失われたもの、守るべきもの ◆FbVNUaeKtI
始まった時と同じく、不快な笑い声で放送は終わりを告げた。
皮膚が白くなるほどに手にした物を握り締め、俺は・・・何も言うことができなかった。
それは、その放送があまりにも馬鹿らしかったからだ。
皮膚が白くなるほどに手にした物を握り締め、俺は・・・何も言うことができなかった。
それは、その放送があまりにも馬鹿らしかったからだ。
朝比奈みくる。
君島邦彦。
君島邦彦。
信じたくない、信じられるはずがない。
確かに朝比奈さんは、長門とは違って何の戦闘能力も無い、
むしろ、守ってあげたいと思うような人だった。
だが、だからといってここで死ぬはずが無い。死ぬわけが無い。
確かに朝比奈さんは、長門とは違って何の戦闘能力も無い、
むしろ、守ってあげたいと思うような人だった。
だが、だからといってここで死ぬはずが無い。死ぬわけが無い。
君島だってそうだ。
少ししか話してないが、わかる。
あいつはいい奴だ。それもお人よし過ぎるくらいに。
ここで死ぬような人間じゃない。死ぬはずが無い。
だいたい、別れてから2時間くらいしか経ってないんだぞ。
人間がそう簡単に死ぬわけが無いだろ。
少ししか話してないが、わかる。
あいつはいい奴だ。それもお人よし過ぎるくらいに。
ここで死ぬような人間じゃない。死ぬはずが無い。
だいたい、別れてから2時間くらいしか経ってないんだぞ。
人間がそう簡単に死ぬわけが無いだろ。
「キョン殿」
唐突に袖を引かれる。
俺の真横には、悲しげな目をしたトウカさんがいた。
「大丈夫、ですよ。はは・・・」
わかっていた。
平賀さんの無残な遺体を発見したときから、わかっていた。
金髪の女騎士に襲われたときから、わかっていた。
ここは、そういう世界なんだと。
わかっていて、俺は嘘をついていた。心のどこかで信じていた。
これは悪い夢で。本当は鶴屋さんだって死んでいなくて。
いつかは目が覚めるんじゃないかって。そう、考えていた。
そして、あの日常はすぐに戻ってくると。
SOS団が欠けることなんて、あの馬鹿らしくも愛しい日常が終わるなんて思いたくなかった。
俺は馬鹿だ。大馬鹿だ。
まだハルヒや長門が生きている?違うだろ!全員揃ってこそのSOS団なんだ。
朝比奈さんが、鶴屋さんが、誰か一人でも欠けてしまったら、もう同じ日常じゃないんだ。
唐突に袖を引かれる。
俺の真横には、悲しげな目をしたトウカさんがいた。
「大丈夫、ですよ。はは・・・」
わかっていた。
平賀さんの無残な遺体を発見したときから、わかっていた。
金髪の女騎士に襲われたときから、わかっていた。
ここは、そういう世界なんだと。
わかっていて、俺は嘘をついていた。心のどこかで信じていた。
これは悪い夢で。本当は鶴屋さんだって死んでいなくて。
いつかは目が覚めるんじゃないかって。そう、考えていた。
そして、あの日常はすぐに戻ってくると。
SOS団が欠けることなんて、あの馬鹿らしくも愛しい日常が終わるなんて思いたくなかった。
俺は馬鹿だ。大馬鹿だ。
まだハルヒや長門が生きている?違うだろ!全員揃ってこそのSOS団なんだ。
朝比奈さんが、鶴屋さんが、誰か一人でも欠けてしまったら、もう同じ日常じゃないんだ。
それで、どうするんだ?
このくだらない殺し合いに乗って、あるかどうかもわからない願いとやらに賭けるか?
馬鹿らしい。あの仮面の男を信用できるか?
むしろ、俺は許せない。
朝比奈さん達を殺した奴と同じくらい、いや、それ以上に憎い。
第一、そうして戻ってきた日常で俺達は笑えるのか?
そうじゃないだろ?今、俺に出来るのはなんだ?
決まっている。帰るんだ。ハルヒや長門、もちろんトウカさん達も。ついでに朝倉を加えたっていい。
みんなで元の世界に帰って、そして笑うんだ。
朝比奈さんや鶴屋さん、君島に平賀さんに他の死んでしまった人達の分まで笑うんだ。
決意と一緒に俺は前を見据える。やることはもう、いや、最初から決まっている。
このくだらない殺し合いに乗って、あるかどうかもわからない願いとやらに賭けるか?
馬鹿らしい。あの仮面の男を信用できるか?
むしろ、俺は許せない。
朝比奈さん達を殺した奴と同じくらい、いや、それ以上に憎い。
第一、そうして戻ってきた日常で俺達は笑えるのか?
そうじゃないだろ?今、俺に出来るのはなんだ?
決まっている。帰るんだ。ハルヒや長門、もちろんトウカさん達も。ついでに朝倉を加えたっていい。
みんなで元の世界に帰って、そして笑うんだ。
朝比奈さんや鶴屋さん、君島に平賀さんに他の死んでしまった人達の分まで笑うんだ。
決意と一緒に俺は前を見据える。やることはもう、いや、最初から決まっている。
「心配をかけて、すいません。俺はもう、大丈夫ですから」
俺の言葉にトウカさんは微かに頷く。
「キョン殿、少し提案があるのだが」
「わかってます。動けない参加者の事ですね」
俺は鞄から地図を取り出し広げる。
今回発表された禁止エリアは午後1時からB-1、午後3時からE-4、そして午後5時からのF-8。
そして、この三つの中のいずれかに、身動きの取れなくなっている参加者が居るらしい。
「もしかすると、某かキョン殿の知り合いかもしれない」
「そうですね。それに、もしそうじゃなくても助けるに越したことは無いでしょうし。ただ・・・」
ただ、難点を挙げるとすれば今の位置からだと、相当急がなければB-1には間に合わない事。
もしB-1に間に合ったとしても、今度はE-4、F-8に間に合わなくなる事。
そしてトウカさんの探し人、エルルゥさんの位置についてだ。
「ロックさんの話だと、エルルゥさんは吸血鬼から逃げて橋を渡ったらしいですから、
この橋から先に居る可能性が高いんですよね」
そう言って俺が地図上の橋を指し示すと、トウカさんは「むう・・・」と唸る。
つまり北へ行くか南へ行くか、俺達は決める必要性があるというわけだ。
そして、俺の頭は一つの解決策が思い浮かんでいた。
「そこで提案なんですが・・・一度二手に分かれませんか?
トウカさんは北でエルルゥさんの捜索とB-1の探索。
俺は南へ行ってE-4とF-8の探索」
「だ、だが南には“あーかーど”という渦日神(ヌグィソムカミ)の類が!」
「大丈夫です。転ばし屋もありますから・・・
大体、B-1にはトウカさんの足でしか間に合わないと思いますし」
俺のその言葉にしばらく沈黙した後・・・トウカさんは首を横に振った。
俺の言葉にトウカさんは微かに頷く。
「キョン殿、少し提案があるのだが」
「わかってます。動けない参加者の事ですね」
俺は鞄から地図を取り出し広げる。
今回発表された禁止エリアは午後1時からB-1、午後3時からE-4、そして午後5時からのF-8。
そして、この三つの中のいずれかに、身動きの取れなくなっている参加者が居るらしい。
「もしかすると、某かキョン殿の知り合いかもしれない」
「そうですね。それに、もしそうじゃなくても助けるに越したことは無いでしょうし。ただ・・・」
ただ、難点を挙げるとすれば今の位置からだと、相当急がなければB-1には間に合わない事。
もしB-1に間に合ったとしても、今度はE-4、F-8に間に合わなくなる事。
そしてトウカさんの探し人、エルルゥさんの位置についてだ。
「ロックさんの話だと、エルルゥさんは吸血鬼から逃げて橋を渡ったらしいですから、
この橋から先に居る可能性が高いんですよね」
そう言って俺が地図上の橋を指し示すと、トウカさんは「むう・・・」と唸る。
つまり北へ行くか南へ行くか、俺達は決める必要性があるというわけだ。
そして、俺の頭は一つの解決策が思い浮かんでいた。
「そこで提案なんですが・・・一度二手に分かれませんか?
トウカさんは北でエルルゥさんの捜索とB-1の探索。
俺は南へ行ってE-4とF-8の探索」
「だ、だが南には“あーかーど”という渦日神(ヌグィソムカミ)の類が!」
「大丈夫です。転ばし屋もありますから・・・
大体、B-1にはトウカさんの足でしか間に合わないと思いますし」
俺のその言葉にしばらく沈黙した後・・・トウカさんは首を横に振った。
「いや、某はキョン殿を守り通すとエヴェンクルガの誇りにかけて誓ったのだ。
その誓いを破るわけにはいかない」
「けど、エルルゥさんは」
「某はエルルゥ殿を信ずる。エルルゥ殿はきっと無事で居てくれる。
それに、南にエルルゥ殿が居ないと決まったわけではない」
そう言いきり、俺をまっすぐと見据えてくるトウカさん。
・・・ここまで言われて、断るわけにもいかないよな。
「わかりました。頼りにしていますよ、トウカさん」
「ああ、某もキョン殿を頼りにしている」
そうして、俺達は病院に背を向ける。
まずはE-4からだ。ハルヒ、長門、どこに居るかはわからないが、待っていろよ。
その誓いを破るわけにはいかない」
「けど、エルルゥさんは」
「某はエルルゥ殿を信ずる。エルルゥ殿はきっと無事で居てくれる。
それに、南にエルルゥ殿が居ないと決まったわけではない」
そう言いきり、俺をまっすぐと見据えてくるトウカさん。
・・・ここまで言われて、断るわけにもいかないよな。
「わかりました。頼りにしていますよ、トウカさん」
「ああ、某もキョン殿を頼りにしている」
そうして、俺達は病院に背を向ける。
まずはE-4からだ。ハルヒ、長門、どこに居るかはわからないが、待っていろよ。
【F-2北東部/1日日/日中】
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:ギガゾンビと殺人者に怒り、強い決意
[装備]:バールのようなもの、わすれろ草@ドラえもん、ころばし屋&円硬貨数枚@ドラえもん
[道具]:支給品一式、キートンの大学の名刺、ロープ
[思考・状況]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:E-4へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
2:時間を見計らってF-8へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
3:トウカと共にトウカ、君島、しんのすけの知り合い及び、ハルヒ達を捜索する
4:朝倉涼子とアーカードを警戒する
[状態]:ギガゾンビと殺人者に怒り、強い決意
[装備]:バールのようなもの、わすれろ草@ドラえもん、ころばし屋&円硬貨数枚@ドラえもん
[道具]:支給品一式、キートンの大学の名刺、ロープ
[思考・状況]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:E-4へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
2:時間を見計らってF-8へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
3:トウカと共にトウカ、君島、しんのすけの知り合い及び、ハルヒ達を捜索する
4:朝倉涼子とアーカードを警戒する
【トウカ@うたわれるもの】
[状態]:左手に切り傷
[装備]:物干し竿@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、出刃包丁(折れた状態)@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
基本:無用な殺生はしない
1:E-4へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
2:時間を見計らってF-8へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
3:キョンと共にキョン、君島、しんのすけの知り合い及びエルルゥ達を捜索する
4:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョンを守り通す
5:ハクオロへの忠義を貫き通すべく、エルルゥとアルルゥを見つけ次第守り通す
[状態]:左手に切り傷
[装備]:物干し竿@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、出刃包丁(折れた状態)@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
基本:無用な殺生はしない
1:E-4へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
2:時間を見計らってF-8へ行き、身動きの取れなくなった参加者を探す
3:キョンと共にキョン、君島、しんのすけの知り合い及びエルルゥ達を捜索する
4:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョンを守り通す
5:ハクオロへの忠義を貫き通すべく、エルルゥとアルルゥを見つけ次第守り通す
「キョン殿」
「どうかしたんですか?」
歩き出して数分もしないうちに、トウカさんが俺の名前を呼ぶ。
「・・・某の仲間にウルトリィ殿という、オンカミヤムカイの巫(カムナギ)が居るのだが」
突然始まった仲間の話。俺は困惑を隠せずトウカさんの顔を見る。
彼女は真剣な眼差しでこちらを見据えていた。
「あの方ならばきっと、こう仰るのだろうな・・・
悲しいときは、つらい時は泣いたほうが良いと」
「それじゃあ・・・すべてが終わったときに、そのときに胸を貸してください」
「承知いたした」
俺の答えに心配そうな眼差しで・・・しかし微笑を浮かべながらトウカさんは頷いた。
「どうかしたんですか?」
歩き出して数分もしないうちに、トウカさんが俺の名前を呼ぶ。
「・・・某の仲間にウルトリィ殿という、オンカミヤムカイの巫(カムナギ)が居るのだが」
突然始まった仲間の話。俺は困惑を隠せずトウカさんの顔を見る。
彼女は真剣な眼差しでこちらを見据えていた。
「あの方ならばきっと、こう仰るのだろうな・・・
悲しいときは、つらい時は泣いたほうが良いと」
「それじゃあ・・・すべてが終わったときに、そのときに胸を貸してください」
「承知いたした」
俺の答えに心配そうな眼差しで・・・しかし微笑を浮かべながらトウカさんは頷いた。
そこ、別に深い意味は無いから勘違いしないように。
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156:すくわれるもの | キョン | 181:「ミステリックサイン」 |
156:すくわれるもの | トウカ | 181:「ミステリックサイン」 |