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経験過多、経験不足 ◆Bj..N9O6jQ


 走る。
 暗い闇夜の中、バリアジャケット……
デバイスを介して生み出す防護服を纏い、フェイトは走る。
まるで悪夢を忘れ、記憶から逃げようとするかのように。
手にはS2U。ミッドチルダ式のデバイスだ、彼女が扱うことに支障は無い。
頭にあるのは先ほど見た最悪のイメージ。散乱する血。死体。殺人と言う禁忌。

――人を殺した親友

 それは彼女を混乱させるに十分すぎるものだ。
フェイトは数々の戦場に身を置いた身だが、死体は一回も見たことが無い。
殺人もしていない。なぜか?デバイスに存在する、非殺傷設定のためだ。
簡単に殺さずに済ませてしまう技術は戦いから殺しという現実を遠ざける。
圧倒的な魔法の実力と多くの戦闘経験を持つフェイト。
しかし、彼女は見慣れていない。死体を。
失ったものはたくさんある、傷付けられたこともたくさんある。
だが、あれほど無残な死に様はまだ一度も見ていない。
目の前で消えていった母親だって、死体を見たわけではない。
そういう点では、彼女はただの女の子と変わりなかった。
死と言う現実を理解していないのだから。
ゆえに混乱し、ただ走る。
その心は、恐怖と言う名の暗闇に囚われ始めて。

――夜の闇は、それを増長させる。

 何も見えない。聞こえるのは音だけ。だから、頼りになるのは耳。
 轟音。前方、左手から。フェイトはそちらを向いた。
まだかなり距離がある。だが、しっかりと見えていた。
木が倒れる。燃え上がる。何かが、爆発したのだ。
……爆発。心当たりなら、ある。

「ディバインバスター……」

 怯えたような声でフェイトは呟いた。
追いついたんだ、自分は。なのはに。そして、この周辺には自分しかいない。

――私ね、騒がしいのは嫌いなの。
――だから、あんまりフェイトちゃんがうるさくするなら…

     コ ロ シ チ ャ ウ ヨ ?

 今まで聞いた中でも最悪な言葉が頭をよぎる。
今のは多分、なのはからの警告。なのははレイジングハートも持ってたんだ。
……そう、フェイトは思った。
混乱している彼女が、石ころ帽子を被ったみくるに気付くはずもなかった。
心と視界を闇に覆われ、射手にも気付かなかった。
そもそもディバインバスターは物を燃やさないという、
根本的なことさえ気付かなかった。

「とめ、なきゃ……」


 炎の中でS2Uを構える。その膝は明らかに震えていた。
なのはは生半可な実力ではない。
直に(しかも拘束されて)最強魔法・スターライトブレイカーを受けたフェイトは身を以ってそれを知っている。
そして、スターライトブレイカーが非殺傷設定でないなら……人を殺すことなんて簡単だ。
こうしている瞬間にも、なのはとレイジングハートはカウントを開始しているかもしれない。
カートリッジを使わなければ10秒。使えばもっと早い。
それで、スターライトブレイカーは発射され。

――死ぬ。死ぬんだ。シグナムみたいに。

 震えた足で、フェイトはなのはを探して炎の周辺を走り回る。
いや……もはや探し回るという表現は適切ではない。
なのはの照準から外れるために、逃げ回っているようだった。
いくら気丈に振舞っていても、どれほど大人びていても。
確かに「死」に関して彼女は9歳の女の子だった。

……怖い。
……こわい、こわい。
……もういやだ、帰りたい。
……くらいよ。どこから狙ってるの?
……勝てるの?なのはに勝てるの?殺さずに?
……誰でもいいよ、助けてよ、たすけてたすけてたすけて、たすけて!

――ガサリ

「!? フ、フォトンランサー!」

 葉が擦れる音。闇夜で相手は見えない。
なのはが相手だったら……隙を与えちゃ駄目だ。
ディバインバスターでも受けきれない。
スターライトブレイカーなんて受けたら死ぬ。
その前に先制攻撃するしかない。
フェイトは半狂乱で、フォトンランサーを……金色の光弾を放ち。

――後悔した。

 そこにいたのは、なのはではなかった。
人間とは違う容姿をした女性……人間形態のアルフを思い起こさせる姿。
ヒョウを基にした使い魔だろうか?
彼女に怪我は無い。怪我は無いが。その目にあるのは。

「……驚きましたわ」
「あ……その……」

 明らかな、敵意。

 弁解をする暇も無い。それに、声も出ない。

当たってはいない。照準が甘かったこともあり相手は見事に避けていた。
だが、攻撃したのは事実。そして、相手に分かったのはそれだけ。
それ以外の事情は分かりようが無い。
相手は明らかに身長と大きさが釣り合っていない、巨大な得物を構える。

フェイトを、殺すために。

 フェイトの足が、勝手に後ずさる。怯えた子供のように。
だが嘱託魔導師として戦い続けた経験は、
知らず知らずのうちにフェイトにS2Uを構え直させていた。

「邪魔をするなら……手加減、しませんわ」
「!」

【D-7 森林・1日目 黎明】
【フェイト・T・ハラウオン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:恐慌状態
[装備]:S2U+バリアジャケット@魔法少女リリカルなのは(他のランダムアイテムに関しては後続の書き手さんに一任します)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]1: 応戦……?
      2:なのはの殺戮を止める

【カルラ@うたわれるもの】
[状態]:健康
[装備]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)(棍棒としてしか使う気はない)
[道具]:支給品一式 、ランダムアイテム残数不明(カルラが扱える武具はありません)
[思考・状況] 1.応戦
      2.ハクオロと合流。他の仲間とも合流したい。
      3.邪魔する人間には容赦しない。

本スレ1、レス262-264



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27:Fact or Fiction? フェイト・T・ハラウオン 59:「友達だ」
21:闇に包まれた未来 カルラ 59:「友達だ」




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