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波打つことしか知らない波が、潮の流れる音とともに押しては引いて、押しては引いてを繰り返している。それなのに、波に乗ってきた潮の香りは引く波に乗ることはなく、ただ浜辺に匂いがたまっていきうっとおしさがただよってる。
潮の香りと同じように、どこの国から流れ着いのかわからない木材や空き缶、プラスチックが、波に戻れずに浜辺に打ち上げられている。昔はこういった浜辺のゴミをちゃんと掃除をしてくれた人もいたのだが。いまではこのありさまである。
この島の上空にはカモメは飛んではおらず、サカナも同様にこの島の周りには住んではいない。この島から、いまにもあふれんとしている悲しさを察してでもいるのだろ。
空は落とし穴の底のような暗さで、またそれを映す海もまた、悪いものでも取り込んでしまったかのような暗さをしている。雲の奥に隠された太陽の光は、この島にはほんとんど届いてはおらず、島に生えわたる雑草が、風のせいか、はたまは己自身によるものか、太陽の光を求めて強くゆれている。木という木はこの島にはもうすでになく、野菜という野菜も、ずいぶんと昔にすべて自然にもっていかれた。
今は食べ物すらみあたらないこの島ではあるが、昔は木々が生い茂り、動物がささやいては発狂を繰り返す島であった。それなのに、今はこの状態である。
人間だって住んでいた。今はもう住んではいないのだ。
わたしはいったい、この島でどれほどの懺悔や贖罪、殉教をすればいいのだろうか。
いや、そもそもだれも罪など犯してはいないし、問題となるようなことなど、誰もしていなかったはずだ。偶然にも運悪く、わたしひとりだけが生き残ってしまった。ただ、それだけなのだ。
だからこそ謝らさせてほしい。親愛なる君へ。
届かなくては意味がない。しかし、届かないとわかっていながらも、それを伝えようとしないことも、よろしいことだとはおもえない。
この浜辺を眺めはじめてずいぶんとたつが、まだ、もう少しだけここにいることにするよ。
わたしに、あなたがたちへ、あやまらせてくれ。

親愛なる君へ
こうやってしか君とやりとりができないとおもうと、わたしは悲しさで胸がいっぱいになるよ。最後にちゃんと会ったのはいいつだったか。わたしはしっかり覚えている。あの別れの日も、今日のような天気であったことを。