「速さ」ってなんだろ?「速さ」ってなぁに? ◆wNr9KR0bsc


森林に鳴り響く叫び。
「俺はぁ、絶対にぃ。追いついてみせる!俺が最速の男どぅわぁああ!!!」
一発木に拳を打ち付けた所でようやく我に返る。

振り向くとすぐ隣の木により掛かり、嘔吐を繰り返している魅音の姿が。

もうどれぐらい吐いていたかすら覚えていない、ひょっとすると胃液すら残ってないかもしれない。
とにかくクーガーの速度についていくのはもう限界である、死んだ方がマシだ。
少しだけ楽になって来たところでクーガーがこっちに来る。少しボケてきた脳みそをフル回転させる。
確かにクーガーはあの得体の知れない能力を持ってるから強いし移動も早い。
だけどあの地獄に付き合わされてしまうことを代償と考えると…天秤ではつり合わない?
「すいません、イオンさぁん」
魅音だと突っ込みながら考える、落ち着け…どうやったらクーガーと上手く付き合える…?

カードは四つ。

「拒絶」

「同行」

「殺害」

「離別」

カードは引いたのは、クーガー。


「イオンさん」
「魅音だ!」
すいませぇんと頭を下げる、何回目かやりとり。さっき突っ込んだばかりだというのにまた間違えている。
わざとやっているにしても物凄くイライラする行為だ。
「イオンさん、私は速くあることに人生のすべてを賭けて来ました。でもその道は険しく、途中には大きな壁だって出てきます」
はぁ?と思わず言ってしまうぐらい訳がわからなかった。
「今さっき、私の前に壁が出来ました。だから、俺は。俺は最速である為にあの子を越えなきゃいけないんですよ」
「ちょ、ちょっと!身勝手すぎない!?こっちはあんたの暴走に付き合わされた上ほったらかしにされるって言うの?!」
なんでだろう、離れたい筈なのに。私は何を言ってるんだろう?
「それでも、やらなくちゃいけないんですよ。俺が速いって事を証明したいだけ。それだけなんですけど、俺にはそれしかないんです。
 ここは危険ですから私の支給品はあなたに差し上げますよ。…だから、その代わりと言ってはなんですが彼女を追わせてください」
クーガーがカバンから支給品を取り出してその場に落とす。カランカランと渇いた音を立てる。
そんなのにも目をくれず無意識のうちに怒鳴って反論していた。
「違う!そうじゃない!私が言いたいのは」
「本当は俺と別れたい。違いますか?そりゃあ誰だって吐くような思いを我慢してまで、誰かのそばに居ようなんて思いませんよ」
また心中を見抜かれ、魅音は下を向く。更に声を荒げて言い返す。
「分かったわよ、どこにでも行けばいいじゃない!」
そう言っているのにクーガーは笑っている。どうして笑っているのか、分からない。
「私の速さが有れば五分もいりませんよ、魅音さん。すぐ…戻りますよ。絶対にね」
「魅音だ!」
「合ってるでしょう?」
そこで気がつく、確かに今は間違えずに呼んだ。
物凄く言葉に出せない怒りが込み上げてくるが、それをぶつける気には不思議とならなかった。
「ははは、では行ってきますよ。俺自身の証明の為に」

周囲の物体を抉りとって、また地獄のような速度で駆け出していった。
これで…良かったのに、支給品までもらえたのに。ムカツく。ムカツくという気持ちも有るが寂しい気もする。
ここに来てからすぐクーガーは魔法のように現れて、魔法のように去っていった。
本当に魔法をかけられていたような気分になれる。不思議な感覚だけが残っていた。




男はひたすら速さだけを求めた。
速くある事が彼の生涯を賭けるべきことで。
きっとその精神までもが速さで出来ていた。
これからも、ずっと。永遠に彼は最速の座を求めつづける。


クーガーがおいていった支給品、大きな斧と奇妙な形の篭手。
斧のほうは少し重たかったが、両方とも使えそうなのでとりあえず装備することにした。
「そういえば、カブ以外の支給品。見てなかったな…」
気を紛らわす為になのか、彼女は急にデイパックのなかをごそごそと漁り始めた。
手を伸ばすとまず出てきたのはオモチャ、いわゆる戦隊系のロボットをもしたような感じだが…。
もう一度バッグに手を突っ込む、斧なんかよりももっと恐ろしいかもしれない、金属の感触が伝わる。
「これは…R…PG?」
一緒に付いて来た解説書をチラ見して名前を呼ぶ。先端には大きな爆弾のような物までついている。
何も見なかったようにデイパックの中へ戻す、コイツを食らわせれば…大体の人間ならひとたまりも無いはず。

「でも…もうアレは使えないかな」
一つだけ…オモチャ以下に成り下がってしまった物がある、遠めに映る木に激突したカブ。
その後に確認しに言ったのだが、プレスされたかのようにペシャンコになっていてとても使えそうに無い。
そんな速度が出ていたことを考えてもゾッとするし、これが自分だったらと考えるともっとゾッとする。

「とりあえず、どこに圭ちゃんたちがいるかわかんないし、適当に歩いていくしかないか」
疲労の所為か、その足は温泉の方向へと向かっていた。両手で斧を引き摺りながら、ゆったりとした足取りで。


【C-8 北部・1日目 黎明】
【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:乗り物酔い、軽い吐き気
[装備]:エスクード(炎)@魔法騎士レイアース、ヘンゼルの手斧@BLACK LAGOON、
[道具]:USSR RPG7(残弾1)、ホ○ダのスーパーカブ(使用不能)、
    スーパーピンチクラッシャーのオモチャ@スクライド、支給品一式。
[思考・状況]
1:温泉に行って気持ちを落ち着ける。
2:圭一ら仲間を探して合流。
3:襲われたらとりあえず応戦。
4:クーガーとはできるだけもう関わりたくない(?)

【D-8 北部・1日目 黎明】
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[状態]:俺が遅い…?俺がスロウリィ?
[装備]:ラディカルグッドスピード(脚部限定)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:宇宙最速を証明する(光を探し出して速さで勝つ)。
2:証明が終わったら魅音の元へ行く。

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33:最速×騎士×被害者 ストレイト・クーガー 117:Salamander (山椒魚)
33:最速×騎士×被害者 園崎魅音 92:史上最大の部活




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