<ある吏族Tの戦争>

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「燃料供出?」
 あー,イヤだ。もう本当,戦争なんてうんざりだ。
 せっかく油田も見つかって冒険しまくりー,とか思ってたのに。
 しかもなにー? 相手は猫じゃないんでしょ。だれなんよー,何? 根源種族て。
あの燃料見つけるためにどれだけ刻生さんにツッこんだと思ってるのさー。
 ある吏族Tは数日前の冒険を思い出した。ツッコミ吏族三人衆で向かった冒険なのに
司令部との通信で幾度と無くツッこんだあの美しい日。

 ある吏族Tは王国政庁中枢の直下に所属しながら民生部に自主的に
(勝手にともいう)出向して,そこで実用化まで遥かに遠い基礎研究などを(趣味で)行なっていた。
もちろん平時だからこそ許されることであり,戦争が始まったからにはそれも難しくなるだろう。
「あー,やっと麦わら溶かせたのになー。もう一歩で発酵まで進めるのに」(個人的な話題ですよ)
 民生部研究所(というより単なる実験室)でその連絡を受けたある吏族Tは渋々腰を上げて政庁に戻ることにした。
戦争準備はイヤだけど,だからといってサボタージュするほど自由人にはなれなかった。

 小走り。民生部研究所から政庁までは街を突っ切る感じ。急いでるわけではないけれど,いつもの癖でとっとこ走る。
 街はまだ平穏そのもの。まだ友邦ピンチの知らせは行き渡っていないらしい。
今のうちにパンでも買い溜めしとこうかなー。
3秒考えて却下。そんなのは職権濫用だし美しくない。
思いついてしまうくらいに小ズルく,やめてしまうくらいに小心者。
ららら小市民ー,小市民ー。
気分が落ち込む。
アンパンくらいは買っていこう。

 風鳴り,2機のRB。遠くにも何機か。
 国内発言力トップ2の呼び声高い元気娘。国王の尻だって平気で蹴っ飛ばす
(国王は何故かすごくうれしそうに蹴っ飛ばされる)2人のパイロット。国の灯火。
『兄弟を助けろ!』『それいけ敵だやっつけろ!』
 いい紙にインク。雪に濡れても滲まない。空に舞う景気のいいビラ。
あ,今日はいい天気の日だったんだ。落ちたビラ誰が回収するんだろう。
やっぱ自分かなー。町内会にわたりつけて街区ごとに2人くらい貸してもらおう…,
12時方面は,えーっと誰に任せたらいいかなぁ…。

「わんわんわおーん!」「兄弟を助けろ!」
 うわっ,びっくりした。
 街の人。ビラを見て事情を察した人々。この国の人は頭が良くて人もいい。
『兄弟を助けろ』『それいけ敵だやっつけろ』
 自分だってこの国の一人だ。
 戦争がイヤならば,終わらせればいい。きっと何かが出来るだろう。

 帰ってきたら代表会議が終わってる。残ってるのは12人の代表者のうちたったの3人だ。
藩王はいない,勉強してるはず。来てたとしても誰かが首根っこつかんで追い出してるはず。
 戦争準備は山盛りだ。
「って感じで割り当て決まったからね。キミはどうする?」
「え,えーと,じゃあ報告書の方を…(時間があれば…)」
「ん,じゃあOK。今日は解散だ」
 え,マジですかー。

(えーっと,ほぼノンフィクションぽい各種レポートを見るになんか大変そうだったようで。会議いなくてすんませんー)

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