「暁を乱す者(後編)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「暁を乱す者(後編)」(2022/01/20 (木) 21:52:21) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*暁を乱す者(後編) ◆lbhhgwAtQE
エルルゥ殿が亡くなった。
何故? あの飛び道具から放たれた無数の弾のせいだ
そして、その誰その飛び道具を使っていたのは――――
「魅音殿っっ!!!! 何て……何という事をっっっ!!!!」
某は流れる涙も気にせずに、怒りに身を任せて腰の刀に手をかけようとする。
だが、それはキョン殿が某の手を押さえつけたことにより、不可能になってしまう。
「は、離してくだされ、キョン殿っっ!! 魅音殿は……魅音殿は……!!!」
「気持ちは分かります! ですが……どうか落ち着いてください、トウカさん!!」
……そんな事を言われても、某にはもう我慢ができない。
折角再会できたエルルゥ殿を……アルルゥ殿亡き後ただ一人になってしまった聖上の大事なご家族であるエルルゥ殿をこのような目に遭わせたとなれば、魅音殿といえど某は……某は……!!
「わ、私…………そんな……う、嘘……でしょ…………」
すると、いきなり魅音殿は、何やら呟きながら、後ずさりを始める。
「ち、違う……私、エルルゥさんを狙ったわけじゃ…………か、勝手に飛び出してきて………………」
魅音殿は、持っていた黒光りするそれを落とすと、ぶつぶつと言いながら更に後ろへと退いてゆく。
「園崎も、まずは冷静になってだな――」
「う、うわぁああああああああ!!!!!!!!」
そして、キョン殿がそんな魅音殿の肩に触れた瞬間、彼女は弾かれたように部屋を飛び出していってしまった。
「園崎っ! おいっ、どうしたんだ!? ――――くそっ!!!」
すると、キョン殿は魅音殿が出て行ったほうの出口に体を向け、今にも駆け出そうになっていた。
「キョン殿、一体何を……」
「園崎を追いかけるんですよ。あいつ、何も持たないまま出て行ったし、あのままじゃ何しでかすか分からないですし」
「そ、それなら某も……!」
「いや、トウカさんはここに残っていてください」
「――な!」
某はキョン殿を守り通すと大神ウィツァルネミテアに、そして聖上に誓った。
だから、キョン殿の行くところには必ず某も同行しなければならないのに……何故!?
「……園崎はまだそんなに遠くには行ってない筈です。何、すぐに戻ってきますよ。…………それに」
キョン殿はソファの上の子供達や、穏やかな表情で眠るエルルゥ殿を交互に見やる。
「俺が不在の間、少年達を守れるのはトウカさんしかいません。……エルルゥさんをそのままにしておくわけにもいきませんし……」
……そうだった。
ここには、まだぐったりしているしんのすけ殿や足を怪我した沙都子殿、それに……エルルゥ殿もいる。
もし、某がいなくなってしまっては、ここを守護する者がいなくなってしまう。
……だが、それでもキョン殿が1人になってしまうことには変わりなく…………。
「仕方ないわね。それじゃ、トウカさんの代わりにこのあたしがついていってあげるわ!」
すると、そんな某の迷いに気付いたように、魅音殿の落とした飛び道具を拾いながら、ハルヒ殿がそう提案してきた。
「……お、おい、ハルヒ……」
「流石にあんた一人じゃ不安だしね。でもだからといってトウカさんがここを離れたら、ここの守りも薄くなっちゃうし……だったら、あたしがあんたについていくことにしたってわけ」
「……いいのか?」
「勿論! 団員の命を守るのも団長の立派な仕事だからね! それに――――」
ここでハルヒ殿は某とキョン殿に向けて小声で喋り始めた。
「……それに、トウカさんにはロックさんを見張っててほしいの。……お願いできる?」
……どうやら、そういうことのようだ。
揺らぐ心があるが、ロック殿はまだ完全に容疑から外れたわけではない。
……心苦しくはあるが、見張りをしておいて損はないはずだ。
「――承知した。……だが、キョン殿とハルヒ殿もくれぐれも無茶をなさらぬようにしてくだされ」
「……勿論ですよ」
「ほらっ! そうと決まったらとっとと出発よ! 魅音が遠くに行かないうちに追いつかなくちゃ!!」
ハルヒ殿に促され、キョン殿も部屋を出てゆく。
――某は、そんな二人の背中を見て、彼らの無事を祈る。
だが、もしキョン殿達とともに魅音殿が戻ってきた時、某は気持ちを抑えることが出来るだろうか……。
……いや、理屈では分かっている。
魅音殿がエルルゥ殿を撃ってしまったのは、何かの間違いなのだ。
トゥスクルを謀略に乗せられ襲ったクッチャ・ケッチャと同じ立場にあるといってもいい。
そう、それは分かっているつもり………………だが、某は魅音殿を……許せるのだろうか……?
◆
それは余りに早すぎる展開だった。
エルルゥが俺の目の前で死に、魅音が逃走、それをキョンとハルヒが追いかけていった。
残ったのは俺と沙都子ちゃんとしんのすけ君、そして――
「エルルゥ殿……」
倒れる少女のそばで膝をつき、嗚咽を漏らすトウカの計4人。
……さっきまで賑やかだったこの家もすっかり寂しくなってしまった。
「うぅっ……エルルゥ殿……エルルゥ殿………………」
嗚咽を聞きながら、俺は自分の不甲斐なさに怒りを覚えた。
……俺は、今まで何をしていた?
エルルゥが撃たれてから今まで間、ただ目の前の光景に呆然としていただけじゃないのか?
――まったく呆れる話だ。
エルルゥに命を救われ、出て行った魅音をキョンとハルヒに任せ、そしてエルルゥの死を悼むのをトウカ一人に任せている俺は一体何様のつもりだ。
自分がヒーローでもなんでもないことは百も承知だが、こんなにも無様な姿を曝していい理由にはならない。
――誰かが死ぬのを見たくなかったから
――誰かが死んで悲しむ人を増やしたくなかったから
……そうだ。
俺だって、同じ気持ちだ。
だったら、こんなところでぼーっとしている時間なんて無い。
暇があるなら体を動かし、頭を働かせ、そして少しでも前へ進む。
それしか、ここで死んでいった君島やエルルゥ達に報いる方法は無い。
「…………すまない」
俺はエルルゥの傍で膝をつくと、目を閉じたままの彼女の顔を撫でながら、そう呟く。
そして、今度はトウカの方を向いて口を開く。
「信じて欲しい。俺は毒を盛った覚えなんてない」
「………………」
そう言っても、簡単に信じてもらえるような状況じゃないのは百も承知だ。
だが言わないことには何も始まらない。
「……後でキョン達が戻ってきたらエルルゥを弔ってやろう。そうしたら、しんのすけ君や沙都子ちゃんを助ける手立てを探そう」
「………………勿論だ」
トウカは最後の最後で小さく返事をしてくれた。
……これで、信用してくれるといいのだが。
俺はその返事を聞くと、エルルゥをトウカに任せて、一人ダイニングの椅子に座った。
……考えるのはしんのすけ君の毒の事。
彼が倒れてしまったという事実がある以上、自殺目的で無い限り、誰かが毒を意図的に使ったことは明らか。
しんのすけ君の歳や性格からして自殺はしそうにないし、つまり――――
「………………」
考えたくないが、それが事実だ。
事実から目を背けては何も始まらない。
だとすると、誰がやったんだ?
誰が、荷物に毒の箱を入れるなんていう込んだ手口で俺を陥れようとしたんだ?
犯人は、魅音の言うように食後に個別に動いていた人間の中にいることになるが…………。
エルルゥにトウカ、沙都子ちゃん。
最期の言葉からしてエルルゥの可能性が低いとすると、残るは二人だが…………両方ともそんなことしそうにない。
……いや、固定観念に囚われないほうがいいか。
世の中にはターミネーターみたいなメイドや、武器商人を兼業するシスター、殺人快楽者の幼い双子なんてのも存在するんだ。
見た目とその行動を一緒にしないほうが身の為だな。
……ただ問題なのは、俺の話を他の皆が聞いてくれるかどうかだろうな。
◆
許せなかった。
私やキョン達を裏切ったロックがどうしても許せなかった。
折角、皆で力を合わせて脱出しようって誓ったばかりだというのに、その矢先にあんなことをするなんて……。
やっぱり、あいつは人殺しだったんだ。
薬の衝動だか何だか知らないけど、一度子供を殺してるみたいだし、そういう願望をきっと元から持っていたんだ。
……だったら、そんな危険な奴を野晒しになんか出来ない。
誰かが助けてくれるのを待っている暇なんてないんだ。
光もクーガーも梨花ちゃんも……私の対応が後手に回ったせいで、死んでしまったんだ。
もう二度とそんなことになってほしくないから、今度こそ私は待つ側から動く側に移らなくちゃと思った。
だからこそ、ロックは私の手で…………そう思ったのに…………。
「どうして……なんでエルルゥさんが……」
実際に撃ってしまったのはエルルゥさんの方だった。
……あれは事故だったんだ。
ロックを撃とうとした瞬間に、エルルゥさんが盾になるように飛び出してきたから……。
でも、どうして?
どうして、エルルゥさんはロックなんかを守ろうとしたの?
――私に優しくしてくれたロックさんを信じたい…………
そりゃ、私だって頭のキレるあいつが人を殺してまで生き残るなんて馬鹿げた考えをするわけがないと思いたい。
だけど、荷物から毒が出てきた以上、ロックが犯人じゃないって証明するほうが難しいし…………。
それに、もし仮にロックが犯人じゃないとしても、あんなことになってしまった以上、私はあそこに戻れないよ。
どんな理由であれエルルゥさんを殺してしまった私を、エルルゥさんを守り通すと意気込んでいたトウカさんが許してくれるはずがない!
――だから私は逃げ出した。
トウカさんから憎しみの目で見られるのが怖くて。
キョンやハルヒに驚きと侮蔑の目で見られるのが怖くて。
沙都子に恐怖の目で見られるのが怖くて。
「おい、待ってくれ園崎!!!」
「待ちなさいってば!!!」
……気付くと、私の背後にはキョンとハルヒが私を捕まえようと追いかけてきていた。
私は、その二人を振り切ろうと今まで以上に地面を蹴って加速する。
「……待つんだ園崎! このまま一人になったら危ないだろ!!」
「そうよ! ひとまず家に戻るわよ!!」
……もう無理だよ。
私はあそこには戻れない。
だって……だって、私は……もう、正真正銘の人殺しになっちゃったんだから……。
「……二人とも……ごめん!!」
本当は戻りたい。
沙都子を守るためにも、脱出の手がかりを皆で集める為にも。
……でも……でも……!
◆
私とキョンは目の前を走る魅音を必死に追いかける。
その私の手にはAK-47、カラシニコフって呼ばれるよく内戦の映像とかでも出てくる銃が握られてる。
まさか、本物の銃を持つことになるなんて夢にも思わなかったけど、これも私やキョンの命を守るためだからね。
私がしっかりしないと――!!
「園崎の奴、意外と速いな」
「……そうみたいね」
「…………お前は大丈夫なのか、ハルヒ? 疲れるんだったら無理についてこなくても……」
「――団員を置いてく訳には行かないでしょ、このスカポンタン!!」
――と、強がってみるものの、実際は体の節々が疲労により軋み始めているのが分かる。
いくらあたしが運動が得意だっていっても、こんなに走らされたらそりゃ疲れるわよ。
……うぅん、それだけじゃないわね。
あたし、知らないうちに頭に大怪我してるみたいだし、そんな状態で激しい運動をしたらどうなるかは目にも明らかよ。
だけど、だからってここで退いたら、団長の名が廃るわ。
団長が団員の前でみっともない姿を見せるわけにはいかないし。
……それに、今あそこに一人では戻りたくない。
あの家には、しんちゃんに毒を飲ませた犯人がいるかもしれないと思うとそれだけでぞっとする。
犯人の最有力候補はやっぱりロックだけど、あいつがあのタイミングで毒を自分の荷物に入れたままにしておくっても、よくよく考えてみたら間抜けなような……。
だとすると、残るトウカさんや沙都子ちゃんが犯人候補?
……確かに心情的なものを抜きにして考えたら、物理的には可能なわけだし……。
ロックもトウカさんも沙都子ちゃんも怪しいし、魅音は事故とはいえエルルゥさんを撃っちゃったし…………何よ、確実に信じられるのがキョンだけになっちゃったの?
でも……でもキョンを信じられなくなったら誰を信じていいかわからなくなるし、なら私はキョンについていく。
キョンだけは、絶対に信じられるから。
「キョン……あんたのこと頼りにしてるんだからね! しっかりしなさいよ?」
「……ん? 俺はいつでもしっかりしてるつもりなんだがな」
……信じてるんだからね、キョン。
◆
いくら希望を持とうと、首輪がついている以上待っているのは絶望だけ。
だったら、最初からこんな希望持たないほうがいいのですわ。
ロックさん達の言う脱出の希望に賭けるよりも、最後の一人になってここから脱出する道を選ぶほうが確実なんですから。
だけど……それでも希望とやらの話をこれ以上聞かされたら、本当に実現できるのではないかと無意味な期待をしてしまうかもしれない。
だからこそ私は、エルルゥさんが見ていない隙を突いてお茶に例の薬を入れた。
勿論、使った薬の残りは事前にロックさんのデイパックに入れ替えておいて。
使わなかった他の薬の入った箱も、デイパックから出して部屋の押入れの中に隠しておいた。
これでいざ毒のことが露見して荷物検査になっても、自分には疑いがかからないはず。
しかも、私は皆さんよりもはるかに年下で、しかも怪我人。
……元から疑う余地などないはずなのですわ。
ちなみにロックさんを犯人に仕立てようとしたのは、たまたまデイパックが私のそれの傍にあったからもあるけれど、何よりあの人はこの集団の中で一番年上で、物事を冷静に判断することの出来るキレ者だったから。
あのような方が集団を取り仕切っていては、結束や信頼を簡単に崩すことは容易ではない。
だから、集団の頭である彼を私は陥れようと決めた。
そうすれば、集団の中での信頼関係にたちまち歪みが生じることは必至。
なおかつ、私はその集団の中でも依然として弱者としてみなされているので、仮にロックさんを放逐した後でも、誰かしらが足になってくれるはず。
エルルゥさんもトウカさんもキョンさんもハルヒさんも、そろいも揃ってお人よしそうでしたし、ロックさんの代わりとして利用するには十分すぎる。
……そして、物事は大方は予定通りに進んだ。
あの薬の効果が考えていたよりも弱いのは気になりましたが……まぁ、いいですわ。
とにかく、これでこの輪を乱すことには成功したんですもの。
でも、魅音さんがあそこまでしたことについては予想外でしたわね。
まさか、エルルゥさんを殺してしまうなんて……。
そして、その魅音さんが逃げ出して、キョンさんとハルヒさんがそれを追いかけにいってしまったのも予想外。
……でも、ここにはトウカさんという新たな足代わりになってくれそうな人がいることですし、魅音さん達が戻ってこないにしてもどうにでもなる。
むしろ、このまま戻ってこないとなれば好都合なくらいですわね。
……そう、順調に物事は進んでいる。
これは嬉しいこと………………なのですけど。
…………。
……でも、思惑通りに進んでいるのにどうして私、目から涙が流れてるんですの?
これでまた一歩、にーにーに会う道筋を進んだというのに……。
どうしてですの?
何だか、道が遠ざかっているような気がしますわ。
生き残るためには、どんな手も使うと誓ったはずなのに……どうして……どうしてなんですの……?
誰か……誰か教えてくださいまし。
圭一さん、レナさん、梨花……にーにー…………。
【C-4・山間部と市街地の境目付近にある民家(居間)/2日目・朝】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:右足粉砕(一応処置済み) 、何故か悲しい
[装備]:スペツナズナイフ×1
[道具]:基本支給品一式(食料 -1)、トラップ材料(ロープ、紐、竹竿、木材、蔓、石など) 簡易松葉杖、どんな病気にも効く薬
[思考]
基本:生き残ってにーにーに会い、そして梨花達の分まで生きる。
1:何で……涙が……?
2: トウカ(orロック)を『足』として利用し、参加者減らしのための作戦を画策する。
3:十分な資材が入手できた後、新たな拠点を作り罠を張り巡らせる。
4:準備が整うまでは人の集まる場所には行きたくない。
【ロック@BLACK LAGOON】
[状態]:眠気と疲労、苦悩
[装備]:ルイズの杖、マイクロ補聴器
[道具]:デイバッグ×2、支給品一式×2(-2食)、黒い篭手?、現金数千円、びっくり箱ステッキ(使用回数:10回)
[思考]:
基本:力を合わせ皆でゲームから脱出する。
1:自分を陥れようとしている犯人を調べたい。
2:キョンらが帰ってくるまで待機する。
3:キョンらが帰ってきたらエルルゥを埋葬、その後に子供二人の処置について考える。
4:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
5:うまく、遠坂凛と水銀燈を出し抜く方法を考える。
6:君島の知り合いと出会えたら彼のことを伝える。
[備考]
※しんのすけに両親が死んだことは伏せておきます。
※顔写真付き名簿に一通り目を通しています。
※参加者は四次元デイバッグに入れないということを確認しています。
※ハルヒ、キョン、トウカ、魅音、エルルゥらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
【トウカ@うたわれるもの】
[状態]:左手に切り傷、全身各所に擦り傷、精神疲労(大)、深い悲しみ
[装備]:斬鉄剣
[道具]:デイバッグ、支給品一式(食料-3)、出刃包丁(折れている)、物干し竿(刀/折れている)
[思考]
基本:無用な殺生はしない。だが積極的に参加者を殺して回っている人間は別。
1:ロックの動向に注意しつつ、キョン達が帰ってくるまで沙都子としんのすけを守る。
2:キョンらが帰ってきたらエルルゥを埋葬、その後に子供二人の処置について考える。
3:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョン、魅音(?)を守り通す。
4:魅音についての処置に苦悩中(3についても苦悩中)
5:アルルゥの仇を討つ。
6:セイバーを討つ。
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:全身にかすり傷、頭にふたつのたんこぶ、腹部に軽傷、SOS団名誉団員認定、筋力低下剤の服用による一時的な昏睡
[装備]:ニューナンブ(残弾4)、ひらりマント
[道具]:デイバッグ、支給品一式(-1食) 、プラボトル(水満タン)×2
[思考]:
基本:家族揃って春日部に帰る。
1:昏睡中
[備考]
※ワブアブの粉末の影響で一時的に昏睡状態にありますが、しばらくすると目を覚まします。
ただし、起きた後も体のだるさや不快感は残ります。
【C-4・市街地/2日目・朝】
【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:疲労、右肩に銃創(弾は貫通、応急処置済、動作に支障有り)、恐怖、エルルゥを誤射したことによる動揺
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:バトルロワイアルの打倒
1:キョンらから逃げる。
2:……出来ることなら皆に協力はしたい。
[備考]
※キョン、ハルヒ、トウカ、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
※ロックが犯人だと8割方思い込んでいます。
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:疲労、全身各所に擦り傷、憤りと強い決意
[装備]:バールのようなもの、スコップ
[道具]:デイバッグと支給品一式×4(食料-5)、わすれろ草、キートンの大学の名刺
ロープ、ノートパソコン+ipod(つながっている)
[思考]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:魅音に追いついて落ち着かせる。
2:1の後、ロックらと合流
3:トグサと連絡を取る手段を考え、連絡が取れたら凛と水銀燈のことを伝える。
4:トグサと直接会えたら、謎のデータを検分してもらう。
5:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
6:落ち込んでいる女性達のフォローができるよう努力する。
[備考]
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「ミステリックサイン」参照。
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「仲間を探して」参照。
※ハルヒ、トウカ、魅音、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※ロック犯人説に疑問を抱いています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部に中度の打撲(動くのに問題は無し)、激しい憤り、軽い人間不信(キョン以外に対して)、疲労及び眩暈
[装備]:AK-47カラシニコフ(20/30)、AK-47用マガジン(30発×3)
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り2回)、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回)
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出する。
1:キョンとともに魅音を追いかける。
2:トグサと連絡を取る手段を考え、連絡が取れたら凛と水銀燈のことを伝える。
3:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
4:遠坂凛と水銀燈は絶対に許さない。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※偽凛がアルルゥの殺害犯だと思っているので、劉鳳とセラスを敵視しなくなりました
※キョン、トウカ、魅音、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
[全体備考]
※魅音のデイパックが民家に残されたままです。
※デイパックの中身:支給品一式(-2食)、スルメ二枚、表記なしの缶詰二缶、レジャー用の衣服数着、パチンコ
※ロック、エルルゥ、沙都子、しんのすけのデイパックは沙都子らの寝ていた部屋に纏めて置かれています。
※エルルゥの薬箱(嘔吐感をもたらす香、揮発性幻覚剤、揮発性麻酔薬、興奮剤、覚醒剤など)は沙都子らの寝ていた部屋の押入れに隠されています。
※ワブアブの粉末(筋力低下剤)が居間のテーブルの上に置いてあります。
&color(red){【エルルゥ@うたわれるもの 死亡】}
&color(red){【残り22人】}
*時系列順で読む
Back:[[暁を乱す者(前編)]] Next:[[Solemn Simulacrum]]
*投下順で読む
Back:[[暁を乱す者(前編)]] Next:[[Solemn Simulacrum]]
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|北条沙都子|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|ロック|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|トウカ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|野原しんのすけ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|園崎魅音|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|キョン|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|涼宮ハルヒ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|&color(red){エルルゥ}||
*暁を乱す者(後編) ◆lbhhgwAtQE
エルルゥ殿が亡くなった。
何故? あの飛び道具から放たれた無数の弾のせいだ。
そして、その飛び道具を使っていたのは――――
「魅音殿っっ!!!! 何と……何という事をっっっ!!!!」
某は流れる涙も気にせずに、怒りに身を任せて腰の刀に手をかけようとする。
だが、それはキョン殿が某の手を押さえつけたことにより、不可能になってしまう。
「は、離してくだされ、キョン殿っっ!! 魅音殿は……魅音殿は……!!!」
「気持ちは分かります! ですが……どうか落ち着いてください、トウカさん!!」
……そんな事を言われても、某にはもう我慢ができない。
折角再会できたエルルゥ殿を……アルルゥ殿亡き後ただ一人になってしまった聖上の大事なご家族であるエルルゥ殿をこのような目に遭わせたとなれば、魅音殿といえど某は……某は……!!
「わ、私…………そんな……う、嘘……でしょ…………」
すると、いきなり魅音殿は、何やら呟きながら、後ずさりを始める。
「ち、違う……私、エルルゥさんを狙ったわけじゃ…………か、勝手に飛び出してきて………………」
魅音殿は、持っていた黒光りするそれを落とすと、ぶつぶつと言いながら更に後ろへと退いてゆく。
「園崎も、まずは冷静になってだな――」
「う、うわぁああああああああ!!!!!!!!」
そして、キョン殿がそんな魅音殿の肩に触れた瞬間、彼女は弾かれたように部屋を飛び出していってしまった。
「園崎っ! おいっ、どうしたんだ!? ――――くそっ!!!」
すると、キョン殿は魅音殿が出て行ったほうの出口に体を向け、今にも駆け出そうになっていた。
「キョン殿、一体何を……」
「園崎を追いかけるんですよ。あいつ、何も持たないまま出て行ったし、あのままじゃ何しでかすか分からないですし」
「そ、それなら某も……!」
「いや、トウカさんはここに残っていてください」
「――な!」
某はキョン殿を守り通すと大神ウィツァルネミテアに、そして聖上に誓った。
だから、キョン殿の行くところには必ず某も同行しなければならないのに……何故!?
「……園崎はまだそんなに遠くには行ってない筈です。何、すぐに戻ってきますよ。…………それに」
キョン殿はソファの上の子供達や、穏やかな表情で眠るエルルゥ殿を交互に見やる。
「俺が不在の間、少年達を守れるのはトウカさんしかいません。……エルルゥさんをそのままにしておくわけにもいきませんし……」
……そうだった。
ここには、まだぐったりしているしんのすけ殿や足を怪我した沙都子殿、それに……エルルゥ殿もいる。
もし、某がいなくなってしまっては、ここを守護する者がいなくなってしまう。
……だが、それでもキョン殿が1人になってしまうことには変わりなく…………。
「仕方ないわね。それじゃ、トウカさんの代わりにこのあたしがついていってあげるわ!」
すると、そんな某の迷いに気付いたように、魅音殿の落とした飛び道具を拾いながら、ハルヒ殿がそう提案してきた。
「……お、おい、ハルヒ……」
「流石にあんた一人じゃ不安だしね。でもだからといってトウカさんがここを離れたら、ここの守りも薄くなっちゃうし……だったら、あたしがあんたについていくことにしたってわけ」
「……いいのか?」
「勿論! 団員の命を守るのも団長の立派な仕事だからね! それに――――」
ここでハルヒ殿は某とキョン殿に向けて小声で喋り始めた。
「……それに、トウカさんにはロックさんを見張っててほしいの。……お願いできる?」
……どうやら、そういうことのようだ。
揺らぐ心があるが、ロック殿はまだ完全に容疑から外れたわけではない。
……心苦しくはあるが、見張りをしておいて損はないはずだ。
「――承知した。……だが、キョン殿とハルヒ殿もくれぐれも無茶をなさらぬようにしてくだされ」
「……勿論ですよ」
「ほらっ! そうと決まったらとっとと出発よ! 魅音が遠くに行かないうちに追いつかなくちゃ!!」
ハルヒ殿に促され、キョン殿も部屋を出てゆく。
――某は、そんな二人の背中を見て、彼らの無事を祈る。
だが、もしキョン殿達とともに魅音殿が戻ってきた時、某は気持ちを抑えることが出来るだろうか……。
……いや、理屈では分かっている。
魅音殿がエルルゥ殿を撃ってしまったのは、何かの間違いなのだ。
トゥスクルを謀略に乗せられ襲ったクッチャ・ケッチャと同じ立場にあるといってもいい。
そう、それは分かっているつもり………………だが、某は魅音殿を……許せるのだろうか……?
◆
それはあまりに早すぎる展開だった。
エルルゥが俺の目の前で死に、魅音が逃走、それをキョンとハルヒが追いかけていった。
残ったのは俺と沙都子ちゃんとしんのすけ君、そして――
「エルルゥ殿……」
倒れる少女のそばで膝をつき、嗚咽を漏らすトウカの計4人。
……さっきまで賑やかだったこの家もすっかり寂しくなってしまった。
「うぅっ……エルルゥ殿……エルルゥ殿………………」
嗚咽を聞きながら、俺は自分の不甲斐なさに怒りを覚えた。
……俺は、今まで何をしていた?
エルルゥが撃たれてから今までの間、ただ目の前の光景に呆然としていただけじゃないのか?
――まったく呆れる話だ。
エルルゥに命を救われ、出て行った魅音をキョンとハルヒに任せ、そしてエルルゥの死を悼むのをトウカ一人に任せている俺は一体何様のつもりだ。
自分がヒーローでもなんでもないことは百も承知だが、こんなにも無様な姿を曝していい理由にはならない。
――誰かが死ぬのを見たくなかったから
――誰かが死んで悲しむ人を増やしたくなかったから
……そうだ。
俺だって、同じ気持ちだ。
だったら、こんなところでぼーっとしている時間なんて無い。
暇があるなら体を動かし、頭を働かせ、そして少しでも前へ進む。
それしか、ここで死んでいった君島やエルルゥ達に報いる方法は無い。
「…………すまない」
俺はエルルゥの傍で膝をつくと、目を閉じたままの彼女の顔を撫でながら、そう呟く。
そして、今度はトウカの方を向いて口を開く。
「信じて欲しい。俺は毒を盛った覚えなんてない」
「………………」
そう言っても、簡単に信じてもらえるような状況じゃないのは百も承知だ。
だが言わないことには何も始まらない。
「……後でキョン達が戻ってきたらエルルゥを弔ってやろう。そうしたら、しんのすけ君や沙都子ちゃんを助ける手立てを探そう」
「………………勿論だ」
トウカは最後の最後で小さく返事をしてくれた。
……これで、信用してくれるといいのだが。
俺はその返事を聞くと、エルルゥをトウカに任せて、一人ダイニングの椅子に座った。
……考えるのはしんのすけ君の毒の事。
彼が倒れてしまったという事実がある以上、自殺目的でない限り、誰かが毒を意図的に使ったことは明らか。
しんのすけ君の歳や性格からして自殺はしそうにないし、つまり――――
「………………」
考えたくないが、それが事実だ。
事実から目を背けては何も始まらない。
だとすると、誰がやったんだ?
誰が、荷物に毒の箱を入れるなんていう手の込んだ手口で俺を陥れようとしたんだ?
犯人は、魅音の言うように食後に個別に動いていた人間の中にいることになるが…………。
エルルゥにトウカ、沙都子ちゃん。
最期の言葉からしてエルルゥの可能性が低いとすると、残るは二人だが…………両方ともそんなことしそうにない。
……いや、固定観念に囚われないほうがいいか。
世の中にはターミネーターみたいなメイドや、武器商人を兼業するシスター、殺人快楽者の幼い双子なんてのも存在するんだ。
見た目とその行動を一緒にしないほうが身の為だな。
……ただ問題なのは、俺の話を他の皆が聞いてくれるかどうかだろうな。
◆
許せなかった。
私やキョン達を裏切ったロックがどうしても許せなかった。
折角、皆で力を合わせて脱出しようって誓ったばかりだというのに、その矢先にあんなことをするなんて……。
やっぱり、あいつは人殺しだったんだ。
薬の衝動だか何だか知らないけど、一度子供を殺してるみたいだし、そういう願望をきっと元から持っていたんだ。
……だったら、そんな危険な奴を野晒しになんか出来ない。
誰かが助けてくれるのを待っている暇なんてないんだ。
光もクーガーも梨花ちゃんも……私の対応が後手に回ったせいで、死んでしまったんだ。
もう二度とそんなことになってほしくないから、今度こそ私は待つ側から動く側に移らなくちゃと思った。
だからこそ、ロックは私の手で…………そう思ったのに…………。
「どうして……なんでエルルゥさんが……」
実際に撃ってしまったのはエルルゥさんの方だった。
……あれは事故だったんだ。
ロックを撃とうとした瞬間に、エルルゥさんが盾になるように飛び出してきたから……。
でも、どうして?
どうして、エルルゥさんはロックなんかを守ろうとしたの?
――私に優しくしてくれたロックさんを信じたい…………
そりゃ、私だって頭のキレるあいつが人を殺してまで生き残るなんて馬鹿げた考えをするわけがないと思いたい。
だけど、荷物から毒が出てきた以上、ロックが犯人じゃないって証明するほうが難しいし…………。
それに、もし仮にロックが犯人じゃないとしても、あんなことになってしまった以上、私はあそこに戻れないよ。
どんな理由であれエルルゥさんを殺してしまった私を、エルルゥさんを守り通すと意気込んでいたトウカさんが許してくれるはずがない!
――だから私は逃げ出した。
トウカさんから憎しみの目で見られるのが怖くて。
キョンやハルヒに驚きと侮蔑の目で見られるのが怖くて。
沙都子に恐怖の目で見られるのが怖くて。
「おい、待ってくれ園崎!!!」
「待ちなさいってば!!!」
……気付くと、私の背後にはキョンとハルヒが私を捕まえようと追いかけてきていた。
私は、その二人を振り切ろうと今まで以上に地面を蹴って加速する。
「……待つんだ園崎! このまま一人になったら危ないだろ!!」
「そうよ! ひとまず家に戻るわよ!!」
……もう無理だよ。
私はあそこには戻れない。
だって……だって、私は……もう、正真正銘の人殺しになっちゃったんだから……。
「……二人とも……ごめん!!」
本当は戻りたい。
沙都子を守るためにも、脱出の手がかりを皆で集める為にも。
……でも……でも……!
◆
私とキョンは目の前を走る魅音を必死に追いかける。
その私の手にはAK-47、カラシニコフって呼ばれるよく内戦の映像とかでも出てくる銃が握られてる。
まさか、本物の銃を持つことになるなんて夢にも思わなかったけど、これも私やキョンの命を守るためだからね。
私がしっかりしないと――!!
「園崎の奴、意外と速いな」
「……そうみたいね」
「…………お前は大丈夫なのか、ハルヒ? 疲れるんだったら無理についてこなくても……」
「――団員を置いてく訳には行かないでしょ、このスカポンタン!!」
――と、強がってみるものの、実際は体の節々が疲労により軋み始めているのが分かる。
いくらあたしが運動が得意だっていっても、こんなに走らされたらそりゃ疲れるわよ。
……うぅん、それだけじゃないわね。
あたし、知らないうちに頭に大怪我してるみたいだし、そんな状態で激しい運動をしたらどうなるかは目にも明らかよ。
だけど、だからってここで退いたら、団長の名が廃るわ。
団長が団員の前でみっともない姿を見せるわけにはいかないし。
……それに、今あそこに一人では戻りたくない。
あの家には、しんちゃんに毒を飲ませた犯人がいるかもしれないと思うとそれだけでぞっとする。
犯人の最有力候補はやっぱりロックだけど、あいつがあのタイミングで毒を自分の荷物に入れたままにしておくっても、よくよく考えてみたら間抜けなような……。
だとすると、残るトウカさんや沙都子ちゃんが犯人候補?
……確かに心情的なものを抜きにして考えたら、物理的には可能なわけだし……。
ロックもトウカさんも沙都子ちゃんも怪しいし、魅音は事故とはいえエルルゥさんを撃っちゃったし…………何よ、確実に信じられるのがキョンだけになっちゃったの?
でも……でもキョンを信じられなくなったら誰を信じていいかわからなくなるし、なら私はキョンについていく。
キョンだけは、絶対に信じられるから。
「キョン……あんたのこと頼りにしてるんだからね! しっかりしなさいよ?」
「……ん? 俺はいつでもしっかりしてるつもりなんだがな」
……信じてるんだからね、キョン。
◆
いくら希望を持とうと、首輪がついている以上待っているのは絶望だけ。
だったら、最初からこんな希望持たないほうがいいのですわ。
ロックさん達の言う脱出の希望に賭けるよりも、最後の一人になってここから脱出する道を選ぶほうが確実なんですから。
だけど……それでも希望とやらの話をこれ以上聞かされたら、本当に実現できるのではないかと無意味な期待をしてしまうかもしれない。
だからこそ私は、エルルゥさんが見ていない隙を突いてお茶に例の薬を入れた。
勿論、使った薬の残りは事前にロックさんのデイパックに入れ替えておいて。
使わなかった他の薬の入った箱も、デイパックから出して部屋の押入れの中に隠しておいた。
これでいざ毒のことが露見して荷物検査になっても、自分には疑いがかからないはず。
しかも、私は皆さんよりもはるかに年下で、しかも怪我人。
……元から疑う余地などないはずなのですわ。
ちなみにロックさんを犯人に仕立てようとしたのは、たまたまデイパックが私のそれの傍にあったからもあるけれど、何よりあの人はこの集団の中で一番年上で、物事を冷静に判断することの出来るキレ者だったから。
あのような方が集団を取り仕切っていては、結束や信頼を簡単に崩すことは容易ではない。
だから、集団の頭である彼を私は陥れようと決めた。
そうすれば、集団の中での信頼関係にたちまち歪みが生じることは必至。
なおかつ、私はその集団の中でも依然として弱者としてみなされているので、仮にロックさんを放逐した後でも、誰かしらが足になってくれるはず。
エルルゥさんもトウカさんもキョンさんもハルヒさんも、揃いも揃ってお人よしそうでしたし、ロックさんの代わりとして利用するには十分すぎる。
……そして、物事は大方は予定通りに進んだ。
あの薬の効果が考えていたよりも弱いのは気になりましたが……まぁ、いいですわ。
とにかく、これでこの輪を乱すことには成功したんですもの。
でも、魅音さんがあそこまでしたことについては予想外でしたわね。
まさか、エルルゥさんを殺してしまうなんて……。
そして、その魅音さんが逃げ出して、キョンさんとハルヒさんがそれを追いかけにいってしまったのも予想外。
……でも、ここにはトウカさんという新たな足代わりになってくれそうな人がいることですし、魅音さん達が戻ってこないにしてもどうにでもなる。
むしろ、このまま戻ってこないとなれば好都合なくらいですわね。
……そう、順調に物事は進んでいる。
これは嬉しいこと………………なのですけど。
…………。
……でも、思惑通りに進んでいるのにどうして私、目から涙が流れてるんですの?
これでまた一歩、にーにーに会う道筋を進んだというのに……。
どうしてですの?
何だか、道が遠ざかっているような気がしますわ。
生き残るためには、どんな手も使うと誓ったはずなのに……どうして……どうしてなんですの……?
誰か……誰か教えてくださいまし。
圭一さん、レナさん、梨花……にーにー…………。
【C-4・山間部と市街地の境目付近にある民家(居間)/2日目・朝】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:右足粉砕(一応処置済み) 、何故か悲しい
[装備]:スペツナズナイフ×1
[道具]:基本支給品一式(食料 -1)、トラップ材料(ロープ、紐、竹竿、木材、蔓、石など) 簡易松葉杖、どんな病気にも効く薬@ドラえもん
[思考]
基本:生き残ってにーにーに会い、そして梨花達の分まで生きる。
1:何で……涙が……?
2:トウカ(orロック)を『足』として利用し、参加者減らしのための作戦を画策する。
3:十分な資材が入手できた後、新たな拠点を作り罠を張り巡らせる。
4:準備が整うまでは人の集まる場所には行きたくない。
【ロック@BLACK LAGOON】
[状態]:眠気と疲労、苦悩
[装備]:ルイズの杖@ゼロの使い魔、マイクロ補聴器@ドラえもん
[道具]:デイバッグ×2、支給品一式×2(-2食)、黒い篭手?@ベルセルク、現金数千円、びっくり箱ステッキ(使用回数:10回) @ドラえもん
[思考]:
基本:力を合わせ皆でゲームから脱出する。
1:自分を陥れようとしている犯人を調べたい。
2:キョンらが帰ってくるまで待機する。
3:キョンらが帰ってきたらエルルゥを埋葬、その後に子供二人の処置について考える。
4:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
5:うまく、遠坂凛と水銀燈を出し抜く方法を考える。
6:君島の知り合いと出会えたら彼のことを伝える。
[備考]
※しんのすけに両親が死んだことは伏せておきます。
※顔写真付き名簿に一通り目を通しています。
※参加者は四次元デイバッグに入れないということを確認しています。
※ハルヒ、キョン、トウカ、魅音、エルルゥらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
【トウカ@うたわれるもの】
[状態]:左手に切り傷、全身各所に擦り傷、精神疲労(大)、深い悲しみ
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[道具]:支給品一式(食料-3)、出刃包丁(折れている)@ひぐらしのなく頃に、物干し竿(刀/折れている) @fate/stay night
[思考]
基本:無用な殺生はしない。だが積極的に参加者を殺して回っている人間は別。
1:ロックの動向に注意しつつ、キョン達が帰ってくるまで沙都子としんのすけを守る。
2:キョンらが帰ってきたらエルルゥを埋葬、その後に子供二人の処置について考える。
3:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョン、魅音(?)を守り通す。
4:魅音についての処置に苦悩中(3についても苦悩中)
5:アルルゥの仇を討つ。
6:セイバーを討つ。
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:全身にかすり傷、頭にふたつのたんこぶ、腹部に軽傷、SOS団名誉団員認定、筋力低下剤の服用による一時的な昏睡
[装備]:ニューナンブ(残弾4)、ひらりマント@ドラえもん
[道具]:支給品一式(-1食) 、プラボトル(水満タン)×2
[思考]:
基本:家族揃って春日部に帰る。
1:昏睡中
[備考]
※ワブアブの粉末の影響で一時的に昏睡状態にありますが、しばらくすると目を覚まします。
ただし、起きた後も体のだるさや不快感は残ります。
【C-4・市街地/2日目・朝】
【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:疲労、右肩に銃創(弾は貫通、応急処置済、動作に支障有り)、恐怖、エルルゥを誤射したことによる動揺
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:バトルロワイアルの打倒
1:キョンらから逃げる。
2:……出来ることなら皆に協力はしたい。
[備考]
※キョン、ハルヒ、トウカ、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
※ロックが犯人だと8割方思い込んでいます。
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:疲労、全身各所に擦り傷、憤りと強い決意
[装備]:バールのようなもの、スコップ
[道具]:デイバッグと支給品一式×4(食料-5)、わすれろ草@ドラえもん、キートンの大学の名刺
ロープ、ノートパソコン+ipod(つながっている)
[思考]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:魅音に追いついて落ち着かせる。
2:1の後、ロックらと合流
3:トグサと連絡を取る手段を考え、連絡が取れたら凛と水銀燈のことを伝える。
4:トグサと直接会えたら、謎のデータを検分してもらう。
5:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
6:落ち込んでいる女性達のフォローができるよう努力する。
[備考]
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「ミステリックサイン」参照。
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「仲間を探して」参照。
※ハルヒ、トウカ、魅音、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※ロック犯人説に疑問を抱いています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部に中度の打撲(動くのに問題は無し)、激しい憤り、軽い人間不信(キョン以外に対して)、疲労及び眩暈
[装備]:AK-47カラシニコフ(20/30)、AK-47用マガジン(30発×3)
[道具]:クローンリキッドごくう(使用回数:残り2回)@ドラえもん、着せ替えカメラ(使用回数:残り17回)@ドラえもん
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出する。
1:キョンとともに魅音を追いかける。
2:トグサと連絡を取る手段を考え、連絡が取れたら凛と水銀燈のことを伝える。
3:ドラえもんが持つというディスク(射手座の日)を入手する方法を考える。
4:遠坂凛と水銀燈は絶対に許さない。
[備考] :
※腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
※偽凛がアルルゥの殺害犯だと思っているので、劉鳳とセラスを敵視しなくなりました
※キョン、トウカ、魅音、エルルゥ、ロックらと詳しい情報交換を行いました。
※キョンの持つノートPC内の情報を得て、考察しました。
[全体備考]
※魅音のデイパックが民家に残されたままです。
※デイパックの中身:支給品一式(-2食)、スルメ二枚、表記なしの缶詰二缶、レジャー用の衣服数着、パチンコ
※ロック、エルルゥ、沙都子、しんのすけのデイパックは沙都子らの寝ていた部屋に纏めて置かれています。
※エルルゥの薬箱(嘔吐感をもたらす香、揮発性幻覚剤、揮発性麻酔薬、興奮剤、覚醒剤など)は沙都子らの寝ていた部屋の押入れに隠されています。
※ワブアブの粉末(筋力低下剤)が居間のテーブルの上に置いてあります。
&color(red){【エルルゥ@うたわれるもの 死亡】}
&color(red){【残り22人】}
*時系列順で読む
Back:[[暁を乱す者(前編)]] Next:[[Solemn Simulacrum]]
*投下順で読む
Back:[[暁を乱す者(前編)]] Next:[[Solemn Simulacrum]]
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|北条沙都子|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|ロック|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|トウカ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|野原しんのすけ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|園崎魅音|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|キョン|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|涼宮ハルヒ|267:[[暁の終焉(前編)]]|
|262:[[暁を乱す者(前編)]]|&color(red){エルルゥ}||
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: