Ideas and Opinions > 学校で

2013.09.16
学会のサマースクールに参加し、学生さん達と話し込んだ。
このご時勢もあり、それぞれに迷いや悩みを抱えながら研究しているようだ。
自分の経験から2つのことを伝えた。
1) 今後どんな人生を歩むとしても、研究の経験は役に立つと思う
いまの研究を楽しめている人はそれでよいが、
研究をやってみたらあまり面白さを感じられなかったとか、
自分には向いてないのかもと思ったり、
就職は研究者以外の道に進もうかと考えている学生さんも少なからずいるようだ。
でも、卒業したら別の分野に進む人にとっても研究生活は貴重な経験だと思う。
研究というのは、世の中の誰も手がけていない、
先生ですら答えを知らないことにチャレンジし、
ほとんどの場合思い通りいかず、そうして精神的にへこんだところから立ち上がり、
違ったアプローチを必死に考え、またチャレンジし、
失敗や成功を繰り返しながら自分なりの感覚をつかみかけたところで先生にダメ出しをされ、
また考えなおすということの繰り返しだ。
このような体験は、他分野の仕事にも、生き方にも、生かせるのではないかと思う。
大学の研究室はこのような試行錯誤ができる貴重な場だ。
だから研究が好きになれなかったり金融やマスコミ等に就職を決めたとしても、
卒業するまでは研究を投げ出さずに取り組んでほしい。
2) 負ける経験も大事だけど勝つ経験も大事
成長には負けを糧にする成長と勝ちをはずみにする成長がある。
前者は研究で嫌というほど体験できるので、
後者の体験ができる分野を研究以外で一つ見つけてほしい。
サッカーとか趣味でも何でもいい。
自分が努力して、それが相応の結果に結びつく経験をしておくことは、
将来挫折から立ち直る力になる。
もし思いつかないなら、正しい努力をすれば誰でも相応の結果に結びつくと
自分の経験から言えるものを2つ紹介する。
一つは語学(英語)。
日本語が話せる日本人にとって英語ができるかどうかに頭の善し悪しは関係ない。
帰国子女や同時通訳のレベルまでは難しくても、
仕事などでコミュニケーションをとるレベルには、
正しい努力をすれば誰でも到達できると思う。
自分は高校時代英語のテストで赤点を取ったことがある。
そこから一念発起して、
大学受験の頃には得意科目と言えるレベルまでたどりついた。
その後も時折ではあるが勉強を重ね、
TOEIC975点とそれなりの自信を持てるレベルになった。
スコアを自慢したいのではない。
正しい努力を重ねれば、誰でも到達できるレベルだと、自分の経験を通して言える。
そして自分にとっては、赤点から900点まで自分が進歩したという事実が大事なのだ。
もう一つはウェイトトレーニング。
体育会の方なら感覚をわかっていただけると思うが、
ベンチプレスで自分の体重を上げられるというのは「
身体がフィットしている」ひとつの目安といえる。
自分も一時期これを目指した時があって、
最初は50kgも上げられなかったと思うが、
少しずつ回数や重さを上げていって、
自分の体重を上げることができるようになった。
このような経験をひとつでもしておくと、
仕事やプライベートでへこんだ時でも、
「とりあえずトレーニング日なのでジムではがんばろう」とか、
過去に勉強した語学教材を見返して最初は全く理解できなかったけど
今じゃ楽勝でわかるといったところから、立ち直るきっかけをつかむことができる。
ぜひ研究以外に一つ、努力を結果に結びつけて心の支えにできるような分野を
見つけて学生時代から取り組んでほしい。
 以上、学生さんたちはどう受け取ってくれただろうか。
少なくとも何人かの学生が声をかけてきてくれたので、
空振りではなかったと思う。

2013.08.09
数ヶ月前、都内の高校で東日本大震災についてお話をさせていただく機会があった。東北地方にはたまに科学教室で訪れる程度の分際で恐縮ではあったが、報道を通してしか状況を知らない高校生たちに少しでも生の声を伝えられればと思った。しかしながら生徒さんの反応はあまり感じられず、質問もほとんどなかった。少々伝わりにくい内容だったかなと反省していたところに、びっしりと書き込まれた感想文が届いた。「とても感動した。泣きそうになってしまった。」 「私も鳥肌が立ち、涙が出そうになりました。」 「どんな形でもいいから、被災地の方と話をしてみたい。」 彼らは無反応だったのではなく、溢れる思いを胸に秘めていたようだ。ちなみに彼らが泣きそうになったのは私の言葉ではなく、私が引用したツイッターのメッセージだった; 「子供がお菓子を持ってレジに並んでいたけれど、順番が近くなり、レジを見て考え込み、レジ横にあった募金箱にお金を入れて、お菓子を棚に戻して出て行きました。店員さんがその子供の背中に向けてかけた「ありがとうございます」という声が、震えてました。@matsugen」 来月、この高校生たちの協力を仰ぎながらまた宮城県へ科学教室をしに行く。「つなげる思い、つづける想い」高校での講演のタイトルを、自分も胸に秘めながら。

2013.02.10
都内「スーパーサイエンスハイスクール」の化学の授業を見学。レベルの高さにとてもついていけない。。。見学後、来年度のプログラムについて先生方とご相談。驚いたことに、金曜夕方に相談したことの全てが翌土曜のお昼までに実行フェーズになっている。うちの会社でも見習わなきゃ。

2012.08.04
学会のサマースクール2つに参加してきた。学生さんたちは大変頭がよく、そしてノリがよかった。講演の後にたくさんの鋭い質問をいただいた。残念ながら勤務先でここまでの議論になることは殆どない。夕食後はまた別のノリで盛り上がった。ウィスキーのボトルを一気飲みし出す学生さん。止めた方がいいのにと思いつつ、自分もかつてまさに同じ事をしていたのを思い出す。先生方とお話しさせていただいたのも貴重だった。会社の某職場の同僚の皆さん、我々は研究開発をするには”勉強不足”です。学生さんたちを見習いましょう!
最終更新:2017年11月05日 11:34
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