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ゲーマー


L:ゲーマー = {
 t:名称 = ゲーマー(職業4)
 t:要点 = 手から火,跳躍中,帽子
 t:周辺環境 = ゲームセンター
 t:評価 = 体格1,筋力1,耐久力1,外見0,敏捷2,器用5,感覚2,知識4,幸運0
 t:特殊 = {
  *ゲーマーの職業4カテゴリ = 職業4アイドレスとして扱う。
  *ゲーマーはAR7以下のとき全評価を評価+2される。
  *ゲーマーはそのゲーム内の同じ行為を行う場合、その行為は評価+2される。
 }
 t:→次のアイドレス = ハイゲーマー(職業),風野(ACE),高位精霊使い(職業),精霊戦士(職業)



土場システム開発部付属品質管理チーム
通称アルミクラブ。
これは、彼らアルミチームのゲームとの戦いを綴った物語である。

カツン、カツンと廊下をあるく音がやけに響く。やたら新作のジュースが多い自動販売機と
ちょっとしたおやつ置き場がある程度。
ビルの中の奥まった位置にあり、開発者とチェッカー以外はほとんど
訪れる人もないこの隔離区域がゲーマーたちの集いの場であった。

もちろん当然ながら仕事である。

中途半端なゲーセン用筐体が廊下を塞ぎ、数名がそれを囲んで頭を抱えている。
エージング中の画面の明かりが室内を照らしている。
そんな風景が自然と同居し、しかも違和感のない世界。
それがアルミクラブ、ゲーマーたちの最後の楽園であり地獄であり、戦場であった。
ここでは太陽の光とお友達な子はあまりいない。

なぜかと問われて、いろいろ思うことはみんなあるのだが、
そのうち考えるのをやめた。

手元のバグチェックシートたちを
つぎづぎに撃破して、済チェックをおえていくもの。
永遠に壁にぶつかりつづけるもの、まだα版のロムを片手に
ゲームの世界のバランスを保つべく戦場に投入していくものと
さまざまである。

「感じる、感じるぞ。この高まり。俺の中のクソゲー耐性が上昇していくッ」
「見える!弾幕の隙間が私にも見えるぞー」
「俺は残業をやめるぞ、リィダァー!!」
 ヒャッハーと跳躍しながら例の独特のポーズを決めるという
半ば人間をやめてしまった人々の集いである。
基本的にどこかの世界に偏った発言が多いのは容赦してもらいたい。
この業界共通の理想郷はああいう世界なのだ。

このように黙って座ればぴたりとバグる、といわれるゲーマーむしろ
バグチェッカーの神たちはみんなあの世界の住人だ。
そんな噂さえあるという。

「まあ明日からはボク有休もらうんですけどね」

 プレイ中の画面から一瞬目をそらしてわんこ先輩こと
犬ゲーマーが呟いた。
 期待の新作ゲームが出るとゲーム休暇と称して有給とるのがいるのも
ゲーマーの常である。
 彼らにとってゲームは戦場であった。新しいゲームは転戦であった。
 日常の世界から別世界への転戦、そして世界を救いかえってくる。
世界を救うためのデータを拾い上げ、開発者に渡すという英雄の介添え人でもある。
彼らは実に恵まれた職業であった・・・給料安いけど。
「ご武運を」
「おう、帰りにフラゲして帰るわ」
ビシッと敬礼をする2人の横で、時計の針は定時になろうとしていた。

「あ、定時終わったら一戦やる?」
「いいねー」
 定時を終えていくところは居酒屋ではなく【ゲームセンター】。
一杯ではなく一戦やっていくあたり、どうにも業が深い連中であった。
もちろん、どこまでもゲーマーである。

/*/

ゲームセンター。
藩国にあるのは大きなアミューズメント型と、駄菓子屋の横にあるような
小さなゲームコーナーの2種類だが、ゲーマーたちは最新の機種が集う
大型アミューズメント店がメインである。

何軒が密集しているが、ゲーマーが普段いくのは基本いつも同じ店である。
俺は、どこのゲーセンでトップだった、などスコアを競う彼ら。
自然とそのなかで仲間ができ、リーダーが現れ、ゲームごとに派閥ができていく。
恐ろしいことにチーム対抗戦など全国規模で遠征に出たりすることもある。
とある人は「俺は強くなるために会社を辞めてきた」と高らかにニート宣言するものもいたり、

そうゲーセンはそれぞれが1つの道場のようなもので、別のゲームセンターに行くことは
ある意味道場破りであった。
「たのもー!」

別のテリトリーからゲーマーが現れることは、すなわちバトルの開始の合図である。
学生服を着た大柄な男が帽子を直しながら出迎える。
「・・よくきたな」
赤い帽子をなびかせてひらりを現われる男。
この男がこのゲーセンの支配者である。
「このあいだはよくも俺の舎弟をやってくれたな!」
虚勢を張るように、乱入者が声を荒げる。
念のためにいっておくが、口調は激しいが、
なんだかんだいうが勝負はゲームで行われることは忘れないで欲しい。

男は肩をすくめると、不適な笑みを浮かべてこういった。
「…この俺は…いわゆるニートのレッテルをはられている…
対戦の相手を必要以上にブチのめし、いまだ練習ステージから出てこれねえヤツもいる…
イバルだけで能なしなんで、気合を入れてやったゲーマーはもう2度とこのゲーセンへ来ねえ
料金以下のクソゲーを出すメーカーには、代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ」
どうでもいいがニートであることを威張るな。あとどっかで聞いたことあるぞ、このフレーズ。それと金は払え。
「だが、こんなおれにも、はき気のする「悪」はわかる!!
「悪」とは、てめーの自信のためだけに初心者をふみつけるやつのことだ!!」
「いいだろう。俺もあいつのやり口には確かに腹にすえかねるところがあった。
初心者をクイモノにして点数を稼ぐのは確かに外道だ。それは認めよう。
だが、一人のゲーマーとしてあいつはよわいヤツではなかった。
だから、俺はお前に勝負を申し込むッ。俺とお前どちらが強いか勝負だ」
「いいだろう、かかってこい」
リアルファイトはしないのがゲーマーの流儀でありプライドだ。真剣なゲームの世界では
それぐらい自分を律さなければ、トップには立てない。

目に炎を宿した男がレバーを握る。燃え上がる炎。1フレーム(1/60秒)を争う彼らの戦いの
火蓋は切って落とされた。

ここから先はゲーム道の戦いである。茶道、剣道というように何事にも道がある。
礼に始まり礼に終わる、その道。

ゲーム道


人はその頂点を極め戦う戦士。

「魂をかけよう!」
「グッド!」

どうでもいいがお前ら、大げさである。掛け声とともにヒラリと飛び上がり、
跳躍中の姿でコンソールに向かう。相手の先読みをし続ける激しい戦いは
手を高速で動かし、手から火がでるという表現が大げさではないほど白熱している。
このような戦いはゲーセン内では時々起こることで、即座に戦いの模様が
ゲーセン内部のモニターに表示され、一般客の注目を集めていた。
「オラオラオラオラ!!!」
「無駄無駄無駄ァアアアアア」
すでにパフォーマンスの域に到達しているような気がするが、彼らのゲーム道を究める戦いは
続いていく。


「ところでこのスキルって、役に立つのかなぁ・・・」

誰かがそう呟いたが、それは風にさらわれて白熱した戦いをしている二人に
届くことはなかった。

<<歴史的補講>>

ゲーマーたちの戦いは、長く続いた。
ゲームで頂点に立ちたい。そう願い下克上を挑むものが耐えなかったのである。
その中で、やがて彼らは気がつくことになる。己を高め続ける行動は自分を律すること。
目の前のゲームに神経を研ぎ澄まし、行動することである。
観客の前で見せるという行為は不正行為を嫌うためであった。

ルールを決め、ルールに従って戦う。
不正は即座に失格となり、戦う権利すら奪われることになる。
ゲームにおいて正しいモラルを得るというのもおかしな話であるが、
上級ゲーマーたちが率先して示すことで、ゲーマーたちに共通認識として
不正を正していくことにんらう。
大事なのはゲームを愛する心、愛するものの前で悪いことはできない。
彼らが思うのはただそれだけである。

ゲーム産業で目指したところとは若干地点が違う気がするが
国民のモラルがあがれば後はどうでもいい藩王が何もいうことはないのである。