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  • 乙一の「暗黒童話」を意識したかのような話 -- (管理人) 2010-08-17 18:20:46
  • G…かっけえ -- (めがね) 2010-09-06 19:59:26
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生きることがやるせない、
そうつぶやいたらゴキブリが反応した。

 コンビニから帰ってきた僕は床に座る。長時間床に座るとケツがいたくなるが、長時間ここに座るつもりはないので適当に座る。ちなみにコンビニで買ったのはおつまみの系統のものだ。
「はぁー」
 帰ってきてそうそう、僕は一般人よりも深いため息をついた。まるで反応してくれ、といっているかのようにも聞こえる。前にそう、教えてくれたのだ。この隣の黒いやつに。
「で、どうしたわけだ」
 僕の横にゴキブリはそんなことをいった。いや、正確には言ったのかどうかはわからない。本人いわく「真実なんて気にしたらつまらない人生になる」とのこと。僕なんかよりも人間らしいこのゴキブリがちょっとかっこよくみえるのは、きっと僕の頭が狂ってしまったからだとおもう。
 ちょっとでももこの人間に近づこうとしている僕は「まってました」といわんばかりの顔を作ってから話しかけた。この顔はきっと演技だとこのゴキブリにはばれているのだろう。
「いや、死にたくなったもので」
 僕のわきにいるゴキブリ(別名G)は「ムゥー」と唸ってから一言。
「それはおかしい。死にたがっているのであれば君はすでに死んでいるはずだ」
 おまえはもう死んでいる、みたくいわれても困る。僕はボケーっといていたらゴキブリのほうがため息をついた。僕の理解力の低さに今更ながら頭をかかえたのだろう。いや、頭なんかかかえることはできない。
「ようするにだ、君は死にたいなんてことは嘘だ。実はだれかにかまってほしくてしかたがないんじゃないのかい?」
 一息すってからゴキブリがまた喋り続ける。
「人間というのは愚かな生き物だ。いや、生き物全てが愚かだ。む?、そんなことはどうでもいい。
 愚かな生き物というのはかまってほしくて仕方がないのだよ。人間が一番そこのところがダントツでだ。人間は無駄に知能なんて手にいれてしまったのが理由なのだろうがね。」
 「ふーん」、と納得したフリをして、僕はさっき買ってきたするめいかの袋を開けて一本適当に選んで手でもて遊ぶ。
 実際に「死にたい」といったのは学生の頃の友人だった。このゴキブリの知能がどれほどのものなのかを確かめるためには最適であった。
 頭のいい害虫Gは、するどい。
「どうせ君は死のうとなんかしてない。どうせわたしの知能を試したかったのだろう。そんなこと丸見えだぞ」
「ご名答」
 僕はさっそく立ち上がることにした。短時間しか座っていなかったのにちょっとだけケツが痛かった。ケツに血がめぐるのがわかる。
「ごほうびかなにかはないのかい?」
「ほいっ」
 さっきまで僕が手いたずらしていたするめいかを落とす。
「おお、ちゃんとほぐしてある」
「僕は思ったよいい人なんだよ」
 そういってさっそく玄関へと向かう。
 ゴキブリには決して「いや、ただ眠くならないように」なんて真実はいえない。いあ、そんなことすらばれてるのかも。
 僕はさっそくさきほどいったコンビニへいくことにする。
 それにしても、あそこまで彼女が可愛くなっているとは……

 人間は愚かだと、ゴキブリは教えてくれた。
 僕の人生は、すこしだけ鮮やかになりそうだ。