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「過去の罪は長く尾を引く」(2022/01/09 (日) 06:09:56) の最新版変更点
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*過去の罪は長く尾を引く ◆2kGkudiwr6
暗い。
そう、劉鳳は思った。
何も無い暗い空間。そこに漂っているような幻覚。
武の姿が浮かび上がる。声と共に。
――すまねえ
(何故だ。なぜ謝るんだ。
謝るのは俺のほうであるべきだ。
お前を救えなかった俺の方こそが……)
「……くん」
声は届かない。届かないまま、劉鳳は自問し続ける。
次に浮かんだのは、一匹の豚の姿だった。
――救いのヒーロー、ぶりぶりざえもんだ
ただの自己紹介。
そんな言葉でさえ、今の劉鳳には自責の念を思い起こさせる。
(俺には人を救うことなどできない。
それどころか俺には……敵を討つことさえ……)
「劉鳳君!」
「……う」
突如聞こえた声に、劉鳳の意識は現実へと引き戻された。
真っ白い壁、真っ白いベッド、真っ白い照明。
どうやらここは病室らしいと劉鳳にも検討がついた。
隣のベッドには彼と同じようにセラスがベッドに寝転んでいる。
「何かうなされてたけど……」
「……大丈夫だ」
心配そうなセラスの言葉にそう答えて、すぐに劉鳳は質問を返した。
「あの少年達はどうした? 助けに来たあの女は……」
「それが、色々問題があったみたいで。
実は助けてくれた子が偽名使ってました~、とか
キョン君の友達のハルヒちゃんが凛ちゃん……あ、助けてくれた子、に襲われたことありました、とか」
「なんだと? だが、彼女は殺し合いに乗っているようには」
今までの彼ならばこれだけ凛を断罪対象に認定していただろうが、劉鳳はそれをしなかった。
もちろん怪我をしているという事もあるが、ぶりぶりざえもんの言葉と……そしてそれ以上に、落ち込んでいたことが大きい。
「うん、実際乗ってたら私達、みんな殺されてたと思うし、そもそも怪我を治してなんかくれないだろうし。
けどハルヒちゃんがこんな奴と一緒にいたくないって主張して、
おまけに凛ちゃんが助けた私たちまで疑ってたみたいで。
凛ちゃんと私達だけこの部屋にいることにしたわけ」
「凛……か。彼女はどうした?」
「紅茶を淹れに行ってる」
セラスの口調は決して暗くはない。だが、それは虚飾に過ぎない。
劉鳳自身も分かっている。自身もまた明らかに、その話題を避けていたから。
そうして、劉鳳はやっと言葉に出した。一番聞きたかったことを。
「……武は」
「……埋めてきた」
セラスの口調もまた、重くなる。
わざわざ仲間を生き埋めにする馬鹿はいない。つまり……
「……くそっ!」
劉鳳の拳が握り締められる。指先から血が滲むほどに。
慰めることもできず、セラスはぽつりと呟いていた。
「私のせいだよ。
私が劉鳳君が人殺しだなんて嘘に惑わされてなければ……」
「なんだと!?」
「え!?」
「あの女は、俺が人殺しだと言っていたのか!?」
突然顔色を変えた劉鳳に、セラスは戸惑うしかない。
慌てて口を開こうとしたものの、それは途中で止まる。劉鳳の表情に止められる。
彼の顔に浮かんでいるのは、怒りだった。しかし、その怒りの対象は明らかに……
「真紅だけではなかったのか。俺は浅慮でなんてことを……!」
「バリアジャケット、アーチャーフォームってところかしらね」
「……あれ」
いったい劉鳳に何があったのか困惑するセラスだったが、突然聞こえてきた声にふと顔の向きを変えた。
声が聞こえてきたのは扉の外。
聞こえる声の数は一人と一機。
「全く、最初からこうデザインしてくれればよかったのに」
『私に言われましても、困ります』
「はいはい、分かった分かった」
その言葉と共に、扉が開いた。
そこに立っているのは紅茶を淹れて戻ってきた凛。
但し服装は大幅に新調されていた。今のバリアジャケットは、黒い革鎧。
その上から赤い外套を羽織るその姿は、まさしくあの赤い弓兵のものだ。
言うまでも無く、ネコミミネコしっぽはない。
「君が凛か。治療もしてくれたらしいな……それについては、礼を言う」
「ああ、別に構わないから。セラスからいい物もらったし」
劉鳳の感謝の言葉――ただし、それについてはという言葉付きだが――への返答はあっさりとしたものだった。
凛の言葉は事実だ。もしセラスから物を分けて貰っていなければ、カートリッジを消費してまで治療はしなかっただろう。
劉鳳の治療に二発、セラスの治療に二発……正確には一発半。余った魔力はハルヒの治療に使用した。
凛がこんなにあっさりとカートリッジの大盤振る舞いを決行したのは、
セラスの予備弾丸セットにデバイスのカートリッジも含まれていたためだ。
その数は四十発。常日頃から宝石魔術の費用に悩んでいる凛としては嬉しい臨時収入である。
「はい、どうぞ」
凛がそう言ってカップを置くと同時に、セラスがカップを取り上げて一気に飲み干した。
マナーの悪さはセラス自身も先刻承知だ。それでもこうしたのは毒見のためである。
「うん、おいしい」
「……そうか。すまん、頂く」
セラスの言葉を確認して、劉鳳もまた紅茶に口を付けた。
もっとも劉家の跡取りということもあり、ちゃんと作法に従って飲んだが。
同様に凛も自分で淹れた紅茶にゆっくりと口を付ける。
どちらとも、上質な紅茶を味わっていた。
(……毒見とは言っても、飲み干しちゃったのは失敗だったかも)
二人の様子を見て微妙に後悔しながらも、セラスは口を開いた。
「それで、あの子の言ってたことについてなんだけど……」
「こっちから襲った覚えは無いわよ。一回も。
襲い掛かってきたのを追い払った覚えはあるけど」
「凛、ハルヒという少女に襲われたことはあるのか?」
「覚えてないわね」
セラスが言うあの子とはハルヒ、言ってたこととは凛には襲われたという事だ。
凛の言葉に少し考え込んだものの、セラスはすぐに言葉を返した。
「まぁ、私は凛ちゃんの言う事を信じるかな。
ゲームに乗ってるならあそこで私達を放っておいた方が早いだろうし」
「……偽名の件は聞かなくていいのか、セラス?」
「あれは不可抗力。
劉鳳君が寝てる時に見せてもらったけど、女の子なら誰だってあんな格好したら本名名乗りたくないって。
そもそも着たくないけど」
「う、うるさいわね! 着たことこそ不可抗力よ!」
「いったいどんな……い、いや、いい。すまん」
劉鳳の好奇心は凛の視線によって一瞬にして圧殺された。
いくら劉鳳でも、露骨にレイジングハートを光らされれば言ってはいけないことは分かる。
「セラスさん……だったっけ? ハルヒって子が言ってたことはどう思う?」
「う~ん、幻覚とかよく似た他人とか……」
「……それに、ちょっとした行動が誤解を招くことはありうる」
逆に聞き返してきた凛に、首を傾げながら答えるセラスと妙に重い調子で言う劉鳳。
その様子に、思わず凛は疑問を抱いていた。
「何か、妙に重いわね」
「……正直に言う。
ゲームを開始したときに、俺はギガゾンビへの怒りに任せて遊園地を破壊した。
それで真紅という人形に、殺し合いに乗っていると勘違いされた経験がある……」
場に微妙な空気が流れ出す。
セラスも凛も「なんで壊したのよ?」とか「遊園地壊す位の怒りって……」とか
「そもそもそれちょっとした行動じゃないし」とか突っ込みたいのだが、
あまりに劉鳳の表情が暗いために突っ込めない。
結果、ツッコミは入らずに劉鳳はそのまま話し続けることになった。
「セラス。確か、相手の女は俺が人殺しだと言っていたそうだな」
「ま、まあ」
「もしかすると、襲ってきたあの女も俺が遊園地を破壊したところを見たのかも知れん。
だとすれば、武を殺したのは……」
「ストップストップ!
絶対あいつは嘘吐いただけだって。
思いっきり悪役っぽい笑い方してたしさ」
「それに私の名前騙ってたんでしょ、あいつ。ろくな奴じゃないわよ」
「…………」
セラスと凛が慌ててフォローを入れるものの、劉鳳は今までの様子が嘘のように暗い。
自分の行為が元で人を死なせてしまったかもしれないとなれば当然の反応だろう。
正義を自称する劉鳳ならば尚更だ。
溜め息を吐きながらセラスは紅茶のカップを取り上げて……中身がないことを思い出した。
「凛ちゃん、紅茶もう一回淹れてきて」
「わかった」
落ち込んだままの劉鳳を背に、凛は病室の扉を開けて歩き出した。
そうして給湯室へと向かう道すがら。手元にある愛杖に、彼女はこっそり口を開いた。
「レイジングハート、一発ロードしておいてくれる? 魔力を回復しておきたいから。
……なんか知らないけど、水銀燈へのパスがまたしっかりと繋がってるのよね」
いくら劉鳳から魔力を吸い上げていたとはいえ、水銀燈はそれなりに魔力を消耗している。
魔力補給のために、水銀燈は先ほどの戦闘で密かに魔力蒐集の対象を凛に戻していたのだ。
そんなことを凛たちが知る由もないが、それでも疑念を抱くには十分に足る。
『All right, load cartridge』
意を汲んだレイジングハートが弾丸を排出、魔力を主へと流す。
凛は使った分のカートリッジを新たに籠めなおしながら、給湯室の扉を開けた。
そのままポッドを取り出して、紅茶を淹れていく。
その様子は……どこかが感慨深げだった。
『どうしました?』
「いや、ね。
これを着てた奴は、まるで執事みたいに紅茶を淹れるのが上手くて」
そう返して、凛は聖骸布を握り締めた。
アーチャーのことはよく覚えている。
大英雄ヘラクレスを食い止めるために、一人残って戦い散っていった彼を、忘れることなどできるはずがなくて。
「やってみせるわ。士郎の分もなのはちゃんの分も。絶対にここから脱出してみせる。
そうじゃなきゃ、あいつに何を言われるか分からないもの」
『それでこそ、私のマスターです』
そう呟いたレイジングハートから返ってきたのは、簡潔な言葉。
今、凛に言葉を返せるのは、レイジングハートだけだ。
けれど、凛は。
それでこそ――私のマスターだ。
皮肉げな、それでいて子供っぽい弓兵の声が、聞こえたような気がしていた。
「さて、到着と」
そうして、決意を新たに。凛は紅茶を手に病室の扉を開けた。
「淹れてきたわよ。ついでに、食事にしましょ。
武って子のデイバッグはのび太に預けたんだけどね、ちょっと食料を貰ってきたのよ」
「サンキュ。ま、私は輸血パックの方がいいのかもしれないけどね~」
「……すまない」
空気を変えるべく、凛は話題を切り替えた。
それを素早く察知したセラスが、適当に冗談を飛ばす。
どこか暗かった雰囲気も、和やかなものに変わっていく。
それに安心しながら、凛は食料の蓋を開いた。
ちなみに、凛が持ってきたその食料とは、ジャイアンシチューとシュールストレミングである。
結末は、言うまでも無い。
■
ある意味平和な劉鳳たち三人とは対照的に。
ロビーで待機していたハルヒ達の空気は最悪だった。
理由は単純。凛を全く信用しないハルヒと、凛を信用するのび太が口論を繰り広げていたのだ。
ジャアインの死という悲しみと、行方不明のアルルゥという不安。
それは、雰囲気を簡単に険悪なものに変えてしまっていた。
「仮に本当にあいつが本物の『遠坂凛』だとして……あいつは偽名を使ってんでしょ!
そんな奴、信じられるわけ無いじゃない!」
「ハルヒお姉さんだって凛お姉さんに怪我を治してもらったんじゃないか!」
「もう~、二人とも落ち着きなよ……」
ドラえもんが制止に入るものの、
ジャイアンが死んで怒りの矛先を探すのび太と元々勝気なハルヒは止まらない。
口を休めるどころかいよいよ声は大きくなっていく。
「だいたい、アルちゃんがいなくなったのもあの女の人が来てからじゃないか!」
「……っ!!! なによそれ! アルちゃんがもう殺されてるとでもいいたいわけ!?」
「そ、それは……」
ハルヒの言葉には、さすがにのび太も口ごもった。
普通の子供である以上、もうあの子は死んでいるなどと言うのは躊躇って当然だろう。
もっとも……ハルヒ自身そんなことを信じたくないから、強引に否定したのだが。
「ともかく、絶対に私はあんな奴信用しないからね! いい!?」
そう一方的に突きつけて、ハルヒはのび太から視線を外した。
その後のび太が何を言ったとしても、全く聞く気はないと言わんばかりに。
結局のび太の怒りのはけ口は無くなり――そんな彼に襲ってきたのは、悲しみだった。
「ジャイアン……」
「…………」
のび太の泣く声が再び響き出す。それにハルヒが振り向く様子は無い。
ドラえもんはただ、のび太の肩を支えてやることしかできない。それが何よりも、彼には歯がゆい。
ジャイアンの死はドラえもん自身ショックなことだったが……彼は泣かなかった。
恐らくはのび太の存在があったからだろう。
のび太の保護者を自称するドラえもんとしては、その前で情けない様子をすることは極力避けたかった。
だから、激情は内に秘めて……理性を働かせる。
(あんな杖は、見たことない。少なくとも秘密道具じゃない……)
ドラえもんの頭にまず浮かんだのは、レイジングハート。
ひみつ道具ではない、正真正銘の魔法の力。
ギガゾンビを捕まえるために何かしらの役に立つかもしれない。
(聞いてみたい……所なんだけど)
頭の中ではそんな結論が出たものの。
ドラえもんはちらり、とのび太とハルヒの方を交互に見やって、溜め息を吐くしかなかった。
(今行ったらまた口喧嘩を始めそうだ……)
露骨に暗いのび太に、こちらを睨みつけているハルヒ。
ギスギスした空気の中で、ドラえもんは明らかな居心地の悪さを感じていた。
■
ドラえもん達は気付かない。
透明な監視者の存在に。
いつのまにか病院に戻っていた水銀燈の存在に。
(……便利よねぇ、これ)
透明マントを身に纏っているため外からは見えないが、その姿は元の人形の姿に戻っていた。
わざわざ襲撃した時のままで来るような馬鹿な真似はしない。
とりあえず言い争いが終わったのを見計らって、水銀燈はのび太達のいるロビーから離れた。
(上手く誤魔化して凛と合流しないと……それにしても、偽名を使ってたなんて大した役者ね)
会話の内容を思い返しながら、水銀燈は唇を噛み締めた。
もっとも凛の名前を騙って勝手に自爆したのは水銀燈の方だが。
ともかく内容と現状を整理しながら、水銀燈は今後の行動方針を立てていく。
(ハルヒって子はどうやら私の方が本物だと思って信用してるみたいねぇ。
ほんとお馬鹿さぁん。人を見る目が無いにも程があるわぁ。
ま、利用しがいがあるけど……)
思考内容と反して、その表情は苦々しい。
人間としての姿を早くも封印されてしまったのだから当然と言える。
少なくとも、凛の前で人間としての姿を晒すわけにはいかないだろう。
最悪、晒した後の主も考えておく必要が出てきてしまった――
もっとも、まだできる限り利用し続けるつもりだが。
(……少なくとも、一般人は駄目ね。吸われてる方があっさりと倒れちゃう。
魔力を持ってそうな奴を最優先で残しておかないと)
先ほどの戦いと今の状況を鑑みて、水銀燈はそう結論した。
魔力を吸収して相手をじわじわと追い詰めるのも有りだが、その前に自分が倒される可能性もある。
だが相手が魔力を持っていればいるほど、自分の魔力が多くなる。
つまりベストなのは、戦場に魔導師がいる状況下で戦うことだ。
魔力を吸収できる相手は自由に選択できるのだから、それが敵だろうと味方だろうと問題は無い。
となると凛を裏切る際にも、凛以外の人間を優先して殺すべきだということになる。
(となると、やっぱり狙うべきはあの男ね……)
水銀燈の頭に浮かんだのは劉鳳の姿。
何かしら不思議な力を持っているらしいが、魔力の類ではない。
力を取り戻す前にさっさと殺しておくべきだろう。そう水銀燈は結論を出した。
(とりあえず凛の所に戻りましょうかぁ。
できるだけ力は温存しておきたいものねぇ……そう、今はまだ)
ハルヒ達に見られない所まで来たところで、水銀燈は透明マントを脱いで歩き出した。
――凛に芽生えつつある疑心を知らずに。
■
いくらどれほど今を取り繕っても、過去のミスは清算されない。
それは誰にも言えること。
過去を誤魔化し、今を思いのままに動かせるのは誰なのか。
それは、ギガゾンビさえ知らないことだ。
【D-3 病室 2日目・黎明】
【遠坂凛@Fate/stay night】
[状態]:魔力小消費、疲労、水銀燈と『契約』
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(アクセルモード・全弾再装填済)@魔法少女リリカルなのは
バリアジャケットアーチャーフォーム(アーチャーの聖骸布+バリアジャケット)
デバイス予備カートリッジ残り33発
[道具]:支給品一式(食料残り二食。水4割消費、残り1本)、ヤクルト一本
エルルゥのデイパック(支給品一式(食料なし)、惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん
五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)、紅茶セット(残り2パック)
[思考]基本:レイジングハートのマスターとして、脱出案を練る。
0:く、くさ!?
1:劉鳳とセラスの治療を続行。ついでに劉鳳を慰める。
2:ドラえもんから詳しい科学技術についての情報を得る。
3:水銀燈が何をしているのか、気になる。
4:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
5:セイバーについては捜索を一時保留する。
6:リインフォースとその持ち主を止める。
7:自分の身が危険なら手加減しない。
[備考]:
※凛もレイジングハート同様、水銀燈に対して疑心を持ち始めました。
※それに伴い緑の髪のポニーテールの女(園崎魅音。名前は知らない)の判断も保留。
※夜天の書の持ち主が水銀燈だとは気付いていません。
※カレイドルビー&レイジングハートの主催者&首輪講座 済
[推測]:
ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い(推測)
膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能(推測)
首輪には盗聴器がある
首輪は盗聴したデータ以外に何らかのデータを計測、送信している
【劉鳳@スクライド】
[状態]:全身に大程度のダメージ、かなり疲労、病院のベッドに横たわっている、自信喪失ぎみ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(-2食)、SOS団腕章『団長』@涼宮ハルヒの憂鬱、ビスクドール
[思考]
基本:自分の正義を貫く。
仲間、闘う力のない者を守ることを最優先。
悪の断罪は、守るべき者を守るための手段と認識。
0:こ、これは……
1:不二子が悪か見極める。
2:病院で凛の手当てを受ける。
3:悪を断罪する。(ウォルターを殺した犯人、朝倉涼子※名前を知らない、シグナム)
4:ゲームに乗っていない人達を保護し、ここから解放する。
[備考]
※ジュンを殺害し、E-4で爆発を起こした犯人を朝倉涼子と思っています。
※例え相手が無害そうに見える相手でも、多少手荒くなっても油断無く応対します。
※朝倉涼子については名前(偽名でなく本名)を知りません。
※凛についてはひとまず信用していますが、自責の念に駆られているためあまり深く考えてはいません。
ジャイアンの死の原因となった戦闘は自分の行為が原因ではないかと思っています。
【セラス・ヴィクトリア@HELLSING】
[状態]:全身打撲、裂傷及び複数の銃創(※50%回復、現在も回復中)、疲労
[装備]:対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾:6/6発)@HELLSING、アーカードの首輪
13mm炸裂徹鋼弾×36発@HELLSING、スペツナズナイフ×1、ナイフとフォーク×各10本、中華包丁
銃火器の予備弾セット(各40発ずつ、※Ak-47、.454スカール、S&W M19を消費。デバイスカートリッジはなし)
[道具]:支給品一式(×2)(メモ半分消費)、糸無し糸電話@ドラえもん
[思考]
基本:トグサに従って脱出を目指す。守るべき人を守る。
0:は、鼻が曲がりそう……
1:劉鳳のフォロー。
2:食べて休んで回復する。
3:病院を死守し、トグサ達を待つ。
[備考]
※セラスの吸血について
・通常の吸血
その瞬間のみ再生能力が大幅に向上し、少しの間戦闘能力も向上します。
・命を自分のものとする吸血
少しの間、再生能力と戦闘能力が向上し、その間のみ吸った相手の力が一部使用できます。
吸った相手の記憶や感情を少しだけ取り込むことができます。
※現在セラスは使役される吸血鬼から、一人前の吸血鬼にランクアップしたので
初期状態に比べると若干能力が底上げされています。
※凛を全面的に信用しています。偽凛は敵だと判断。
【D-3 ロビー 2日目・黎明】
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:中程度のダメージ、頭部に強い衝撃、ジャイアンの死にかなり動揺したものの、のび太がいることもあり外見上は落ち着けている。
[装備]:虎竹刀@fate/stay night
[道具]:支給品一式、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱
[思考・状況]
1:ハルヒとのび太の仲をなんとかして取り持つ。
2:アルルゥを探す
3:自分の立てた方針に従い首輪の解除に全力を尽くす
4:凛の魔法の力に興味。
基本:ひみつ道具と仲間を集めてしずかの仇を取る。ギガゾンビを何とかする。
[備考]
※第一回放送の禁止エリアについてのび太から話を聞きました。
※凛とハルヒが戦ってしまったのは勘違いに基づく不幸な事故だと思っています。
偽凛については、アルルゥがどうなっているか分かるまで判断を保留。
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:ギガゾンビ打倒への決意/左足に負傷(行動には支障なし。だが、無理は禁物)、 ジャイアンの死により精神不安定。ハルヒに八つ当たりぎみ。
[装備]:強力うちわ「風神」@ドラえもん
[道具]:支給品一式、翠星石の首輪、エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
1:凛を悪者扱いするハルヒが許せない。
2:ドラえもん達と行動しつつ、首輪の解除に全力を尽くす。
3:なんとかしてしずかの仇を討ちたい。
[備考]
※凛を全面的に信用しており、偽凛は敵だと判断しています。
そのため凛に襲われたというハルヒへの疑念や反感を持ち始めています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部に中度の打撲(動くのに問題は無し)
[装備]:なし
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回)@ドラえもん、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回)@ドラえもん
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:のび太とドラえもん以外の病院組は絶対に信用しない。場合によっては二人も……
2:アルルゥや凛(実際は水銀燈)の捜索。
3:知り合いを探す。
4:キョンと合流したい。
5:ろくな装備もない長門(とトグサ)が心配。
6:ペットショップを探して、アルルゥの能力で色々やってみる。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※ハルヒは第4放送の内容を知りません。
※偽凛が本物の遠坂凛であり、本物の凛はその名前を騙る偽者だと思っています。
劉鳳達がやられたのも偽凛の正当防衛だと思っているため、劉鳳とセラスも信用していません。
【D-3 病院廊下 2日目・黎明】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:服の一部損傷、消毒液の臭い、魔力小消費、疲労、凛との『契約』による自動回復
[装備]:真紅のローザミスティカ
[道具]: 支給品一式(食料と水はなし)
ストリキニーネ(粉末状の毒物。苦味が強く、致死量を摂取すると呼吸困難または循環障害を起こし死亡する)
ドールの螺子巻き@ローゼンメイデン、ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー、照明弾
ヘンゼルの手斧@BLACK LAGOON、夜天の書(多重プロテクト状態) @魔法少女リリカルなのはA's
くんくんの人形@ローゼンメイデン、ドールの鞄@ローゼンメイデン、透明マント@ドラえもん
[思考・状況]基本:魔力補給を考慮して、魔力を持たない強者を最優先で殺す。
1:なんとか上手く誤魔化して平穏無事に合流。
2:凛が偽名を使っていたことや見解の相違を最大限利用して仲たがいさせる。今のところはハルヒに着目。
3:チャンスがあれば誰かを殺害。しかし出来る限りリスクは負わない。
4:凛との『契約』はできる限り継続、利用。殺すのは出来る限り後に回す。
5:ローザミスティカをできる限り集める。
6:凛の敵を作り、戦わせる。
7:あまりに人が増えるようなら誰か一人殺す。現在は劉鳳を最優先。
8:青い蜘蛛にはまだ手は出さない。
[備考]:
※透明マントは子供一人がすっぽりと収まるサイズ。複数の人間や、大人の男性では全身を覆うことできません。また、かなり破れやすいです。
※透明マントとデイパック内の荷物に関しては誰に対しても秘密。
※レイジングハートをかなり警戒。
※デイパックに収納された夜天の書は、レイジングハートの魔力感知に引っかかることは無い。
※夜天の書装備時は、リインフォース(vsなのは戦モデル)と完全に同一の姿となります。
※夜天の書装備時は、水銀燈の各能力がそれと似たベルカ式魔法に変更されます。
真紅のローザミスティカを装備したことにより使用魔法が増えました。
※リインフォースは水銀燈に助言する気は全くありません。ただし馬鹿にはします。
※水銀燈の『契約』について:省略
※水銀燈ver.リインフォースの『契約』について
魔力収奪量が上昇しており、相手や場合によっては命に関わります。
※水銀燈の吐いた嘘について。
・名前は『遠坂凛』。
・病院の近くで襲われ、デイバックを失った。残ったのはドールの鞄とくんくん人形だけ。
・一日目は、ずっと逃げたり隠れたりしていた。
&color(red){【剛田武@ドラえもん 死亡】}
&color(red){[残り23人]}
*時系列順で読む
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*投下順で読む
Back:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]] Next:[[『転』]]
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|遠坂凛|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|劉鳳|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|セラス・ヴィクトリア|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|ドラえもん|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|野比のび太|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|涼宮ハルヒ|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|水銀燈|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|&color(red){剛田武}||
*過去の罪は長く尾を引く ◆2kGkudiwr6
暗い。
そう、劉鳳は思った。
何も無い暗い空間。そこに漂っているような幻覚。
武の姿が浮かび上がる。声と共に。
――すまねえ
(何故だ。なぜ謝るんだ。
謝るのは俺のほうであるべきだ。
お前を救えなかった俺の方こそが……)
「……くん」
声は届かない。届かないまま、劉鳳は自問し続ける。
次に浮かんだのは、一匹の豚の姿だった。
――救いのヒーロー、ぶりぶりざえもんだ
ただの自己紹介。
そんな言葉でさえ、今の劉鳳には自責の念を思い起こさせる。
(俺には人を救うことなどできない。
それどころか俺には……敵を討つことさえ……)
「劉鳳君!」
「……う」
突如聞こえた声に、劉鳳の意識は現実へと引き戻された。
真っ白い壁、真っ白いベッド、真っ白い照明。
どうやらここは病室らしいと劉鳳にも検討がついた。
隣のベッドには彼と同じようにセラスがベッドに寝転んでいる。
「何かうなされてたけど……」
「……大丈夫だ」
心配そうなセラスの言葉にそう答えて、すぐに劉鳳は質問を返した。
「あの少年達はどうした? 助けに来たあの女は……」
「それが、色々問題があったみたいで。
実は助けてくれた子が偽名使ってました~、とか
キョン君の友達のハルヒちゃんが凛ちゃん……あ、助けてくれた子、に襲われたことありました、とか」
「なんだと? だが、彼女は殺し合いに乗っているようには」
今までの彼ならばこれだけ凛を断罪対象に認定していただろうが、劉鳳はそれをしなかった。
もちろん怪我をしているという事もあるが、ぶりぶりざえもんの言葉と……そしてそれ以上に、落ち込んでいたことが大きい。
「うん、実際乗ってたら私達、みんな殺されてたと思うし、そもそも怪我を治してなんかくれないだろうし。
けどハルヒちゃんがこんな奴と一緒にいたくないって主張して、
おまけに凛ちゃんが助けた私たちまで疑ってたみたいで。
凛ちゃんと私達だけこの部屋にいることにしたわけ」
「凛……か。彼女はどうした?」
「紅茶を淹れに行ってる」
セラスの口調は決して暗くはない。だが、それは虚飾に過ぎない。
劉鳳自身も分かっている。自身もまた明らかに、その話題を避けていたから。
そうして、劉鳳はやっと言葉に出した。一番聞きたかったことを。
「……武は」
「……埋めてきた」
セラスの口調もまた、重くなる。
わざわざ仲間を生き埋めにする馬鹿はいない。つまり……
「……くそっ!」
劉鳳の拳が握り締められる。指先から血が滲むほどに。
慰めることもできず、セラスはぽつりと呟いていた。
「私のせいだよ。
私が劉鳳君が人殺しだなんて嘘に惑わされてなければ……」
「なんだと!?」
「え!?」
「あの女は、俺が人殺しだと言っていたのか!?」
突然顔色を変えた劉鳳に、セラスは戸惑うしかない。
慌てて口を開こうとしたものの、それは途中で止まる。劉鳳の表情に止められる。
彼の顔に浮かんでいるのは、怒りだった。しかし、その怒りの対象は明らかに……
「真紅だけではなかったのか。俺は浅慮でなんてことを……!」
「バリアジャケット、アーチャーフォームってところかしらね」
「……あれ」
いったい劉鳳に何があったのか困惑するセラスだったが、突然聞こえてきた声にふと顔の向きを変えた。
声が聞こえてきたのは扉の外。
聞こえる声の数は一人と一機。
「全く、最初からこうデザインしてくれればよかったのに」
『私に言われましても、困ります』
「はいはい、分かった分かった」
その言葉と共に、扉が開いた。
そこに立っているのは紅茶を淹れて戻ってきた凛。
但し服装は大幅に新調されていた。今のバリアジャケットは、黒い革鎧。
その上から赤い外套を羽織るその姿は、まさしくあの赤い弓兵のものだ。
言うまでも無く、ネコミミネコしっぽはない。
「君が凛か。治療もしてくれたらしいな……それについては、礼を言う」
「ああ、別に構わないから。セラスからいい物もらったし」
劉鳳の感謝の言葉――ただし、それについてはという言葉付きだが――への返答はあっさりとしたものだった。
凛の言葉は事実だ。もしセラスから物を分けて貰っていなければ、カートリッジを消費してまで治療はしなかっただろう。
劉鳳の治療に二発、セラスの治療に二発……正確には一発半。余った魔力はハルヒの治療に使用した。
凛がこんなにあっさりとカートリッジの大盤振る舞いを決行したのは、
セラスの予備弾丸セットにデバイスのカートリッジも含まれていたためだ。
その数は四十発。常日頃から宝石魔術の費用に悩んでいる凛としては嬉しい臨時収入である。
「はい、どうぞ」
凛がそう言ってカップを置くと同時に、セラスがカップを取り上げて一気に飲み干した。
マナーの悪さはセラス自身も先刻承知だ。それでもこうしたのは毒見のためである。
「うん、おいしい」
「……そうか。すまん、頂く」
セラスの言葉を確認して、劉鳳もまた紅茶に口を付けた。
もっとも劉家の跡取りということもあり、ちゃんと作法に従って飲んだが。
同様に凛も自分で淹れた紅茶にゆっくりと口を付ける。
どちらとも、上質な紅茶を味わっていた。
(……毒見とは言っても、飲み干しちゃったのは失敗だったかも)
二人の様子を見て微妙に後悔しながらも、セラスは口を開いた。
「それで、あの子の言ってたことについてなんだけど……」
「こっちから襲った覚えは無いわよ。一回も。
襲い掛かってきたのを追い払った覚えはあるけど」
「凛、ハルヒという少女に襲われたことはあるのか?」
「覚えてないわね」
セラスが言うあの子とはハルヒ、言ってたこととは凛には襲われたという事だ。
凛の言葉に少し考え込んだものの、セラスはすぐに言葉を返した。
「まぁ、私は凛ちゃんの言う事を信じるかな。
ゲームに乗ってるならあそこで私達を放っておいた方が早いだろうし」
「……偽名の件は聞かなくていいのか、セラス?」
「あれは不可抗力。
劉鳳君が寝てる時に見せてもらったけど、女の子なら誰だってあんな格好したら本名名乗りたくないって。
そもそも着たくないけど」
「う、うるさいわね! 着たことこそ不可抗力よ!」
「いったいどんな……い、いや、いい。すまん」
劉鳳の好奇心は凛の視線によって一瞬にして圧殺された。
いくら劉鳳でも、露骨にレイジングハートを光らされれば言ってはいけないことは分かる。
「セラスさん……だったっけ? ハルヒって子が言ってたことはどう思う?」
「う~ん、幻覚とかよく似た他人とか……」
「……それに、ちょっとした行動が誤解を招くことはありうる」
逆に聞き返してきた凛に、首を傾げながら答えるセラスと妙に重い調子で言う劉鳳。
その様子に、思わず凛は疑問を抱いていた。
「何か、妙に重いわね」
「……正直に言う。
ゲームを開始したときに、俺はギガゾンビへの怒りに任せて遊園地を破壊した。
それで真紅という人形に、殺し合いに乗っていると勘違いされた経験がある……」
場に微妙な空気が流れ出す。
セラスも凛も「なんで壊したのよ?」とか「遊園地壊す位の怒りって……」とか
「そもそもそれちょっとした行動じゃないし」とか突っ込みたいのだが、
あまりに劉鳳の表情が暗いために突っ込めない。
結果、ツッコミは入らずに劉鳳はそのまま話し続けることになった。
「セラス。確か、相手の女は俺が人殺しだと言っていたそうだな」
「ま、まあ」
「もしかすると、襲ってきたあの女も俺が遊園地を破壊したところを見たのかも知れん。
だとすれば、武を殺したのは……」
「ストップストップ!
絶対あいつは嘘吐いただけだって。
思いっきり悪役っぽい笑い方してたしさ」
「それに私の名前騙ってたんでしょ、あいつ。ろくな奴じゃないわよ」
「…………」
セラスと凛が慌ててフォローを入れるものの、劉鳳は今までの様子が嘘のように暗い。
自分の行為が元で人を死なせてしまったかもしれないとなれば当然の反応だろう。
正義を自称する劉鳳ならば尚更だ。
溜め息を吐きながらセラスは紅茶のカップを取り上げて……中身がないことを思い出した。
「凛ちゃん、紅茶もう一回淹れてきて」
「わかった」
落ち込んだままの劉鳳を背に、凛は病室の扉を開けて歩き出した。
そうして給湯室へと向かう道すがら。手元にある愛杖に、彼女はこっそり口を開いた。
「レイジングハート、一発ロードしておいてくれる? 魔力を回復しておきたいから。
……なんか知らないけど、水銀燈へのパスがまたしっかりと繋がってるのよね」
いくら劉鳳から魔力を吸い上げていたとはいえ、水銀燈はそれなりに魔力を消耗している。
魔力補給のために、水銀燈は先ほどの戦闘で密かに魔力蒐集の対象を凛に戻していたのだ。
そんなことを凛たちが知る由もないが、それでも疑念を抱くには十分に足る。
『All right, load cartridge』
意を汲んだレイジングハートが弾丸を排出、魔力を主へと流す。
凛は使った分のカートリッジを新たに籠めなおしながら、給湯室の扉を開けた。
そのままポッドを取り出して、紅茶を淹れていく。
その様子は……どこかが感慨深げだった。
『どうしました?』
「いや、ね。
これを着てた奴は、まるで執事みたいに紅茶を淹れるのが上手くて」
そう返して、凛は聖骸布を握り締めた。
アーチャーのことはよく覚えている。
大英雄ヘラクレスを食い止めるために、一人残って戦い散っていった彼を、忘れることなどできるはずがなくて。
「やってみせるわ。士郎の分もなのはちゃんの分も。絶対にここから脱出してみせる。
そうじゃなきゃ、あいつに何を言われるか分からないもの」
『それでこそ、私のマスターです』
そう呟いたレイジングハートから返ってきたのは、簡潔な言葉。
今、凛に言葉を返せるのは、レイジングハートだけだ。
けれど、凛は。
それでこそ――私のマスターだ。
皮肉げな、それでいて子供っぽい弓兵の声が、聞こえたような気がしていた。
「さて、到着と」
そうして、決意を新たに。凛は紅茶を手に病室の扉を開けた。
「淹れてきたわよ。ついでに、食事にしましょ。
武って子のデイバッグはのび太に預けたんだけどね、ちょっと食料を貰ってきたのよ」
「サンキュ。ま、私は輸血パックの方がいいのかもしれないけどね~」
「……すまない」
空気を変えるべく、凛は話題を切り替えた。
それを素早く察知したセラスが、適当に冗談を飛ばす。
どこか暗かった雰囲気も、和やかなものに変わっていく。
それに安心しながら、凛は食料の蓋を開いた。
ちなみに、凛が持ってきたその食料とは、ジャイアンシチューとシュールストレミングである。
結末は、言うまでも無い。
■
ある意味平和な劉鳳たち三人とは対照的に。
ロビーで待機していたハルヒ達の空気は最悪だった。
理由は単純。凛を全く信用しないハルヒと、凛を信用するのび太が口論を繰り広げていたのだ。
ジャアインの死という悲しみと、行方不明のアルルゥという不安。
それは、雰囲気を簡単に険悪なものに変えてしまっていた。
「仮に本当にあいつが本物の『遠坂凛』だとして……あいつは偽名を使ってんでしょ!
そんな奴、信じられるわけ無いじゃない!」
「ハルヒお姉さんだって凛お姉さんに怪我を治してもらったんじゃないか!」
「もう~、二人とも落ち着きなよ……」
ドラえもんが制止に入るものの、
ジャイアンが死んで怒りの矛先を探すのび太と元々勝気なハルヒは止まらない。
口を休めるどころかいよいよ声は大きくなっていく。
「だいたい、アルちゃんがいなくなったのもあの女の人が来てからじゃないか!」
「……っ!!! なによそれ! アルちゃんがもう殺されてるとでもいいたいわけ!?」
「そ、それは……」
ハルヒの言葉には、さすがにのび太も口ごもった。
普通の子供である以上、もうあの子は死んでいるなどと言うのは躊躇って当然だろう。
もっとも……ハルヒ自身そんなことを信じたくないから、強引に否定したのだが。
「ともかく、絶対に私はあんな奴信用しないからね! いい!?」
そう一方的に突きつけて、ハルヒはのび太から視線を外した。
その後のび太が何を言ったとしても、全く聞く気はないと言わんばかりに。
結局のび太の怒りのはけ口は無くなり――そんな彼に襲ってきたのは、悲しみだった。
「ジャイアン……」
「…………」
のび太の泣く声が再び響き出す。それにハルヒが振り向く様子は無い。
ドラえもんはただ、のび太の肩を支えてやることしかできない。それが何よりも、彼には歯がゆい。
ジャイアンの死はドラえもん自身ショックなことだったが……彼は泣かなかった。
恐らくはのび太の存在があったからだろう。
のび太の保護者を自称するドラえもんとしては、その前で情けない様子をすることは極力避けたかった。
だから、激情は内に秘めて……理性を働かせる。
(あんな杖は、見たことない。少なくとも秘密道具じゃない……)
ドラえもんの頭にまず浮かんだのは、レイジングハート。
ひみつ道具ではない、正真正銘の魔法の力。
ギガゾンビを捕まえるために何かしらの役に立つかもしれない。
(聞いてみたい……所なんだけど)
頭の中ではそんな結論が出たものの。
ドラえもんはちらり、とのび太とハルヒの方を交互に見やって、溜め息を吐くしかなかった。
(今行ったらまた口喧嘩を始めそうだ……)
露骨に暗いのび太に、こちらを睨みつけているハルヒ。
ギスギスした空気の中で、ドラえもんは明らかな居心地の悪さを感じていた。
■
ドラえもん達は気付かない。
透明な監視者の存在に。
いつのまにか病院に戻っていた水銀燈の存在に。
(……便利よねぇ、これ)
透明マントを身に纏っているため外からは見えないが、その姿は元の人形の姿に戻っていた。
わざわざ襲撃した時のままで来るような馬鹿な真似はしない。
とりあえず言い争いが終わったのを見計らって、水銀燈はのび太達のいるロビーから離れた。
(上手く誤魔化して凛と合流しないと……それにしても、偽名を使ってたなんて大した役者ね)
会話の内容を思い返しながら、水銀燈は唇を噛み締めた。
もっとも凛の名前を騙って勝手に自爆したのは水銀燈の方だが。
ともかく内容と現状を整理しながら、水銀燈は今後の行動方針を立てていく。
(ハルヒって子はどうやら私の方が本物だと思って信用してるみたいねぇ。
ほんとお馬鹿さぁん。人を見る目が無いにも程があるわぁ。
ま、利用しがいがあるけど……)
思考内容と反して、その表情は苦々しい。
人間としての姿を早くも封印されてしまったのだから当然と言える。
少なくとも、凛の前で人間としての姿を晒すわけにはいかないだろう。
最悪、晒した後の主も考えておく必要が出てきてしまった――
もっとも、まだできる限り利用し続けるつもりだが。
(……少なくとも、一般人は駄目ね。吸われてる方があっさりと倒れちゃう。
魔力を持ってそうな奴を最優先で残しておかないと)
先ほどの戦いと今の状況を鑑みて、水銀燈はそう結論した。
魔力を吸収して相手をじわじわと追い詰めるのも有りだが、その前に自分が倒される可能性もある。
だが相手が魔力を持っていればいるほど、自分の魔力が多くなる。
つまりベストなのは、戦場に魔導師がいる状況下で戦うことだ。
魔力を吸収できる相手は自由に選択できるのだから、それが敵だろうと味方だろうと問題は無い。
となると凛を裏切る際にも、凛以外の人間を優先して殺すべきだということになる。
(となると、やっぱり狙うべきはあの男ね……)
水銀燈の頭に浮かんだのは劉鳳の姿。
何かしら不思議な力を持っているらしいが、魔力の類ではない。
力を取り戻す前にさっさと殺しておくべきだろう。そう水銀燈は結論を出した。
(とりあえず凛の所に戻りましょうかぁ。
できるだけ力は温存しておきたいものねぇ……そう、今はまだ)
ハルヒ達に見られない所まで来たところで、水銀燈は透明マントを脱いで歩き出した。
――凛に芽生えつつある疑心を知らずに。
■
いくらどれほど今を取り繕っても、過去のミスは清算されない。
それは誰にも言えること。
過去を誤魔化し、今を思いのままに動かせるのは誰なのか。
それは、ギガゾンビさえ知らないことだ。
【D-3 病室 2日目・黎明】
【遠坂凛@Fate/stay night】
[状態]:魔力小消費、疲労、水銀燈と『契約』
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(アクセルモード・全弾再装填済)@魔法少女リリカルなのは
バリアジャケットアーチャーフォーム(アーチャーの聖骸布+バリアジャケット)
デバイス予備カートリッジ残り33発
[道具]:支給品一式(食料残り二食。水4割消費、残り1本)、ヤクルト一本
エルルゥのデイパック(支給品一式(食料なし)、惚れ薬@ゼロの使い魔、たずね人ステッキ@ドラえもん
五寸釘(残り30本)&金槌@ひぐらしのなく頃に
市販の医薬品多数(胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc)、紅茶セット(残り2パック)
[思考]基本:レイジングハートのマスターとして、脱出案を練る。
0:く、くさ!?
1:劉鳳とセラスの治療を続行。ついでに劉鳳を慰める。
2:ドラえもんから詳しい科学技術についての情報を得る。
3:水銀燈が何をしているのか、気になる。
4:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
5:セイバーについては捜索を一時保留する。
6:リインフォースとその持ち主を止める。
7:自分の身が危険なら手加減しない。
[備考]:
※凛もレイジングハート同様、水銀燈に対して疑心を持ち始めました。
※それに伴い緑の髪のポニーテールの女(園崎魅音。名前は知らない)の判断も保留。
※夜天の書の持ち主が水銀燈だとは気付いていません。
※カレイドルビー&レイジングハートの主催者&首輪講座 済
[推測]:
ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い(推測)
膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能(推測)
首輪には盗聴器がある
首輪は盗聴したデータ以外に何らかのデータを計測、送信している
【劉鳳@スクライド】
[状態]:全身に大程度のダメージ、かなり疲労、病院のベッドに横たわっている、自信喪失ぎみ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(-2食)、SOS団腕章『団長』@涼宮ハルヒの憂鬱、ビスクドール
[思考]
基本:自分の正義を貫く。
仲間、闘う力のない者を守ることを最優先。
悪の断罪は、守るべき者を守るための手段と認識。
0:こ、これは……
1:不二子が悪か見極める。
2:病院で凛の手当てを受ける。
3:悪を断罪する。(ウォルターを殺した犯人、朝倉涼子※名前を知らない、シグナム)
4:ゲームに乗っていない人達を保護し、ここから解放する。
[備考]
※ジュンを殺害し、E-4で爆発を起こした犯人を朝倉涼子と思っています。
※例え相手が無害そうに見える相手でも、多少手荒くなっても油断無く応対します。
※朝倉涼子については名前(偽名でなく本名)を知りません。
※凛についてはひとまず信用していますが、自責の念に駆られているためあまり深く考えてはいません。
ジャイアンの死の原因となった戦闘は自分の行為が原因ではないかと思っています。
【セラス・ヴィクトリア@HELLSING】
[状態]:全身打撲、裂傷及び複数の銃創(※50%回復、現在も回復中)、疲労
[装備]:対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾:6/6発)@HELLSING、アーカードの首輪
13mm炸裂徹鋼弾×36発@HELLSING、スペツナズナイフ×1、ナイフとフォーク×各10本、中華包丁
銃火器の予備弾セット(各40発ずつ、※Ak-47、.454カスール、S&W M19を消費。デバイスカートリッジはなし)
[道具]:支給品一式(×2)(メモ半分消費)、糸無し糸電話@ドラえもん
[思考]
基本:トグサに従って脱出を目指す。守るべき人を守る。
0:は、鼻が曲がりそう……
1:劉鳳のフォロー。
2:食べて休んで回復する。
3:病院を死守し、トグサ達を待つ。
[備考]
※セラスの吸血について
・通常の吸血
その瞬間のみ再生能力が大幅に向上し、少しの間戦闘能力も向上します。
・命を自分のものとする吸血
少しの間、再生能力と戦闘能力が向上し、その間のみ吸った相手の力が一部使用できます。
吸った相手の記憶や感情を少しだけ取り込むことができます。
※現在セラスは使役される吸血鬼から、一人前の吸血鬼にランクアップしたので
初期状態に比べると若干能力が底上げされています。
※凛を全面的に信用しています。偽凛は敵だと判断。
【D-3 ロビー 2日目・黎明】
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:中程度のダメージ、頭部に強い衝撃、ジャイアンの死にかなり動揺したものの、のび太がいることもあり外見上は落ち着けている。
[装備]:虎竹刀@fate/stay night
[道具]:支給品一式、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱
[思考・状況]
1:ハルヒとのび太の仲をなんとかして取り持つ。
2:アルルゥを探す
3:自分の立てた方針に従い首輪の解除に全力を尽くす
4:凛の魔法の力に興味。
基本:ひみつ道具と仲間を集めてしずかの仇を取る。ギガゾンビを何とかする。
[備考]
※第一回放送の禁止エリアについてのび太から話を聞きました。
※凛とハルヒが戦ってしまったのは勘違いに基づく不幸な事故だと思っています。
偽凛については、アルルゥがどうなっているか分かるまで判断を保留。
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:ギガゾンビ打倒への決意/左足に負傷(行動には支障なし。だが、無理は禁物)、 ジャイアンの死により精神不安定。ハルヒに八つ当たりぎみ。
[装備]:強力うちわ「風神」@ドラえもん
[道具]:支給品一式、翠星石の首輪、エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
1:凛を悪者扱いするハルヒが許せない。
2:ドラえもん達と行動しつつ、首輪の解除に全力を尽くす。
3:なんとかしてしずかの仇を討ちたい。
[備考]
※凛を全面的に信用しており、偽凛は敵だと判断しています。
そのため凛に襲われたというハルヒへの疑念や反感を持ち始めています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部に中度の打撲(動くのに問題は無し)
[装備]:なし
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回)@ドラえもん、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回)@ドラえもん
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:のび太とドラえもん以外の病院組は絶対に信用しない。場合によっては二人も……
2:アルルゥや凛(実際は水銀燈)の捜索。
3:知り合いを探す。
4:キョンと合流したい。
5:ろくな装備もない長門(とトグサ)が心配。
6:ペットショップを探して、アルルゥの能力で色々やってみる。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※ハルヒは第4放送の内容を知りません。
※偽凛が本物の遠坂凛であり、本物の凛はその名前を騙る偽者だと思っています。
劉鳳達がやられたのも偽凛の正当防衛だと思っているため、劉鳳とセラスも信用していません。
【D-3 病院廊下 2日目・黎明】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:服の一部損傷、消毒液の臭い、魔力小消費、疲労、凛との『契約』による自動回復
[装備]:真紅のローザミスティカ
[道具]: 支給品一式(食料と水はなし)
ストリキニーネ(粉末状の毒物。苦味が強く、致死量を摂取すると呼吸困難または循環障害を起こし死亡する)
ドールの螺子巻き@ローゼンメイデン、ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー、照明弾
ヘンゼルの手斧@BLACK LAGOON、夜天の書(多重プロテクト状態) @魔法少女リリカルなのはA's
くんくんの人形@ローゼンメイデン、ドールの鞄@ローゼンメイデン、透明マント@ドラえもん
[思考・状況]基本:魔力補給を考慮して、魔力を持たない強者を最優先で殺す。
1:なんとか上手く誤魔化して平穏無事に合流。
2:凛が偽名を使っていたことや見解の相違を最大限利用して仲たがいさせる。今のところはハルヒに着目。
3:チャンスがあれば誰かを殺害。しかし出来る限りリスクは負わない。
4:凛との『契約』はできる限り継続、利用。殺すのは出来る限り後に回す。
5:ローザミスティカをできる限り集める。
6:凛の敵を作り、戦わせる。
7:あまりに人が増えるようなら誰か一人殺す。現在は劉鳳を最優先。
8:青い蜘蛛にはまだ手は出さない。
[備考]:
※透明マントは子供一人がすっぽりと収まるサイズ。複数の人間や、大人の男性では全身を覆うことできません。また、かなり破れやすいです。
※透明マントとデイパック内の荷物に関しては誰に対しても秘密。
※レイジングハートをかなり警戒。
※デイパックに収納された夜天の書は、レイジングハートの魔力感知に引っかかることは無い。
※夜天の書装備時は、リインフォース(vsなのは戦モデル)と完全に同一の姿となります。
※夜天の書装備時は、水銀燈の各能力がそれと似たベルカ式魔法に変更されます。
真紅のローザミスティカを装備したことにより使用魔法が増えました。
※リインフォースは水銀燈に助言する気は全くありません。ただし馬鹿にはします。
※水銀燈の『契約』について:省略
※水銀燈ver.リインフォースの『契約』について
魔力収奪量が上昇しており、相手や場合によっては命に関わります。
※水銀燈の吐いた嘘について。
・名前は『遠坂凛』。
・病院の近くで襲われ、デイバックを失った。残ったのはドールの鞄とくんくん人形だけ。
・一日目は、ずっと逃げたり隠れたりしていた。
&color(red){【剛田武@ドラえもん 死亡】}
&color(red){[残り23人]}
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|ドラえもん|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|野比のび太|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|涼宮ハルヒ|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|水銀燈|253:[[ひめられたもの(1)]]|
|251:[[人形裁判 ~ 人の形弄びし少女]]|&color(red){剛田武}||
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