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予約イベント「土方歳三、月下に死す」

マスターシーンです。
登場判定の目標値は10。

 ※ “月”の計都暗殺に失敗した味方NPC[土方歳三]が倒されます。
  PC達が介入しない場合、このままの結末となります。


 ――うなじの骨がシン、と軋む。
 この震えは外気の寒さか。それとも武者震いだろうか。
自身でも判別できぬそれを放置しつつ、わたしは悠然と歩を進めていた。

 如月城への“届けもの”を終えた帰り。人の気配の絶えた街道。
ふと夜空の三日月が雲に隠れ‥‥ 暗い闇が、昏い闇へとすり替わる――
“月”の計都:「‥‥イヤな風ね」 腰まで届く、豊かな栗色の髪を押さえて。

 暗く、光の届かない深海めいた夜の街道は、静寂に満ちている。
まるでこの世界全体が、決して覚めない永劫の眠りについたかのようだ。

 そして‥‥ その静寂の闇の中から。一人の男が現れた。
太刀[和泉守兼定]と小太刀[堀川国広]を腰に吊った流浪の剣士。
土方歳三:「 三日月の 水の底照る 春の雨 」
土方歳三:「――逃しはせぬぞ。女」

 待ち伏せ男の鋭い眼光に、思わず戸惑ってしまったでチュ。
わたしの正体を知る者が、この世界に居るとは思えない‥‥
(“火”の戯言が脳裏を過ぎったが2秒で打ち消した)

土方歳三:「鳥居爆龍丸を唆し、この如月国を乱す」
土方歳三:「謀反騒動の裏で、暗躍している者たちがいる」
土方歳三:「その軍勢は、近隣国への侵略準備を整えつつある」
土方歳三:「‥‥その名は“徹甲龍”」

 ゆっくりと微笑む。
 この世界の政治中枢(トクガワバクフ‥‥?)のエージェントか。
鳥居が単なる「囮」だと見抜かれた以上、この男が「侵略計画」の
障害となる可能性は高い。確実に仕留めるべきでチュね。
 こんな荒事は“八卦将”に任せてしまいたいけれど‥‥仕方ない。

“月”の計都:「‥‥そうね。50点あげるわ」 フフフ。
“月”の計都:「何点満点かは教えてあげないけれど」
土方歳三:「零点ではない。ならば、あとは貴様を倒せば判ることだ」
土方歳三:「素直に吐けばよし。さもなくば‥‥」
土方歳三:「たとえ女子供であろうとも容赦はせぬ」

 男は腰を低く落して身構える。いつでも武器を準備できる姿勢だ。
――以前、“雷”の牙王が似た仕草を‥‥“居愛”だったかしら?

土方歳三:「試衛館、天然理心流。新撰組副長。――土方歳三」
土方歳三:いつの間にか。相対距離10mまで近づいている。

 ‥‥名乗られてしまったでチュ。こちらも名乗り返した方がいいのかな‥‥?

“月”の計都:「“徹甲龍”所属。総帥“全羅帝”側近3人衆の一人」
“月”の計都:「財務処理と物資流通の束。後方司令部の第2位」
“月”の計都:「そして移動基地“黒船”艦長兼任よ。――“月”の計都」
土方歳三:「‥‥その肩書きが真なら、相手に不足はない!」
土方歳三:「覚悟っ!!」

 **  **  **

 一瞬で勝負は決まった。
土方の片手平突きに身体を貫かれ、悲鳴を上げる暇すらなく。
‥‥簡単に“月”の計都は戦闘不能となった。

土方歳三:「‥‥エキストラ」と驚いて。「まさか、偽物‥‥?」
???:『否定(Negative)。その女は確かに我の“使い手”である』
???:『契約者意識不明につき緊急脱出モードに移行。システム再起動』
???:『第3種拘束を限定解除――承認』
???:『強制覚醒実行――シュート』 《起死回生》を計都に使用。
“月”の計都:がくがくがくっ 身体が震える。
土方歳三:「なん‥‥だと‥‥?!」

 あ痛タタタ‥‥ ああ、どうやら久しぶりに死んだらしい。
強いでチュね、こいつ。ここまで強烈なのは‥‥マキナのあれ以来、かな。
あのときは本当に塵一つ残さず‥‥しかもあの後、マキナったら酷かった‥‥

 ‥‥現実逃避は後回しでチュね。蘇生のショックで記憶が混乱してたみたい。
手持ちの《起死回生》は残り2発だけ。手加減できる相手じゃなさそうでチュ。

“月”の計都:「‥‥強いのね。ヒジカタトシゾー」
“月”の計都:「その実力を認めて、一つだけ教えてあげるわ」
“月”の計都:「わたしが“月”の称号を持つ理由をね」

 手を振り上げる。
 《気象操作》で天空の雨雲を追い散らす。
降り注ぐ月光に、夜が切り開かれていく――

土方歳三:「馬鹿なッ!?」
土方歳三:「三日月が‥‥満月に?!」

 ふふ。驚いてるわね。まぁ無理もないでチュけれど。
ただ今まで時空鞘に隠していた「契約武器」を出現させただけでチュ。
この“アプリリス”‥‥「開く月」の異名を持つ武器を、ね。

 わたしの頭上、38万km離れた衛星軌道上に浮かぶ巨大な天体。
全羅帝より授かりし「種別:武器/ヴィークル」。「部位:その他」装備。
その外見は‥‥今、ヒジカタトシゾーの瞳に映る‥‥“満月”そのもの。

“月”の計都:「そう。わたしは常に“満月”と共にあるの」
“月”の計都:「そして‥‥ わたしだけが使えるワザが‥‥これよっ!」

 隠密させていた子機を1つ使い捨て《エネルギーチャージ》を行う。
そして‥‥《巨大化》した“アプリリス”の《全体攻撃》+《自爆》攻撃!!
喰らいなさいでチュ、防具無視654点の実ダメージッ!!!

 **  **  **

 すさまじい地響きが如月国全体を揺らす。
夜空を切り裂くような、白光の爆発が‥‥地上で生じたのだ。

 巨大なクレーターの中央に、わたしが立っている。わたしだけが。

“月”の計都:「‥‥ちょっとやり過ぎたかしら?」 《起死回生》を己の武器に。
アプリリス:『D'ont worry』 時空鞘に納まった状態で復活。
“月”の計都:「さようなら。ヒジカタトシゾー」 ひらひら。
“月”の計都:「願わくば、もう貴方みたいなのは御免だけれど‥‥」

 わたしがエキストラではなく、正式なエネミーとなるのはクライマックスのみ。
土方並みの実力者が暗殺を企んだなら、《起死回生》を更に削られる危険もある‥‥
ここは一刻も早く“黒船”に帰還した方がいいでチュね。
そして、月の光に見守られつつ。わたしはシーンから退場した。

 後に残されたのは、墓標代わりの土方の愛刀2本だけ――

シーンEND

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