戦う民主主義

戦う民主主義(Militant Democracy)とは、民主主義の理念のひとつである。一般に、民主主義を否定することを認めない民主主義と考えられている。

概要

民主主義とは国民の意思決定によって国政を運営する政治体制である。そして、その体制を維持するためには国民に、言論・表現の自由を保障することが不可欠である。しかし、国民が自ら自由を放擲し、民主主義を廃止する意思決定を民主主義的手続きを経て行った場合はどうなるのか。この場合、「民主主義体制の自殺」ということになり、独裁などが成立するおそれがある。民主主義の理念そのものの中には、これに対する自明の一つの解はなく、民主主義を否定する議論をも認める場合がむしろ一般的である。しかし、民主主義体制そのものに価値を認めるならば「民主主義体制を覆す自由を制限し、国民に民主主義体制の維持を誓約させる」という安全策をとることが考えられる。このように、民主主義に沿った手続きで民主主義体制を覆そうというものから民主主義体制を守る、という考えが「戦う民主主義」である。

東山連合帝国の「戦う民主主義」

東山連合帝国は「戦う民主主義」を標榜している国の代表的な例とされる。東山連合帝国は軍人が民主的手続きで全権委任法などの軍事独裁体制を布いた過去の反省から「戦う民主主義」を国是としている。具体的には、全国民に民主主義体制を謳った憲法への擁護義務を課すこと(憲法忠誠)、 憲法忠誠によって、言論・表現・教授・結社の自由を制限すること(自由主義、民主主義を否定するような主張)を行う団体は非合法化される。審議は憲法裁判所で行なわれ、各団体は憲法擁護庁に監視される。東山連合帝国憲法では、第48条2項に「戦う民主主義」の提要である「国民の憲法擁護義務」が規定され、また反自由主義・反民主主義を礼賛し差別を煽るあらゆる行為は処罰される。

最終更新:2010年03月22日 23:50
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