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魔術師少女リリカルりん ◆Bj..N9O6jQ


どういうことなのかしらね、これ。
 それが私、遠坂凛が始めに思ったことだった。
 いきなり目が覚めたらどこか分からないところに連れて行かれてて「殺し合いをしろ!」
なんて言われ、荷物受け取ったらどこかの建物の中にワープなんていくら魔術師の私でも
理解不可能だ。しかも魔術のレベルじゃない、魔法レベルの技術が使われてるみたいだし
(ちなみに私達は現代の科学で同じ結果を導き出せるものを「魔術」、科学では再現できな
いものを「魔法」と呼ぶ)。

「救いがある、といえばあるのかもしれないけど……」

 名簿を見てみる。
 明らかにおかしい名前の奴がいたりとか妙に日本人が多いのは放っておいて、ともかく
セイバーにアーチャーがいるのは幸いだ。セイバーとアーチャーは強い。なんでまた召還
されてるかは分からないけど、二人に勝てる相手がそうそういるとは思えないし……
 そこまで考えて、ふと気付いた。その二人は、本当に私が知ってる「セイバー」と「アー
チャー」なんだろうか?

「……あの金ぴかもアーチャーよね、確か」

 もしアーチャーがそっち、英雄王ギルガメッシュなら最悪だ。強過ぎるし性格も危険。
偉そうな性格だったからギガゾンビとかいう奴に喧嘩売ってくれそうだけど、少なくとも
私とは友好的な仲じゃない。だいたい、ずっと昔に行われた聖杯戦争の「セイバー」や
「アーチャー」だったら完全に知らない相手だ。顔写真でも付けてくれればいいのに。
 それに、普通の英霊は本来の居場所に戻ると記憶が無くなる。下手をすれば、例え私が
知ってるアーチャーだったとしても味方になってくれない可能性さえある。セイバーは
記憶があったらしいから、その点は安心だけど。

「そうなると、まず探すのは士郎ね」

 士郎なら武器ぐらい簡単に調達できる。とりあえず二人揃って干将・莫耶を持ってれば
少しは安心できると思う。武器があるのとないのとでは大違いだ。
 それに、あいつ一人だと不安もある。士郎のことだから『殺し合いするな!』とか言い
まわって、色んな戦闘に突っ込むに違いない。士郎はそういう性格だ。
 私だってわざわざ殺し合いに乗ってやるのはごめんだ、聖杯戦争は終わってるんだし。
ただ、襲い掛かってくる相手には容赦しない。だけど士郎は例え自分を殺しに来る相手で
も、何とか殺さずに済ませようとするだろう。はっきり言って、そんなんじゃいくら命が
あっても足りないに違いない。そういう面から言っても、士郎とさっさと合流してカバー
やらないと。
 当面の方針は決まった。後は、どうやってそれを成し遂げるかだ。となると重要なのは。

「これ、何が入ってるのかしら」

 ランダムに決まる支給品。もしかしたら宝石とかアゾット剣とか入ってないだろうか。
まあそこまでは無くても、ちょっとした魔術礼装(魔術行使をサポートする道具のこと)
ぐらい期待してもばちは当たらないはず。
 早速開けて取り出してみる……明らかに容量が第二魔法とかそういったレベルを超越し
てるのは置いておいて、まず出てきた物そのいち。飲み物。正確にはヤクルト一本。最初、
水とか食料の一部かと思った。新手のいじめ?

「……次」

 落胆しながら違うものを取り出す。だいぶ薄れた期待と共に出てきたのは……

「よし、ツイてる!」

 思わずガッツポーズをしてしまうほどの、当たり。出てきたのは赤い宝石。しかもこの
宝石からは魔力を感じる。これ以上ない当たりだ。


 説明しておくと、遠坂の魔術師は力の「転換」を得意とする。あらかじめ何かに魔力を
溜め込んでおいて、いざという時その力を一気に開放することにより高度な魔術を一瞬で
行使できるというわけ。そして、遠坂家は宝石に魔力を溜め込むのが得意。……まあ開放
すると宝石が壊れるせいで遠坂の魔術師は金欠なんだけど、それはともかく。
 他の荷物をデイバッグに戻し、宝石を手の中に握り締めて精神を集中、魔力を流す。
誰もいないうちに少しだけでもやっておいた方が安全でいいだろう。数分程度の魔力でも
眼くらましにはなるし、幸いここは建物の部屋の一室だからいきなり襲われることもない。
すぐにすませるつもりだった……んだけど。

「魔力が流れ込むのが遅い……?」

 なぜか知らないけどいつもより魔力の通りが悪い。いきなりこんな所に連れてこられた
からだろうか?この調子だと予想外に時間を使ってしまうかもしれない。もし襲われたら
逃げ場が無いかも、とか考えているといきなり声が聞こえた。

「Hello」
「うわ、敵? もう!?」

 なんか大人の女性らしい声だった。英語ってことは外国人?とりあえず周りを見渡す。
でも誰もいない。隠れてるんだろうか……

「……What are you doing ? Look at me」
「…………」

 またした。今度ははっきりと聞こえた、しかもこの宝石から。えっと、これってつまり。

「……喋ってるの、あんた?」
「Yes」
「…………」

 喋る宝石。普通こんな物に遭遇したら誰だって驚く、魔術師の私だって驚く。
 だけど、宝石は待ってくれない。

「Who are you ? Do you know where my master is?」
「……うん、まあ」

 人間みたいな声で喋る宝石。そんな物、全く見たことなかったし聞いたこともなかった
けど……きっと、世の中にはこういう魔術礼装もあるんだろう。ここにあるんだし。
 そう強引に思って、混乱する頭を落ち着かせようとする私だった。

「Answer, please」
「……現状把握するまでちょっと待ってて、お願いだから」

【D-5 ホテルの一室・1日目 深夜】
【遠坂凛@Fate/ Stay night】
[状態]:健康・ややびっくり
[装備]:レイジングハート・エクセリオン/スタンバイモード(魔法少女リリカルなのは)
[道具]:デイパック ヤクルト一本  水と食料それぞれ二日分 コンパス 地図 名簿 筆記用具 時計 ランタン
[思考・状況]1 ……これなに?
      2 士郎と合流
      3 アーチャーやセイバーがどうなっているか、誰なのかを確認する
      4 自分の身が危険なら手加減しない



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遠坂凛 80:遠坂凛は魔法少女に憧れない




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