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「お茶会inロワイアル」(2021/06/22 (火) 23:49:25) の最新版変更点
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**お茶会inロワイアル ◆wNr9KR0bsc
「まーったくついてねぇよなぁ…いきなり連れて来られて殺しあえっつわれてもねぇ」
青年、君島邦彦は頭をかきむしりながら一人呟き、バッグに入っていた奇妙な四角の物体を見つめる。
その四角の物体に刺さっている妙な線の先にある突起から音楽が聞こえてくる。
「本土の人間の趣味ってーのはわかんねぇなぁ」
その四角の物体をガチャガチャと弄繰り回し、溜息をつく。
自分のカバンに入っていたのはこの奇妙な物体一つ、銃はおろか武器になりそうなものは一切入っていない。
まさに今の君島はどうぞ殺してくださいと言わんばかりの格好である。
「駅にはなんかあっかなぁ?」
武器、願わくば銃が欲しいところだが易々とそういうものは置いていないだろう。
せめて武器になりえる物を手に入れるために、目先についた施設へ足を進める。
「カズマァ…どこにいんだよォッ!」
何時のときでも、全てに抗いつづけた最高の相棒は今何処に?
彼は走る、たった一人の男に、救いを求める為に。
「っとまぁ、あっという間に着いたな」
地図に書いてある駅に来てみたが君島本人は電車自体には乗った事が無い。
ただ、車並に早くて多くの人数を運べる乗り物だということだけは記憶している。
上を見上げれば時計とよく分からない数字が羅列された表がぶら下がっている。
「時間になったら電車が来るって感じ、だな」
時刻表を見ると2、6、10、14、18、22のところに30という数字が一つ有るだけ。
電車の行く先は?地図を指でたどっていくと地図の中心部にもう一つ駅があった。
「中心にもーひとつって所か…こんな場所より中心の方が人も居るかもしれないな、かなみちゃんも、そして…カズマも」
然し、電車が来るまでにはまだまだ時間がある。
古ぼけた看板に「←駅長室」と薄くかかれている、なんかしらの武器が有る気がする。
気を引き締めて左のへと向かい、ドアの少し前で足を止める。
誰かが居る、証拠には僅かに聞こえる足音。
その音と足に意識を集中しながらゆっくりと、ドアへと向かい…。
ドアは半開きだったことに気がついていれば、少し変わったのかもしれない。
木が軋む嫌な音と共にゆっくりとドアが開いていく。
「誰ですか?」
ドアの置くから落ち着いた声が聞こえる、どうやら女性のようだ。
闘って勝てるかもしれない、だが自分の武器はほぼ素手。
カズマのように武闘経験があるわけでもないし、相手が女性とは言え武道の熟練者かもしれない。
さぁ君島邦彦、俺が取るべき行動は…!
「オーケイ、俺の降参だ」
荷物を足元に落とし、手を上げて中に入っていく。
「アンタがやる気なら、なんとでもするがいいさ。俺に抗うすべは無いからな」
というのは半分嘘である、もし相手が直接攻撃に移れば、足元にあるデイパックを思い切り蹴り飛ばす。
それが君島邦彦の最終的な考え、逃げる。
「はぁ、そうですか。それならば安心ですわ」
「…は?」
予想だにしない一言に君島は目を丸くする。目の前の少女は瞬く間に警戒を解き笑顔を振り撒いている。
「人を殺すことなんて、したくありませんから」
呆気に取られた君島は両手をぶら下げ目の前の少女を見ている。
「それよりいっしょにお茶にしませんか?私のバッグに入っていたんです。どうですか?」
「は、はぁ。いい、です、けど…」
街でヤクザの肩にぶつかった時に何故か相手のほうから謝られる、正にそんな気分。
予想外中の予想外、1%の考えも持たなかったケースである。
小さな事務机の前に並ぶカップに入った紅茶が二つ。テーブルを挟むように座る両者。
まじまじとカップの中身の紅茶を見つめる君島。
「安心してください、毒なんか入っていませんわ」
「は、はぁ。い、ただきます」
カップを持ち、温かい紅茶を口の中へ流し込んでいく。
ほのかな香りが鼻腔を通り抜け、風味が瞬く間に広がって行く。上物中の上物…だろう。
「ところで、お名前は?」
「ん、ああ。君島、君島邦彦って言うんだ。アンタは?」
「風です、鳳凰寺風。よろしく御願いしますね、君島さん」
目の前の少女、風は常に笑っている。
純粋で、とても透き通った。まるでカズマが帰ってきたかなみのように。
「ところで、どうして俺が襲ってこないってわかったんだい?
ひょっとしたら、さっきのヤツだってハッタリだったかもしれないんだぜ?」
風は顎に手を置き、一寸の間考えた。答えはすぐに笑顔で返ってきた。
「本当に殺しに掛かってくる方でしたら、ドアを開けてしまうなんてミスはしないと思いますし。
バッグを落とすということもしないと思いましたから…大丈夫だと思ったんですわ」
自身のミスが相手の警戒を解いた、思いもしなかったことが起こっていた。
「中に居たのがアンタ本当にで良かったよ。そうだ、ここに着てから俺みたいなちょっと髪の毛の赤い男と、小さな女の子を見なかったかい?」
カズマ、そしてかなみのことを風に聴く
「いえ、気がついたらここに居ましたから。紅茶を入れるためにお湯を沸かしていたのでここからは出ていませんわ」
「アンタ、真っ先に紅茶入れることを考えたのか?」
君島の疑問は勿論、笑顔で帰ってくる。
「ええ、そんなに人が入ってくるわけも無いと思いましたし、バッグの中にこんな素晴らしい紅茶が入っていましたから。
とりあえず落ち着くために作ろうと思ったんですわ」
二度目の驚愕、全く予想できない行動をやってのける。
それが目の前の人物、鳳凰寺風なのだろうか。
「ところで、君島さんは私の知り合いに逢いませんでしたか?
赤い髪で背の小さい光さんと、青くて長い髪の海さんの二人なんですが…」
「いや、ここに来てから人にあったのはアンタが初めてだ、誰にも会ってないな」
そうですか、と少し暗くなった表情を一瞬だけ見せる。
「そうだ、電車に乗ろうぜ!電車に乗ったら歩くよりかは圧倒的に早く中心部にいける!
危険ッちゃあ危険かもしれないけど人は多いと思う!」
地図を机の上に開き中心部を指差す君島。
確かにここから当ても無く歩くよりは確実に人に会えるルートではある。
だが人に会ってもその人間が安全かどうかは分の悪い賭けとなる。
遭遇した人間が知り合いで会っても、例外ではない。
「そうですね、確かに危険ですが。光さんや海さんに会えるかもしれない確率は高いですわ。
ここに居るより、ここから歩くよりかは確実ですし、乗りましょう、電車に」
「ああ、つってもあと一時間以上有るんだよなぁ。
そうだ、ここにある役に立ちそうなものを探せば少し時間は潰れるんじゃねえかな?」
まだそんなに探索していないこの狭い部屋、二人はここを細かく探索し始めた。
「スパナ、包帯、ロープ、コレはバール……か?」
「ですわね、とりあえず武器になりそうなものはその二つですわ」
見つかったものを机に並べ、風はスパナ、君島はバールのようなものを取る。
「もうちょっといい物が欲しかったが、贅沢言ってもしゃーないわな。
っつってもまだ時間あるなぁ…あ、そうだお互い来た場所がなんか違うみたいだし、互いの場所の話をしないか?」
君島の一言から、互いの話は始まる。
君島の世界のこと、カズマや劉鳳、アルター、HOLY、ロストグラウンドのこと。
風の世界のこと、現実世界とエメロード、光と海、自分の武器エスクードのこと。
二人の情報交換と会話は長く続く、電車が来るまで後――――――――――
【F-1の駅 駅長室・1日目 深夜】
【君島邦彦@スクライド】
[状態]:健康
[装備]:バールのようなもの
[道具]:ロープ、iPod(電池満タン、中身は不明、使い方が分からない)
[思考・状況]
1:カズマ、かなみと合流。劉鳳とはできるだけ会いたくない。
2:なんでもいいから銃が欲しい。
【鳳凰寺風@魔法騎士レイアース】
[状態]:健康
[装備]:スパナ
[道具]:紅茶セット(残り10パック)、猫のきぐるみ、包帯(残り6mぐらい)、時刻表
[思考・状況]
1:自分の武器を取り戻したい
2:光、海と合流
[共通思考]
1:電車がくるまでここ(駅長室)で待機しながら会話、情報交換。
2:電車に乗って中心部へ
3:この場所から脱出
*時系列順で読む
Back:[[海より深い父の愛]] Next:[[喋る豚!ぶりぶりざえモン!]]
*投下順で読む
Back:[[海より深い父の愛]] Next:[[喋る豚!ぶりぶりざえモン!]]
|君島邦彦|69:[[ギーガ鉄道の夜]]|
|鳳凰寺風|69:[[ギーガ鉄道の夜]]|
**お茶会inロワイアル ◆wNr9KR0bsc
「まーったくついてねぇよなぁ…いきなり連れて来られて殺しあえっつわれてもねぇ」
青年、君島邦彦は頭をかきむしりながら一人呟き、バッグに入っていた奇妙な四角の物体を見つめる。
その四角の物体に刺さっている妙な線の先にある突起から音楽が聞こえてくる。
「本土の人間の趣味ってーのはわかんねぇなぁ」
その四角の物体をガチャガチャと弄繰り回し、溜息をつく。
自分のカバンに入っていたのはこの奇妙な物体一つ、銃はおろか武器になりそうなものは一切入っていない。
まさに今の君島はどうぞ殺してくださいと言わんばかりの格好である。
「駅にはなんかあっかなぁ?」
武器、願わくば銃が欲しいところだが易々とそういうものは置いていないだろう。
せめて武器になりえる物を手に入れるために、目先についた施設へ足を進める。
「カズマァ…どこにいんだよォッ!」
何時のときでも、全てに抗いつづけた最高の相棒は今何処に?
彼は走る、たった一人の男に、救いを求める為に。
「っとまぁ、あっという間に着いたな」
地図に書いてある駅に来てみたが君島本人は電車自体には乗った事が無い。
ただ、車並に早くて多くの人数を運べる乗り物だということだけは記憶している。
上を見上げれば時計とよく分からない数字が羅列された表がぶら下がっている。
「時間になったら電車が来るって感じ、だな」
時刻表を見ると2、6、10、14、18、22のところに30という数字が一つ有るだけ。
電車の行く先は?地図を指でたどっていくと地図の中心部にもう一つ駅があった。
「中心にもーひとつって所か…こんな場所より中心の方が人も居るかもしれないな、かなみちゃんも、そして…カズマも」
然し、電車が来るまでにはまだまだ時間がある。
古ぼけた看板に「←駅長室」と薄くかかれている、なんかしらの武器が有る気がする。
気を引き締めて左のへと向かい、ドアの少し前で足を止める。
誰かが居る、証拠には僅かに聞こえる足音。
その音と足に意識を集中しながらゆっくりと、ドアへと向かい…。
ドアは半開きだったことに気がついていれば、少し変わったのかもしれない。
木が軋む嫌な音と共にゆっくりとドアが開いていく。
「誰ですか?」
ドアの置くから落ち着いた声が聞こえる、どうやら女性のようだ。
闘って勝てるかもしれない、だが自分の武器はほぼ素手。
カズマのように武闘経験があるわけでもないし、相手が女性とは言え武道の熟練者かもしれない。
さぁ君島邦彦、俺が取るべき行動は…!
「オーケイ、俺の降参だ」
荷物を足元に落とし、手を上げて中に入っていく。
「アンタがやる気なら、なんとでもするがいいさ。俺に抗うすべは無いからな」
というのは半分嘘である、もし相手が直接攻撃に移れば、足元にあるデイパックを思い切り蹴り飛ばす。
それが君島邦彦の最終的な考え、逃げる。
「はぁ、そうですか。それならば安心ですわ」
「…は?」
予想だにしない一言に君島は目を丸くする。目の前の少女は瞬く間に警戒を解き笑顔を振り撒いている。
「人を殺すことなんて、したくありませんから」
呆気に取られた君島は両手をぶら下げ目の前の少女を見ている。
「それよりいっしょにお茶にしませんか?私のバッグに入っていたんです。どうですか?」
「は、はぁ。いい、です、けど…」
街でヤクザの肩にぶつかった時に何故か相手のほうから謝られる、正にそんな気分。
予想外中の予想外、1%の考えも持たなかったケースである。
小さな事務机の前に並ぶカップに入った紅茶が二つ。テーブルを挟むように座る両者。
まじまじとカップの中身の紅茶を見つめる君島。
「安心してください、毒なんか入っていませんわ」
「は、はぁ。い、ただきます」
カップを持ち、温かい紅茶を口の中へ流し込んでいく。
ほのかな香りが鼻腔を通り抜け、風味が瞬く間に広がっていく。上物中の上物…だろう。
「ところで、お名前は?」
「ん、ああ。君島、君島邦彦って言うんだ。アンタは?」
「風です、鳳凰寺風。よろしく御願いしますね、君島さん」
目の前の少女、風は常に笑っている。
純粋で、とても透き通った。まるでカズマが帰ってきたかなみのように。
「ところで、どうして俺が襲ってこないってわかったんだい?
ひょっとしたら、さっきのヤツだってハッタリだったかもしれないんだぜ?」
風は顎に手を置き、一寸の間考えた。答えはすぐに笑顔で返ってきた。
「本当に殺しにかかってくる方でしたら、ドアを開けてしまうなんてミスはしないと思いますし。
バッグを落とすということもしないと思いましたから…大丈夫だと思ったんですわ」
自身のミスが相手の警戒を解いた、思いもしなかったことが起こっていた。
「中に居たのがアンタで本当に良かったよ。そうだ、ここに来てから俺みたいなちょっと髪の毛の赤い男と、小さな女の子を見なかったかい?」
カズマ、そしてかなみのことを風に聞く。
「いえ、気がついたらここに居ましたから。紅茶を入れるためにお湯を沸かしていたのでここからは出ていませんわ」
「アンタ、真っ先に紅茶入れることを考えたのか?」
君島の疑問は勿論、笑顔で返ってくる。
「ええ、そんなに人が入ってくるわけも無いと思いましたし、バッグの中にこんな素晴らしい紅茶が入っていましたから。
とりあえず落ち着くために作ろうと思ったんですわ」
二度目の驚愕、全く予想できない行動をやってのける。
それが目の前の人物、鳳凰寺風なのだろうか。
「ところで、君島さんは私の知り合いに会いませんでしたか?
赤い髪で背の小さい光さんと、青くて長い髪の海さんの二人なんですが…」
「いや、ここに来てから人にあったのはアンタが初めてだ、誰にも会ってないな」
そうですか、と少し暗くなった表情を一瞬だけ見せる。
「そうだ、電車に乗ろうぜ!電車に乗ったら歩くよりかは圧倒的に早く中心部にいける!
危険ッちゃあ危険かもしれないけど人は多いと思う!」
地図を机の上に開き中心部を指差す君島。
確かにここから当ても無く歩くよりは確実に人に会えるルートではある。
だが人に会ってもその人間が安全かどうかは分の悪い賭けとなる。
遭遇した人間が知り合いであっても、例外ではない。
「そうですね、確かに危険ですが。光さんや海さんに会えるかもしれない確率は高いですわ。
ここに居るより、ここから歩くよりかは確実ですし、乗りましょう、電車に」
「ああ、つってもあと一時間以上有るんだよなぁ。
そうだ、ここにある役に立ちそうなものを探せば少し時間は潰れるんじゃねえかな?」
まだそんなに探索していないこの狭い部屋、二人はここを細かく探索し始めた。
「スパナ、包帯、ロープ、コレはバール……か?」
「ですわね、とりあえず武器になりそうなものはその二つですわ」
見つかったものを机に並べ、風はスパナ、君島はバールのようなものを取る。
「もうちょっといい物が欲しかったが、贅沢言ってもしゃーないわな。
っつってもまだ時間あるなぁ…あ、そうだお互い来た場所がなんか違うみたいだし、互いの場所の話をしないか?」
君島の一言から、互いの話は始まる。
君島の世界のこと、カズマや劉鳳、アルター、HOLY、ロストグラウンドのこと。
風の世界のこと、現実世界とエメロード、光と海、自分の武器エスクードのこと。
二人の情報交換と会話は長く続く、電車が来るまで後――――――――――
【F-1の駅 駅長室・1日目 深夜】
【君島邦彦@スクライド】
[状態]:健康
[装備]:バールのようなもの
[道具]:ロープ、iPod(電池満タン、中身は不明、使い方が分からない)
[思考・状況]
1:カズマ、かなみと合流。劉鳳とはできるだけ会いたくない。
2:なんでもいいから銃が欲しい。
【鳳凰寺風@魔法騎士レイアース】
[状態]:健康
[装備]:スパナ
[道具]:紅茶セット(残り10パック)、猫のきぐるみ、包帯(残り6mぐらい)、時刻表
[思考・状況]
1:自分の武器を取り戻したい
2:光、海と合流
[共通思考]
1:電車がくるまでここ(駅長室)で待機しながら会話、情報交換。
2:電車に乗って中心部へ
3:この場所から脱出
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|君島邦彦|69:[[ギーガ鉄道の夜]]|
|鳳凰寺風|69:[[ギーガ鉄道の夜]]|
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