『80107002
快晴
快晴
今日は、地震と雷と火事に鼠の大群とそれを追う猫の大群、
おまけにビーフジャーキーの大群がいっぺんにやってきたようなそんな一日でした。
おまけにビーフジャーキーの大群がいっぺんにやってきたようなそんな一日でした。
私がいつものように部屋の戸棚を磨いていると、なにやら隣の執務室から声が聞こえてきた。
騒がしいその声の様子に興味を引かれた私は、そっと壁に耳を当ててみた。
騒がしいその声の様子に興味を引かれた私は、そっと壁に耳を当ててみた。
「うー、わんわん!」
「うー、にゃーにゃー!」
「○×△■!!」
「それいけ、敵だ、やっつけろ!!」
「………!!………!?………!!」
「謀ったな、ソーーーーウ!!」
「うー、にゃーにゃー!」
「○×△■!!」
「それいけ、敵だ、やっつけろ!!」
「………!!………!?………!!」
「謀ったな、ソーーーーウ!!」
………なんだかよく分からなかった。
まあ、この宮廷ではさほど珍しいことでもないし、別にいいや。
まあ、この宮廷ではさほど珍しいことでもないし、別にいいや。
後で先輩に聞いたら、隣の隣の国が何者かに襲われたため、
そいつと戦うために全部の藩国からお金と燃料を集めることになったのだとか。
それにしても、一日のお給料が7000わんわんほどの私には、想像することすら難しいような金額だなあ。
そいつと戦うために全部の藩国からお金と燃料を集めることになったのだとか。
それにしても、一日のお給料が7000わんわんほどの私には、想像することすら難しいような金額だなあ。
それから、一時間も経ってはいなかったと思う。
私が同じ部屋の窓を磨いていると、
私が同じ部屋の窓を磨いていると、
「ロボじゃー!!」
「うお、『近接戦闘大好き』だって、俺わんわんでよかったー!!」
「ちょ、そんなこと言ってる場合ですかー!!」
「皆さん、急ぎましょう。額が額なだけにこれは無視できない。」
「手の空いている者は全員開発にとりかかって下さい!!」
「わかりました!!僕も設計なんかやったことないけど、やってみます!!」(やや涙声)
「うお、『近接戦闘大好き』だって、俺わんわんでよかったー!!」
「ちょ、そんなこと言ってる場合ですかー!!」
「皆さん、急ぎましょう。額が額なだけにこれは無視できない。」
「手の空いている者は全員開発にとりかかって下さい!!」
「わかりました!!僕も設計なんかやったことないけど、やってみます!!」(やや涙声)
…………あれ?最後の人は確か最近新しく文族になった人ではなかったかしら?
名前は…思い出せないや。文族が兵器開発? いや、でも、記憶違いということもあるし、うん、多分記憶違いだったのでしょう。
後で友達に聞いたら、隣の隣の国を襲った何者かをやっつけるための新たな機械の開発のため、
各国から優れた設計図を募集することになったとか。
名前は…思い出せないや。文族が兵器開発? いや、でも、記憶違いということもあるし、うん、多分記憶違いだったのでしょう。
後で友達に聞いたら、隣の隣の国を襲った何者かをやっつけるための新たな機械の開発のため、
各国から優れた設計図を募集することになったとか。
その賞金がまたとんでもない金額で、まったく世の中のどこにそんな大金があるのかと、私は不思議でなりませんでした。
しかし、まだ終わりではありません。
それから20分も経っていなかったように思う。次に私が床を磨いていると、
それから20分も経っていなかったように思う。次に私が床を磨いていると、
「な、戦争の準備状況を報告しろだとー!!!」
「ええい、仕方がないっ……て、あれ?」
「どうしました藩王!?」
「これ、状況報告のほうが割がいいな…よし文族の人はこっちを優先するように!!!」
「わかりました!!!」
「了解です!!!」
「はい!!!…ふう」(安堵8割、ちょっぴり残念2割)
「あ、それと、技族の人は設計図に概要説明を付けといてね。」
(後光の差すような優しい声)
「な、なんだってー!!!」
「そりゃ、まあいるでしょうね。設計図だけポンと渡されても、そりゃ審査する人だって困惑するでしょう。」
「…分かりました。ですが、私が道半ばにして倒れた時は後をお願いします。」
「ええい、仕方がないっ……て、あれ?」
「どうしました藩王!?」
「これ、状況報告のほうが割がいいな…よし文族の人はこっちを優先するように!!!」
「わかりました!!!」
「了解です!!!」
「はい!!!…ふう」(安堵8割、ちょっぴり残念2割)
「あ、それと、技族の人は設計図に概要説明を付けといてね。」
(後光の差すような優しい声)
「な、なんだってー!!!」
「そりゃ、まあいるでしょうね。設計図だけポンと渡されても、そりゃ審査する人だって困惑するでしょう。」
「…分かりました。ですが、私が道半ばにして倒れた時は後をお願いします。」
「皆すまない、藩王たる私が他に用事を抱えていたために…。」
「いいんです、藩王は自分の為すべき事を為さって下さい。」
「そうですよ、王様は後ろでドンと構えてるぐらいで丁度いいんです。」
「…すまない、皆。」
「そうです、気楽に構えてればいいんですよ、僕なんて受験生だし。」
一同(上の一人を除く)『え!?』
「ハハハ、ヤダナア冗談デスヨ?」
一同(同じく一人を除く)『………。』
「いいんです、藩王は自分の為すべき事を為さって下さい。」
「そうですよ、王様は後ろでドンと構えてるぐらいで丁度いいんです。」
「…すまない、皆。」
「そうです、気楽に構えてればいいんですよ、僕なんて受験生だし。」
一同(上の一人を除く)『え!?』
「ハハハ、ヤダナア冗談デスヨ?」
一同(同じく一人を除く)『………。』
という具合でした。最後の方の会話は何のことかいまいち分からなかったけど、
私、なんだかこの国の将来が、 』
私、なんだかこの国の将来が、 』
以上をもって戦争準備状況についての報告とするものである。
なお、上記の報告は幣国の宮廷に仕えるメイドの一人、アリシアの日記を本人の了承を得て転載したものである。
これは、可能な限り克明な状況報告を行うことを志すがゆえの行為であり、
決して、作業の効率化を狙ったものではないことをここに誓うものである。
90107002
ビギナーズ藩国 文族 タルク
なお、上記の報告は幣国の宮廷に仕えるメイドの一人、アリシアの日記を本人の了承を得て転載したものである。
これは、可能な限り克明な状況報告を行うことを志すがゆえの行為であり、
決して、作業の効率化を狙ったものではないことをここに誓うものである。
90107002
ビギナーズ藩国 文族 タルク