる。
すると、外では……
――どうしたヒューマン!?それだけか!?たったそれだけで私を殺すつもりか!?もっとだ!!もっと!!もっと!!もっと!!もっと!!私を殺したいのなら!!もっと力を見せてみろ!!
現在いる薬局から百メートルは離れた場所だろうか。
月に照らされた大通り、そこでは大男と小さい少女が向かい合っていた。
――そう、化け物だ。それと退治するお前は何者だ?化け物か?人間か?それとも狗か?
――BANG!BANG!BANG!
男の声は良く聞こえるが、少女の声は聞こえない。
だが、見て分かるのは男の方が圧倒的に有利であるということ。
男が何か杖か棒のようなものを少女の方へ向けると、少女の腕と足から血が吹いた。
「……え、い、今のって……」
接近しなくても相手を攻撃する杖――方術の一種だろうか?
……否。方術を使えるのはオンカミヤリュー族のみであるし、あの男にはその象徴である翼が生えていない。
ということは、あれもまた“自分の知る範疇を超えた世界の技術力”なのか……。
などと考えている間と、男は少女の頭を掴んでいた。
そして、男はそのままその少女を――
「ひ、ヒィッ!!!」
エルルゥは目の前で繰り広げられそうになった光景を視界から隠すようにガラス戸から離れると薬局の奥へと逃げた。
「そ、そんなことがありえるっていうの? ……ムティカパ様じゃあるまいし……」
薬局の奥、カウンターと壁の間にしゃがんでエルルゥは震えていた。
彼女が一瞬目にした光景。
それは、ここに来てから見たどの出来事よりも異常だった。
「だ、だって、そんな……人が人を食べるなんて…………」
そうして震えていると、例の何かが炸裂する音が新たに聞こえてきた。
どうやら、またあそこで何かが始まったようだ。
――しかし、エルルゥは今度は外の様子を見る気がしなかった。
何故なら、そこには人を喰らう“何か”がいるのだから……。
……だが。
そんな彼女の恐怖と裏腹に、その後破裂するような音は次第に遠ざかっていった。
確かに音は聞こえはするのだが、先ほどよりも小さくなっている。
そして、その音もあまり聞こえなくなったと思ったその時であった。
――ドンッ!!!
不意をつくかのような大きな爆音が、薬局内部にいるエルルゥの耳に響いた。
それは先ほどまでの破裂するような炸裂するような音とは違う、はっきりとした爆発の音。
これには流石に、何事かとエルルゥも再び出口へと近づき、ガラス戸を少し開くと外の覗く。
「……こ、これは……」
彼女の目に最初に飛び込んできたのは通りの脇からもうもうと立ち込めていた黒煙だ。
それを見て、彼女はすぐに通りの路地裏で爆発があったと判断する。
そして、次に見えたのは通りを向こう側へと走り去って行く人の姿。
街灯に照らされたそれは、かろうじて上着が白いのが分かるくらい。
「――さっきの人……じゃなさそうだけど…………って、も、もしかして、あれがルイなんとかさんだったり!?」
だとすれば、それは彼女がまさに接触を試みようとずっと捜し求めていた人だ。
今すぐ追わなければ、また見失ってしまうだろう。
だが、彼女は躊躇する。
もし、その人が他人だったら? しかもあの爆発を起こした張本人だとしたら?
そうだとすれば、追いかけていった自分が馬鹿を見てしまう。
追うか追わざるか、そんな二つの選択肢が彼女の脳裏をぐるぐると巡る。
そして、彼女の下した決断は…………。
【F-3/商店街・薬局内部/1日目/黎明】
【エルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん、五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)
[思考]:
基本、仲間と合流する
1、ルイズと思われる人を追うか、それとも薬局内部で留まるか……
2、他の参加者と情報交換をし、機を見計らってたずね人ステッキ使用。ハクオロたちの居場所を特定する。
3、ハクオロ、アルルゥ、カルラ、トウカと合流し、ギガゾンビを倒す。
[備考]
『惚れ薬』→異性にのみ有効。飲んでから初めて視界に入れた人間を好きになる。
効力は長くて一時間程度。量は一回分のみ。
『たずね人ステッキ』→三時間につき一回のみ使用化。一度使用した相手には使えない。
死体にも有効。的中率は70パーセント。
エルルゥはE-5における海殺害時の発砲音と遊園地が一部破壊される音を聞いています
また、ロックをルイズと勘違いしています
*時系列順で読む
Back:[[首二つ]]Next:[[神父 アレクサンド・アンデルセン]]
*投下順で読む
Back:[[首二つ]]Next:[[神父 アレクサンド・アンデルセン]]
|38:[[しっぽの生えた薬師の少女]]|エルルゥ|79:[[これが薬師の選択です]]|
**薬師は見た? 血で血を洗う商店街! ◆lbhhgwAtQE
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの元へと歩き出してからしばらく。
道中、何かが弾けるような音や何かが爆発、崩壊する音など色々な音を聞き、恐怖を感じながらもエルルゥは、着々とステッキが指し示した南西へと向かっていた。
「こっちで……合ってるよね?」
コンパスを見ながらの移動であったが、エルルゥにとって方角を指し示す針など初めて見る物であり、それがどれ程信用できるのかは未知数だった。
また、それに加えこれほど歩いているのに、今まで誰にも会っていないというのも、不安要素の一つだった。
「まさか……通り過ぎちゃった、なんててことは無いわよね」
誰に言うでもなく、一人心地に呟き、ひきつった笑みを浮かべる。
「あは、あははは…………そ、そうよ! とにかく誰かに会うまでは歩かなきゃ! えぇ!」
エルルゥはそう自分に言い聞かせ、止めていた足を再び動かした。
――その先に何があるかという不安を抱きつつ。
更に歩くこと幾許か。
「……これだけ歩いても誰にも会わないなんて……やっぱり通り過ぎちゃったのかなぁ……」
流石に歩くのに疲れたのか、エルルゥは近くにあった電柱にもたれかかり溜息をついた。
そして、彼女は地図を広げると現在位置を確認する。
「最初にいたのが確かここ。……で、南西に向かってずーっと歩いてきたわけだからぁ……」
指が地図の上を走り、そして一点で止まった。
――指が止まったのは“F-3”と指定されたブロック。
「まだ水辺も見えていないし、きっとここら辺だと思うんだけど……」
周囲を見渡すが、やはりその視界には人っ子一人映らない。
「やっぱり、どこかの建物の中にいるのかな」
現在エルルゥがいるF-3エリアは、いわゆる商店街になっている地区で彼女の今歩いている通りの両側には商店が立ち並んでいる。
もしかしたら、この中のどこかに……そんな仮定が彼女の脳裏をよぎった。
そして、彼女の背後にも、そんな商店の内の一軒があった。
「…………一応、探すべき……よね」
エルルゥの身体は自然と、その商店へと吸い込まれていった。
ガラス戸を開けると、その中は当然のように薄暗かった。
月明かりと通りの街灯の光が差し、かろうじて店内の様子が伺える程度といったところだ。
「すみませ~ん。誰かいらっしゃいますか~?」
エルルゥは声を掛けながら恐る恐る中へと入る。
そして、店内を一周してみるが誰もいる気配はなく。
「やっぱりいないかぁ。……でも、こんな調子で探していたらいつまで経っても――はにゃにゃ!!」
収穫なしと判断し店を出ようとした矢先、彼女は唐突に床に伸ばされていた電気コードに躓いてしまった。
そして、躓いた彼女はそのまま転倒、更にその際に身体を支えようとして伸ばした手で棚にあった商品をぼとぼとと落としてしまう。
「いつつ……。んもう、何で私ばっかりこんな目に…………って、あら? これは……」
エルルゥは起き上がると同時に、転んだ拍子に落とした商品の箱を手に取った。
そして、そこに書かれていたのは――
「えっと、なになに、胃腸薬……って、これが薬?」
エルルゥが入った店――それは薬局だった。
そして、薬師として修行中の身である彼女にとって、ここに置いてある多様な医薬品はまさに興味の対象であった。
箱詰めされた胃腸薬――それを早速開けてみると、そこから出てきたのは小分けになった袋。
しかも、よく見れば密閉されているようで、保存が利くようになっていた。
「これなら、何か病気になるたびに調合しなくても済むのね。……便利だわぁ」
試しに袋を開けて、中身である粉を舐めてみると、それは確かに自分が調剤する薬にどこか通じる味だった。
「――ほ、他にはどんな薬があるのかしら?」
エルルゥは棚に手を伸ばし、次なる医薬品を調べることにした。
人探しの事などすっかり忘れたように、まるで現実から逃げるように……。
様々な薬を調べた結果。
エルルゥは、ここに置いてある薬の効率のよさにひどく感心した。
飲みやすい喉越しにした飲み薬――これさえあれば、オボロの二日酔い対策も万全だろう。
凝縮して固形にしたり、楕円形の食べれる器に包むことで苦さをおさえている粉薬――アルルゥだってこれなら蜂蜜無しでも飲んでくれそうだ。
更には、筋肉の痛みをとる効果がある布や、出しやすい口のついた容器に入ったペースト状の傷薬、それに傷口に貼る糊のついた包帯――戦場に出る皆にもってこいのもののようだ。
「おばあちゃんにも見せたかったな……」
いつしかその腕の中には、いくつもの薬の箱やビンが抱えられており、彼女はそれら全てをデイパックに詰め込んだ。
……あれだけ大量に入れたのに小さいまま、しかも重さもそのままなデイパックに今更エルルゥは驚きはしない。
何というか……慣れたらしい。この自分の知る範疇を超えた世界の技術力に。
「それじゃ、そろそろルイズフランソワブ……なんとかさん探しを再開――」
――BANG!!
ガラス戸に手を掛けた瞬間、何かが破裂するような音がエルルゥの耳に飛び込んだ。
「ひゃあ!」
驚きおののき尻餅をついてしまうエルルゥ。
そして、ガラス戸の向こうからは立て続けに炸裂音や何かを切り裂く音、ガラスが割れる音が聞こえてくる。
「な、何なの? どこか近くで聞こえているみたいだけど……」
何が起こっているのか――それが気になった彼女は恐る恐るガラス戸を少し開け、外を見てみる。
すると、外では……
――どうしたヒューマン!?それだけか!?たったそれだけで私を殺すつもりか!?もっとだ!!もっと!!もっと!!もっと!!もっと!!私を殺したいのなら!!もっと力を見せてみろ!!
現在いる薬局から百メートルは離れた場所だろうか。
月に照らされた大通り、そこでは大男と小さい少女が向かい合っていた。
――そう、化け物だ。それと退治するお前は何者だ?化け物か?人間か?それとも狗か?
――BANG!BANG!BANG!
男の声は良く聞こえるが、少女の声は聞こえない。
だが、見て分かるのは男の方が圧倒的に有利であるということ。
男が何か杖か棒のようなものを少女の方へ向けると、少女の腕と足から血が吹いた。
「……え、い、今のって……」
接近しなくても相手を攻撃する杖――方術の一種だろうか?
……否。方術を使えるのはオンカミヤリュー族のみであるし、あの男にはその象徴である翼が生えていない。
ということは、あれもまた“自分の知る範疇を超えた世界の技術力”なのか……。
などと考えている間と、男は少女の頭を掴んでいた。
そして、男はそのままその少女を――
「ひ、ヒィッ!!!」
エルルゥは目の前で繰り広げられそうになった光景を視界から隠すようにガラス戸から離れると薬局の奥へと逃げた。
「そ、そんなことがありえるっていうの? ……ムティカパ様じゃあるまいし……」
薬局の奥、カウンターと壁の間にしゃがんでエルルゥは震えていた。
彼女が一瞬目にした光景。
それは、ここに来てから見たどの出来事よりも異常だった。
「だ、だって、そんな……人が人を食べるなんて…………」
そうして震えていると、例の何かが炸裂する音が新たに聞こえてきた。
どうやら、またあそこで何かが始まったようだ。
――しかし、エルルゥは今度は外の様子を見る気がしなかった。
何故なら、そこには人を喰らう“何か”がいるのだから……。
……だが。
そんな彼女の恐怖と裏腹に、その後破裂するような音は次第に遠ざかっていった。
確かに音は聞こえはするのだが、先ほどよりも小さくなっている。
そして、その音もあまり聞こえなくなったと思ったその時であった。
――ドンッ!!!
不意をつくかのような大きな爆音が、薬局内部にいるエルルゥの耳に響いた。
それは先ほどまでの破裂するような炸裂するような音とは違う、はっきりとした爆発の音。
これには流石に、何事かとエルルゥも再び出口へと近づき、ガラス戸を少し開くと外を覗く。
「……こ、これは……」
彼女の目に最初に飛び込んできたのは通りの脇からもうもうと立ち込めていた黒煙だ。
それを見て、彼女はすぐに通りの路地裏で爆発があったと判断する。
そして、次に見えたのは通りを向こう側へと走り去って行く人の姿。
街灯に照らされたそれは、かろうじて上着が白いのが分かるくらい。
「――さっきの人……じゃなさそうだけど…………って、も、もしかして、あれがルイなんとかさんだったり!?」
だとすれば、それは彼女がまさに接触を試みようとずっと捜し求めていた人だ。
今すぐ追わなければ、また見失ってしまうだろう。
だが、彼女は躊躇する。
もし、その人が他人だったら? しかもあの爆発を起こした張本人だとしたら?
そうだとすれば、追いかけていった自分が馬鹿を見てしまう。
追うか追わざるか、そんな二つの選択肢が彼女の脳裏をぐるぐると巡る。
そして、彼女の下した決断は…………。
【F-3/商店街・薬局内部/1日目/黎明】
【エルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん、五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)
[思考]:
基本、仲間と合流する
1、ルイズと思われる人を追うか、それとも薬局内部で留まるか……
2、他の参加者と情報交換をし、機を見計らってたずね人ステッキ使用。ハクオロたちの居場所を特定する。
3、ハクオロ、アルルゥ、カルラ、トウカと合流し、ギガゾンビを倒す。
[備考]
『惚れ薬』→異性にのみ有効。飲んでから初めて視界に入れた人間を好きになる。
効力は長くて一時間程度。量は一回分のみ。
『たずね人ステッキ』→三時間につき一回のみ使用化。一度使用した相手には使えない。
死体にも有効。的中率は70パーセント。
エルルゥはE-5における海殺害時の発砲音と遊園地が一部破壊される音を聞いています
また、ロックをルイズと勘違いしています
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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