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生き物がいなくなった。 ニンゲンだけでなく、虫やら魚やらもだ。 世界は沈黙でつつまれていた。 ただ一人、生きていた愚者がいたりいなかったり。 ビルが夕日にあたって、夕日の光がキレイに反射している。 ニンゲンもよく、ここまで金ぴかででっかい建物のをたてたものだとカンシンをしたりする。 しかし、ニンゲンもみずからの首をしめていたにすぎなかったのだ。 今の光景がそれを物語っている。だれもいないのだ。 自分と、植物だけがなんとか生きているようだ。 私はとりあえずのろのろと動く。おっかける生き物がいないから、とかではない。 ねずみはいったいどこにいったのやら、とおもいながらでっかいカフェの前を通り過ぎる。このお店はどこかあやしい雰囲気があったが、いくといっつも食べ物をくれたから印象は強く残っている。 しかししょせんはニンゲンだったのか、このお店もガランとしている。 いくあてもないので、中に入る。 カウンターのところに、魚の缶ズメがあったもののあけられないので妥協。いっそのことスルメイカでもいいからほしい。 たったさっき大型スーパーでパンなどを食べたのだが、やはり魚にかぎる。 私は喉をごろごろさせながら、大道にでる。 夕日の色がまたすこし濃くなっていた。 ほかの生き物も心配だが、生き物がどこにいったのかなんて確認したところでなんにもおこらない。私は救世主じゃないからだ。 だれもいない道をのろのろを歩く。 知り合いの匂いすらしない。本当になにがおこったのだろうか。 だれもいないのなんて、今のうちかもしれない。 そうきがついて、さっそくいってみたかったところへと足を進ませることにする。 移動にずいぶんと時間をかけてしまった。 石がごろごろと、ネコジャラシがぼうぼうを生えている。 どうやらまだ電気とやらは残っているらしい。電灯がついているからだ。 星と月のあかりだけで夜をすごすのかとおもえば、わりと明るい。まぁ、べつに真っ暗でも見えるから困ることはないのだが。 鉄の棒の上を歩いてみる。 ニンゲンはこれを「線路」と読んでいた。 でっかい鉄のかたまりはこの上をすごいはやさで通っていく。 どうしてあそこまではやいのか、そんなのはどうでもいい。けどあの上を歩いてみたかった。 のろのろ、歩く。 すこしだけ強い風がふいて、木々がゆれる。 たしか昨日はゴミ箱にはまっていた頃かな、と勝手に推測してみる。 時間というのはよくわからないもので、きがつかないうちにたっているものである。 昨日の生魚の味がもう口の中にないことにきがつく。やはりニンゲンの食べ物は私の口にはあまりあわないらしい。 私はのろのろ歩く。 ネコジャラシについ目がいってしまうが、ただこの「線路」とやらの上を合ういていた。楽しいかったからだ。理由はない。必要などない。 もうずいぶんと歩いた。だれももう心配しないのだから、いっそのことこの「線路」の上で寝ることにする。 尻尾まるめて横になる。鉄が冷たくってすこしだけ気持ちい。 「さて、明日はどうしようか」なんて考えない。今はただ、歩きつかれた眠い。それにつきる。 一匹のネコは月や星にみまもられ、線路の上で寝る。 すやすやと。
#comment_num2 生き物がいなくなった。 ニンゲンだけでなく、虫やら魚やらもだ。 世界は沈黙でつつまれていた。 ただ一人、生きていた愚者がいたりいなかったり。 ビルが夕日にあたって、夕日の光がキレイに反射している。 ニンゲンもよく、ここまで金ぴかででっかい建物のをたてたものだとカンシンをしたりする。 しかし、ニンゲンもみずからの首をしめていたにすぎなかったのだ。 今の光景がそれを物語っている。だれもいないのだ。 自分と、植物だけがなんとか生きているようだ。 私はとりあえずのろのろと動く。おっかける生き物がいないから、とかではない。 ねずみはいったいどこにいったのやら、とおもいながらでっかいカフェの前を通り過ぎる。このお店はどこかあやしい雰囲気があったが、いくといっつも食べ物をくれたから印象は強く残っている。 しかししょせんはニンゲンだったのか、このお店もガランとしている。 いくあてもないので、中に入る。 カウンターのところに、魚の缶ズメがあったもののあけられないので妥協。いっそのことスルメイカでもいいからほしい。 たったさっき大型スーパーでパンなどを食べたのだが、やはり魚にかぎる。 私は喉をごろごろさせながら、大道にでる。 夕日の色がまたすこし濃くなっていた。 ほかの生き物も心配だが、生き物がどこにいったのかなんて確認したところでなんにもおこらない。私は救世主じゃないからだ。 だれもいない道をのろのろを歩く。 知り合いの匂いすらしない。本当になにがおこったのだろうか。 だれもいないのなんて、今のうちかもしれない。 そうきがついて、さっそくいってみたかったところへと足を進ませることにする。 移動にずいぶんと時間をかけてしまった。 石がごろごろと、ネコジャラシがぼうぼうを生えている。 どうやらまだ電気とやらは残っているらしい。電灯がついているからだ。 星と月のあかりだけで夜をすごすのかとおもえば、わりと明るい。まぁ、べつに真っ暗でも見えるから困ることはないのだが。 鉄の棒の上を歩いてみる。 ニンゲンはこれを「線路」と読んでいた。 でっかい鉄のかたまりはこの上をすごいはやさで通っていく。 どうしてあそこまではやいのか、そんなのはどうでもいい。けどあの上を歩いてみたかった。 のろのろ、歩く。 すこしだけ強い風がふいて、木々がゆれる。 たしか昨日はゴミ箱にはまっていた頃かな、と勝手に推測してみる。 時間というのはよくわからないもので、きがつかないうちにたっているものである。 昨日の生魚の味がもう口の中にないことにきがつく。やはりニンゲンの食べ物は私の口にはあまりあわないらしい。 私はのろのろ歩く。 ネコジャラシについ目がいってしまうが、ただこの「線路」とやらの上を合ういていた。楽しいかったからだ。理由はない。必要などない。 もうずいぶんと歩いた。だれももう心配しないのだから、いっそのことこの「線路」の上で寝ることにする。 尻尾まるめて横になる。鉄が冷たくってすこしだけ気持ちい。 「さて、明日はどうしようか」なんて考えない。今はただ、歩きつかれた眠い。それにつきる。 一匹のネコは月や星にみまもられ、線路の上で寝る。 すやすやと。

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