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「Is he a knight?」(2021/07/26 (月) 08:54:31) の最新版変更点
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*Is he a knight? ◆FbVNUaeKtI
「くそっ、いったいどこに行ったんだ」
謝罪の言葉と共に姿を消した少女を捜して、俺はビル街を駆けていた。
何故、彼女が俺を殴ったうえに逃げ出したのか。
俺は何か、エルルゥの気に触ることをしてしまったのだろうか?
皆目見当もつかないが、あの無力そうな少女を放っておくのも寝覚めが悪かった。
しかし・・・声がしてからすぐに顔を上げたのにも関わらず、少女の姿は既に無く。
足の速さが尋常じゃないのか、建物の中に隠れてしまったのか・・・
俺はエルルゥの姿を完全に見失っていた。
(しょうがない、とりあえず彼女の事は後回しに・・・)
と、周囲を見渡していた俺の眼にある物が飛び込んでくる。
それは、ビル群の中でも一際目を引く白く大きな建物・・・どうやら病院らしい。
もしかすると、何か役に立つ道具があるかもしれない。それに・・・
(たしか、薬剤師って言ってたよな彼女・・・行ってみるか)
俺はしばらくの思案の後、病院に向かい歩き始めた。
(あれは・・・)
目的地まで後少しのところで、俺は思わず立ち止まった。
爆発でもあったのか、正面玄関のガラスが完膚なきほどに吹き飛んでいる。
どうやら、何らかの戦闘行為が行われたようだ。
今は静寂に包まれているものの、飛び散ったガラス片がここで起こった事の凄まじさを物語っていた。
さすがに、エルルゥもここには入り込んじゃいないだろうが・・・
何が起こったのか、確認するだけでも悪くは無いだろう。
(それに、生存者がいるかもしれないしな)
だが、さすがにこんな状態の場所から入るのは気が引けた。
俺はゆっくりと踵を返すと、その足で建物の裏へと回る。
そして、俺は・・・天使に出会った。
まだ薄暗い搬入口に、唯一光る常夜灯。その即席のスポットライトに照らされて、彼女はいた。
真っ白な光に照らされる、小さく華奢な身体。少女が身を預ける車椅子にゆっくりと近づく。
その愛らしい顔は、何が起こったのかわからないといった表情であらぬ方向を見つめていた。
「あ・・・ああ・・・」
何処からともなく、奇妙な音が響く。
それが自分の声だと気づいた頃には、俺は彼女の冷たくなった身体に顔をうずめ、涙を流しながら絶叫していた。
どうしよもない愛しさと悲しみと絶望と。それら全てが一緒くたになったものが胸の内から溢れ出す。
(どうして・・・どうして、こんな・・・)
それは水面に映る月のように、手で掬っても指の間から零れて消える。
ひとしきり泣いて、泣いて、泣いて・・・震える俺の頭に、不意に冷たいものが触れる。
それは、少女の手。もちろん、彼女の意思が動かしたわけではない。
俺が乱暴に揺さぶってしまったせいで、彼女の手がずれただけでしかない。
けれども・・・俺には彼女の声が聞こえた気がした。
「わかったよ・・・俺はもう、君を誰にも傷つけさせはしない」
そう呟いて、少女の右手に口付けをする。
俺は彼女の顔に手をかけて、瞼を静かに下ろす。そしてそのまま、その小さな身体を背負った。
少女の身体の軽さと冷たさに再び涙がこぼれる。
それを袖口で拭いながら、俺は開いたままの裏口をじっと見つめた。
・・・ここに、この娘を殺した奴が居るのだろうか・・・もし、居るのならば・・・
「殺す・・・殺してやる・・・」
胸中の怒りや憎しみを、呪詛の言葉に―殺意に変えて空気に触れさせる。
彼女の体温を背中に感じる。彼女の身体が俺の中の熱を受け止める。
『熱くなったら駄目だよ』
そう言われたように感じて、笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ・・・大丈夫」
彼女の言う通りだ。こんなときこそ冷静にならなければいけない。
相手の戦力もわからないのに、無策に突っ込むのは愚かな事だ。
いつの間にか取り落としていた杖を拾い上げ、俺は被りを振って冷静さを取り戻す。
そして、少女の声援を胸に、俺は病院内へと一歩づつ踏み込んでいった。
大丈夫だ。彼女と心が繋がっているかぎり、俺は負けはしない。
万が一、彼女との繋がりを壊すような奴がいても、排除すれば良いだけだ。
「安心してね。すぐに終わらせて・・・それから、ずっと一緒に居てあげるから」
・・・すっかり明るくなった空に男の姿が見えた気がしたが、微塵の興味もわかなかった。
【D-3病院裏口 1日目 早朝(放送直前)】
【ロック@BLACK LAGOON】
[状態]:精神的・肉体的に少しの疲労
はやてを殺した者に対する怒りがあるが、判断力などは冷静?
[装備]:ルイズの杖@ゼロの使い魔、八神はやての遺体
[道具]:支給品三人分(他武器以外のアイテム2品)
どんな病気にも効く薬@ドラえもん、現金数千円
[思考・状況]
1:少女(八神はやて)を殺した者を殺す
2:少女との繋がりを裂こうとする者を殺す
3:少女を傷つけそうな者を殺す
最終:1~3の目的を全て果たし、少女とずっと一緒に居る
※『ずっと一緒に居る』の解釈は後の書き手さんにお任せします
※はやての遺体を背負っています。
車椅子は裏口に放置、マイクロ補聴器@ドラえもんははやての遺体が装備したままです
※惚れ薬の効果は数十分できれます
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|79:[[これが薬師の選択です]]|ロック|114:[[「永遠に(ネバー・ダイ)」]]|
*Is he a knight? ◆FbVNUaeKtI
「くそっ、いったいどこに行ったんだ」
謝罪の言葉と共に姿を消した少女を捜して、俺はビル街を駆けていた。
何故、彼女が俺を殴ったうえに逃げ出したのか。
俺は何か、エルルゥの気に障ることをしてしまったのだろうか?
皆目見当もつかないが、あの無力そうな少女を放っておくのも寝覚めが悪かった。
しかし・・・声がしてからすぐに顔を上げたのにも関わらず、少女の姿は既に無く。
足の速さが尋常じゃないのか、建物の中に隠れてしまったのか・・・
俺はエルルゥの姿を完全に見失っていた。
(しょうがない、とりあえず彼女の事は後回しに・・・)
と、周囲を見渡していた俺の眼にある物が飛び込んでくる。
それは、ビル群の中でも一際目を引く白く大きな建物・・・どうやら病院らしい。
もしかすると、何か役に立つ道具があるかもしれない。それに・・・
(たしか、薬剤師って言ってたよな彼女・・・行ってみるか)
俺はしばらくの思案の後、病院に向かい歩き始めた。
(あれは・・・)
目的地まで後少しのところで、俺は思わず立ち止まった。
爆発でもあったのか、正面玄関のガラスが完膚なきほどに吹き飛んでいる。
どうやら、何らかの戦闘行為が行われたようだ。
今は静寂に包まれているものの、飛び散ったガラス片がここで起こった事の凄まじさを物語っていた。
さすがに、エルルゥもここには入り込んじゃいないだろうが・・・
何が起こったのか、確認するだけでも悪くはないだろう。
(それに、生存者がいるかもしれないしな)
だが、さすがにこんな状態の場所から入るのは気が引けた。
俺はゆっくりと踵を返すと、その足で建物の裏へと回る。
そして、俺は・・・天使に出会った。
まだ薄暗い搬入口に、唯一光る常夜灯。その即席のスポットライトに照らされて、彼女はいた。
真っ白な光に照らされる、小さく華奢な身体。少女が身を預ける車椅子にゆっくりと近づく。
その愛らしい顔は、何が起こったのかわからないといった表情であらぬ方向を見つめていた。
「あ・・・ああ・・・」
何処からともなく、奇妙な音が響く。
それが自分の声だと気づいた頃には、俺は彼女の冷たくなった身体に顔をうずめ、涙を流しながら絶叫していた。
どうしようもない愛しさと悲しみと絶望と。それら全てが一緒くたになったものが胸の内から溢れ出す。
(どうして・・・どうして、こんな・・・)
それは水面に映る月のように、手で掬っても指の間から零れて消える。
ひとしきり泣いて、泣いて、泣いて・・・震える俺の頭に、不意に冷たいものが触れる。
それは、少女の手。もちろん、彼女の意思が動かしたわけではない。
俺が乱暴に揺さぶってしまったせいで、彼女の手がずれただけでしかない。
けれども・・・俺には彼女の声が聞こえた気がした。
「わかったよ・・・俺はもう、君を誰にも傷つけさせはしない」
そう呟いて、少女の右手に口付けをする。
俺は彼女の顔に手をかけて、瞼を静かに下ろす。そしてそのまま、その小さな身体を背負った。
少女の身体の軽さと冷たさに再び涙がこぼれる。
それを袖口で拭いながら、俺は開いたままの裏口をじっと見つめた。
・・・ここに、この娘を殺した奴が居るのだろうか・・・もし、居るのならば・・・
「殺す・・・殺してやる・・・」
胸中の怒りや憎しみを、呪詛の言葉に―殺意に変えて空気に触れさせる。
彼女の体温を背中に感じる。彼女の身体が俺の中の熱を受け止める。
『熱くなったら駄目だよ』
そう言われたように感じて、笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ・・・大丈夫」
彼女の言う通りだ。こんなときこそ冷静にならなければいけない。
相手の戦力もわからないのに、無策に突っ込むのは愚かな事だ。
いつの間にか取り落としていた杖を拾い上げ、俺は頭を振って冷静さを取り戻す。
そして、少女の声援を胸に、俺は病院内へと一歩づつ踏み込んでいった。
大丈夫だ。彼女と心が繋がっているかぎり、俺は負けはしない。
万が一、彼女との繋がりを壊すような奴がいても、排除すれば良いだけだ。
「安心してね。すぐに終わらせて・・・それから、ずっと一緒に居てあげるから」
・・・すっかり明るくなった空に男の姿が見えた気がしたが、微塵の興味もわかなかった。
【D-3病院裏口 1日目 早朝(放送直前)】
【ロック@BLACK LAGOON】
[状態]:精神的・肉体的に少しの疲労
はやてを殺した者に対する怒りがあるが、判断力などは冷静?
[装備]:ルイズの杖@ゼロの使い魔、八神はやての遺体
[道具]:支給品三人分(他武器以外のアイテム2品)
どんな病気にも効く薬@ドラえもん、現金数千円
[思考・状況]
1:少女(八神はやて)を殺した者を殺す
2:少女との繋がりを裂こうとする者を殺す
3:少女を傷つけそうな者を殺す
最終:1~3の目的を全て果たし、少女とずっと一緒に居る
※『ずっと一緒に居る』の解釈は後の書き手さんにお任せします
※はやての遺体を背負っています。
車椅子は裏口に放置、マイクロ補聴器@ドラえもんははやての遺体が装備したままです
※惚れ薬の効果は数十分できれます
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