戦争準備~事の発端~続

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匿名ユーザー

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 数十分後の藩王の勉強室は、やはり重い空気である。だがそれは藩王が不機嫌であるから、であった。
自分を連れ戻したエージェント達に八つ当たりをしそうになるのを押さえる為に
たくまは椅子に勢いよく座り、供給インフレはコストインフレ、構造インフレ、
輸出インフレ、輸入インフレに分けられる、とぴしゃりと言い、緊急事態表示を
ひとまず閉じて数学の問題の解答をいささか強いタッチでタイピングする。
『f(x) を次のように書き換える
f(x) = x^3/3 - x^2/2 + x/6 + 1 + F(x)
 ただし F(x) は連続な関数であるとする
問題は次のようになる
F(x+1) - F(x) = 0 ... (a')
F(0) = 0 ... (b')
つまりF(x)……』
 二人の教師はなんとなく顔を見合わせたものである。
「たくま様、デフレーションにつ……」
「不況による貨幣価値の低下だな。我が国のスタビライザーは十分だ。
それより戦時下でのインフレが心配だが……帝国宰相は凄い方だ。
帝国全体では平気だろう。国内は自分で考えないといけないのかもしれないけれど。
摂政に任せて、任せても……?」
 とりつくしまもない、といった様子である。問題の解答が合っているのを確認した教師たちは再び顔を見合わせた。
先ほどと変わらぬのはメードのみであった。

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