仲間を探して ◆/1XIgPEeCM
掲示板を開いてすぐにこれらのレスが目に飛び込んできた時、俺の心臓は大きく脈打った。
946:ツチダマな名無しさん :20:36:12
キョン君見てる~? イエーイ! ギガ~
キョン君見てる~? イエーイ! ギガ~
947:ツチダマな名無しさん :20:36:57
記念カキコギガ~
記念カキコギガ~
948:ツチダマな名無しさん :20:38:10
これ本当にキョンって奴に見られてるギガ~?
これ本当にキョンって奴に見られてるギガ~?
949:ツチダマな名無しさん :20:39:38
そろそろ次スレ立てた方がいいギガ~
そろそろ次スレ立てた方がいいギガ~
950:ツチダマな名無しさん :20:41:25
>949
じゃあ立ててくるギガ~
>949
じゃあ立ててくるギガ~
「キョン兄ちゃん……」
「こりゃあ一体……」
「どういうことなのですか?」
いや、俺もあまりに予想外のことで何と言ったら良いのか……。やたらスレ伸びてるし。
つまり、あれだ。
この掲示板に書き込んでるツチダマ達は、俺がパソコンを手に入れてこの掲示板を覗いたのを監視映像で見て、このようなレスをしているというわけだ。
……しっかし、本当にこいつらは某巨大掲示板郡の住人達と同じようなノリで書き込んでるような気がする。
「よくは分かりませんが……簡単に言えば、俺達はこいつらに監視されてるってことです」
「監視、ねぇ……」
次元さんがぼそりと呟いた。
「でもよ、どうやったらそんなことできるんだ? カメラかなんか使ってるのか?」
ジャイアン少年がそんなことを聞いてくる。
監視の方法か……深くは考えなかったが、どうやって監視してるんだろうな。
まさか、この殺し合いの舞台の至る所にびーっしりと小型カメラが設置されているわけではあるまい。
一番可能性が高そうなのは、やっぱり……首輪、だよな。
俺は、自身の首に巻き付けられた銀色のそれを指で撫でた。
「これはあくまで予想だが……首輪にカメラか何かが内蔵されてるんじゃないかと思う」
そうでもないと、俺が自分の顔をボコボコ殴ってたなんて細かい所まで見えないだろう。
「首輪……な、なるほど、その手があったか」
「いや、予想だぞ? 実際どうかははっきりとは分からん」
正直自分でも自信のない仮説だが、ジャイアン少年はそうだと思い込んでしまったらしい。
「キョン殿、かめらとは一体?」
トウカさんがお決まりの如くそんなことを聞いてきた。
「ああ、ここで言ってるのはビデオカメラのことですが……。人や物の動きを記録として残しておける機械のことです」
「はぁ……」
いまいちイメージが湧かないのか、トウカさんの顔にはまだ疑問の色が残っている。
うーむ、やっぱり頭では分かっていても、口で相手が分かるように説明するというのは、いやはや、なかなか難しいものである。
それにしても、首輪にカメラが付いてるなら、盗聴器だって付いててもおかしくないんじゃないか?
ふと、そんなことを考える。
だとしたらヤバイな。なんか今までに不味いこと言っちまったかもしれん。それが原因で首輪を爆破されたりなんかしたら……。
「こりゃあ一体……」
「どういうことなのですか?」
いや、俺もあまりに予想外のことで何と言ったら良いのか……。やたらスレ伸びてるし。
つまり、あれだ。
この掲示板に書き込んでるツチダマ達は、俺がパソコンを手に入れてこの掲示板を覗いたのを監視映像で見て、このようなレスをしているというわけだ。
……しっかし、本当にこいつらは某巨大掲示板郡の住人達と同じようなノリで書き込んでるような気がする。
「よくは分かりませんが……簡単に言えば、俺達はこいつらに監視されてるってことです」
「監視、ねぇ……」
次元さんがぼそりと呟いた。
「でもよ、どうやったらそんなことできるんだ? カメラかなんか使ってるのか?」
ジャイアン少年がそんなことを聞いてくる。
監視の方法か……深くは考えなかったが、どうやって監視してるんだろうな。
まさか、この殺し合いの舞台の至る所にびーっしりと小型カメラが設置されているわけではあるまい。
一番可能性が高そうなのは、やっぱり……首輪、だよな。
俺は、自身の首に巻き付けられた銀色のそれを指で撫でた。
「これはあくまで予想だが……首輪にカメラか何かが内蔵されてるんじゃないかと思う」
そうでもないと、俺が自分の顔をボコボコ殴ってたなんて細かい所まで見えないだろう。
「首輪……な、なるほど、その手があったか」
「いや、予想だぞ? 実際どうかははっきりとは分からん」
正直自分でも自信のない仮説だが、ジャイアン少年はそうだと思い込んでしまったらしい。
「キョン殿、かめらとは一体?」
トウカさんがお決まりの如くそんなことを聞いてきた。
「ああ、ここで言ってるのはビデオカメラのことですが……。人や物の動きを記録として残しておける機械のことです」
「はぁ……」
いまいちイメージが湧かないのか、トウカさんの顔にはまだ疑問の色が残っている。
うーむ、やっぱり頭では分かっていても、口で相手が分かるように説明するというのは、いやはや、なかなか難しいものである。
それにしても、首輪にカメラが付いてるなら、盗聴器だって付いててもおかしくないんじゃないか?
ふと、そんなことを考える。
だとしたらヤバイな。なんか今までに不味いこと言っちまったかもしれん。それが原因で首輪を爆破されたりなんかしたら……。
とまぁ、そんなことばかり考えていても進展は無い。今は目の前にあるパソコンからの情報収集が先決だ。
俺は新たに書き込まれた200ほどのレスを見るために、ページを上にスクロールさせていく。
……ぽつぽつと見られる『キョン』だの『記念カキコ』の文字がやたら鬱陶しく感じられたが。
俺は新たに書き込まれた200ほどのレスを見るために、ページを上にスクロールさせていく。
……ぽつぽつと見られる『キョン』だの『記念カキコ』の文字がやたら鬱陶しく感じられたが。
901:ツチダマな名無しさん :19:52:55
それにしても、ソロモンの暴走で三人も殺されるとは思わなかったギガ~
それにしても、ソロモンの暴走で三人も殺されるとは思わなかったギガ~
902:ツチダマな名無しさん :19:55:17
>901
それだけに、佐々木小次郎にやられちゃったのが残念ギガ~
奴にはもうちょっと頑張ってほしかったギガ~
>901
それだけに、佐々木小次郎にやられちゃったのが残念ギガ~
奴にはもうちょっと頑張ってほしかったギガ~
「チッ……」
そのレスを見つけた時、後ろからパソコンを覗き込んでいた次元さんが、何故か小さく舌打ちした。
「ど、どうかしましたか?」
「……何でもねぇよ」
何か知っているのだろうか。そう思ったが、無理に聞き出すのも何だか悪い気がするし、気が引けた。
気を取り直して、俺は掲示板を更にスクロールする。
そのレスを見つけた時、後ろからパソコンを覗き込んでいた次元さんが、何故か小さく舌打ちした。
「ど、どうかしましたか?」
「……何でもねぇよ」
何か知っているのだろうか。そう思ったが、無理に聞き出すのも何だか悪い気がするし、気が引けた。
気を取り直して、俺は掲示板を更にスクロールする。
870:ツチダマな名無しさん :19:20:18
まさか朝倉涼子が無様にも禁止エリアで自爆するなんて思ってもみなかったギガ~(笑)
まさか朝倉涼子が無様にも禁止エリアで自爆するなんて思ってもみなかったギガ~(笑)
俺はそのレスを見て、驚きにより大きく目を見開いた。
なんだって? 朝倉が禁止エリアで自爆した? そんな馬鹿な。
「キョン殿。朝倉涼子というのは……」
「ええ……でも、まさか……」
トウカさんはどこか複雑な表情をしていた。
そりゃそうだ。自分がお仕えしている皇様の仇が、誰に殺されるでもなく禁止エリアで爆死してしまったのだから。
だが、一体何故? 朝倉はアーカードという参加者に追い詰められていたはずだ。
それがどう転べば禁止エリアで自爆という形になるのだろうか。
いや、そもそも身動きの取れない参加者はどこに行ったんだ?
三回目の放送の内容を思い返してみると、確か死んだ9人の内『1名は愚かな爆死者』とか言っていたと思う。
その時はジャイアン少年と揉み合っていたから、絶対とは言えないが……多分そうだった。
つまり、愚かな爆死者1名が朝倉だとすると、身動きできない参加者は禁止エリアで死んでいないことになってしまう。
これについて、可能性は様々ある。
その身動きの取れない参加者は、どうにか自力で脱出することができたか、はたまた誰か親切な人がやって来て助けてもらったか。
最悪、禁止エリアが発動する前に誰かの手にかかった、なんてことも有り得る。
だが、まあ……過ぎたことを考えていても仕方が無い。朝倉が禁止エリアで死んだという事実は驚愕に値するが。
そんなことを思いながら、俺は掲示板をスクロールさせた。
なんだって? 朝倉が禁止エリアで自爆した? そんな馬鹿な。
「キョン殿。朝倉涼子というのは……」
「ええ……でも、まさか……」
トウカさんはどこか複雑な表情をしていた。
そりゃそうだ。自分がお仕えしている皇様の仇が、誰に殺されるでもなく禁止エリアで爆死してしまったのだから。
だが、一体何故? 朝倉はアーカードという参加者に追い詰められていたはずだ。
それがどう転べば禁止エリアで自爆という形になるのだろうか。
いや、そもそも身動きの取れない参加者はどこに行ったんだ?
三回目の放送の内容を思い返してみると、確か死んだ9人の内『1名は愚かな爆死者』とか言っていたと思う。
その時はジャイアン少年と揉み合っていたから、絶対とは言えないが……多分そうだった。
つまり、愚かな爆死者1名が朝倉だとすると、身動きできない参加者は禁止エリアで死んでいないことになってしまう。
これについて、可能性は様々ある。
その身動きの取れない参加者は、どうにか自力で脱出することができたか、はたまた誰か親切な人がやって来て助けてもらったか。
最悪、禁止エリアが発動する前に誰かの手にかかった、なんてことも有り得る。
だが、まあ……過ぎたことを考えていても仕方が無い。朝倉が禁止エリアで死んだという事実は驚愕に値するが。
そんなことを思いながら、俺は掲示板をスクロールさせた。
811:ツチダマな名無しさん :18:26:18
ホテルにどんどん人が集まってるギガ~。これは次の放送後大波乱の予感ギガ~
ホテルにどんどん人が集まってるギガ~。これは次の放送後大波乱の予感ギガ~
812:ツチダマな名無しさん :18:27:59
何という密集地帯。これは間違いなく中盤の山場ギガ~
何という密集地帯。これは間違いなく中盤の山場ギガ~
813:ツチダマな名無しさん :18:29:46
ルイズにアーカード、キャスカに翠星石と、ホテルに大量のマーダーが集まってるギガ~
ルイズにアーカード、キャスカに翠星石と、ホテルに大量のマーダーが集まってるギガ~
814:ツチダマな名無しさん :18:31:30
ホテル倒壊ワクワクギガギガ~
ホテル倒壊ワクワクギガギガ~
「翠星石……やっぱりあいつ、ホテルにいたんだ!」
ジャイアン少年が声を上げた。俺は、また彼が後先考えず飛び出して行くかとも思ったが、そうではないようだ。
少年はパソコンの画面を食い入るように見つめている。
さて、レスの内容を見るに、第三回放送直前のホテルには人が多く集まっていたらしく、翠星石もその中にいるらしい。
……マーダーという単語が何を意味しているのかは、何となく分かった。所謂『殺人者』だ。
キャスカという奴は朝比奈さんを殺し、アーカードという奴は朝倉を追い詰め、そして翠星石はご存知の通り。
恐らく、ホテル内もしくはその周辺では、壮絶な戦いが繰り広げられたに違いない。それは、このビルの屋上で見た光景が如実に物語っている。
あの堅牢そうなホテルは参加者達が暴れに暴れて、その結果負担に耐え切れず倒壊してしまったというわけだ。
しかしそうなると、あの瓦礫の山には多くの参加者が生き埋めになっている可能性がある。
その中に少年の探している翠星石が含まれているかもしれない。
だが、かなりの危険も伴う。ホテル跡の周りには、まだ生き残った殺戮者が潜んでいるかもしれないのだから。
……でも、後には退けないよな。探してやるって言っちまったし。俺が危険だからと反対しようものなら、絶対一人でも走って行きそうだし。
俺は心の中で溜め息を一つつき、言った。
「よし、ホテル跡に向かうぞ」
俺は、ホテル跡に翠星石がいることに賭けてみた。少々軽率な判断のようにも思えたが、少年もかなり急いでいるようだし、それも已む無しか。
俺以外の三人の視線が、俺に集中する。特にジャイアン少年の眼差しが強い。
「キョン兄ちゃん! 本当か!?」
と、これまたお決まりの如く少年が詰め寄ってくる。
ああ、頼むから、そんなに目の前で大声を出さないでくれ。唾が飛んで正直不快なんだが。
「ああ、勿論だ。男に二言はない。そうだろ?」
さりげなーく次元さんのセリフをパクったことについては、素直に謝罪しよう。ごめんなさい。
しかし、なんだ。もしかしてもしかすると、この展開は……。
ジャイアン少年が声を上げた。俺は、また彼が後先考えず飛び出して行くかとも思ったが、そうではないようだ。
少年はパソコンの画面を食い入るように見つめている。
さて、レスの内容を見るに、第三回放送直前のホテルには人が多く集まっていたらしく、翠星石もその中にいるらしい。
……マーダーという単語が何を意味しているのかは、何となく分かった。所謂『殺人者』だ。
キャスカという奴は朝比奈さんを殺し、アーカードという奴は朝倉を追い詰め、そして翠星石はご存知の通り。
恐らく、ホテル内もしくはその周辺では、壮絶な戦いが繰り広げられたに違いない。それは、このビルの屋上で見た光景が如実に物語っている。
あの堅牢そうなホテルは参加者達が暴れに暴れて、その結果負担に耐え切れず倒壊してしまったというわけだ。
しかしそうなると、あの瓦礫の山には多くの参加者が生き埋めになっている可能性がある。
その中に少年の探している翠星石が含まれているかもしれない。
だが、かなりの危険も伴う。ホテル跡の周りには、まだ生き残った殺戮者が潜んでいるかもしれないのだから。
……でも、後には退けないよな。探してやるって言っちまったし。俺が危険だからと反対しようものなら、絶対一人でも走って行きそうだし。
俺は心の中で溜め息を一つつき、言った。
「よし、ホテル跡に向かうぞ」
俺は、ホテル跡に翠星石がいることに賭けてみた。少々軽率な判断のようにも思えたが、少年もかなり急いでいるようだし、それも已む無しか。
俺以外の三人の視線が、俺に集中する。特にジャイアン少年の眼差しが強い。
「キョン兄ちゃん! 本当か!?」
と、これまたお決まりの如く少年が詰め寄ってくる。
ああ、頼むから、そんなに目の前で大声を出さないでくれ。唾が飛んで正直不快なんだが。
「ああ、勿論だ。男に二言はない。そうだろ?」
さりげなーく次元さんのセリフをパクったことについては、素直に謝罪しよう。ごめんなさい。
しかし、なんだ。もしかしてもしかすると、この展開は……。
「ありがとよ! キョン兄ちゃん!」
歓喜の表情を浮かべ、俺に抱きつこうと飛び掛ってきた少年。俺はそれを。
「おぉっと!」
避けた。
「いてっ!」
ジャイアン少年の両腕は空を切り、その巨体は勢い余って見事なまでに床に倒れた。
「武殿! 大丈夫ですか!?」
「おいボウズ、大丈夫か?」
トウカさんと次元さんは同時に言って、トウカさんは少年に近寄りその体を起こさせる。
当然のことながら、俺は言いようのない罪悪感に苛まれることになる。いや、だって仕方ないだろう。俺だって毎回毎回抱きしめられていては体がもたん。
ジャイアン少年の豊満なボディから繰り出される突発的抱擁は、下手すりゃ骨の一本や二本ぽっきり逝ってしまいそうなほど強力なんだから。
……流石にそれは言いすぎか。
「ひ、酷いよキョン兄ちゃ~ん」
少年は涙目になってそう言った。彼の鼻は、やはりと言うかなんと言うか、赤く腫れ上がっている。
「ははは……」
俺は笑って誤魔化した。
ジャイアン少年の両腕は空を切り、その巨体は勢い余って見事なまでに床に倒れた。
「武殿! 大丈夫ですか!?」
「おいボウズ、大丈夫か?」
トウカさんと次元さんは同時に言って、トウカさんは少年に近寄りその体を起こさせる。
当然のことながら、俺は言いようのない罪悪感に苛まれることになる。いや、だって仕方ないだろう。俺だって毎回毎回抱きしめられていては体がもたん。
ジャイアン少年の豊満なボディから繰り出される突発的抱擁は、下手すりゃ骨の一本や二本ぽっきり逝ってしまいそうなほど強力なんだから。
……流石にそれは言いすぎか。
「ひ、酷いよキョン兄ちゃ~ん」
少年は涙目になってそう言った。彼の鼻は、やはりと言うかなんと言うか、赤く腫れ上がっている。
「ははは……」
俺は笑って誤魔化した。
さて、ホテル跡に行こうと提案した俺だったが、トウカさんは特に反対もせず、ジャイアン少年は言うまでもない。
「俺達はこれからホテル跡に行こうと思うんですけど、次元さんはどうするんですか?」
俺は、次元さんにそう聞いてみた。そもそも彼はこのレジャービルに何か目的があって来たのだろうか。
「ちぃとばかし試してみたいことはあるんだが……お前さん達、翠星石ってのを探してるんだよな?」
「おっちゃん、翠星石を知ってるのか!?」
ジャイアン少年が驚きの声を上げた。
「まあ、一応な。その妹の蒼星石と一緒にいた時があった。もう死んじまったけどよ」
驚きの新事実。……と言うのは少し大袈裟だが。
まさか次元さんが少年の探している翠星石の妹と行動を共にしていたとは、思いもよらなかったぞ。
「じゃあ、何で蒼星石は死んでしまったんですか?」
俺は、疑問に思ったことを聞いた。次元さんがついていながら、何故彼女は殺されてしまったのだろうか。
まさか、次元さんが……。いやいや、考えすぎか。
「俺と一緒にいた奴に、ソロモンっていう大馬鹿野郎がいてな……そいつに殺されちまったよ」
ソロモン……ああ、確かにさっき掲示板で見かけたな。三人も殺したっていう。
なるほどな、だからあの時舌打ちしたのか……。
「脇腹の怪我はその時に?」
「ああ、そうだ。ま、未だに命があるってだけでも、相当運がいいのかもしれねぇな」
そう言って次元さんは苦笑した。
「それで、どうするんです」
「そうだな……お前さん達がこの糞ったれゲームからの脱出を考えてるんだったら、俺も同行させてもらって構わねぇか?」
「いいんですか? 試してみたいことがあるんじゃ……」
「なあに、大したことじゃねぇよ。それに、俺も丁度蒼星石の知り合いを探してたところだしな」
どうやら次元さんも動く人形達を探していたらしい。それはやはり、これ以上自分と行動していた者の知り合いを死なせたくないからだろうか。
何はともあれ、仲間が増えるのは嬉しい限りである。
「しかし次元殿、怪我は大丈夫なのか? 無理に動かれては……」
と、トウカさんが次元さんの怪我を気にしたのか、そんなことを言った。
「この程度の怪我にゃ慣れてる。だから心配すんなよ嬢ちゃん」
「だ、だから嬢ちゃんではないと言っているだろう!」
やれやれ……この調子だときっと、反論しなくなるまで次元さんはトウカさんのことを『嬢ちゃん』と呼ぶだろうな。
何だかんだあったが、最後には4人揃ってレジャービルを後にする俺達なのであった。
「俺達はこれからホテル跡に行こうと思うんですけど、次元さんはどうするんですか?」
俺は、次元さんにそう聞いてみた。そもそも彼はこのレジャービルに何か目的があって来たのだろうか。
「ちぃとばかし試してみたいことはあるんだが……お前さん達、翠星石ってのを探してるんだよな?」
「おっちゃん、翠星石を知ってるのか!?」
ジャイアン少年が驚きの声を上げた。
「まあ、一応な。その妹の蒼星石と一緒にいた時があった。もう死んじまったけどよ」
驚きの新事実。……と言うのは少し大袈裟だが。
まさか次元さんが少年の探している翠星石の妹と行動を共にしていたとは、思いもよらなかったぞ。
「じゃあ、何で蒼星石は死んでしまったんですか?」
俺は、疑問に思ったことを聞いた。次元さんがついていながら、何故彼女は殺されてしまったのだろうか。
まさか、次元さんが……。いやいや、考えすぎか。
「俺と一緒にいた奴に、ソロモンっていう大馬鹿野郎がいてな……そいつに殺されちまったよ」
ソロモン……ああ、確かにさっき掲示板で見かけたな。三人も殺したっていう。
なるほどな、だからあの時舌打ちしたのか……。
「脇腹の怪我はその時に?」
「ああ、そうだ。ま、未だに命があるってだけでも、相当運がいいのかもしれねぇな」
そう言って次元さんは苦笑した。
「それで、どうするんです」
「そうだな……お前さん達がこの糞ったれゲームからの脱出を考えてるんだったら、俺も同行させてもらって構わねぇか?」
「いいんですか? 試してみたいことがあるんじゃ……」
「なあに、大したことじゃねぇよ。それに、俺も丁度蒼星石の知り合いを探してたところだしな」
どうやら次元さんも動く人形達を探していたらしい。それはやはり、これ以上自分と行動していた者の知り合いを死なせたくないからだろうか。
何はともあれ、仲間が増えるのは嬉しい限りである。
「しかし次元殿、怪我は大丈夫なのか? 無理に動かれては……」
と、トウカさんが次元さんの怪我を気にしたのか、そんなことを言った。
「この程度の怪我にゃ慣れてる。だから心配すんなよ嬢ちゃん」
「だ、だから嬢ちゃんではないと言っているだろう!」
やれやれ……この調子だときっと、反論しなくなるまで次元さんはトウカさんのことを『嬢ちゃん』と呼ぶだろうな。
何だかんだあったが、最後には4人揃ってレジャービルを後にする俺達なのであった。
果たして、この先ホテル跡で俺達を待ち受けるものとは一体何なのか。
それはまだ、俺達には知る由も無かった。
それはまだ、俺達には知る由も無かった。
〆
キョン達がレジャービルを立ち去った後。
ツチダマ掲示板で、このような書き込みがされた。
ツチダマ掲示板で、このような書き込みがされた。
986:ツチダマな名無しさん :21:24:39
しかし、どうにもおかしいギガ~
ツチダマしか知らないこの掲示板を、どうしてキョンとかいう奴が見ることができるギガ~?
しかし、どうにもおかしいギガ~
ツチダマしか知らないこの掲示板を、どうしてキョンとかいう奴が見ることができるギガ~?
【D-5・レジャービル前/1日日・夜中】
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:全身各所に擦り傷、ギガゾンビと殺人者に怒り、強い決意
[装備]:バールのようなもの、わすれろ草@ドラえもん、ころばし屋&円硬貨数枚@ドラえもん
[道具]:支給品一式×4(食料一食分消費)、キートンの大学の名刺@MASTERキートン、ロープ、ノートパソコン
[思考・状況]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:武の翠星石探しに協力してやる。そのために、まずはホテル跡へ向かう。
2:1が終わり次第、ハルヒらの下へ急行する。
3:『射手座の日』に関する情報収集。
4:トウカと共にトウカ、君島、しんのすけの知り合いを捜索する。
5:アーカード、キャスカ、ルイズを警戒する。
6:あれ? そういえばカズマってどこかで聞いたような……
[備考]
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「ミステリックサイン」参照。
※キョンが今回新たに得た情報、及び考察は以下の通りです。
[状態]:全身各所に擦り傷、ギガゾンビと殺人者に怒り、強い決意
[装備]:バールのようなもの、わすれろ草@ドラえもん、ころばし屋&円硬貨数枚@ドラえもん
[道具]:支給品一式×4(食料一食分消費)、キートンの大学の名刺@MASTERキートン、ロープ、ノートパソコン
[思考・状況]
基本:殺し合いをする気はない、絶対に皆で帰る
1:武の翠星石探しに協力してやる。そのために、まずはホテル跡へ向かう。
2:1が終わり次第、ハルヒらの下へ急行する。
3:『射手座の日』に関する情報収集。
4:トウカと共にトウカ、君島、しんのすけの知り合いを捜索する。
5:アーカード、キャスカ、ルイズを警戒する。
6:あれ? そういえばカズマってどこかで聞いたような……
[備考]
※キョンがノートパソコンから得た情報、その他考察は「ミステリックサイン」参照。
※キョンが今回新たに得た情報、及び考察は以下の通りです。
- 『蒼星石』は『ソロモン』に殺された。
- 『ソロモン』は『佐々木小次郎』に殺された。
- 『朝倉涼子』は禁止エリアで自爆した。
- ホテルにかなりの人が集まっており、その中には翠星石や多くの殺戮者が含まれていた。
- 首輪には監視カメラ及び盗聴器が仕込まれていると考えている。
- ホテル倒壊の原因は、参加者達がその周辺で大暴れしたためと思っている。
【トウカ@うたわれるもの】
[状態]:左手に切り傷、全身各所に擦り傷、額にこぶ
[装備]:物干し竿@Fate/stay night
[道具]:支給品一式(食料一食分消費)、出刃包丁(折れた状態)@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
基本:無用な殺生はしない
1:武の翠星石探しに協力する。そのために、まずはホテル跡に向かう。
2:1の後、直ちにアルルゥの下へ。
3:キョンと共に君島、しんのすけの知り合い及びエルルゥを捜索する。
4:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョンと武を守り通す。
5:ハクオロへの忠義を貫き通すべく、エルルゥとアルルゥを見つけ次第守り通す。
[状態]:左手に切り傷、全身各所に擦り傷、額にこぶ
[装備]:物干し竿@Fate/stay night
[道具]:支給品一式(食料一食分消費)、出刃包丁(折れた状態)@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
基本:無用な殺生はしない
1:武の翠星石探しに協力する。そのために、まずはホテル跡に向かう。
2:1の後、直ちにアルルゥの下へ。
3:キョンと共に君島、しんのすけの知り合い及びエルルゥを捜索する。
4:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョンと武を守り通す。
5:ハクオロへの忠義を貫き通すべく、エルルゥとアルルゥを見つけ次第守り通す。
【剛田武@ドラえもん】
[状態]:健康 仲間の分裂に強い後悔、額にこぶ、鼻を強打、焦り
[装備]:虎竹刀@Fate/stay night、強力うちわ「風神」@ドラえもん
[道具]:支給品一式、エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に、
ジャイアンシチュー(2リットルペットボトルに入れてます)@ドラえもん
シュールストレミング一缶、缶切り
[思考・状況]
1:翠星石が非常に心配。キョン達と共に一刻も早く探し出し、落ち着かせる。梨花の件についての理由も聞きたい。
そのために、まずはホテル跡に向かう。
2:手遅れになる前に、のび太とドラえもんを見つける。
3:逃げた魅音もかなり心配。必ず探し出し、守る。
基本:誰も殺したくない
最終:ギガゾンビをギッタギタのメッタメタにしてやる
[状態]:健康 仲間の分裂に強い後悔、額にこぶ、鼻を強打、焦り
[装備]:虎竹刀@Fate/stay night、強力うちわ「風神」@ドラえもん
[道具]:支給品一式、エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に、
ジャイアンシチュー(2リットルペットボトルに入れてます)@ドラえもん
シュールストレミング一缶、缶切り
[思考・状況]
1:翠星石が非常に心配。キョン達と共に一刻も早く探し出し、落ち着かせる。梨花の件についての理由も聞きたい。
そのために、まずはホテル跡に向かう。
2:手遅れになる前に、のび太とドラえもんを見つける。
3:逃げた魅音もかなり心配。必ず探し出し、守る。
基本:誰も殺したくない
最終:ギガゾンビをギッタギタのメッタメタにしてやる
【次元大介@ルパン三世】
[状態]:疲労/脇腹に怪我(手当て済み、ただし傷口は閉じていない)
[装備]:朝倉涼子のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱/454カスール カスタムオート(残弾:7/7発)@HELLSING
[道具]:デイバッグ(+3)/支給品一式(×4)(-2食)/13mm爆裂鉄鋼弾(34発)@HELLSING
レイピア/ハリセン/ボロボロの拡声器(使用可)/望遠鏡/双眼鏡
蒼星石の亡骸(首輪つき)/リボン/ナイフを背負う紐/蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン
トグサの考察メモ/トラック組の知人宛てのメッセージを書いたメモ
[思考・状況]
基本:1.女子供は相手にしないが、それ以外には容赦しない。
基本:2.できるだけ多くの人間が脱出できるよう考えてみるか……
1:ひとまずキョン達に同行し、脱出の手がかりを探す。
2:機会があれば拡声器を使うことを検討してみる。
3:アルルゥ、トグサ、ヤマトの知り合いに会えたら伝言を伝える。
4:ルパンの仇=ピンクの髪の女(シグナム)を殺す。
5:引き続き、殺された少女(静香)の友達と青い狸を探す。
6:圭一と蒼星石の知り合いを探す。(※蒼星石の遺体は丁重に扱う)
7:蒼星石の遺体と首輪について、言おうかどうか迷っている。
8:ギガゾンビの野郎を殺し、くそったれゲームを終わらせる。
[備考]
トグサとの情報交換により、
『ピンク髪に甲冑の弓使い(シグナム)』『赤いコスプレ東洋人少女(カレイドルビー)』
『羽根の生えた黒い人形(水銀燈)』『金髪青服の剣士(セイバー)』
を危険人物と認識しました。
[状態]:疲労/脇腹に怪我(手当て済み、ただし傷口は閉じていない)
[装備]:朝倉涼子のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱/454カスール カスタムオート(残弾:7/7発)@HELLSING
[道具]:デイバッグ(+3)/支給品一式(×4)(-2食)/13mm爆裂鉄鋼弾(34発)@HELLSING
レイピア/ハリセン/ボロボロの拡声器(使用可)/望遠鏡/双眼鏡
蒼星石の亡骸(首輪つき)/リボン/ナイフを背負う紐/蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン
トグサの考察メモ/トラック組の知人宛てのメッセージを書いたメモ
[思考・状況]
基本:1.女子供は相手にしないが、それ以外には容赦しない。
基本:2.できるだけ多くの人間が脱出できるよう考えてみるか……
1:ひとまずキョン達に同行し、脱出の手がかりを探す。
2:機会があれば拡声器を使うことを検討してみる。
3:アルルゥ、トグサ、ヤマトの知り合いに会えたら伝言を伝える。
4:ルパンの仇=ピンクの髪の女(シグナム)を殺す。
5:引き続き、殺された少女(静香)の友達と青い狸を探す。
6:圭一と蒼星石の知り合いを探す。(※蒼星石の遺体は丁重に扱う)
7:蒼星石の遺体と首輪について、言おうかどうか迷っている。
8:ギガゾンビの野郎を殺し、くそったれゲームを終わらせる。
[備考]
トグサとの情報交換により、
『ピンク髪に甲冑の弓使い(シグナム)』『赤いコスプレ東洋人少女(カレイドルビー)』
『羽根の生えた黒い人形(水銀燈)』『金髪青服の剣士(セイバー)』
を危険人物と認識しました。
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217:以心電信 | キョン | 235:孤城の主(前編) |
217:以心電信 | トウカ | 235:孤城の主(前編) |
217:以心電信 | 剛田武 | 235:孤城の主(前編) |
217:以心電信 | 次元大介 | 235:孤城の主(前編) |