夜天舞う星と雷 ◆A.IptJ40P.
◆
最初に響いたのは、音だ。
その数は無数。全く同時ではなく、僅かなずれを孕んで響き渡る。
最初のそれはごくごく軽い、大地を足裏が叩く音。
病院を背にした黒衣の男が剣を右手に振りかぶり、滑空じみた跳躍をもって接近。
速度はさながら鷹。風と等速で迫る白刃。
その数は無数。全く同時ではなく、僅かなずれを孕んで響き渡る。
最初のそれはごくごく軽い、大地を足裏が叩く音。
病院を背にした黒衣の男が剣を右手に振りかぶり、滑空じみた跳躍をもって接近。
速度はさながら鷹。風と等速で迫る白刃。
「バルディッシュ!」
続くは即応したフェイトの一声。そして、その手に構えられた杖から響く三つの金属音。
コッキングカバーがスライドし一つ、リボルバーに装填されたカートリッジに撃針が叩き込まれ二つ。
斧頭が雷光を撒き散らしつつ魔力刃の基部として展開し三つ。そして、
コッキングカバーがスライドし一つ、リボルバーに装填されたカートリッジに撃針が叩き込まれ二つ。
斧頭が雷光を撒き散らしつつ魔力刃の基部として展開し三つ。そして、
『Haken Form』
鎌の一閃。精製された刃の先端が、聖剣の打突を辛うじて受け止めた。
(速い……!)
フェイトやシグナムのような、高速戦を主体とする戦闘者でなければ反応すら出来ない。
その領域の速度だ。真横にいた凛ではなく、正面のフェイトに斬りかかってきたのは幸運だった。
そうでなければ、彼女は心臓を刺し貫かれて即死していただろう。
現に、未だ眼を見開いたまま硬直している。
その領域の速度だ。真横にいた凛ではなく、正面のフェイトに斬りかかってきたのは幸運だった。
そうでなければ、彼女は心臓を刺し貫かれて即死していただろう。
現に、未だ眼を見開いたまま硬直している。
それを脇目に剣戟は続く。鎌の刃に受け流された袈裟が反転し、
「ゥォォッッ―――!!」
咆哮、逆袈裟の一撃。
しかし、それは妨げられる。
しかし、それは妨げられる。
「させない……!」
漆黒の魔弾が、頭部を覆う兜を狙う。
動き出した凛の一手目、ガンド撃ち。凝縮され物理的破壊力を備えた呪詛の弾丸。
それも三点速射、狙点は額と側頭、後頭部。前後左右、どちらに頭を傾けようが二発は直撃する。
人間では―――否、並の化物であっても、避けられない。
動き出した凛の一手目、ガンド撃ち。凝縮され物理的破壊力を備えた呪詛の弾丸。
それも三点速射、狙点は額と側頭、後頭部。前後左右、どちらに頭を傾けようが二発は直撃する。
人間では―――否、並の化物であっても、避けられない。
だが、今のグリフィスは、並でもなければ人間でもなく、故に―――
「え……!?」
―――避ける必要すら、無い。
兜に直撃した弾丸は、しかし風と解けて掻き消える。
「「無効化した……!?」」
凛の視界、黒衣の騎士が、銀の騎士王と重なった。
(あの剣……エクスカリバー!?
でも有り得ない。対魔力はクラスに依存する、宝具を持っても得られるものじゃない。
私達が知っているものとは違うディスペル能力……!?)
でも有り得ない。対魔力はクラスに依存する、宝具を持っても得られるものじゃない。
私達が知っているものとは違うディスペル能力……!?)
あまりにも情報が少なく、憶測が精々だ。だが対応は変わらない。
「こいつは敵ね―――やるわよ!レイジングハート、リインフォース!」
『Load cartridge』
『―――ユニゾン・イン』
『―――ユニゾン・イン』
薬莢が弾け飛ぶと同時に、凛の肉体に変化が訪れる。
まずは内面。筋肉、骨格、神経、そして魔術回路の全てが変成され、強度、性能を共に人外の域にまで押し上げる。
そして外面。漆黒の髪は、月光に近い白銀へ。虹彩は深く沈み、空の果てに近い蒼へとその色を変えた。
まずは内面。筋肉、骨格、神経、そして魔術回路の全てが変成され、強度、性能を共に人外の域にまで押し上げる。
そして外面。漆黒の髪は、月光に近い白銀へ。虹彩は深く沈み、空の果てに近い蒼へとその色を変えた。
からん、と軽い音を立て、空薬莢が地面に転がった。
聖骸布が翻る。背には黒翼、左手に魔導の書、右手に杖を構え、銀髪を腰へと流すその姿は、語り継がれる魔法使いそのものだ。
『損耗率、およそ三割……無茶は出来んぞ』
『回路の修復はほぼ完了しています。外殻、フレームはほぼ手付かずですが、砲撃を行う分には問題ありません』
『回路の修復はほぼ完了しています。外殻、フレームはほぼ手付かずですが、砲撃を行う分には問題ありません』
現状を伝える従者の声に、魔術師はその意思を返す。
「―――充分よ」
翼が大気を叩き、飛ぶ。杖―――否、砲を眼下の敵へと向け、
「アクセルシューター!」
『Accel Shooter』
『Accel Shooter』
十二発の同時射撃。弧を描く弾道が、フェイトと切り結ぶ黒衣を全方位から囲い込む。
だが、それすらも、
だが、それすらも、
「効きゃあしないってわけ!?」
前方左右は事も無げに打ち払い、後方と上から迫るものは一瞥すらしない。
鎧の表面で、その全てが霧散するからだ。
鎧の表面で、その全てが霧散するからだ。
「なら!」
闇の書を掲げ、
『Schwalbefliegen』
八つの鉄弾が魔力光を曳き、一直線に飛翔。
直線弾では容易く避けられる。故に、
直線弾では容易く避けられる。故に、
『フェイト!動き止めて!』
『はい!』
『はい!』
一諾と共に、聖剣を受け止めたバルディッシュから、一つの魔法が放たれる。
『Lightning Bind』
雷撃の輪が両足を拘束。滑空を強制的に中断させた。
剣技とは足首の捻りと膝の屈伸、腰の旋回から肩、肘、手首と動作を連ねる全身運動。故に、足を動かせなければ剣速は落ちる。
左から袈裟に首を刈らんとするフェイトの一撃と、右上空から迫る弾丸。防御出来るとすれば片方だけだ。
剣技とは足首の捻りと膝の屈伸、腰の旋回から肩、肘、手首と動作を連ねる全身運動。故に、足を動かせなければ剣速は落ちる。
左から袈裟に首を刈らんとするフェイトの一撃と、右上空から迫る弾丸。防御出来るとすれば片方だけだ。
鎧の左腕が強く振られた。その反動と腕力のみで、剣を右腰から左へと振り上げる。
狙いは中腹。鎌をその担い手ごと弾き飛ばした。
しかしそこで終わり。捻り切った腰と肩、この体勢から、八連弾を防ぐ速度を叩き出すのは不可能だ。
狙いは中腹。鎌をその担い手ごと弾き飛ばした。
しかしそこで終わり。捻り切った腰と肩、この体勢から、八連弾を防ぐ速度を叩き出すのは不可能だ。
だが―――この男は、その道理さえも覆す。
背面左肩、そして右腕から魔力が噴き上がり、振り上げられた剣を強引に軌道変更。弾道上に白刃を割り込ませる。
後は僅かな調整だけで構わない。握力によって剣を支えておけば、その強度によって全て弾かれる。
同時、足を縛る魔法陣が、硝子の擦れる音を立て、しかし耐え切れずに砕け散る。
両足に渦を巻く魔力によって、だ。
後は僅かな調整だけで構わない。握力によって剣を支えておけば、その強度によって全て弾かれる。
同時、足を縛る魔法陣が、硝子の擦れる音を立て、しかし耐え切れずに砕け散る。
両足に渦を巻く魔力によって、だ。
(魔力が噴き出した……!?つまり、あの無効化は―――)
その瞬間、遠坂凛は、防御の仕組みを看破した。
あまりにも単純過ぎる。それ故に、彼女達の盲点だったのだ。
知らず、凛の口から声が漏れた。
あまりにも単純過ぎる。それ故に、彼女達の盲点だったのだ。
知らず、凛の口から声が漏れた。
「―――なんて、デタラメ」
その結論を、フェイトに伝える。
『あれは『魔力放出』よ!全身が魔力の流れで覆われてて……それが魔力弾より強いから、攻撃が相殺されて呑み込まれたのよ!』
―――あらゆる神秘は、より強い神秘に打ち消される。
魔術の基本法則だ。魔力弾を魔力の流れにぶつけるのは、水流に水の弾丸を叩き付けるのと同じ事。強い方が流れを決める。
だが、それで防御されるなど有り得ない。ただ垂れ流すだけの流れと、弾丸として集束させた魔力。どちらが強いのかは明白だ。
その疑問は、バインドを破壊した瞬間に見極めた。
噴き出される魔力の密度はさほど高くもない。それだけでバインドが砕かれる事は無い。
鎧に接触した途端、滲み出る魔力が枷を砕いたのだ。
その空隙、鎧から薄皮一枚程の空間に、超高密度の魔力が流れている。
急激な放出は、それを解放して行ったのだろう。
ならば、
だが、それで防御されるなど有り得ない。ただ垂れ流すだけの流れと、弾丸として集束させた魔力。どちらが強いのかは明白だ。
その疑問は、バインドを破壊した瞬間に見極めた。
噴き出される魔力の密度はさほど高くもない。それだけでバインドが砕かれる事は無い。
鎧に接触した途端、滲み出る魔力が枷を砕いたのだ。
その空隙、鎧から薄皮一枚程の空間に、超高密度の魔力が流れている。
急激な放出は、それを解放して行ったのだろう。
ならば、
『接近戦か……直射型の砲撃を当てるしかありませんね』
それ以外に、突破する手段は無い。
白兵ならば、魔力刃の密度任せで貫ける。
直射型の砲撃は、曖昧な防御を強引に押し流すことが可能だ。
白兵ならば、魔力刃の密度任せで貫ける。
直射型の砲撃は、曖昧な防御を強引に押し流すことが可能だ。
開かれた世界に、大気を裂く音が響き渡った。
◆
「ォォォォッッッ―――!!」
狂戦士の咆哮が、病院の窓硝子を震わせた。
打ち合う光鎌と聖剣。フェイトが射線から外れる瞬間を慎重に狙い、
「ディバインバスター!」
後方に備えた凛の一撃。同時にリインフォースも同じ魔法を編み上げている。
『『Divine Buster』』
合計八つの環状魔法陣が、鎧に向けられたレイジングハートと凛の左腕を覆い双砲とする。
射撃した。
「―――シュートッ!」
二双の砲撃から飛び退る鷹、動作だけを見れば付け入る隙はある。だが、一挙に魔力を放ったその反動による加速は、到底追いつけるものではない。
「ディバインバスター!」
後方に備えた凛の一撃。同時にリインフォースも同じ魔法を編み上げている。
『『Divine Buster』』
合計八つの環状魔法陣が、鎧に向けられたレイジングハートと凛の左腕を覆い双砲とする。
射撃した。
「―――シュートッ!」
二双の砲撃から飛び退る鷹、動作だけを見れば付け入る隙はある。だが、一挙に魔力を放ったその反動による加速は、到底追いつけるものではない。
男が魔力放出、魔弾の相殺を行ったのは一度や二度ではない。仮にサーヴァントがそれだけの行動を行ったのならば、例えマスターが凛であったとしても干乾びる。
これだけの魔力を放ち続けることが可能なアーティファクトなど、凛の知識には存在しない。
『……一体、何なのよ。ジュエルシードって』
敵が退いた空白に念話。それに対し、
『宝石です。願いに反応し、魔力を解放する……そして殆どの場合、動植物を取り込み暴走に至ります』
簡潔に答えを返すフェイト。
再び黒衣が宙を舞う。狙いは凛、今までより僅かに速いが、回り込んだフェイトが受け止める。
『魔力の篭った宝石……魔力量は? 無限とか言わないでしょうね!?』
念話を行使しながらも、刃を受け止める手は揺ぎ無い。凛も同様だ。次の攻撃を構築しつつ、隙を窺っている。
『……上手く使えば、世界を十は壊せます』
『脱出に使えるわね……』
これだけの魔力を放ち続けることが可能なアーティファクトなど、凛の知識には存在しない。
『……一体、何なのよ。ジュエルシードって』
敵が退いた空白に念話。それに対し、
『宝石です。願いに反応し、魔力を解放する……そして殆どの場合、動植物を取り込み暴走に至ります』
簡潔に答えを返すフェイト。
再び黒衣が宙を舞う。狙いは凛、今までより僅かに速いが、回り込んだフェイトが受け止める。
『魔力の篭った宝石……魔力量は? 無限とか言わないでしょうね!?』
念話を行使しながらも、刃を受け止める手は揺ぎ無い。凛も同様だ。次の攻撃を構築しつつ、隙を窺っている。
『……上手く使えば、世界を十は壊せます』
『脱出に使えるわね……』
(取り出す方法。体内で融合して魔力を放っている『願いに反応する』宝石……なら!)
『ルールブレイカー、持ってる?』
『あの短剣なら、私は持っていません。病院の机に置いてあると思います』
『使えば、こいつを倒せるわ』
破戒すべき全ての符。ありとあらゆる魔術契約を破棄させるあの宝具を突き立てれば、
(ジュエルシードも、恐らくは分離する……!)
だが、
『病院の、中?』
切り結ぶフェイト。その背後から援護射撃を行う凛からは、病院の外壁が見えている。
黒衣の男の肩越しに、だ。
『二手に別れるのは?』
『駄目ね。あのスピードで背中を狙われて避け切れる?』
『どちらかが足止めして、その隙に取りに行けば……ッ!?』
『嘘……!?』
『あの短剣なら、私は持っていません。病院の机に置いてあると思います』
『使えば、こいつを倒せるわ』
破戒すべき全ての符。ありとあらゆる魔術契約を破棄させるあの宝具を突き立てれば、
(ジュエルシードも、恐らくは分離する……!)
だが、
『病院の、中?』
切り結ぶフェイト。その背後から援護射撃を行う凛からは、病院の外壁が見えている。
黒衣の男の肩越しに、だ。
『二手に別れるのは?』
『駄目ね。あのスピードで背中を狙われて避け切れる?』
『どちらかが足止めして、その隙に取りに行けば……ッ!?』
『嘘……!?』
驚愕の声が、同時に挙がった。
刃を振るっていた黒衣の男が、突如その速度を大幅に増したのだ。
フェイトとバルディッシュは躊躇わなかった。
『Sonic Form』
外套が紫電を散らして弾け飛び、同時に四肢へ光が宿る。
風を巻き起こし推進力へと変えるそれは、雷の色を宿した羽根だ。
その加速によって鎌を振り上げ、長剣の打ち下ろしを受け止める。
(……ソニックフォームじゃないと、止められなかった……!)
何故、速度が上がったのか。
簡単だ。人は歩くことによって走る方法を知る。魔力放出による機動制御に慣れたというだけの話。
そして、剣速が上がればその衝撃は重くなる。つまり、
(潰される……!)
圧し合うエクスカリバーとバルディッシュ。上に位置し、重量の全てを攻撃に回せるエクスカリバーが勝つのは道理。
だが、救いの手は訪れた。
『跳んで!』
凛の念話。反射的に刃を流し、真上へと飛翔した。
フェイトとバルディッシュは躊躇わなかった。
『Sonic Form』
外套が紫電を散らして弾け飛び、同時に四肢へ光が宿る。
風を巻き起こし推進力へと変えるそれは、雷の色を宿した羽根だ。
その加速によって鎌を振り上げ、長剣の打ち下ろしを受け止める。
(……ソニックフォームじゃないと、止められなかった……!)
何故、速度が上がったのか。
簡単だ。人は歩くことによって走る方法を知る。魔力放出による機動制御に慣れたというだけの話。
そして、剣速が上がればその衝撃は重くなる。つまり、
(潰される……!)
圧し合うエクスカリバーとバルディッシュ。上に位置し、重量の全てを攻撃に回せるエクスカリバーが勝つのは道理。
だが、救いの手は訪れた。
『跳んで!』
凛の念話。反射的に刃を流し、真上へと飛翔した。
男は振り下ろした剣を受け流された状態だ。いかに魔力放出を行おうとも、慣性に重力が加わっては、刃を返すのは難しい。
フェイトの真後ろに備えていた凛にしてみれば、絶対の隙だ。
レイジングハートを左にスイッチし、右の拳を握り込む。
身を捻り半身へ。脚を僅かに上げ、そして大地を打ち据えた。
震脚。その反動、筋肉の収縮、重心の移動、呼吸法、それら全てが複雑に絡み合い相乗し、ヒトの拳を、一つの兵器にまで練り上げる。
加えて、
『Schwarze Wirkung』
漆黒の魔法陣が拳に力を付与し、
身を捻り半身へ。脚を僅かに上げ、そして大地を打ち据えた。
震脚。その反動、筋肉の収縮、重心の移動、呼吸法、それら全てが複雑に絡み合い相乗し、ヒトの拳を、一つの兵器にまで練り上げる。
加えて、
『Schwarze Wirkung』
漆黒の魔法陣が拳に力を付与し、
「――――――はぁッ!」
四千年の歴史を謳う拳技の一つが、鎧の中央、鳩尾を直撃した。
巨岩をも粉微塵に消し飛ばすであろう一撃。鋼は軋み、しかし、
巨岩をも粉微塵に消し飛ばすであろう一撃。鋼は軋み、しかし、
(手応えが浅い!?)
剣を振り上げる事を捨て、退避のみに魔力を注いだ黒衣は、一瞬だけ早く跳んでいた。
拳の打撃に跳躍のベクトルを合わせ、その衝撃を受け流したのだ。
鎧は僅かに罅割れているが、肉体にダメージは無い。
拳の打撃に跳躍のベクトルを合わせ、その衝撃を受け流したのだ。
鎧は僅かに罅割れているが、肉体にダメージは無い。
だが、遠坂凛は諦めなかった。レイジングハートを右へと戻し、左の拳を握り、
「吼えなさい!」
『Eisengeheul』
生成された紅い球体に、一撃を叩き込んだ。
炸裂する。
殺傷能力は無い。だが、圧倒的な轟音と閃光は、術者を除いた全ての者の感覚を殺す。
炸裂する。
殺傷能力は無い。だが、圧倒的な轟音と閃光は、術者を除いた全ての者の感覚を殺す。
鋼の咆哮が、放たれた。
◆
黒衣の男が視聴覚を喪っていたのは、極めて短い間だけだった。
人間が何の用意も無く受ければ一分近くの行動不能に陥るが、化物に対してそれを期待する方が間違っているというものだ。
人間が何の用意も無く受ければ一分近くの行動不能に陥るが、化物に対してそれを期待する方が間違っているというものだ。
視界に映ったのは、杖を持った黒髪の少女が一人だけ。
内から湧き出る衝動に従い、剣を構えて打ち掛かる。
(……?)
言い知れぬ違和感を感じた。だが彼は気にも留めない。ただ切り殺すのみ。
内から湧き出る衝動に従い、剣を構えて打ち掛かる。
(……?)
言い知れぬ違和感を感じた。だが彼は気にも留めない。ただ切り殺すのみ。
一刀。首を落とす筈だった一撃は、
「レイジングハート……!」
『Protection Powered』
展開された桜色の障壁に阻まれた。魔力の余波が、少女の黒檀じみた黒髪を舞い上げる。
ゆっくりと、しかし確実に、切先が盾を切り裂いていく。
「レイジングハート……!」
『Protection Powered』
展開された桜色の障壁に阻まれた。魔力の余波が、少女の黒檀じみた黒髪を舞い上げる。
ゆっくりと、しかし確実に、切先が盾を切り裂いていく。
その時だ。彼が、彼女の浮かべる表情に気付いたのは。
――――――世界を見据えてなお揺るがない、不敵な笑み。
翻る髪は、白銀ではなく漆黒。
危険を直感し身を引いた刹那、黒衣の全身に、それが襲い掛かった。
◆
『ねえフェイト。足止めなら、何秒持つ?』
『……六秒が精々です』
速度は追随されつつあり、力においては完全に押し負けている。
凛の援護射撃が牽制として作用していたからこその互角。
『そう……私はきっと、一秒だって持たないわ。今のスピードじゃ、動きを追うのが限界よ』
書の状態が万全であり接近戦をこなせれば、話は別だったのだろうが。
或いは彼女の素の能力が人から外れていれば。
しかし遠坂凛という魔術師は―――彼女の世界における魔術師は、戦闘者ではなく研究者だ。
それなりに練られた体術とて、黒衣の剣技に比べれば児戯に等しい。
到底、勝てはしないのだ。
だが彼女は誓った。喪わせた命は償うと。自らの決断の誤りによる喪失は、正しく迷わぬ決意によって贖うと。
この場において、最も間違った決断とは、
(私かフェイトが命を捨てること……!)
自己犠牲は美しい。だがそれだけだ。後には何も残しはしない。
自分達の死は、セイバーやギガゾンビに対する反逆の一歩を鈍らせる。
ならば、
『……足止め、頼んだわ』
『……!?』
その驚愕は、リインフォースのものだ。
『……六秒が精々です』
速度は追随されつつあり、力においては完全に押し負けている。
凛の援護射撃が牽制として作用していたからこその互角。
『そう……私はきっと、一秒だって持たないわ。今のスピードじゃ、動きを追うのが限界よ』
書の状態が万全であり接近戦をこなせれば、話は別だったのだろうが。
或いは彼女の素の能力が人から外れていれば。
しかし遠坂凛という魔術師は―――彼女の世界における魔術師は、戦闘者ではなく研究者だ。
それなりに練られた体術とて、黒衣の剣技に比べれば児戯に等しい。
到底、勝てはしないのだ。
だが彼女は誓った。喪わせた命は償うと。自らの決断の誤りによる喪失は、正しく迷わぬ決意によって贖うと。
この場において、最も間違った決断とは、
(私かフェイトが命を捨てること……!)
自己犠牲は美しい。だがそれだけだ。後には何も残しはしない。
自分達の死は、セイバーやギガゾンビに対する反逆の一歩を鈍らせる。
ならば、
『……足止め、頼んだわ』
『……!?』
その驚愕は、リインフォースのものだ。
凛が、自ら融合を解除した。
そして、淡々と事実を告げる。自らの弱さに目を逸らさないのが、今の彼女の在り方だ。
『コイツを相手に、私は戦力に入らない。今闘えているのは私じゃなくて、リインとレイジングハートの力よ。
貴方とバルディッシュを足して四人。それだけで、コイツと互角に闘っている。
なら―――三人掛かりならどう?』
その言葉で、皆が全てを理解した。
フェイトも、バルディッシュも、レイジングハートも、リインフォースも。
『私はもう迷わない。同じ過ちを繰り返すような、そんな道は選ばない。
―――フェイト・T・ハラオウン。貴方はどうするの?』
『コイツを相手に、私は戦力に入らない。今闘えているのは私じゃなくて、リインとレイジングハートの力よ。
貴方とバルディッシュを足して四人。それだけで、コイツと互角に闘っている。
なら―――三人掛かりならどう?』
その言葉で、皆が全てを理解した。
フェイトも、バルディッシュも、レイジングハートも、リインフォースも。
『私はもう迷わない。同じ過ちを繰り返すような、そんな道は選ばない。
―――フェイト・T・ハラオウン。貴方はどうするの?』
その問いに、運命を見据え立ち向かうことを決めた少女は―――
◆
上空から、真下を見据える視線がある。
(……私達が、勝つ為です)
黒鉄の戦斧を右手に掴む。金髪を風に流した彼女は迷いを振り払い、ただ一言を呟いた。
(……私達が、勝つ為です)
黒鉄の戦斧を右手に掴む。金髪を風に流した彼女は迷いを振り払い、ただ一言を呟いた。
「―――ユニゾン・イン」
金髪が、青白い燐光を放つ稲妻じみた白へと転ずる。
同時、眼下の黒衣に向けて動力降下。
自由落下に背の四翼と四肢のフィンを加えたその速度が、音速の壁を打ち破った。
右手一本で構えた戦斧が紙を引き裂く音を立て、水蒸気の霧を曳く。
同時、眼下の黒衣に向けて動力降下。
自由落下に背の四翼と四肢のフィンを加えたその速度が、音速の壁を打ち破った。
右手一本で構えた戦斧が紙を引き裂く音を立て、水蒸気の霧を曳く。
『Load cartridge』
リボルバーが回転、定位置に移動したカートリッジが強烈な衝撃を受け圧縮魔力を解放する。
選択する魔法は一つ。術式構造は極めて単純、刀身に魔力を乗せるだけだ。
射程距離を切り捨て一撃の威力に特化した、ベルカ式の基礎にして真髄たる魔法。
それはヴォルケンリッター烈火の将が振るった魔焔の一閃。
だが、刃が纏うのは緋桜色の焔ではない。
鋭角を以って天をも穿つ黄金の色。
雷だ。
射程距離を切り捨て一撃の威力に特化した、ベルカ式の基礎にして真髄たる魔法。
それはヴォルケンリッター烈火の将が振るった魔焔の一閃。
だが、刃が纏うのは緋桜色の焔ではない。
鋭角を以って天をも穿つ黄金の色。
雷だ。
叫ぶ。その技の名を。かつて己の武器を断ち切った、その名を。
「――――――紫電、一閃!」
振り下ろした。
直撃―――ではない。敵の回避の方が一瞬だけ早い。
だが劫雷の余波が、その鎧たる魔力を吹き飛ばす。
直撃―――ではない。敵の回避の方が一瞬だけ早い。
だが劫雷の余波が、その鎧たる魔力を吹き飛ばす。
そして、フェイトの左手にはあるものが握られている。
雷によって編まれ、しかし幅広の刃と鍔を備えたそれは一振りの長剣。
サンダーブレイド。
雷によって編まれ、しかし幅広の刃と鍔を備えたそれは一振りの長剣。
サンダーブレイド。
速度はフェイトが手に入れた。
敵の防御を剥ぎ取ったのはバルディッシュ。
ならば―――それを解き放つのが、彼女の持つ役割だ。
敵の防御を剥ぎ取ったのはバルディッシュ。
ならば―――それを解き放つのが、彼女の持つ役割だ。
『リインフォース、蒼穹を渡る祝福の風。そして今は―――』
彼女の独白。それもまた決意を告げるようで。
『―――雷の元へと集う風の名だ……!』
応えるように、彼と彼女が声を挙げた。
「疾風、迅雷……!」
風を纏った雷の刃、それが得るのは加速ではない。
『Jet Zamber』
光を放つ切先が雷鳴を上げて伸長し、黒衣の腕を、左肩から切り落とす。
「今です!」
「ええ!」
フェイトの声に応え、凛は駆け出した。黒衣の横を飛翔によって抜け、病院へと飛び込んで行く。
「ええ!」
フェイトの声に応え、凛は駆け出した。黒衣の横を飛翔によって抜け、病院へと飛び込んで行く。
優秀な猟犬は獲物を逃さない。鎧の男はそれを追おうと足裏から魔力を放ち加速。
「追わせない……!」
だが、残像さえも残さず正面に回り込んだフェイトが、その進撃を停めさせる。
「追わせない……!」
だが、残像さえも残さず正面に回り込んだフェイトが、その進撃を停めさせる。
「私達の役目は足止め、だね……やるよ、バルディッシュ、リインフォース!」
『Yes,sir.』
バルディッシュがコアを明滅させ、応えた。
『ああ、それが私の贖いであり―――』
リインフォースもまた、
『Yes,sir.』
バルディッシュがコアを明滅させ、応えた。
『ああ、それが私の贖いであり―――』
リインフォースもまた、
『―――そして何より、私の主が望んだことだ』
迫り来る刃を見据え、肯定の言葉を放った。
【D-3・病院裏口/2日目/午後】
【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:全身に中程度の傷(初歩的な処置済み)、中程度の魔力消費、バリアジャケット装備(ソニックフォーム)、リインフォースと融合中
[装備]:バルディッシュ・アサルト(アサルトフォーム/弾倉内カートリッジ残り3/予備カートリッジ×12発)
夜天の書(消耗中、回復まで時間が必要/多重プロテクト)
[道具]:支給品一式、クラールヴィント、西瓜×1個、ローザミスティカ(銀)、エクソダス計画書
[思考]
基本:戦闘の中断及び抑制。協力者を募って脱出を目指す。
1:目の前の人物(グリフィス)を足止めor倒してジュエルシード回収。
2:後でトグサにタチコマとのことを謝っておく。
3:光球(ローザミスティカ)の正体を凛に尋ねる。
4:遠坂凛と協力して魔法による首輪解除の方法を模索する。
5:ベルカ式魔法についてクラールヴィントと相談してみる。
6:念のためリインフォースの動向には注意を向けておく。
7:カルラや桃色の髪の少女(ルイズ)の仲間に会えたら謝る。
[備考]
※襲撃者(グリフィス)については、髪の色や背丈などの外見的特徴しか捉えていません。素顔は未見。
※首輪の盗聴器は、ルイズとの空中戦での轟音により故障しているようです。
※リインフォースを装備してもそれほど容姿は変わりません。はやて同様、髪と瞳の色が変わる程度です。
[状態]:全身に中程度の傷(初歩的な処置済み)、中程度の魔力消費、バリアジャケット装備(ソニックフォーム)、リインフォースと融合中
[装備]:バルディッシュ・アサルト(アサルトフォーム/弾倉内カートリッジ残り3/予備カートリッジ×12発)
夜天の書(消耗中、回復まで時間が必要/多重プロテクト)
[道具]:支給品一式、クラールヴィント、西瓜×1個、ローザミスティカ(銀)、エクソダス計画書
[思考]
基本:戦闘の中断及び抑制。協力者を募って脱出を目指す。
1:目の前の人物(グリフィス)を足止めor倒してジュエルシード回収。
2:後でトグサにタチコマとのことを謝っておく。
3:光球(ローザミスティカ)の正体を凛に尋ねる。
4:遠坂凛と協力して魔法による首輪解除の方法を模索する。
5:ベルカ式魔法についてクラールヴィントと相談してみる。
6:念のためリインフォースの動向には注意を向けておく。
7:カルラや桃色の髪の少女(ルイズ)の仲間に会えたら謝る。
[備考]
※襲撃者(グリフィス)については、髪の色や背丈などの外見的特徴しか捉えていません。素顔は未見。
※首輪の盗聴器は、ルイズとの空中戦での轟音により故障しているようです。
※リインフォースを装備してもそれほど容姿は変わりません。はやて同様、髪と瞳の色が変わる程度です。
【遠坂凛@Fate/stay night】
[状態]:中程度の疲労、全身に中度の打撲、中程度の魔力消費、バリアジャケット装備(アーチャーフォーム)
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(修復中 ※破損の自動修復完了まで数時間必要/カートリッジ三発消費)
予備カートリッジ×11発、アーチャーの聖骸布
[道具]:支給品一式(食料残り1食。水4割消費、残り1本)、石化した劉鳳の右腕、エクソダス計画書
[思考]
基本:レイジングハートのマスターとして、脱出案を練る。
1:ルールブレイカーを回収。
2:セイバーの再襲撃に備えて体力と魔力はある程度温存。
3:フェイトと協力して魔法による首輪解除の方法を模索する。
4:ベルカ式魔法についてリインフォースと相談してみる。
5:カズマが戻ってきたら劉鳳の腕の話をする。
6:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
[備考]:
※リリカルなのはの魔法知識、ドラえもんの科学知識を学びました。
※リインフォースを装備してもそれほど容姿は変わりません。はやて同様、髪と瞳の色が変わる程度です。
[推測]
※ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い。
※膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能。
その為にジュエルシードを入手する。
[状態]:中程度の疲労、全身に中度の打撲、中程度の魔力消費、バリアジャケット装備(アーチャーフォーム)
[装備]:レイジングハート・エクセリオン(修復中 ※破損の自動修復完了まで数時間必要/カートリッジ三発消費)
予備カートリッジ×11発、アーチャーの聖骸布
[道具]:支給品一式(食料残り1食。水4割消費、残り1本)、石化した劉鳳の右腕、エクソダス計画書
[思考]
基本:レイジングハートのマスターとして、脱出案を練る。
1:ルールブレイカーを回収。
2:セイバーの再襲撃に備えて体力と魔力はある程度温存。
3:フェイトと協力して魔法による首輪解除の方法を模索する。
4:ベルカ式魔法についてリインフォースと相談してみる。
5:カズマが戻ってきたら劉鳳の腕の話をする。
6:変な耳の少女(エルルゥ)を捜索。
[備考]:
※リリカルなのはの魔法知識、ドラえもんの科学知識を学びました。
※リインフォースを装備してもそれほど容姿は変わりません。はやて同様、髪と瞳の色が変わる程度です。
[推測]
※ギガゾンビは第二魔法絡みの方向には疎い。
※膨大な魔力を消費すれば、時空管理局へ向けて何らかの救難信号を送る事が可能。
その為にジュエルシードを入手する。
【グリフィス@ベルセルク】
[状態]:魔力暴走、全身に軽い火傷、打撲、左腕が肩口から落ちた、自我崩壊
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、耐刃防護服、ジュエルシードもどき、フェムトの甲冑@ベルセルク
[道具]:マイクロUZI(残弾数6/50)、やや短くなったターザンロープ@ドラえもん、支給品一式×6(食料一つ分、ディパック五つ分)
オレンジジュース二缶、破損したスタンガン@ひぐらしのなく頃に
ビール二缶、庭師の鋏@ローゼンメイデンシリーズ、ハルコンネンの弾(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾4発 劣化ウラン弾:残弾6発)@HELLSING
[思考・状況]
基本:殺す。
1:目に付く存在を殺す。
[備考]
※グリフィスは生存者の名前と容姿、特徴についてユービックから話を聞きました。
※A-8エリア全域、及びA-8周辺エリアはスパイセットで監視しています。
※スラン及びユービックがノートパソコンの入手を目的としている事は知りません。
[ジュエルシードの暴走について]
※グリフィスは現在自我を失っており、己の戦闘本能に従って行動しています。
剣術などの身体に染み付いた技能は例外として、デイパックにしまった銃を使うなど、頭を使った戦法は取ることは出来ません。
『約束された勝利の剣』は使用可能ですが、直前で既に一回使っているため、これ以上の乱用は自己崩壊の恐れがあります。
なんらかの形でジュエルシードの機能を停止させれば、グリフィスの自我も元に戻ります。
また、このジュエルシードは『もどき』のため、これ以上の変化(外見の変貌など)が起こることはありません。
※常に全身から魔力を垂れ流しています。純粋魔力弾の射撃はそれに相殺されるためまず通用しません。
また、それを利用した高速機動の方法を学習しつつあります(よって、動作の効率化によって更に強くなることも考えられます)。
[状態]:魔力暴走、全身に軽い火傷、打撲、左腕が肩口から落ちた、自我崩壊
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、耐刃防護服、ジュエルシードもどき、フェムトの甲冑@ベルセルク
[道具]:マイクロUZI(残弾数6/50)、やや短くなったターザンロープ@ドラえもん、支給品一式×6(食料一つ分、ディパック五つ分)
オレンジジュース二缶、破損したスタンガン@ひぐらしのなく頃に
ビール二缶、庭師の鋏@ローゼンメイデンシリーズ、ハルコンネンの弾(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾4発 劣化ウラン弾:残弾6発)@HELLSING
[思考・状況]
基本:殺す。
1:目に付く存在を殺す。
[備考]
※グリフィスは生存者の名前と容姿、特徴についてユービックから話を聞きました。
※A-8エリア全域、及びA-8周辺エリアはスパイセットで監視しています。
※スラン及びユービックがノートパソコンの入手を目的としている事は知りません。
[ジュエルシードの暴走について]
※グリフィスは現在自我を失っており、己の戦闘本能に従って行動しています。
剣術などの身体に染み付いた技能は例外として、デイパックにしまった銃を使うなど、頭を使った戦法は取ることは出来ません。
『約束された勝利の剣』は使用可能ですが、直前で既に一回使っているため、これ以上の乱用は自己崩壊の恐れがあります。
なんらかの形でジュエルシードの機能を停止させれば、グリフィスの自我も元に戻ります。
また、このジュエルシードは『もどき』のため、これ以上の変化(外見の変貌など)が起こることはありません。
※常に全身から魔力を垂れ流しています。純粋魔力弾の射撃はそれに相殺されるためまず通用しません。
また、それを利用した高速機動の方法を学習しつつあります(よって、動作の効率化によって更に強くなることも考えられます)。
時系列順に読む
Back:SUPER GENERATION(後編)Next:ウソのない世界
投下順に読む
279:SUPER GENERATION(後編) | フェイト・T・ハラオウン | 285:LIVE THROUGH(前編) |
279:SUPER GENERATION(後編) | 遠坂凛 | 285:LIVE THROUGH(前編) |
279:SUPER GENERATION(後編) | グリフィス | 285:LIVE THROUGH(前編) |