峰不二子の動揺 ◆pKH1mSw/N6
「なんて悠長なことをしているのかしら……」
峰不二子は瓦礫の影に隠れながら嘆息した。
視線の先では、ゴーグルを額に張り付かせた少年が一心不乱に瓦礫と格闘している。
子供の頭くらいの大きさがあるコンクリートの塊を両手で持ち上げ、運び出し、瓦礫の山を切り崩す。コツコツと、コツコツと。
塵もどければ山も消ゆ。
生憎、その山は塵だけでは構成されていなかったが。
「……ッ」
少年の前には、直径2mはあろうかというビルの欠片が立ちはだかっている。
どう考えても、子供の能力を越える障害物だ。
「くそっ!」
少年は果敢だった。臆すことなく、諦めることなく壁に立ち向かった。
だが、勇気と無謀は似て非なるもの。
無理に動かそうとしたことで脆くなったコンクリートに亀裂が入る。
無遠慮な仕打ちに怒った壁が、二次崩落という名の牙を剥いた。
大破片と小破片が混ざり合った礫雨が少年の身体を粉微塵に、
「ハルバード!」
砕く前に砕かれた。
長槍を振るったのは赤髪の少女。その細腕からは信じ難いスピードで長大な武器を振り回す。
まるで身体の一部分でもあるかのような武器の使い方は、少女が常人ではないことを如実に表している。
赤髪の少女の認識をただの子供から要注意人物にランクアップさせ、不二子は更に耳を欹てた。
視線の先では、ゴーグルを額に張り付かせた少年が一心不乱に瓦礫と格闘している。
子供の頭くらいの大きさがあるコンクリートの塊を両手で持ち上げ、運び出し、瓦礫の山を切り崩す。コツコツと、コツコツと。
塵もどければ山も消ゆ。
生憎、その山は塵だけでは構成されていなかったが。
「……ッ」
少年の前には、直径2mはあろうかというビルの欠片が立ちはだかっている。
どう考えても、子供の能力を越える障害物だ。
「くそっ!」
少年は果敢だった。臆すことなく、諦めることなく壁に立ち向かった。
だが、勇気と無謀は似て非なるもの。
無理に動かそうとしたことで脆くなったコンクリートに亀裂が入る。
無遠慮な仕打ちに怒った壁が、二次崩落という名の牙を剥いた。
大破片と小破片が混ざり合った礫雨が少年の身体を粉微塵に、
「ハルバード!」
砕く前に砕かれた。
長槍を振るったのは赤髪の少女。その細腕からは信じ難いスピードで長大な武器を振り回す。
まるで身体の一部分でもあるかのような武器の使い方は、少女が常人ではないことを如実に表している。
赤髪の少女の認識をただの子供から要注意人物にランクアップさせ、不二子は更に耳を欹てた。
「あ、ありがとう!」
「……別に、それほどたいしたことじゃねーし」
少年が礼を言い、少女がそっぽを向く。微妙に頬が赤い。
「また焦ってるよ太一くん、さっき注意したばかりじゃないか。それに、大きい瓦礫があったら僕に言うんだ。僕は結構力持ちなんだよ」
どうやら反対側で瓦礫を漁っていたらしい青ダヌキが姿を現す。ところでアレ、本当にタヌキでいいのよね? 呼称雪だるまに変更すべきかしら?
「いや、これは俺がやらなくちゃいけないことなんだ。だから……」
「その理屈はおかしいよ、太一くん。君は一人じゃない、僕がいる、ヴィータちゃんがいる、仲間がいる」
「勝手に仲間って決めんじゃねーよ!」
「一人で背負い込む必要なんてないよ。少なくとも僕は、今の君に協力を惜しまない」
「……わかった、ありがとう。それと、今まで本当にごめんな」
「謝罪はさっき聞いたよ。それより捜索を再開しよう! あ、ヴィータちゃんは熱があるからじっとしててね」
「いちいちうるさいな、わかってるよ!」
「……別に、それほどたいしたことじゃねーし」
少年が礼を言い、少女がそっぽを向く。微妙に頬が赤い。
「また焦ってるよ太一くん、さっき注意したばかりじゃないか。それに、大きい瓦礫があったら僕に言うんだ。僕は結構力持ちなんだよ」
どうやら反対側で瓦礫を漁っていたらしい青ダヌキが姿を現す。ところでアレ、本当にタヌキでいいのよね? 呼称雪だるまに変更すべきかしら?
「いや、これは俺がやらなくちゃいけないことなんだ。だから……」
「その理屈はおかしいよ、太一くん。君は一人じゃない、僕がいる、ヴィータちゃんがいる、仲間がいる」
「勝手に仲間って決めんじゃねーよ!」
「一人で背負い込む必要なんてないよ。少なくとも僕は、今の君に協力を惜しまない」
「……わかった、ありがとう。それと、今まで本当にごめんな」
「謝罪はさっき聞いたよ。それより捜索を再開しよう! あ、ヴィータちゃんは熱があるからじっとしててね」
「いちいちうるさいな、わかってるよ!」
……私は何をしているのかしら? というか、彼らは何をしているのかしら?
殺し合いの最中にこんな三文芝居の青春ドラマを見せられても苦笑する他ないわね。
甘い。ミュスカ・ドゥ・ブランのヴァン・ムスーくらい甘い。
まるで、青臭い高校生が作った文化祭の映画のような安っぽさ。
タイトルをつけるとしたら『ゴーグル少年の冒険 Episode 00』といったところかしら。
主役がゴーグル少年、ヒロインが赤髪の少女、もう一人、いや一体は……全く可愛くないけれど、さしずめマスコットかしら? どうでもいいわね。
とにかく、高校生のパチモン映画にしても酷い。カメラマンが上映当日に部外者を決め込むくらいにあんまりなシロモノだ。
少しくらい状況と合致した行動を見せて欲しいわ。現実逃避なのかもしれないけど。
大体、注意が足りなさ過ぎる。今私が狙撃したら確実に一人は死ぬ。しないけど。
ゴーグルの少年は論外だ。さっきから何かに取り憑かれたかのように瓦礫を漁るばかりで、周囲を見ようともしない。
いや訂正、さっきのやり取りから他の二人にも話しかけるようになった。単純な子だ。頭のメモ帳に書き足す。
赤髪の少女はどうやら調子が悪いらしく、覚束ない足元を得物の槍で支えている。あの様子じゃ注意力も散漫になっても仕方ない、か。
時折誰かの名前を呟いているようだが、知人でも死んだのかしら?
最後に青ダヌ……いや、青雪だるま? ちょっと待って、別に雪で作られている必要はないんじゃないかしら?
じゃあ青ダルマ……ダメね、ダルマに手足は付いてないわ。だとしたら……しまった、これこそどうでもいいわ!
……コホン、青ダヌキも私に気付く様子はないみたい。ロボだから鈴あたりにセンサーくらいついてるものだと思ったけど……
殺し合いの最中にこんな三文芝居の青春ドラマを見せられても苦笑する他ないわね。
甘い。ミュスカ・ドゥ・ブランのヴァン・ムスーくらい甘い。
まるで、青臭い高校生が作った文化祭の映画のような安っぽさ。
タイトルをつけるとしたら『ゴーグル少年の冒険 Episode 00』といったところかしら。
主役がゴーグル少年、ヒロインが赤髪の少女、もう一人、いや一体は……全く可愛くないけれど、さしずめマスコットかしら? どうでもいいわね。
とにかく、高校生のパチモン映画にしても酷い。カメラマンが上映当日に部外者を決め込むくらいにあんまりなシロモノだ。
少しくらい状況と合致した行動を見せて欲しいわ。現実逃避なのかもしれないけど。
大体、注意が足りなさ過ぎる。今私が狙撃したら確実に一人は死ぬ。しないけど。
ゴーグルの少年は論外だ。さっきから何かに取り憑かれたかのように瓦礫を漁るばかりで、周囲を見ようともしない。
いや訂正、さっきのやり取りから他の二人にも話しかけるようになった。単純な子だ。頭のメモ帳に書き足す。
赤髪の少女はどうやら調子が悪いらしく、覚束ない足元を得物の槍で支えている。あの様子じゃ注意力も散漫になっても仕方ない、か。
時折誰かの名前を呟いているようだが、知人でも死んだのかしら?
最後に青ダヌ……いや、青雪だるま? ちょっと待って、別に雪で作られている必要はないんじゃないかしら?
じゃあ青ダルマ……ダメね、ダルマに手足は付いてないわ。だとしたら……しまった、これこそどうでもいいわ!
……コホン、青ダヌキも私に気付く様子はないみたい。ロボだから鈴あたりにセンサーくらいついてるものだと思ったけど……
「……なんだよ、ニヤニヤ笑って気持ち悪いな」
「それはそうだよ、太一くんがあんなに成長してくれたんだから」
赤髪の少女と青ダヌキの会話が始まり、不二子は思考を中断して静聴を開始する。
「あいつって、元からあんな感じじゃなかったのか?」
「いや、最初はもっと……」
二人の会話は、太一が瓦礫を叩き付ける音によって二回分の応答で終了した。
大きな瓦礫をどかしてもらい、一人黙々と作業を続けていた太一は見つけてしまった。
予期はしていた。生きている筈がないとは思ってはいた。
それでも、期待していなかったわけじゃない。死んでいて欲しいと思ったわけではない。
生きていて欲しい、と、そう願っていた。
バーチャルは甘い。現実は甘くない。そしてここは、現実だった。
「それはそうだよ、太一くんがあんなに成長してくれたんだから」
赤髪の少女と青ダヌキの会話が始まり、不二子は思考を中断して静聴を開始する。
「あいつって、元からあんな感じじゃなかったのか?」
「いや、最初はもっと……」
二人の会話は、太一が瓦礫を叩き付ける音によって二回分の応答で終了した。
大きな瓦礫をどかしてもらい、一人黙々と作業を続けていた太一は見つけてしまった。
予期はしていた。生きている筈がないとは思ってはいた。
それでも、期待していなかったわけじゃない。死んでいて欲しいと思ったわけではない。
生きていて欲しい、と、そう願っていた。
バーチャルは甘い。現実は甘くない。そしてここは、現実だった。
「素子、さん……」
(……運が良かった……とは言えないね。むしろ……)
予想外の早い素子の発見に、しかし喜びの要素は皆無だった。
死んでいるだろうと思われていた者が、死んでいた。ただそれだけ。
太一もヴィータも、そしてドラえもんも無言だった。瓦礫の破片が転がる音だけが空気を震わせる。
やがてドラえもんが『素子だったもの』に近づき、一緒に埋まっていたデイパックと一緒に持ち上げる。
汚れたデイパックから、灰色の粉塵が雪のように零れた。
お墓、作ってあげよう、とドラえもんが言った。
うん、と太一が答えた。
予想外の早い素子の発見に、しかし喜びの要素は皆無だった。
死んでいるだろうと思われていた者が、死んでいた。ただそれだけ。
太一もヴィータも、そしてドラえもんも無言だった。瓦礫の破片が転がる音だけが空気を震わせる。
やがてドラえもんが『素子だったもの』に近づき、一緒に埋まっていたデイパックと一緒に持ち上げる。
汚れたデイパックから、灰色の粉塵が雪のように零れた。
お墓、作ってあげよう、とドラえもんが言った。
うん、と太一が答えた。
※ ※ ※ ※ ※
「うーん、役に立ちそうな道具はないね……」
ドラえもんが素子のデイパックの検分を終え、芳しくない結果に唸り声を上げる。
地図やランタンなど、自分達も持っているようなものばかりだ。たずね人ステッキのような探索系の道具は、ない。
確か彼女は銃を持っていたはずだが、果たして未だ使える状態にあるのだろうか。
山のような瓦礫を見上げ、溜息を吐く。
できれば銃くらい入手しておきたいところだが、これ以上時間を使うことは後ろの少女が許してくれないだろう。
案の定、不機嫌そうな声がぶつけられる。
「結局、まだはやては探せねーんだな」
「……ゴメン」
ヴィータの非難に、ドラえもんは謝ることしかできなかった。
ドラえもんがはやてを探せる道具を扱える、という理由で同行しているヴィータだが、肝心の道具がなければ話にならない。
ヴィータはそれ以上追求することをせず、ガシガシと頭を掻いた。
「じゃあ、さっさとはやてを探しに行こうぜ。もうここには用は無いんだろ」
「うん、そうだね。それじゃあ行こうか、太一くん」
素子の墓――ろくな道具がないため、死体を瓦礫で囲った質素なものだ――に向かって黙祷していた太一が顔を上げる。
「わかった……でも、お墓って本当にこんな感じでいいのかな。なんつーか、物足りないような……」
人間は、死んだものに対して『形』を求めたがる。幽霊然り、仏然り、墓然り。
それは、死んだ人間に対する尊厳保持の名を借りた自己満足に過ぎない。
いなくなった人間を霊魂や物品に投影して『安心感』を得るのだ。まだここにいる、と。
ただ、太一の場合その限りではないだろう。太一は素子にもっと謝りたかったのだ、報いたかったのだ。
素子が死んでそれが不可能になっていようとも、せめて墓ぐらいはまともなものを作ってやりたかったのかもしれない。
「……しょうがないね」
ドラえもんは一言呟くと、瓦礫の山に手を突っ込んだ。
瓦礫に埋もれていた鉄骨が、ドラえもんの手によって地面に突き立てられる。
「ドラえもん!?」
「これで少しはお墓らしくなったかな」
素子の墓の前に突き立てられた鉄骨はさながら墓標のようだった。
慄然と立つ無骨な鉄骨を見た太一は、やっぱり素子さんには花より鉄が似合うな、と思った。
ドラえもんは満足そうな顔をし、ヴィータは何か言おうとして……結局何も言わなかった。
「じゃあ、今度こそ行こうか太一くん」
「……待ってくれドラえもん、もう一本鉄骨を立ててくれないか?」
「え?」
訝しむドラえもんに向かって、太一は言った。
「俺が殺しちまった男の人の分だよ」
温い風が、太一の頬を撫でた。
ドラえもんが素子のデイパックの検分を終え、芳しくない結果に唸り声を上げる。
地図やランタンなど、自分達も持っているようなものばかりだ。たずね人ステッキのような探索系の道具は、ない。
確か彼女は銃を持っていたはずだが、果たして未だ使える状態にあるのだろうか。
山のような瓦礫を見上げ、溜息を吐く。
できれば銃くらい入手しておきたいところだが、これ以上時間を使うことは後ろの少女が許してくれないだろう。
案の定、不機嫌そうな声がぶつけられる。
「結局、まだはやては探せねーんだな」
「……ゴメン」
ヴィータの非難に、ドラえもんは謝ることしかできなかった。
ドラえもんがはやてを探せる道具を扱える、という理由で同行しているヴィータだが、肝心の道具がなければ話にならない。
ヴィータはそれ以上追求することをせず、ガシガシと頭を掻いた。
「じゃあ、さっさとはやてを探しに行こうぜ。もうここには用は無いんだろ」
「うん、そうだね。それじゃあ行こうか、太一くん」
素子の墓――ろくな道具がないため、死体を瓦礫で囲った質素なものだ――に向かって黙祷していた太一が顔を上げる。
「わかった……でも、お墓って本当にこんな感じでいいのかな。なんつーか、物足りないような……」
人間は、死んだものに対して『形』を求めたがる。幽霊然り、仏然り、墓然り。
それは、死んだ人間に対する尊厳保持の名を借りた自己満足に過ぎない。
いなくなった人間を霊魂や物品に投影して『安心感』を得るのだ。まだここにいる、と。
ただ、太一の場合その限りではないだろう。太一は素子にもっと謝りたかったのだ、報いたかったのだ。
素子が死んでそれが不可能になっていようとも、せめて墓ぐらいはまともなものを作ってやりたかったのかもしれない。
「……しょうがないね」
ドラえもんは一言呟くと、瓦礫の山に手を突っ込んだ。
瓦礫に埋もれていた鉄骨が、ドラえもんの手によって地面に突き立てられる。
「ドラえもん!?」
「これで少しはお墓らしくなったかな」
素子の墓の前に突き立てられた鉄骨はさながら墓標のようだった。
慄然と立つ無骨な鉄骨を見た太一は、やっぱり素子さんには花より鉄が似合うな、と思った。
ドラえもんは満足そうな顔をし、ヴィータは何か言おうとして……結局何も言わなかった。
「じゃあ、今度こそ行こうか太一くん」
「……待ってくれドラえもん、もう一本鉄骨を立ててくれないか?」
「え?」
訝しむドラえもんに向かって、太一は言った。
「俺が殺しちまった男の人の分だよ」
温い風が、太一の頬を撫でた。
かつてビルがあった場所に、二本の鉄が聳え立っている。
一つは鋼の意志と鋼の身体を持った女性のためのもので、もう一つは剣の意志と剣の身体を持った少年のためのものだった。
鉄の前に佇む少年が懺悔の言葉を吐き出す。彼の意志と身体は何色だろうか。
「ごめん……謝って済む問題じゃないけど、ごめんな。本当にごめん。
素子さん、助け切れなくてごめん……逆に助けられてちゃ世話ねえよなあ。
それと、俺が殺しちまった人……死体を見つけてあげられなくて、ごめ……ハハ、謝ってばっかだな俺。
……俺が犯した罪は許されるものじゃないけど……それでも、あんたたちの分も頑張るから……だから…………から…………」
最後の部分は、言葉になっていなかった。
一つは鋼の意志と鋼の身体を持った女性のためのもので、もう一つは剣の意志と剣の身体を持った少年のためのものだった。
鉄の前に佇む少年が懺悔の言葉を吐き出す。彼の意志と身体は何色だろうか。
「ごめん……謝って済む問題じゃないけど、ごめんな。本当にごめん。
素子さん、助け切れなくてごめん……逆に助けられてちゃ世話ねえよなあ。
それと、俺が殺しちまった人……死体を見つけてあげられなくて、ごめ……ハハ、謝ってばっかだな俺。
……俺が犯した罪は許されるものじゃないけど……それでも、あんたたちの分も頑張るから……だから…………から…………」
最後の部分は、言葉になっていなかった。
※ ※ ※ ※ ※
「一応、殺し合いには乗っていないみたいね」
一通りの会話を聞き終えて結論を出した。あの三人は無害だ。
ただ、人を探しているようだから、一緒に行動すると動きを制限されそうね……。
少し悩んだ後、今まで通り尾行を続けることに決めた。
マンドレイクを収穫する際に犬を使うのと同じ理屈。危険という名の雄叫びを食らって死ぬのは、私ではなく彼らだ。
将棋の捨て駒、チェスのサクリファイス、遺跡のトラップ探索用の先行奴隷。
言い方は色々あるが、簡単に言うと情報収集の材料兼保険だ。
それ以上の価値をあの三人に見出せたとしたら接触するのもやぶさかではないけど、今は情報が少なすぎるし……。
三人が東に移動し始めたのを確認し、後を追おうと、
「ん!?」
して、瓦礫の隙間からデイパックの端っこがはみ出ているのを見つけた。見つけてしまった。
ドラえもんたちが見落としても、大盗賊峰不二子は見逃さない。
「くっ!」
三人が去っていった方角とデイパックを交互に見る。
デイパックは大きな瓦礫に挟まれており、短時間で発掘するのはほぼ不可能。
掘り出していたら間違いなく青ダヌキチームを見失ってしまう。
青ダヌキか、デイパックか。ああ、もうタヌキで定着しちゃったわ! 本物のタヌキを見たとき「あれはフェレットだ」とか思わないかしら!?
……ふざけてる場合じゃないわね。そろそろ本当に見失っちゃう。
一通りの会話を聞き終えて結論を出した。あの三人は無害だ。
ただ、人を探しているようだから、一緒に行動すると動きを制限されそうね……。
少し悩んだ後、今まで通り尾行を続けることに決めた。
マンドレイクを収穫する際に犬を使うのと同じ理屈。危険という名の雄叫びを食らって死ぬのは、私ではなく彼らだ。
将棋の捨て駒、チェスのサクリファイス、遺跡のトラップ探索用の先行奴隷。
言い方は色々あるが、簡単に言うと情報収集の材料兼保険だ。
それ以上の価値をあの三人に見出せたとしたら接触するのもやぶさかではないけど、今は情報が少なすぎるし……。
三人が東に移動し始めたのを確認し、後を追おうと、
「ん!?」
して、瓦礫の隙間からデイパックの端っこがはみ出ているのを見つけた。見つけてしまった。
ドラえもんたちが見落としても、大盗賊峰不二子は見逃さない。
「くっ!」
三人が去っていった方角とデイパックを交互に見る。
デイパックは大きな瓦礫に挟まれており、短時間で発掘するのはほぼ不可能。
掘り出していたら間違いなく青ダヌキチームを見失ってしまう。
青ダヌキか、デイパックか。ああ、もうタヌキで定着しちゃったわ! 本物のタヌキを見たとき「あれはフェレットだ」とか思わないかしら!?
……ふざけてる場合じゃないわね。そろそろ本当に見失っちゃう。
「デイパックの回収はいつでもできるけど、尾行は今じゃないとできないわ」
選択肢を一つに絞り、東に向かって駆け出す。まあ、あのデイパックは後で必ずいただくけどね。
選択肢を一つに絞り、東に向かって駆け出す。まあ、あのデイパックは後で必ずいただくけどね。
【F-1/駅周辺の路地/1日目・昼】
【峰不二子@ルパン三世】
[状態]:健康、慎重
[装備]:コルトSAA(装弾数:6発・予備弾12発)
[道具]:支給品一式(パン×1、水1/10消費)/ダイヤの指輪/銭形警部変装セット@ルパン三世
[思考]:
1:ドラえもん達を尾行。後は状況に応じて適宜判断。
2:デイパックがある瓦礫の場所(F-1エリア)を覚えておき、後で盗りにくる。
3:ルパンのことが少し心配。
4:頼りになりそうな人を探す。
5:ゲームから脱出
[状態]:健康、慎重
[装備]:コルトSAA(装弾数:6発・予備弾12発)
[道具]:支給品一式(パン×1、水1/10消費)/ダイヤの指輪/銭形警部変装セット@ルパン三世
[思考]:
1:ドラえもん達を尾行。後は状況に応じて適宜判断。
2:デイパックがある瓦礫の場所(F-1エリア)を覚えておき、後で盗りにくる。
3:ルパンのことが少し心配。
4:頼りになりそうな人を探す。
5:ゲームから脱出
※以下の荷物は瓦礫の山のどこかに埋もれています。素子とジュンのデイパックの中身は無事ですが、外に出ていた道具はその限りではありません。
※ドラえもんが見つけたのはジュンが持っていた朝倉のデイパックです。
※ドラえもんが見つけたのはジュンが持っていた朝倉のデイパックです。
- 素子のデイパック(デッドウェイトをなくすため、ルイズと士郎の荷物はデイパックごと入れられています):
共通支給品、トウカの日本刀@うたわれるもの、獅堂光の剣@魔法騎士レイアース
ルイズのデイパック(共通支給品、水鉄砲@ひぐらしのなく頃に、もぐらてぶくろ@ドラえもん、バニーガールスーツ@涼宮ハルヒの憂鬱)
士郎のデイパック(共通支給品、瞬間乾燥ドライヤー@ドラえもん)
ルイズのデイパック(共通支給品、水鉄砲@ひぐらしのなく頃に、もぐらてぶくろ@ドラえもん、バニーガールスーツ@涼宮ハルヒの憂鬱)
士郎のデイパック(共通支給品、瞬間乾燥ドライヤー@ドラえもん)
- ジュンのデイパック:共通支給品
- その他デイパックの外に出ていた道具
ベレッタ90-Two、ルールブレイカー@Fate/stay night、物干し竿
ベレッタM92F型モデルガン、弓矢(矢の残数10本)@うたわれるもの
オボロの刀(1本)@うたわれるもの
ベレッタM92F型モデルガン、弓矢(矢の残数10本)@うたわれるもの
オボロの刀(1本)@うたわれるもの
時系列順で読む
投下順で読む
143:一人は何だか寂しいね、だから | 峰不二子 | 179:峰不二子の消失 |
148:Standin'by your side! | 八神太一 | 170:――は貴方の/あたしの中にいる |
148:Standin'by your side! | ドラえもん | 170:――は貴方の/あたしの中にいる |
148:Standin'by your side! | ヴィータ | 170:――は貴方の/あたしの中にいる |