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「POLLUTION(後編)」(2021/12/21 (火) 08:52:03) の最新版変更点
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*POLLUTION(後編) ◆B0yhIEaBOI
☆
「……おしっこ」
むくりと起き上がって、そうつぶやいた。
まわりには、みんな……ハルヒおねえちゃんと、のびお兄ちゃんと、ドラえもんと、凛おばちゃんが眠ってる。
みんなスヤスヤ眠ってるから、起こさないようにそっと部屋を出て、お手洗いまで歩く。
暗くて長い廊下が、なんだかとっても怖かった。
真っ暗で、誰かが急に出てくるかもしれない、って怖くなる。
でも……出てくるのが、おとーさんだったらいいな。
そう思うと、なんだか暗いのが怖くなくなった。
それどころか、もっともっと、ずーっと暗いところを見ていたくなった。
ぶるるっ
やっぱり早くお手洗いに行かないと。
「ふぃーっ」
おしっこがすんだら、おててを洗う。
水が変なところからでたりして変なお手洗いだけど、ハルヒおねえちゃんが教えてくれたから、使い方もなんとかわかる。
おしっこしたら、とってを倒して水を出す。手を出したらかってに水が出てくるからそこで洗う。
そのよこの箱から出てくる風で手をかわかす。うん、かんぺき。
さいしょは良く分からなかったけど、ハルヒおねえちゃんがぜんぶ教えてくれた。
さいしょは男の人と女の人の入り口がちがうの分からなくて、中でヤマトに怒られたっけ。
「ヤマト、だいじょうぶかなぁ……」
ヤマトの友達のタイチ。あったばかりなのに死んじゃった。ヤマトはいっつもタイチのことばかり話してたのに。
長門おねえちゃんも、あの仮面の人が名前を呼んでいた。じゃあ、おとーさんといっしょで……?
それにハルヒおねえちゃんもまだおめめをさまさない。前もずっと寝てたけど、めをさました。
こんどもきっと目をさますよね。きっと……
ぴちょん。
洗面台に、水がおちた。
アルルゥの、なみだ。
だめ。泣いちゃだめ。泣いたらヤマトもハルヒおねえちゃんも心配する。
だから、アルルゥは泣いちゃだめなの。泣かないで、ヤマトが帰ってくるのを待つの。
でも、でも、
どうしてもなみださんは止まってくれなかった。
「泣いてるのぉ? アルちゃん?」
どきっ!!!
いきなり後ろから声がした。
暗いところから出てきたのは、おとーさんじゃなくて、凛おばちゃんだった。
はんしゃ的に、壁のかげにかくれる。
アルルゥ、凛おばちゃんキライ。なんだか分からないけど、キライ。
顔だけ出して、凛おばちゃんの方を見る。
「もう……そんなに嫌わなくたっていいじゃない。怖がらなくたって何もしないわよぉ」
凛おばちゃんが笑う。なんだか怖い。
凛おばちゃんは、ゆっくりアルルゥのとこに歩いてくる。
「アルちゃん……太一君のことで泣いてたんでしょう? それに、ヤマト君が心配。違う?」
「む……?」
なんで? なんで分かるんだろ?
「さっきドラちゃんたちから聞いたけど……悲しかったでしょうね。それに、もうお父さんも……」
「……」
おとーさんのことも、みんなの事も、思い出したらアルルゥとってもかなしくなる。
でも、凛おばちゃんもとっても悲しそうだった。見てるとアルルゥももっともっと悲しくなる。
「私もね……姉妹がいたんだけど、みんな死んじゃって……仲間もいないし、1人でとっても寂しかったの。
だから、アルちゃんが悲しいの、私も少しは分かるつもりよ」
「しまい……?」
「ええ、妹が3人いたわ。だけどもう……誰も残ってないの」
凛おばちゃんはほんとに悲しそうだった。でも、がんばって笑ってくれる。
「でもね、アルちゃん。アルちゃんには、まだお友達が沢山いるじゃない。
ドラちゃんにのび太君に、ハルヒちゃんに……ヤマト君も。
だから、アルちゃんは泣いてちゃ駄目。アルちゃんはお友達と一緒に、お友達が怪我し無いように頑張らないと。
それに、アルちゃんは泣いてるより笑ってるほうがお似合いよぉ?」
そう言って、凛おばちゃんは笑ってくれた。
それを見てたら……なんだか、泣いてちゃダメなんだ、って、思った。
アルルゥが泣いてたら、凛おばちゃんは……おねーちゃんは、悲しいままだ。
「凛おばちゃんも……アルルゥの友達」
「あら、嬉しい。でも、おばちゃんじゃなくて、お姉ちゃん、って呼んで欲しいなぁ」
「ん、わかった。凛おねえちゃん」
そういったら、凛おねえちゃんはまたくすっと笑った。
「ところでね、アルちゃん。みんなの役に立ちたい、って思わない?」
「ん?」
みんなのところに帰ろうとしたアルルゥに、凛おねえちゃんが話しかけてきた。
「突然だけどね、私、魔法が使えるのよ」
――ふわっ
そういって凛おねえちゃんがなにかつぶやくと、ふわりと凛おねえちゃんの体がうかび上がった。
「おー、ういてる!」
「ね、凄いでしょう? 他にも色々できるのよぉ? 戦うのは苦手だけどね」
「ん! すごい」
こくこくとうなずく。
凛おねえちゃんがカミュちーみたいにふわふわと飛ぶ。
アルルゥはそんなのできないから、やっぱりすごいんだな、と思った。
「これをね、アルちゃんも出来るようになるかもしれないのよぉ」
「んん!?」
凛おねえちゃんはまたふわりと地面におりると、アルルゥにゆっくり話しだした。
「私の魔法……ある『魔法の本』の力をかりてるんだけどね、
その本が、『アルちゃんなら出来る』って言い出したのよぉ。
普段は私が話しかけてもだんまりなのに……これって、とっても珍しいことなのよぉ。
だから、もしアルちゃんがよければ……私と一緒に、魔法の練習、してみない?」
「むー、まほー?」
まほーって何だろ? ほーじゅつみたいなものかな?
お空をとんだり、あと……え~っと、え~っと……
とにかくいろいろできるのかな??
「ええ、そうよぉ。魔法が使えれば、きっとみんなの役に立てるわぁ。
例えばヤマト君をお空の上から探せたら、きっとすぐに見つかると思うし」
アルルゥがみんなの役に立つ……!
アルルゥが魔法でヤマトを見つける……!!
「アルちゃんだって、ハルヒお姉ちゃん達に守られてばっかりじゃ嫌でしょう?
今度はアルちゃんが、ハルヒお姉ちゃん達を助けてあげる番よ」
アルルゥが、みんな助ける!
もう、だれも居なくなったりしないようにする!!
「ん! アルルゥがんばる! アルルゥがみんな助ける!!」
アルルゥがそういったら、凛おねえちゃんはまたうれしそうに笑った。
「そう……アルちゃん偉いわぁ。きっと皆も喜ぶわよぉ。それじゃぁ、善は急げ。今から練習はじめてみましょうか」
「ん!」
凛おねえちゃんは、どんどん奥のほうへ歩いていく。
凛おねえちゃんは「うるさくして皆を起こしちゃ気の毒でしょ?」っていってた。アルルゥもそう思う。
どんどん暗いところに行くけど。アルルゥはもう怖くなんか無いもん。たぶん。
「……手術室……かぁ。ここならいいかな?」
凛おねえちゃんはそういうと、いっこの部屋のでんきを付けて中に入っていった。
アルルゥもついていく。
部屋の中は広くって、がらんとしていた。
壁にたながいっぱいあって、すみっこになにかの箱がおいてあって、天井からおっきなのがぶら下がってる。
「うん、ここなら静かだし、思う存分練習できるわねぇ」
凛おねえちゃんは、真ん中の箱にすわると、私を呼んだ。
「いい、アルちゃん。魔法といっても、実際は私も魔法の本の力を借りてるだけなのよ。
だから、大事なのは、魔法の本と、アルちゃんの頑張りなのよ。
きっとアルちゃんが頑張れば、魔法の本も応えてくれるし、魔法だって使いこなせると思うの」
そういって、凛おねえちゃんは立ち上がる。
「ん! アルルゥ頑張る!」
「そう、その意気よぉ。じゃあ、お姉ちゃんの言うとおりにするのよ。まず、目を閉じて、心を落ち着けるの」
「ん!」
アルルゥは目をしめる。
心を落ち着けるってどうするのか良く分からないけど、む~、と頑張る。
「そして、それからアルちゃんの大事な人、助けたい人達のことを考えるの」
「ん! かんがえる!」
大事な人……おとーさん。おねーちゃん。みんな。
ハルヒおねえちゃん。ヤマト。ルパンおじちゃん。トグサおじちゃん。長門おねえちゃん。ドラえもん。のびお兄ちゃん。
みんな、みんな。
「そして、その人達と、楽しく幸せに暮らしてるところを想像して御覧なさい?」
「ん……わかった」
そうぞうする。
おとーさんがいて、その膝の上にアルルゥがいる。
横にはおねーちゃんたちがいて、アルルゥの頭をなでてくれる。
みんな笑ってて、みんなでごはんを食べる。
それを見て、アルルゥも笑うの。
楽しくて、幸せで……ずっと、ずっとこのままならいいなって思って……
「いいわよぉアルちゃん、その調子。じゃあ次は……」
そういうと、何かが「ばさっ」って音をたてた。
アルルゥの上に、何かが降ってきた。
「む?」
思わず目を開けたら、目の前が真っ青だった。
なんだろう? これ??
よく見るとそれは、青い、おっきな布だった。
「次は……そのまま死んでくれる?」
どんっ、と首を押される。
びっくりして息をのみこんだけど、そのまま息がはき出せない。
なにが起こったのか、って見ようとしても、なぜか首がうごかない。
目だけをがんばって動かして見ると、赤いなにかが見えた。
赤い板が、布からアルルゥののどらへんに、突き出ていた。
「ごぽっ」
くちの中から、べとべとした水が、血が、あふれてくる。
くるしい。息ができない。
いたい。どこが? 首が! 首がいたい!!
でも『いたい』って叫びたいのに声がでない。
「ふふ、声が出ないでしょう? ちゃあんと声が出るところを狙って刺したからねぇ」
凛おねえちゃんが何か言ってる。
凄く怖くて、アルルゥの嫌いな声で。
「でも、さすが手術用の布ねぇ。血が全然漏れてこないわぁ。汚れたらどうしようかな、って思ってたんだけど。
血って結構臭いのよぉ? ああ、後で香水振っとかないと。どこかにあるかしら?」
「……!?!?」
いろんなことを言いたかった。
なんで、こんなことするの?
凛おねえちゃんは、アルルゥのことがきらいなの?
アルルゥが、なにか悪いことしちゃったの?
それならごめんなさい、って言うからおしえて。
なんで? なんでなの?
――ガシャン!
アルルゥがよろけて、何かに当たる。おっきな音がする。
「……もう、気をつけてよアルちゃん。これで誰かが気付いたら面倒じゃない……」
そういうと、凛おねぇちゃんはアルルゥを突き飛ばした。
立っていられなくなって、アルルゥは地面にこけた。
「だからぁ、アルちゃんはお利口さんなんだから……そのまま、死んじゃってよ、ね?」
ぐさり。
体のどこかに何かが刺さった。
最初にそこが熱くなって、後から痛いのがやってくる。
「折角幸せな気持ちで死ねるように気を使ってあげたんだからぁ」
ぐさり。
またどこかに何かが刺さる。
いやだ。いやだ。たすけて。だれかたすけて。
「ああもう、そんなに暴れちゃだめよぉ。どうせもう助からないんだからぁ、大人しくしなさいよぉ」
ぐさり。
またささる。
もがいて逃げようとしても、ゆるしてくれない。
「アルちゃんはあんまり何も話してくれなかったから、お話はハルヒおねえちゃんから聞くことにするわぁ。
だからアルちゃんは心配しなくていいのよぉ」
ぐさり。
ささる。
じたばたしようとしても、だんだん体が動かなくなってくる。
「ふふ、でもあなたも酷いわねぇ、『魔法の本』さぁん?
あなたが強情張ってないで何か喋ってれば、この子を逃がせたかもしれないのにねぇ……
ま、そうなればあの子達みんな皆殺しになってただけだろうけど」
ぐさり
ささる。
なんだか体がおもい。うでも、あしも、動かそうとしても、ちょっとしか動かない。
「大丈夫よぉ、アルちゃん。きっと優しいお父さんが迎えに来てくれるわよぉ。
天国にいったら、めいっぱい甘えてあげなさぁい? ふふっ」
ぐさり
ささる。
なんだか目の前が暗くなる。ささったところが熱かったのに、だんだか寒くなってきた。
「…………」
ぐさり。
ささる。
もう凛おねえちゃんが何を言ってるのかも良く分からない。それに、なんだかとってもねむい。
ぐさり。
ささる。
ぐさり。
ぐさり。
ぐさり。
……
……
……おとーさん……
★
「「な、なんだって~~~~~!?」」
静かな病室に、2人の声が木霊する。
「「アルルゥちゃんが、いなくなった~~~~~!?」」
「ええ……そうなのよ。さっき2人で話してたら、なんだかアルちゃん思いつめちゃったみたいで……。
『ヤマトをたすける!』って言って、走って行っちゃったのよ。
私も急いで追いかけたんだけど、見失っちゃって……本当にごめんなさい。私、どうしたらいいか……」
そう言って私は目を伏せ、黙り込む。
「ううん、凛お姉さんは悪くないよ。それより、早くアルルゥちゃんを探さないと!」
そしてそう言うなり駆け出そうとするのび太君を、ドラえもんが引き止める。
「待ってのび太君、一人で行くのは危険だ。もしも危ない人に見つかったら……!」
「そうよ。それに私を襲った人が近くに来てるかもしれないし……」
「それなら尚更はやく見つけないといけないじゃないか! 皆で行けばまだ安全かもしれないし早く行こうよ!」
「うん、でも……」
のび太君に急かされたドラえもんが、後ろを振り返る。
視線の先の病室では、ハルヒちゃんがまだ寝ている筈だ。彼女を1人置いていくのも気が引けるのだろう。
だから、私が助け舟を出してあげる。
「……それじゃ、こういうのはどうかしら? ドラちゃんとのび太君はアルちゃんを探しにいく。私はその間ハルヒちゃんとお留守番。
これなら誰も1人っきりにならないし、アルちゃんも探しに行ける」
私の提案にドラえもんは少し迷いを見せたけど、のび太君に急かされて、結局私の案に同意した。
「わかったよ。ハルヒちゃんをよろしくね!」
「わかったわぁ」
ふふふ。元気ねぇ。
私が出した助け舟は、酷い穴の開いた泥舟だっていうのにね。
「ちょっと待って!!」
突然、後ろから声がした。
振り向くと、病室のドアを開けて、ハルヒちゃんがこちらに歩いて来るところだった。
よろよろとした足取りで。
「話は聞こえたわ。アルちゃんがいなくなったんですってね。私も一緒に探しにいくわ!!」
そんな、さっきまで昏睡していたとは思えないハルヒちゃんの気勢に押されつつも、ドラえもんが反論してくれる。
「で、でもハルヒちゃんだって体の調子が良くないし、凛さんだって付いていてくれるから……」
「団長の私が、団員の一大事にじっとしてて良いワケが無いでしょ!」
ハルヒちゃんはぴしゃりとそう言い切ると、私たちを追い越して玄関の方へと歩いていく。
「なにしてるの! ぐずぐずしてる時間なんてないんだからね!」
あらあら、残念。
これから2人でおしゃべりして、その後で『おねんね』してもらおうと思っていたのに残念だわぁ。
でも、まぁ別にいいかもね。
このままアルちゃんを探すふりをしながら、カレイドルビーの元に戻って合流でもしようかしら。
チャンスがあればもう1人ぐらい殺しておいてもいいけれど……うふふ。
でも、もう無理する必要は全然無いしね。今はこの子達と別れちゃうのも別にいいわぁ。
ちゃあんと念入りに『処理』してダストシュートに隠しておいた、アルちゃんが見つかるとも思えないし。
こうして夜の街をうろついていれば、みんな誰かに殺されちゃうかもしれないしねぇ?
唯一の失敗は……消臭しすぎて私が消毒液臭くなっちゃったってことかしらぁ? はやくお風呂に入りたいわぁ……
【F-3 2日目・深夜】
【遠坂凛(カレイドルビー)@Fate/ Stay night】
[状態]:カレイドルビー状態/水銀橙と『契約』
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(アクセルモード)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(食料残り一日分。水3割消費、残り1本)、ヤクルト一本
:エルルゥのデイパック(支給品一式(食料なし)、惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん、
:五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
:市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)、紅茶セット(残り4パック)
[思考]
1:黎明~早朝ぐらいまで水銀燈を待つ。
2:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
3:セイバーについては捜索を一時保留する。
4: ドラえもんを探し、詳しい科学技術についての情報を得る。
5: アーチャーやセイバーがどうなっているか、誰なのかを確認する。
6:知ってるセイバーやアーチャーなら、カレイドルビーの姿はできる限り見せない。
7:自分の身が危険なら手加減しない。
[備考]:
※緑の髪のポニーテールの女(園崎魅音。名前は知らない)を危険人物と認識。
※レイジングハートからの講義は何らかの効果があったかもしれませんが、それらの実践はしていません。
※レイジングハートは、シグナム戦で水銀燈がスネ夫をかばうフリをして見捨てたことを知っており、水銀燈を警戒しています。
現在もその疑心は少しずつ深まっている状態です。
※カレイドルビー&レイジングハートの主催者&首輪講座 済
[推測]:
ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い(推測)
膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能(推測)
首輪には盗聴器がある
首輪は盗聴したデータ以外に何らかのデータを計測、送信している
【D-3 2日目・深夜】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:服の一部損傷/人間モード /『契約』による自動回復は距離により一時途絶。消毒液の臭い。
[装備]: くんくんの人形@ローゼンメイデン、ドールの鞄@ローゼンメイデン
[道具]:透明マント@ドラえもん、ストリキニーネ(粉末状の毒物。苦味が強く、致死量を摂取すると呼吸困難または循環障害を起こし死亡する)
:デイパック(透明マントで隠している)(支給品一式(食料と水はなし)、ドールの螺子巻き@ローゼンメイデン、)、ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー、照明弾)
ヘンゼルの手斧@BLACK LAGOON、夜天の書(多重プロテクト状態))
[思考・状況]
1:病院には長居せずにさっさとカレイドルビーと合流。
2:ハルヒから情報を得る。
3:チャンスがあれば誰かを殺害。しかし出来る限りリスクは負わない。
4: カレイドルビーとの『契約』はできる限り継続、利用。最後の二人になったところで殺しておく。
5:ローザミスティカをできる限り集める。真紅のミスティカを持っているという男を捜す。
6:カレイドルビーの敵を作り、戦わせる。
7:あまりに人が増えるようなら誰か一人殺す。
8:青い蜘蛛にはまだ手は出さない。
[備考]:
※凛の名をカレイドルビーだと思っています。 :カレイドルビーの名前が名簿に無いことは気付いていると思われます。
※透明マントは子供一人がすっぽりと収まるサイズ。複数の人間や、大人の男性では全身を覆うことできません。また、かなり破れやすいです。
※透明マントとデイパック内の荷物に関しては誰に対しても秘密。
※レイジングハートを少し警戒。
※デイパックに収納された夜天の書は、レイジングハートの魔力感知に引っかかることは無い。
※夜天の書装備時は、リインフォース(vsなのは戦モデル)と完全に同一の姿となります。
※夜天の書装備時は、水銀燈の各能力がそれと似たベルカ式魔法に変更されます。
※リインフォースは水銀燈に助言する気は全くありません。
※水銀燈の『契約』について:省略
※水銀燈の吐いた嘘について。
・名前は『遠坂凛』。
・病院の近くで襲われ、デイバックを失った。残ったのはドールの鞄とくんくん人形だけ。
・一日目は、ずっと逃げたり隠れたりしていた。
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:中程度のダメージ、頭部に強い衝撃
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱
[思考・状況]
1:アルルゥを探す
2:自分の立てた方針に従い首輪の解除に全力を尽くす
3:ジャイアンを捜す
基本:ひみつ道具と仲間を集めてしずかの仇を取る。ギガゾンビを何とかする。
[備考]
※第一回放送の禁止エリアについてのび太から話を聞きました。
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:ギガゾンビ打倒への決意/左足に負傷(行動には支障なし。だが、無理は禁物)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ドラえもん達と行動しつつ、首輪の解除に全力を尽くす。
2:なんとかしてしずかの仇を討ちたい。
3:ジャイアンを探す。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:薬の影響で少しふらつく。
頭部に重度の打撲(意識は回復。だがまだ無理な運動は禁物)
左上腕に負傷(ほぼ完治)
[装備]:なし
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回) 、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回)
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:アルルゥの捜索。
2:知り合いを探す。
3:キョンと合流したい。
4:ろくな装備もない長門(とトグサ)が心配。
5:ペットショップを探して、アルルゥの能力で色々やってみる。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※ハルヒは第4放送の内容を知りません。
&color(red){【アルルゥ@うたわれるもの 死亡】}
&color(red){[残り28人]}
※アルルゥの死体は、病院のダストシュート内に隠蔽されており、簡単には見つかりません。
※ハクオロの鉄扇はアルルゥの死体が所持しています。
*時系列順で読む
Back:[[POLLUTION(前編)]] Next:[[共有]]
*投下順で読む
Back:[[POLLUTION(前編)]] Next:[[共有]]
|242:[[POLLUTION(前編)]]|遠坂凛|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|
|242:[[POLLUTION(前編)]]|水銀燈|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|
|242:[[POLLUTION(前編)]]|ドラえもん|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|
|242:[[POLLUTION(前編)]]|野比のび太|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|
|242:[[POLLUTION(前編)]]|涼宮ハルヒ|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|
|242:[[POLLUTION(前編)]]|&color(red){アルルゥ}||
*POLLUTION(後編) ◆B0yhIEaBOI
☆
「……おしっこ」
むくりと起き上がって、そうつぶやいた。
まわりには、みんな……ハルヒおねえちゃんと、のびお兄ちゃんと、ドラえもんと、凛おばちゃんが眠ってる。
みんなスヤスヤ眠ってるから、起こさないようにそっと部屋を出て、お手洗いまで歩く。
暗くて長い廊下が、なんだかとっても怖かった。
真っ暗で、誰かが急に出てくるかもしれない、って怖くなる。
でも……出てくるのが、おとーさんだったらいいな。
そう思うと、なんだか暗いのが怖くなくなった。
それどころか、もっともっと、ずーっと暗いところを見ていたくなった。
ぶるるっ
やっぱり早くお手洗いに行かないと。
「ふぃーっ」
おしっこがすんだら、おててを洗う。
水が変なところからでたりして変なお手洗いだけど、ハルヒおねえちゃんが教えてくれたから、使い方もなんとかわかる。
おしっこしたら、とってを倒して水を出す。手を出したらかってに水が出てくるからそこで洗う。
そのよこの箱から出てくる風で手をかわかす。うん、かんぺき。
さいしょは良く分からなかったけど、ハルヒおねえちゃんがぜんぶ教えてくれた。
さいしょは男の人と女の人の入り口がちがうの分からなくて、中でヤマトに怒られたっけ。
「ヤマト、だいじょうぶかなぁ……」
ヤマトの友達のタイチ。あったばかりなのに死んじゃった。ヤマトはいっつもタイチのことばかり話してたのに。
長門おねえちゃんも、あの仮面の人が名前を呼んでいた。じゃあ、おとーさんといっしょで……?
それにハルヒおねえちゃんもまだおめめをさまさない。前もずっと寝てたけど、めをさました。
こんどもきっと目をさますよね。きっと……
ぴちょん。
洗面台に、水がおちた。
アルルゥの、なみだ。
だめ。泣いちゃだめ。泣いたらヤマトもハルヒおねえちゃんも心配する。
だから、アルルゥは泣いちゃだめなの。泣かないで、ヤマトが帰ってくるのを待つの。
でも、でも、
どうしてもなみださんは止まってくれなかった。
「泣いてるのぉ? アルちゃん?」
どきっ!!!
いきなり後ろから声がした。
暗いところから出てきたのは、おとーさんじゃなくて、凛おばちゃんだった。
はんしゃ的に、壁のかげにかくれる。
アルルゥ、凛おばちゃんキライ。なんだか分からないけど、キライ。
顔だけ出して、凛おばちゃんの方を見る。
「もう……そんなに嫌わなくたっていいじゃない。怖がらなくたって何もしないわよぉ」
凛おばちゃんが笑う。なんだか怖い。
凛おばちゃんは、ゆっくりアルルゥのとこに歩いてくる。
「アルちゃん……太一君のことで泣いてたんでしょう? それに、ヤマト君が心配。違う?」
「む……?」
なんで? なんで分かるんだろ?
「さっきドラちゃんたちから聞いたけど……悲しかったでしょうね。それに、もうお父さんも……」
「……」
おとーさんのことも、みんなの事も、思い出したらアルルゥとってもかなしくなる。
でも、凛おばちゃんもとっても悲しそうだった。見てるとアルルゥももっともっと悲しくなる。
「私もね……姉妹がいたんだけど、みんな死んじゃって……仲間もいないし、1人でとっても寂しかったの。
だから、アルちゃんが悲しいの、私も少しは分かるつもりよ」
「しまい……?」
「ええ、妹が3人いたわ。だけどもう……誰も残ってないの」
凛おばちゃんはほんとに悲しそうだった。でも、がんばって笑ってくれる。
「でもね、アルちゃん。アルちゃんには、まだお友達が沢山いるじゃない。
ドラちゃんにのび太君に、ハルヒちゃんに……ヤマト君も。
だから、アルちゃんは泣いてちゃ駄目。アルちゃんはお友達と一緒に、お友達が怪我しないように頑張らないと。
それに、アルちゃんは泣いてるより笑ってるほうがお似合いよぉ?」
そう言って、凛おばちゃんは笑ってくれた。
それを見てたら……なんだか、泣いてちゃダメなんだ、って、思った。
アルルゥが泣いてたら、凛おばちゃんは……おねーちゃんは、悲しいままだ。
「凛おばちゃんも……アルルゥの友達」
「あら、嬉しい。でも、おばちゃんじゃなくて、お姉ちゃん、って呼んで欲しいなぁ」
「ん、わかった。凛おねえちゃん」
そういったら、凛おねえちゃんはまたくすっと笑った。
「ところでね、アルちゃん。みんなの役に立ちたい、って思わない?」
「ん?」
みんなのところに帰ろうとしたアルルゥに、凛おねえちゃんが話しかけてきた。
「突然だけどね、私、魔法が使えるのよ」
――ふわっ
そういって凛おねえちゃんがなにかつぶやくと、ふわりと凛おねえちゃんの体がうかび上がった。
「おー、ういてる!」
「ね、凄いでしょう? 他にも色々できるのよぉ? 戦うのは苦手だけどね」
「ん! すごい」
こくこくとうなずく。
凛おねえちゃんがカミュちーみたいにふわふわと飛ぶ。
アルルゥはそんなのできないから、やっぱりすごいんだな、と思った。
「これをね、アルちゃんも出来るようになるかもしれないのよぉ」
「んん!?」
凛おねえちゃんはまたふわりと地面におりると、アルルゥにゆっくり話しだした。
「私の魔法……ある『魔法の本』の力をかりてるんだけどね、
その本が、『アルちゃんなら出来る』って言い出したのよぉ。
普段は私が話しかけてもだんまりなのに……これって、とっても珍しいことなのよぉ。
だから、もしアルちゃんがよければ……私と一緒に、魔法の練習、してみない?」
「むー、まほー?」
まほーって何だろ? ほーじゅつみたいなものかな?
お空をとんだり、あと……え~っと、え~っと……
とにかくいろいろできるのかな??
「ええ、そうよぉ。魔法が使えれば、きっとみんなの役に立てるわぁ。
例えばヤマト君をお空の上から探せたら、きっとすぐに見つかると思うし」
アルルゥがみんなの役に立つ……!
アルルゥが魔法でヤマトを見つける……!!
「アルちゃんだって、ハルヒお姉ちゃん達に守られてばっかりじゃ嫌でしょう?
今度はアルちゃんが、ハルヒお姉ちゃん達を助けてあげる番よ」
アルルゥが、みんな助ける!
もう、だれも居なくなったりしないようにする!!
「ん! アルルゥがんばる! アルルゥがみんな助ける!!」
アルルゥがそういったら、凛おねえちゃんはまたうれしそうに笑った。
「そう……アルちゃん偉いわぁ。きっと皆も喜ぶわよぉ。それじゃぁ、善は急げ。今から練習はじめてみましょうか」
「ん!」
凛おねえちゃんは、どんどん奥のほうへ歩いていく。
凛おねえちゃんは「うるさくして皆を起こしちゃ気の毒でしょ?」っていってた。アルルゥもそう思う。
どんどん暗いところに行くけど。アルルゥはもう怖くなんか無いもん。たぶん。
「……手術室……かぁ。ここならいいかな?」
凛おねえちゃんはそういうと、いっこの部屋のでんきを付けて中に入っていった。
アルルゥもついていく。
部屋の中は広くって、がらんとしていた。
壁にたながいっぱいあって、すみっこになにかの箱がおいてあって、天井からおっきなのがぶら下がってる。
「うん、ここなら静かだし、思う存分練習できるわねぇ」
凛おねえちゃんは、真ん中の箱にすわると、私を呼んだ。
「いい、アルちゃん。魔法といっても、実際は私も魔法の本の力を借りてるだけなのよ。
だから、大事なのは、魔法の本と、アルちゃんの頑張りなのよ。
きっとアルちゃんが頑張れば、魔法の本も応えてくれるし、魔法だって使いこなせると思うの」
そういって、凛おねえちゃんは立ち上がる。
「ん! アルルゥ頑張る!」
「そう、その意気よぉ。じゃあ、お姉ちゃんの言うとおりにするのよ。まず、目を閉じて、心を落ち着けるの」
「ん!」
アルルゥは目をしめる。
心を落ち着けるってどうするのか良く分からないけど、む~、と頑張る。
「そして、それからアルちゃんの大事な人、助けたい人達のことを考えるの」
「ん! かんがえる!」
大事な人……おとーさん。おねーちゃん。みんな。
ハルヒおねえちゃん。ヤマト。ルパンおじちゃん。トグサおじちゃん。長門おねえちゃん。ドラえもん。のびお兄ちゃん。
みんな、みんな。
「そして、その人達と、楽しく幸せに暮らしてるところを想像して御覧なさい?」
「ん……わかった」
そうぞうする。
おとーさんがいて、その膝の上にアルルゥがいる。
横にはおねーちゃんたちがいて、アルルゥの頭をなでてくれる。
みんな笑ってて、みんなでごはんを食べる。
それを見て、アルルゥも笑うの。
楽しくて、幸せで……ずっと、ずっとこのままならいいなって思って……
「いいわよぉアルちゃん、その調子。じゃあ次は……」
そういうと、何かが「ばさっ」って音をたてた。
アルルゥの上に、何かが降ってきた。
「む?」
思わず目を開けたら、目の前が真っ青だった。
なんだろう? これ??
よく見るとそれは、青い、おっきな布だった。
「次は……そのまま死んでくれる?」
どんっ、と首を押される。
びっくりして息をのみこんだけど、そのまま息がはき出せない。
なにが起こったのか、って見ようとしても、なぜか首がうごかない。
目だけをがんばって動かして見ると、赤いなにかが見えた。
赤い板が、布からアルルゥののどらへんに、突き出ていた。
「ごぽっ」
くちの中から、べとべとした水が、血が、あふれてくる。
くるしい。息ができない。
いたい。どこが? 首が! 首がいたい!!
でも『いたい』って叫びたいのに声がでない。
「ふふ、声が出ないでしょう? ちゃあんと声が出るところを狙って刺したからねぇ」
凛おねえちゃんが何か言ってる。
凄く怖くて、アルルゥの嫌いな声で。
「でも、さすが手術用の布ねぇ。血が全然漏れてこないわぁ。汚れたらどうしようかな、って思ってたんだけど。
血って結構臭いのよぉ? ああ、後で香水振っとかないと。どこかにあるかしら?」
「……!?!?」
いろんなことを言いたかった。
なんで、こんなことするの?
凛おねえちゃんは、アルルゥのことがきらいなの?
アルルゥが、なにか悪いことしちゃったの?
それならごめんなさい、って言うからおしえて。
なんで? なんでなの?
――ガシャン!
アルルゥがよろけて、何かに当たる。おっきな音がする。
「……もう、気をつけてよアルちゃん。これで誰かが気付いたら面倒じゃない……」
そういうと、凛おねぇちゃんはアルルゥを突き飛ばした。
立っていられなくなって、アルルゥは地面にこけた。
「だからぁ、アルちゃんはお利口さんなんだから……そのまま、死んじゃってよ、ね?」
ぐさり。
体のどこかに何かが刺さった。
最初にそこが熱くなって、後から痛いのがやってくる。
「折角幸せな気持ちで死ねるように気を使ってあげたんだからぁ」
ぐさり。
またどこかに何かが刺さる。
いやだ。いやだ。たすけて。だれかたすけて。
「ああもう、そんなに暴れちゃだめよぉ。どうせもう助からないんだからぁ、大人しくしなさいよぉ」
ぐさり。
またささる。
もがいて逃げようとしても、ゆるしてくれない。
「アルちゃんはあんまり何も話してくれなかったから、お話はハルヒおねえちゃんから聞くことにするわぁ。
だからアルちゃんは心配しなくていいのよぉ」
ぐさり。
ささる。
じたばたしようとしても、だんだん体が動かなくなってくる。
「ふふ、でもあなたも酷いわねぇ、『魔法の本』さぁん?
あなたが強情張ってないで何か喋ってれば、この子を逃がせたかもしれないのにねぇ……
ま、そうなればあの子達みんな皆殺しになってただけだろうけど」
ぐさり
ささる。
なんだか体がおもい。うでも、あしも、動かそうとしても、ちょっとしか動かない。
「大丈夫よぉ、アルちゃん。きっと優しいお父さんが迎えに来てくれるわよぉ。
天国にいったら、めいっぱい甘えてあげなさぁい? ふふっ」
ぐさり
ささる。
なんだか目の前が暗くなる。ささったところが熱かったのに、だんだか寒くなってきた。
「…………」
ぐさり。
ささる。
もう凛おねえちゃんが何を言ってるのかも良く分からない。それに、なんだかとってもねむい。
ぐさり。
ささる。
ぐさり。
ぐさり。
ぐさり。
……
……
……おとーさん……
★
「「な、なんだって~~~~~!?」」
静かな病室に、2人の声が木霊する。
「「アルルゥちゃんが、いなくなった~~~~~!?」」
「ええ……そうなのよ。さっき2人で話してたら、なんだかアルちゃん思いつめちゃったみたいで……。
『ヤマトをたすける!』って言って、走って行っちゃったのよ。
私も急いで追いかけたんだけど、見失っちゃって……本当にごめんなさい。私、どうしたらいいか……」
そう言って私は目を伏せ、黙り込む。
「ううん、凛お姉さんは悪くないよ。それより、早くアルルゥちゃんを探さないと!」
そしてそう言うなり駆け出そうとするのび太君を、ドラえもんが引き止める。
「待ってのび太君、一人で行くのは危険だ。もしも危ない人に見つかったら……!」
「そうよ。それに私を襲った人が近くに来てるかもしれないし……」
「それなら尚更はやく見つけないといけないじゃないか! 皆で行けばまだ安全かもしれないし早く行こうよ!」
「うん、でも……」
のび太君に急かされたドラえもんが、後ろを振り返る。
視線の先の病室では、ハルヒちゃんがまだ寝ている筈だ。彼女を1人置いていくのも気が引けるのだろう。
だから、私が助け舟を出してあげる。
「……それじゃ、こういうのはどうかしら? ドラちゃんとのび太君はアルちゃんを探しにいく。私はその間ハルヒちゃんとお留守番。
これなら誰も1人っきりにならないし、アルちゃんも探しに行ける」
私の提案にドラえもんは少し迷いを見せたけど、のび太君に急かされて、結局私の案に同意した。
「わかったよ。ハルヒちゃんをよろしくね!」
「わかったわぁ」
ふふふ。元気ねぇ。
私が出した助け舟は、酷い穴の開いた泥舟だっていうのにね。
「ちょっと待って!!」
突然、後ろから声がした。
振り向くと、病室のドアを開けて、ハルヒちゃんがこちらに歩いて来るところだった。
よろよろとした足取りで。
「話は聞こえたわ。アルちゃんがいなくなったんですってね。私も一緒に探しにいくわ!!」
そんな、さっきまで昏睡していたとは思えないハルヒちゃんの気勢に押されつつも、ドラえもんが反論してくれる。
「で、でもハルヒちゃんだって体の調子が良くないし、凛さんだって付いていてくれるから……」
「団長の私が、団員の一大事にじっとしてて良いワケが無いでしょ!」
ハルヒちゃんはぴしゃりとそう言い切ると、私たちを追い越して玄関の方へと歩いていく。
「なにしてるの! ぐずぐずしてる時間なんてないんだからね!」
あらあら、残念。
これから2人でおしゃべりして、その後で『おねんね』してもらおうと思っていたのに残念だわぁ。
でも、まぁ別にいいかもね。
このままアルちゃんを探すふりをしながら、カレイドルビーの下に戻って合流でもしようかしら。
チャンスがあればもう1人ぐらい殺しておいてもいいけれど……うふふ。
でも、もう無理する必要は全然無いしね。今はこの子達と別れちゃうのも別にいいわぁ。
ちゃあんと念入りに『処理』してダストシュートに隠しておいた、アルちゃんが見つかるとも思えないし。
こうして夜の街をうろついていれば、みんな誰かに殺されちゃうかもしれないしねぇ?
唯一の失敗は……消臭しすぎて私が消毒液臭くなっちゃったってことかしらぁ? はやくお風呂に入りたいわぁ……
【F-3 2日目・深夜】
【遠坂凛(カレイドルビー)@Fate/ Stay night】
[状態]:カレイドルビー状態/水銀橙と『契約』
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(アクセルモード)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(食料残り一日分。水3割消費、残り1本)、ヤクルト一本
エルルゥのデイパック(支給品一式(食料なし)、惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん、
五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)、紅茶セット(残り4パック)
[思考]
1:黎明~早朝ぐらいまで水銀燈を待つ。
2:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
3:セイバーについては捜索を一時保留する。
4:ドラえもんを探し、詳しい科学技術についての情報を得る。
5:アーチャーやセイバーがどうなっているか、誰なのかを確認する。
6:知ってるセイバーやアーチャーなら、カレイドルビーの姿はできる限り見せない。
7:自分の身が危険なら手加減しない。
[備考]:
※緑の髪のポニーテールの女(園崎魅音。名前は知らない)を危険人物と認識。
※レイジングハートからの講義は何らかの効果があったかもしれませんが、それらの実践はしていません。
※レイジングハートは、シグナム戦で水銀燈がスネ夫をかばうフリをして見捨てたことを知っており、水銀燈を警戒しています。
現在もその疑心は少しずつ深まっている状態です。
※カレイドルビー&レイジングハートの主催者&首輪講座 済
[推測]:
ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い(推測)
膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能(推測)
首輪には盗聴器がある
首輪は盗聴したデータ以外に何らかのデータを計測、送信している
【D-3 2日目・深夜】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:服の一部損傷/人間モード /『契約』による自動回復は距離により一時途絶。消毒液の臭い。
[装備]:くんくんの人形@ローゼンメイデン、ドールの鞄@ローゼンメイデン
[道具]:透明マント@ドラえもん、ストリキニーネ(粉末状の毒物。苦味が強く、致死量を摂取すると呼吸困難または循環障害を起こし死亡する)
デイパック(透明マントで隠している)(支給品一式(食料と水はなし)、ドールの螺子巻き@ローゼンメイデン、ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー、照明弾)
ヘンゼルの手斧@BLACK LAGOON、夜天の書(多重プロテクト状態)@魔法少女リリカルなのはA's)
[思考・状況]
1:病院には長居せずにさっさとカレイドルビーと合流。
2:ハルヒから情報を得る。
3:チャンスがあれば誰かを殺害。しかし出来る限りリスクは負わない。
4:カレイドルビーとの『契約』はできる限り継続、利用。最後の二人になったところで殺しておく。
5:ローザミスティカをできる限り集める。真紅のミスティカを持っているという男を捜す。
6:カレイドルビーの敵を作り、戦わせる。
7:あまりに人が増えるようなら誰か一人殺す。
8:青い蜘蛛にはまだ手は出さない。
[備考]:
※凛の名をカレイドルビーだと思っています。 :カレイドルビーの名前が名簿に無いことは気付いていると思われます。
※透明マントは子供一人がすっぽりと収まるサイズ。複数の人間や、大人の男性では全身を覆うことできません。また、かなり破れやすいです。
※透明マントとデイパック内の荷物に関しては誰に対しても秘密。
※レイジングハートを少し警戒。
※デイパックに収納された夜天の書は、レイジングハートの魔力感知に引っかかることは無い。
※夜天の書装備時は、リインフォース(vsなのは戦モデル)と完全に同一の姿となります。
※夜天の書装備時は、水銀燈の各能力がそれと似たベルカ式魔法に変更されます。
※リインフォースは水銀燈に助言する気は全くありません。
※水銀燈の『契約』について:省略
※水銀燈の吐いた嘘について。
・名前は『遠坂凛』。
・病院の近くで襲われ、デイバックを失った。残ったのはドールの鞄とくんくん人形だけ。
・一日目は、ずっと逃げたり隠れたりしていた。
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:中程度のダメージ、頭部に強い衝撃
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱
[思考・状況]
1:アルルゥを探す
2:自分の立てた方針に従い首輪の解除に全力を尽くす
3:ジャイアンを捜す
基本:ひみつ道具と仲間を集めてしずかの仇を取る。ギガゾンビを何とかする。
[備考]
※第一回放送の禁止エリアについてのび太から話を聞きました。
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:ギガゾンビ打倒への決意/左足に負傷(行動には支障なし。だが、無理は禁物)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ドラえもん達と行動しつつ、首輪の解除に全力を尽くす。
2:なんとかしてしずかの仇を討ちたい。
3:ジャイアンを探す。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:薬の影響で少しふらつく。
頭部に重度の打撲(意識は回復。だがまだ無理な運動は禁物)
左上腕に負傷(ほぼ完治)
[装備]:なし
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回) @ドラえもん、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回) @ドラえもん
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:アルルゥの捜索。
2:知り合いを探す。
3:キョンと合流したい。
4:ろくな装備もない長門(とトグサ)が心配。
5:ペットショップを探して、アルルゥの能力で色々やってみる。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※ハルヒは第4放送の内容を知りません。
&color(red){【アルルゥ@うたわれるもの 死亡】}
&color(red){[残り28人]}
※アルルゥの死体は、病院のダストシュート内に隠蔽されており、簡単には見つかりません。
※ハクオロの鉄扇はアルルゥの死体が所持しています。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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