※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 屋上の風は、こころなしかほかのところであびる風よりも冷たく感じていた。当然、今浴びているこの風も冷たい。
 今の時期が冬だから、よりいっそう風は寒く感じる。校舎に突き立てた二本の生足が寒い。風に切りつけられているようだ。
 いつもどうりの寒さだ。今から死ぬというのに。今日も風邪は冷たい。

 特に理由とかがあるわけじゃない。ただ今日死ななければいけない、そう思った。人間はなにかと理由を大事にしすぎているから、たぶんこんな「死」が存在したほうが、世界的にはバランスが良い気がする。たったひとつの「死」でバランスがとれるほど、世界は小さいとは思えないが。
 死に方は飛び降り自殺。校舎の屋上からコンクリートに一直線。人間というのは水分が体の大部分を占めているため、水風船を高いところから落とすようなものだ、などとどこかで聞いたことがある気がする。実際はどうなるのか、私は見ることができないが。まあ、とくとご覧あれといったところだろうか。

 これから死ぬのだから、今までの人生を振り返ってやろう。




 この世界には可能性が無限大に広がっている。人間の発想なんかが追いつかないような可能性。もしかすれば世界は3分前にできたのかもしれないし、3分後に人類は滅亡するのかもしれない。
 実はこの世界は「リハビリ」なのではないだろうか、そう思うようになった。
 この世界の「死」のあとの世界こそが、本番の世界。本番の世界で失敗してこの世界にきている。
 ただ自殺を負けのようなものだと心のどこかで思っていて、自分の自殺を正当化しようとしているだけなのはわかってる。ただ、可能性はゼロではないはずである。
 いいかげんに死のう。体も冷えてきたころだ。
 そんじゃ、バイバイ。



 垂直に落ちたらスカートめくれるよね。しっかり押さえて落ちないと、やっぱり恥ずかしいよね