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最悪の軌跡◆CFbj666Xrw


「とうちゃ~ん!」

(……くそ)

「とうちゃ~ん!」

何度も何度も、脳裏にしんのすけの声がこだまする。

「とうちゃ~ん!」

(しんのすけ……!)

――しんのすけの未来の為に、他の子らの未来を潰すと言うのか。あの男の口車にまんまと乗せられて

(んな事はわかってるんだ!!)
しんのすけの声が、又兵衛の言葉が、何度も何度もこだまして頭を離れない。
何度考えてもこれは良い事でも正しい事でもない。
(だけど……だけどよう! それでも……それでもオレは父親なんだ!)
だから、殺さなければならない。
大人でも。子供でも。
男でも。女でも。
……だから、ひろしは新たな標的に向かって飛び出した。
物陰から、橋の袂に立つ女に向かって。
背後から、金属バットを振りかざして。
「うおおおおおおおぉっ!!」
振り下ろした。

     * * *

シグナムは考えていた。
何度も思い返していた。

「私達ドールは他のドールを倒し、ローザミスティカを奪わなくてはいけない使命の元にあった。
 私達は、アリスという存在になるために作られたのだから。
 そして、アリスになるにはアリスゲームに勝ち抜くのがその方法だと思っていた。
 つい最近、アリスゲームだけがアリスになる方法ではないと知ったけれど」

自嘲するような、哀しげな笑い声が脳裏に甦る。

「それに気付くまで大切なものを失ったわ。
 蒼星石さえ最後にはお父様のため戦うことを選んだ……選んで動かなくなってしまった。」

そう、真紅は失ったのだ。大切な仲間を。
奪い合いの中で生まれたであろう仲間さえ、争いに呑まれて失ったのだ。

「私は仲間達と合流して、対策を練る。
 アリスになる手段がアリスゲームだけでないように、きっと何か手段があるはずだから」

それに気づいた今ならな……彼女は何も失わずに済むのだろうか?
(……それさえも断言は出来ないだろう)
信頼できる仲間だけで集まっても、全てを失わないでいられるとは限らない。
理由は簡単な事だ。
世界は苦難に満ちている。
敵が居なくとも、闇の書が主を侵触するのを止めるためにシグナム達は戦いに身を投じた。
悪意ではなくただ悲しく強い意志により彼女達を絡め取っていた陰謀が有った。
争いは仲間達の内からと、仲間達の外から襲い来る。
そしてシグナム達ヴォルケンリッターは外敵を討つ剣なのだ。
シグナムはそちらを見もせず、背後へと木刀を振り抜いた。

「ぐあぁっ!?」

呻き声と共に野原ひろしは叩き割られた鼻頭を抑える。
鼻から血がぼたぼたと滴り落ちた。
「な、なんで……!?」
「答える必要は無い」
シグナムの片手にはクラールヴィントが輝いていた。
その指輪に入っている石が分離し、指輪本体と紐でつながっている。
即ち振り子のようになったその石は、ぴたりと野原ひろしを指していた。
クラールヴィントは情報戦に優れたデバイスだ。
シグナムの苦手とする分野ではあるが、それでも近距離の索敵に使うには十分だった。
「答えるのはおまえだ。答えろ。おまえはなぜ殺し合いに乗った?」
「………………」
「答えろ!」
シグナムは木刀を突きつける。

「…………俺は、父親だ」

野原ひろしは鼻を押さえていた手を離し、金属バットを両手で構えなおした。
潰された鼻から流れる血とぼろぼろ零れる涙があっという間に顔をぐしゃぐしゃにする。
(……みっともねえ)
だけど。
「俺は、父親なんだ!」
「それなら模範となり、子の為になるように生きるべきではないのか?」
「ああわかってる! わかってるんだよ、んな事は!」
だけどそれでも。
「理屈じゃないんだよ!」
「そうか」
想いを込めた渾身の一撃は。
鳩尾に撃ち込まれた鋭い突きであっさりと止められた。
血に濡れた金属バットが地面に転がる。
「ご……げほ…………」
胃液が漏れて咳き込む喉を木刀が締め上げる。
窒息しないように、そして話せる程度に。
「……名前を聞いておこう」
「…………野原……ひろし…………父親……だ…………!」
「そうか。私はヴォルケンリッター烈火の将シグナム。だが……」
沈黙。
ひろしは背後の女が、歯を食いしばる音を聞いた。
…………。
「……私が誰かにこの名乗りをするのは、おそらくこれが最後だ」
「それは、どういう」
絞める。
「がっ」
「もう一つ聞かせてもらうぞ、野原ひろし。
 おまえが持っていたであろうデイパックはどうなった?」

     * * *

井尻又兵衛由俊はしばらく陶然と見上げていた夜空から目を離した。
いつまでも物思いに耽っているわけにはいかない。
これからの事を考えなければならない。
(なによりひろし殿を止めねばなるまい)
まずは彼が残して行った支給品から調べるべきだろう。
野原ひろしのデイパックと、彼が殺した男のデイパック。
些細な事だが死者の遺品は後回しにし、ひろしのデイパックを開けた。
といってもひろしが使っていた武器は金属バットだ、それ以上の武器は出てこまい。
事実、逆さにすると中から転がり出た物はまるで武器には見えなかった。
「これは……宝石か?」
10個に及ぶ神秘的な輝きを放つ宝石。
それがひろしのデイパックから出てきた残る支給品だった。
「一体何に使うのだ?」
あの“ぱそこん”とやらも又兵衛には理解できない支給品だったが、これもとびきりだ。
少なくとも武器には見えないし、その機能も想像すらできない。
やはりこれはただの宝石なのだろうか?

「驚いたな、カートリッジシステムと極めて近似した系統の魔導具らしい」
「曲者!?」
ハッと振り返ったそこには一人の女が立っていた。
その足下まで転がった1つの丸い宝石を拾い上げ、しげしげと眺めている。
俯いたその顔は髪に隠れ、表情は見えない。
警戒し、しかしすぐにその警戒を緩める。
(こやつは不意打ちをする女ではない)
この気配。戦場(いくさば)において何度も相対したこの人種。
「そなた……武人か?」
「……そうだ」
首肯する。だが、又兵衛はハッと息を呑んだ。
「その……バットは……?」
「………………」
女は片手に持っていた金属バットを放った。
それは甲高い音を立てて又兵衛の足下に転がった。
……その握り手には、べっとりと紅い手形が付いている。
「野原ひろしより奪った物だ。この場所の事も、おまえの事も聞いた」
「ひろし殿を……殺したのか?」
「…………そうだ」
抑揚のない答えが返る。
「何故だ!?」
「言うまでもない。あの男は殺し合いに乗っていた。
 主に害を為しうる者は排除する。それが騎士の務めだ」
「それは……!」
その通りだ。
野原ひろしはギガゾンビの言う殺し合いに乗っていた。
誰かを殺そうとする者が誰かに殺される事に不平を唱える資格は無い。
「だがひろし殿は……悪人ではなかった!」
それでも又兵衛は叫んだ。
「ひろし殿はただ父親であろうとしただけだ。
 ただ……ただそれ故に愚かな過ちを犯してしまっただけなのだ!」
(拙者は何を言っているのか)
目の前の女が何者かは知らない。
だが非はひろしに有り、彼を殺した事を非難する事は出来ない。
彼女を恨む権利はなく、ましてや彼女に復讐するなどもっての他だ。
「ひろし殿は……」
「……判っている。
 あの男の想いは痛いほどに判る。どれほどに痛み、どれほどに苦しんだのかも。
 なにせ……」
女は顔を上げた。
又兵衛はあっと息を呑んだ。
「あの男と同じ選択をした今となってはな」
彼女の表情は、あの時の野原ひろしとまるで同じだったのだ。
顔は違う。男と女、中年と美女、人種も積み重ねた物もまるで違う。
だが悲痛な想いと切実な決意が、痛々しい覚悟と破滅的な希望と共に同居する表情は、同じ。
女はその表情を、想いを――継承していた。

     * * *

「答えるのはおまえだ。答えろ。おまえはなぜ殺し合いに乗った?」
シグナムは襲ってきた男を問いつめた。
なぜそんな事を聞いたのだろう。
殺し合いに乗った者達の言い分を聞く意味など無いというのに何故気にするのか。
「答えろ!」
(……私自身の中に迷いがあった為だ)
だから聞いて、答えを得た。
その答えはたった一言で、そして十分すぎる答えだった。

「…………俺は、父親だ」

男は鼻を押さえていた手を離し、金属バットを両手で構えなおした。
潰された鼻から流れる血とぼろぼろ零れる涙があっという間に顔をぐしゃぐしゃにする。
シグナムはその弱々しい姿を見て、強いと思った。
その醜い姿を見て、気高いと思った。
「俺は、父親なんだ!」
「それなら模範となり、子の為になるように生きるべきではないのか?」
シグナムにも判っていた。
だけどそれでも、意味が無いと判っていても問い掛ける。
「ああわかってる! わかってるんだよ、んな事は!」
答えは予想通り。
「理屈じゃないんだよ!」
「そうか」
(そうだな)
そう、それは理屈ではない。
誤った道。
赦されない道。
大切な人を傷つけてしまうかもしれない道。
その大切な人と自分が一緒に居る事が許せなくなる道。
……少し遠回りになる事を許容するだけで他に幾らでも道のある近道。
それでもその道を選びたい程に大切な人が居る。
自らの全てを捧げ、正しきを放棄し、心を傷つけてでも護りたい人が居る。
(あの時の私達と変わらない)
かつてヴォルケンリッターが八神はやてとの約束を破り、罪無き人々を傷つけてでも、
密かに魔術師達のリンカーコアを集めていたあの時と。
あの時との彼女と目の前の男の違いは、それより更に何歩も過ったこと。
それと、無力であること。ただそれだけだった。
素人丸出しの愚直さで向かってきた男に木刀を撃ち込み、首を締め上げる。
「……名前を聞いておこう」
「…………野原……ひろし…………父親……だ…………!」
「そうか。私はヴォルケンリッター烈火の将シグナム。だが……」
続く言葉を呑み込む。
(――覚悟を、決めろ)
あの時、シグナムは騎士の誇りを失ってでも八神はやてを護ろうとした
今度は騎士の忠義すらも失う。
八神はやての為? そんな事は口が裂けても言ってはならない。
主の為に罪無き人々の命を奪ったなど口にしてはならない。
理由にしてもならない。
これはあくまでシグナムが勝手に行う事だ。
最早騎士でもないただの修羅が、一人の少女を生かしたくて勝手に行う事だ。
だから歯を食いしばって言った。
「……私が誰かにこの名乗りをするのは、おそらくこれが最後だ」
そして、何故かバットを持つだけで持っていなかったデイパックの場所を聞き出してから、
シグナムは野原ひろしの首の骨を折って、殺害した。

     * * *

「バカな、そなたのような武人までもこのような下らぬ戯れに乗るというのか!?」
「そういう事になるな」
女は決然と答えた。
「考え直せ! 脱出の手段、反抗の手段は必ず有る! 諦めてはならぬ!」
「……ああ、きっと有る。我が主も今頃はそれを捜しているだろう。
 そして、主ならきっとそれを見つけだすだろう」
「それが判っているならば、何故だ!?」
「例え主が正しき道を行きても、敵は居る。殺し合いは止まるまい。
 ……私は少しでも主が生き残る可能性を増やす。それ以外を殺す事によって」
「主の道を血で汚す気か? 殺し合わずに全てを解決しようとする主なのであろう?
 そなた、罪無き者達の血で汚れた顔を主に向けるつもりか!?」

女――シグナムはかつてを回想する。
罪無き者達を傷つけてでも主を救うと誓った時、ヴィータは言った。
『はやての未来を血で汚したくないから、人殺しはしない。だけど、それ以外なら何だってする!』
そう誓ったのだ。
(だが、私はそれさえも破ろうとしている)
だからこそせめて。
「私が主と相まみえる事は、もう無い」
故に最早名乗る名は無い。
「我が不忠義を主が耳にする事も、無い」
そう、その為に。
「私が殺し合いに乗った事は、誰にも報せない」
「…………そうか」
又兵衛は目の前の女、シグナムの行動方針を悟った。
彼女は自らが殺し合いに乗った事を知る者を一人として生かしておかない。
又兵衛は足下に転がった金属バットをゆっくりと拾い上げる。
シグナムはクラールヴィントを身につけた左手に宝石を掴み、宝石ごと両手で木刀を握る。
最早言葉は何の意味も為さない。
そして戦いは。
「ならば……いざ尋常に、勝負!」
「応!」
――一瞬の刹那で決する。
シグナムはカートリッジシステムの無いクラールヴィントを宝石に秘められた力により仮想駆動。
宝石の魔力がクラールヴィントを経て木刀に流れ込み、シグナムの最も得意とする必殺の魔法を起動する。
――紫電一閃。
それは魔法にして武術だった。
業火に包んだ刀身による一撃はあらゆる障壁を打ち破り敵を打ち倒す必殺の刃。
炎に包まれた木刀が朽ちるまでは一瞬、しかしその一瞬で一度だけの打ち込みが放たれた。
本来の武器ではない仮初めの、ただの木刀故にたった一度だけの一太刀。
故に又兵衛はそれを金属バットで受け止めようとした。
「おおおおおぉっ!!」
耐えきれば、相手の武器は砕け散る。
耐えれば又兵衛の勝利。打ち破ればシグナムの勝利。
決着は一瞬で訪れる。
……永遠の様に長い闘争の刹那の中で、又兵衛の右腕の力が僅かに抜けた。
(しまった、ひろし殿に受けた傷――)
半ばまで溶けた金属バットが弾け飛び、木刀が一瞬にして燃え尽きる。
その時には既に、業火の刃は又兵衛を斬り裂いていた。

「みご……と……」

鈍い音を立てて、又兵衛は崩れ落ちた。

「………………すまぬ」

シグナムの手の中で宝石が砕け散る音がした。
もっと大切な何かが砕けてしまった音がした。



こうして井尻又兵衛由俊は死んだ。
彼が止めようとした野原ひろしは殺された。
そして彼と同じ道を辿ろうとするシグナムを止められなかった。
彼の死に何よりも傷付く者は少なく、彼の死がもたらす物は無い。
それは全く意味の無い死だった。
無駄死にだった。
だが、そんな死でさえもこう言うべきなのかもしれない。
運が良かったと。
野原ひろしも死んだ。
子供達を愛する穏和な男を一人殺しただけでそれ以外殺せずに死んだ。
鬼になってさえ息子に危害を及ぼす者を一人たりとも減らせずに死んだ。
それどころか彼の覚悟と過ちは、人殺しを増やす事となった。
野原しんのすけを殺そうとする者を一人増やす結果になった。
それは断じてゼロではないのだ。
ゼロよりも小さなマイナス。
無意味よりも悪い最悪。
最悪の死に様。
最低の成果。

そして――

     * * *

(……罪無き人を殺めたのは久しぶりか)
人を殺めたのは初めてというわけではない。
八神はやてと出会う前、それ以前の主の元でなら人を殺めた事は有った。
罪無き者を殺めた事も無かったわけではない。だが。
(クッ…………吐き気がする)
吐いてしまうほど無様では無いが、それでも吐き気を覚えた。
久しぶりのせいだろうか。
(いや。違う)
シグナムは床に転がる宝石を一つ拾い上げた。
偶然にもベルカ式に極めて近似した構造と性質を持つ魔術の武器。
(使い捨てデバイスとでも言うべき物のようだな)
クラールヴィントでやった事はそれを微調整しシグナムの魔法に修正しただけ。
ならば簡単なことだ、今から使う魔法など。
――騎士甲冑の創造。
シグナムの全身が光に包まれ、騎士としての甲冑が顕現する。
なのは達ミッドチルダ式におけるバリアジャケットと同じく魔力で編まれた装甲服。
彼女達のそれは最初に主から形を賜らなければならないが、それ自体は魔力で創造する。
その形状が性能を左右する事も無い。
新たな主になった八神はやてにそう伝えた時、彼女は言った。
「そやけど、わたしはみんなを戦わせたりせえへんから」
そう言って彼女がイメージした形は服だった。
彼女曰く、騎士らしい服。それが八神はやてが騎士達に与えた騎士甲冑だった。
この服に限った事ではない。
ヴォルケンリッター達は彼女に出会って何もかもが変わった。
それまでの主のように、高圧的に接するでもなく物のように接するでもなく、家族として。
大切な家族として扱う彼女から、ヴォルケンリッターの心は徐々に温もりを得ていった。
何よりも大切な、誰よりも愛おしい家族。
そんな彼女が主だったからこそ、シグナムは彼女を護るために道を外れた。
(……すまない、主はやて)


………………。
転がる荷物を整理する。
又兵衛の荷物からは銃が見つかった。シグナムの好みでは無いが一応は持っていく。
パソコンは使いそうに無いから置いていく事にした。
野原ひろしの荷物から見つかった魔法の宝石は全て持っていく。
野原ひろしが殺した男の荷物からは、原始的な武器ばかりが幾つも転がり出た。
一つ目は日本刀のような刀だ。ごく普通の鞘付き。
(……打って付けだな。私には性が合う)
試し振りしてみると鍛え抜かれた刃は彼女の実用にも耐える名刀だった。
二つ目は長柄の斧。
(元から使いにくい武器だが重心が妙だな。とても小柄な少女が使うような……)
そう、例えば彼女の好敵手であったフェイトという少女であれば上手く使いこなすだろう。
一応、刀の予備としてデイパックに放り込んでおいた。
空間を操作する魔法でも掛かっているのか、デイパックは体積も質量も感じさせない。
そして三つ目は、弓矢だった。
碧色のシンボルカラーを基調としたその弓は清廉な美しさを感じさせた。
実はシグナムは弓矢も使いこなす。
彼女のデバイスであるレヴァンテインにもボーゲンフォルムという弓矢形態が存在した。
その形態から二つのカートリッジを消費して放つシュツルムファルケンこそが、
シグナムの使う魔法の中でも最大の破壊力を誇る必殺技だったのである。
単純性能では銃の方が使いやすく安定した威力を誇るが、弓矢の方が使い慣れている。
迷わず狙撃用として持っていく事を決めた。

シグナムは狙い通り、三人分も集中して残っていたデイパックから十分な装備を整えた。
後は覚悟だけ。
部屋を出ていく時に一度だけ振り向いた。
それを最後に迷いを振り切って歩き出す。
(まずは主はやてを殺す可能性が有る者を優先する。
 ヴィータを殺す必要は無い。もしあいつがはやてと最後まで残る事があれば自害するだろう。
 ……それまでに主が脱出手段を見つける事を祈ろう。
 なのはやフェイトも後回しで良い。最後に残らなければ放っておいて良いだろう。
 それ以外は……無害なフリをしている者と区別が付かない。全て仕留める。
 逃してはならない。名前を名乗らずとも姿を見せて逃してはならない。
 何故ならそれが主の耳に入れば主が気づいてしまうからだ。
 だから、一人残らず殺す。
 その方が、ほんの僅かでも可能性が上がるのだから)
その思考は自暴自棄でも出鱈目でもない。
理路整然と必要なことと不要なことを選り分ける。
ヴォルケンリッターの主はあくまで八神はやてだが、シグナムはその将。
主の指示が無い時にヴォルケンリッターを指揮する彼女の思考は健在だった。
事実、必ずしも間違っていたわけではない。
主はやてが正しき道を歩み、しかし非力で暴力に屈しうるという予想は間違っていなかった。

八神はやては気高き意志で殺人を否定し、その非力さ故に既に殺されていたのだから。

(クラールヴィントを使えば個人識別は無理だが無差別の探索は出来る。
 この周辺の通りを通る者が居れば、まずはそれを矢で狙うか、あるいは……)

哀れな騎士は気づかない。
主が死しても在り続ける筈が無い。筈が無い事が起きている。
それに気づかずに騎士は無意味よりも悪い最悪へと突き進む。

哀れな騎士は道化と化した。

【野原ひろし@クレヨンしんちゃん   死亡】
【井尻又兵衛由俊@クレヨンしんちゃん 死亡】
[残り66人]





【D-3 橋の袂 黎明】
野原ひろしの死体が転がっています。

【D-4 雑居ビル 黎明】
【シグナム@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:健康/騎士甲冑装備
[装備]:ディーヴァの刀(BLOOD+)
    クラールヴィント(極基本的な機能のみ使用可能)(魔法少女リリカルなのはA's)
    凛の宝石×8個(Fate/stay night)
    鳳凰寺風の弓(矢24本)(魔法騎士レイアース)/コルトガバメント
[道具]:支給品一式/ルルゥの斧(BLOOD+)
[思考・状況]1はやて、ヴィータ、フェイト、なのは以外の参加者を殺害する。
        2ゲームに乗った事を知られた者は特に重点的に殺害する。
        3危険人物優先だが、あくまで優先。
        4もしも演技でなく絶対に危険でないという確信を得た上で、
         ゲームに乗った事を知られていないという事が起きれば殺さない。
 ※シグナムは列車が走るとは考えていません。

ディーヴァの刀 :特別な効果は無い。資産家な超人の物なので丈夫な業物ではある。
ルルゥの斧   :特別な効果は無い。超人的身体能力を持つ小柄な少女の武器だった。
鳳凰寺風の弓矢:特別な効果は無い。鳳凰寺風には完全にサイズが合うだけ。

三人分の荷物一式
井尻又兵衛由俊の死体
ノートパソコン
が残されています。

2006/12/16 誤字修正

時系列順で読む


投下順で読む



30:薔薇の風 シグナム 88:嘘と誤解と間違いと
37:夜空の再会 野原ひろし
37:夜空の再会 井尻又兵衛由俊




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