食料倉庫

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食糧倉庫


       ↑クリックで拡大。                         作:yuzukiさん&SOUさん

L:食糧倉庫={
t:名称=食糧倉庫(施設)
t:要点=食糧倉庫
t:周辺環境=備蓄されている食糧,ネズミ捕りのなにか
t:評価=なし
t:特殊={
*食糧倉庫の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
*毎ターン食料+15万tされる。

→次のアイドレス:・食品加工工場(施設)・陸軍兵站システム(技術)・豊饒の大地(施設)


設定文章

王国の農業環境の変化と今後の展望 ~大規模食糧倉庫の建設と流通体制の変化~

1.現状
1.1.農業大国としての王国
 ビギナーズ王国は国土の多くを農地が占める農業生産国である。初夏と秋には黄金色の海が視界を覆うほどの小麦の生産を誇る。冬季に入ると、黄金色の海は一面の銀世界に置き換えられる。寂寞とした白銀の世界の裏では、多くの杜氏が収穫された麦や米から酒造りに励む。
 小麦の生産を主として、牧畜、野菜、果樹など幅広く食糧品を生産してきた王国であった。近年相次ぐ戦争に憂慮して、更なる食糧の増産を進め、わんわん帝國の食料庫としての地位を確固たるものとしようとしている。その一環として、大規模な食糧倉庫の建造に着手した。

1.2.戦争による食糧増産の必要性
 相次ぐ戦争への出兵はわんわん帝國各国の支出を増大させていた。I=Dの利用により燃料や資源の消費が注目されているが、恒常的に消費され続ける食糧の存在は大きかった。
 一部の藩国では出兵が不可能となるほどの食糧備蓄の低下、という事態を迎えるに至っていた。潤沢な食糧備蓄を抱える藩国であっても、情勢が不安定であるがために中央市場に食糧が流通せず、食料価格の上昇という結果を招いている。こうした影響を一番に受けたのは一般市民である。中央市場における食料価格の上昇を受け、各地の市場においても食料価格は上昇し、一般市民の食糧不足といった社会問題を発生した。


1.3.趣向の多様化による取り扱い品目の増加
  • ちびちびビール騒動
 趣向の多様化を象徴する事件が「ちびちびビール騒動」である。有能な吏族として知れ渡り、またジャズマンとしても隠れた人気を集めるamurが吏族仲間であるtactyとバー交わした会話で、ちびちび飲めるビールを勧めた。
 「ちびちびビール」とは国内で最も流通している上面発酵ビールのことを指す。この種類のビールは多種多様ではあるが、下面発酵に比較すると、総じて味わい深く、濃厚で、香り高いのが特徴である。下面発酵のビールがぐびぐびっ、ぷはぁ~、と、勢いよく飲むことが多いのに比較して、上面発酵のビールはちびちびと飲んでも美味しく飲めるため、「ちびちびビール」と通称されるようになったと考えられる。
 amur、tactyの談話はそれまで主流派だった上面発酵ビールのシェアをさらに拡大させる結果を生み、結果として農業大国でありながらビールを不足に陥るという大混乱を巻き起こした。
 思わぬ騒動に対応を迫られ、藩王たくまは自ら下面発酵ビールの宣伝を主張。自らマスコミの前で下面発酵ビールを飲むアピールをしようとしたが、「未成年だから」と周囲に取り押さえられ、結果摂政が代行することとなった。

 ちびちびビール騒動は食糧を豊富に有するビギナーズ王国だからこそ発生する事件であった。舌の肥えた市民の食へのこだわりは高まっており、こうした食に対する趣向の多様化に対応する必要が迫られたのだった。
 幸いにして市民の中に食糧生産従事者の多いために、食品に対するモラルの低下といった問題は避けられていたものの、今度同様な騒動が頻発する可能性が考慮され、大規模な流通網の整備が強く意識された。

ビギナーズ王国中部のナナオ村。ここはビギナーズ王国有数のビール山地である。
4月の今現在のナナオ村では、20cmほどに成長した小さな青々とした麦が広がっている。ナナオの大地はミネラルを多く含み、水はけもよいために大麦の生産に向いた土地である。ナナオ村の農家はこの大地にさらに石灰窒素などを加えて土壌改良を加え、よりよい麦作りに勤めている。

ナナオ村のビール工房では付近の農家で生産された大麦からビールが生産されている。
サイロに貯蔵された大麦は製造に適したのみの大麦に選別されている。収穫直後の大麦は麦芽製造に適していないため、貯蔵し、麦芽になる時期を待たなくてはならない。
こうして、準備の整った麦をさらに選別し、水につけて発芽させる。この際、水を交換し、麦の汚れなどを落としつつ、麦に水を吸収させる。麦の酵素がでんぷんやタンパク質を分解させて、おいしいビールの元となる麦芽になる。
乾燥させた麦芽を砕き、湯で熱し、さらに酵素を加えて熱することで、麦汁を作る。この麦汁を濾過し、煮沸。さらにホップを加える。

ホップの生産には王国の冷涼な気候が適しており、ナナオ村でも栽培されている。麦畑の外れに棚が設置されており、今頃はちょうど根株から芽が出ている頃だ。
このホップを加えることによりビール特有の苦みと香りが生まれる。

煮沸を終えた麦汁は冷却され、酵母が活動しやすい温度で加えられる。この時の温度は常温。発酵を1週間、さらに2週間熟成させてビールの完成である。

こうして出来たビールをボトリングして、出荷される。
上面発酵で無濾過のビールは賞味期限が短い。地域の中規模倉庫を経由して、納品量を調整して大規模倉庫へ出荷。ただちに取引が行われ、首都や諸藩国に出荷される。


2.今後の食糧政策と食糧倉庫
2.1.食糧倉庫の現状
 これまでも大量の食糧を生産してきたビギナーズ王国に食糧倉庫がなかったわけではない。各農地における協同組合によって設立された中規模倉庫や各農家がそれぞれ備えているサイロや倉庫である。こうした各地に点在している倉庫間の食糧をトラックが頻繁に行き来することにより国内の、さらには帝國全体の食糧需要を満たしてきた。

2.2.農作物の価格調整
 食糧の増産に伴い予見される農産物の価格下落への対策が必要である。これまでは二期作や定期的な麦畑の転用によって、麦の生産は調整が行われてきた。しかし、今後の食糧増産の見積もりを行ったところ、これまでと比較してより積極的な流通調整が必要だ、との結論が得られた。

2.3.国内の食糧備蓄量の把握
 国家規模が拡大するにつれて王国における資産の収支の変動は小刻みに変化するようになった。こうした収支変動の把握の必要性が再認識されたのが、先の組閣後に行われた大吏族チェックであった。この際に国庫の収支変動の把握に追い回された藩王たくまは、今後の収支把握の簡略化を図った。

2.4.流通体制の強化
 食糧増産に伴い、先に述べた「ちびちびビール騒動」に見られる趣向の多様化の他、今後の戦争の行く末など、食糧の流通体制の強化は王国の急務となっている。
 これに対応するためには、各農地における中規模倉庫の機能拡充を図ると同時に、大規模な流通基地を整備することが必要である。これにより、流通規模に応じた食糧流通が可能となる。

2.5.戦災時備蓄食糧の確保
 相次ぐ戦争による各地の市場の混乱、さらには社会への影響を憂慮して、一般市民の使用に限った備蓄食糧の確保することが藩王による決定された。この備蓄食糧は災害などへの利用も目的としており、平時、戦時を問わず指定の備蓄量を確保すること、一般市民への使用に限られることが定められた戦災時備蓄食糧法が藩王自らにより定められた。 同法に基づく食糧の備蓄は、非常時における輸送の困難を配慮して各地の中規模倉庫に分散備蓄された。これらの備蓄の不足分の補填と、対外的な一時支援分を確保として大規模倉庫が位置づけられた。

2.6.食糧倉庫の建造
 以上をふまえて、これまでの食糧倉庫の体勢と流通体制では今後の食糧政策に対応しかねる、と判断された。その対策として食糧倉庫が建造された。


3.食糧倉庫の概要
3.1.食糧倉庫の位置づけと機能
 2章で述べたように、食糧倉庫に求められているのは国内の食糧備蓄のみならず食糧流通基地としての側面も求められている。
 食糧備蓄機能としては、流通在庫としての一時備蓄機能と、戦災時備蓄食糧や軍事用の備蓄食糧などの長期備蓄機能に分けられる。一時備蓄に関しては、農家や商社と言った企業にスペースが貸し与えられた。
 流通基地機能としては、大規模市場が整備されるとともに、各地の中規模倉庫の情報集積や、諸外国の食糧事情の把握が行われた。

3.2.食糧倉庫の立地・構造
3.2.1.食糧倉庫の立地
 食糧倉庫は国際的な流通を視野に入れて首都の南部高山地帯の麓に建造された。立地に関しては主要の農産地に隣接した王国中央部が相応しい、という意見もあった。しかし、国内食糧流通において大規模市場が中・小規模の市場を圧迫することが懸念されたために現在の立地が最善という判断がなされた。
 施設周辺は針葉樹林帯に囲まれており、これらが防風林の役目を果たしている。防風林の存在により、体感温度が必要以上に下げられることが防がれ、冬季においても比較的活動しやすい衣類の着用が可能となっている。また、荒天下であっても最低限の施設の運用が可能となっている。

3.2.2.食糧倉庫の構造
 構造は地上部と地下部からなる。王国の積雪量は多く、食糧倉庫の立地環境も例外ではないため、地上部より地下部が広く取られている。積雪対策として通常の倉庫よりも加重に耐えられるよう、内壁、柱、天上が強化されている。結果として災害や有事の際の倉庫の安全性も向上し、施設としての信頼性は高い。
 地上部一階は天上が高く大空間が確保され大規模市場と一時備蓄用の倉庫に用いられる。トラックの直接乗り入れも可能となっている。
 地上部二階、三階は小規模市場と食糧情報センターが設置されている。また、その他施設としては、食糧倉庫運営部や見学センターなどが備えられている。
 地下部は長期備蓄用の倉庫として確保されているが、一部は一時備蓄用の倉庫としても開放されている。


4.食糧倉庫の運用
4.1.食糧倉庫の運営
 食糧倉庫の運営は第三セクターの運営機関によって行われる。運営資金は市場手数料や一時備蓄用倉庫のリース料、王国からの備蓄用倉庫の利用料などによってまかなわれる。
 各地で生産された食糧や諸外国から輸送されてきた食糧は首都外環道をはじめとする主要幹線道路を経由して行われる。昼夜を問わず運び込まれる食糧に対応して、倉庫は24時間活動を続けている。

4.2.取り扱い品目
4.2.1.麦、米
 取り扱う食糧のうち最も量が豊富なものは、何と言っても小麦である。王国のみならずわんわん帝國の主食となっているため国家の備蓄食糧の主要品目であることはもちろん、さまざまな加工食品用の小麦まで含めると多種多様の、そして大量の小麦が貯蔵されている。
 主食として人気の高まっている米も重要な取り扱い品目の一つだ。近年、地下稲作プラントでの生産が活発化しているが、生産量豊富な東国人の国、特に隣国である越前藩国からの流入は多い。

4.2.2.肉、魚介類
 これまでの中・小規模倉庫と比較して大規模保冷庫を完備した食糧倉庫の登場により、肉の流通はますます活発になった。肉類は主に王国産の牛肉、豚肉などが主流である。近年では詩歌藩国のカリブー肉なども持ち込まれるようになり、食の多様化に貢献している。
 魚介類に関しては、たけきの藩国、FVBなどからの輸入品が多く取り扱われている。王国周辺の海域も漁場としては恵まれているそうだが、牧畜が栄えている王国では漁業は発展しておらず、これまでは食生活にも密着した存在ではなかった。今後、輸入による魚介類の人気が高まれば王国の漁業の活発化も見込まれるかもしれない。

4.2.3.野菜類
 食糧倉庫の恩恵を最も受けた品目が野菜類であるといえよう。これまで近郊農業による寒冷地向きの野菜の取引が主であったため、旬を過ぎるとこれらの価格は高騰し、生鮮野菜が手に入りにくかった。
 大規模食糧倉庫の登場により、各地の名産品が安定量流入、あるいはある程度の保存が可能となり、一年を通じて様々な野菜が食卓に並ぶようになった。たけきの藩国のきのこ、詩歌藩国のにんじん、奇眼藩国のリンゴ、FVBの食用花、さらには神聖巫連盟の変わった野菜などが挙げられる。

4.2.4.酒類
 美酒の国だけあって、酒類の取り扱いはその他の加工品と比べても多い。近年爆発的なブームにより生産量が増大したビールを始め、米酒、ウォッカ、ウィスキー、アクアビットなどが取り扱われている。これらは諸外国にも輸出され、帝國の酒蔵とも言える存在となっている。
 輸入品としては、隣国の越前藩国の焼酎やワイン、GoMの米酒などが挙げられる。

4.2.5.その他
 その他の品目として特筆すべきはえ~藩国の菓子類である。菓子類はフルーツを使ったものは国内でも活発に生産されているが、過日の同時多発爆発の折にタルクがお土産として持ち帰った福翠の卵を使ったエッグタルトは王国の女性陣から人気を博し、取扱量が増大している一品だ。
 その他、FVB産の薬草や、詩歌藩国のハーブなども取り扱われている。

4.3.食糧の管理
 王国内の生産食糧に限ってみても取り扱いの食糧は多種多様に及ぶ。そのために一時備蓄用倉庫、長期備蓄用倉庫は共に、温度・湿度調整機能が完備されている。北方の寒冷地に位置するビギナーズ王国において食糧を低温で保存することは比較的容易な環境にある。更に、地下倉庫は通年で安定した気温・湿度を維持しやすくなっている。こうした環境を活かすことで温度・湿度調整コストが抑えられている。

4.4.食糧の防衛
 広大な食糧倉庫を管理する手段として新に開発されたのが対ネズミ決戦兵器である。わんわん帝國参謀にも出仕しているS×Hにより考案・開発された決戦兵器は食糧を狙うネズミの撃退と施設内のパトロールを目的としている。
 決戦兵器は自律防衛機能を有しており、施設内の各所を24時間監視している。ネズミを発見した場合には上部のセンサーから中央情報センターを介して各決戦兵器に情報が伝達され、目標を包囲・駆逐する。こうした自律防衛機構について、S×H氏はいずれ帝國全体の対空防衛網への転用を行いたいと意気込んでいる。
 ネズミとの戦闘時には主要兵装であるレーザー光線が上部のレーザー発射口から射出される。レーザー光線は現状では出力不足が指摘され実戦兵装への応用が難航している兵器であるが、対ネズミレベルであれば十分可能な実験データが得られている。
 狭い場所へ逃げ込んだネズミに対しては背中のファスナーが下ろされることで、小型決戦兵器(黒色塗装)が出撃する。火力などで本体ロボットには及ばないものの、ネズミの追い出しなど支援的な運用が期待される。
 決戦兵器のカラーリングは白と黒のツートンカラーであり、倉庫内部での作業員の目につきやすいように設計されている。また、撃退したネズミは掃除用ロボに位置データが送信され処理される。
 なお、パンダ型と言われるようなデザインとなった理由についてS×H氏は「軍事機密のため公表できません」と沈黙を守っている。

4.5.食糧倉庫の防衛
 食糧倉庫は帝國全体の市民生活の基盤施設である上、軍事的な要所となるため、通常の警備に加えて軍による警戒も行われいる。
 不信人物の侵入や襲撃の際には、倉庫各所のセンサー及びに対ネズミ決戦兵器、警備兵による早期発見と通報が期待される。対ネズミ決戦兵器は警告の後に威嚇攻撃までが許可されている。決戦兵器の対人防衛機能に関しては、摂政が視察時にこっそりワインを持ち出そうとして決戦兵器に追い回される、という珍事が起こっており、その性能が証明された。
 倉庫からの通報の際には、通報レベルに応じて治安警察、軍隊が派遣される。軍隊の指揮権は治安警察のそれを優越し、通常の出動においても軍隊から人員が派遣されることになっている。


5.考察
5.1.王国内産業への影響
 食糧倉庫の流通拠点としての活用は、王国国内の食の多様性に貢献する一方で、これまでほぼ100%を維持してきた食糧自給率を下げる結果となっている。また、現在は大きな問題となってはいないが、今後の農産業の発展の阻害になるのではないか?という疑問の声も上がっている。
 この点は前向きに考え、今後の王国の食糧生産の発展に活かしていきたい。食糧自給率の低下は主として王国内での生産が困難な食品や、生産体制が十分に整っていない食品に限られている。こうした品目の生産は低い流通コストで他国の生産品に対抗できると考えられる。また、これまで馴染みの薄かった食品も国内での認知度が高まるため、自国生産を高める気運のきっかけともなる。もちろん、生産環境の保証のために、王国がこうした品目の生産者への補償を検討する必要もあるだろう。

5.2.中小食糧倉庫や流通環境の維持
 大規模食糧倉庫の登場、流通システムの変化により、これまで王国で培われていた地域内流通体制が破壊されては意味がない。国内生産品が優勢を誇っている現状においては地域内流通は依然として活発である。流通コスト面などから市場原理が働いた結果であり、流通情報網の整備が混乱を防ぐことに一役買っているようである。
 今後とも王国側も流通状況を把握することにより、国内の食糧自給状況、流通状況を把握し、必要とあれば食糧生産を保護する政策をとる必要性も考慮しておく必要があるだろう。

5.3.食糧生産と王国内産業の今後
 産業に対する藩王たくまの姿勢を表す談話がある。戦場においてI=Dが隆盛を誇っている情勢からある臣下が工場建設を進言したところ、藩王はこう言い放ったという。
「工場が乱立すれば、土地は汚れ、水は淀む。農業でさえも陛下から下賜された土地を荒らしてしまうのだ。帝國全ての藩国が工場を建設すればどうなるだろう?帝國臣民が安心して食べられる食糧が無くなってしまうではないか。私は藩国を、そして帝國を滅ぼす訳にはいかないのだよ。」
 談話の真偽のほどは定かではない。しかし、軍の工廠を除けば積極的に工場建設を行わない王国の施政を考慮すると、今後も王国内産業は農産業、畜産業が主となるのではないだろうか。


             ~ビギナーズ王国農産部職員の報告書より~
                                                                    作:ピストンさん



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