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3日目
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3日目 - 工藤社長を落とせ!
出勤すると、先輩が吉野さんを呼んでいるところだった。
僕も鞄を置くと、急いで先輩の席へ近寄る。
僕も鞄を置くと、急いで先輩の席へ近寄る。
「吉野くん すばる銀行はどうだった?」
「出ましたよ 奥さんの名義で2,300万円」
吉野さんが得意そうに言うと、先輩も笑顔を作った。
「ニヤリ」という表現がぴったりだ。
「ニヤリ」という表現がぴったりだ。
「やっぱり… あのタヌキ社長め」
仕事人間の先輩は、こういう状況になるとすごく生き生きしてるように見える。
普段はおとなしそうに見えるけど、その実めちゃくちゃ攻撃的で、直接対決するのが得意。
僕なんかは直接対決は苦手で、資料の矛盾を見つけたりするのが好きだけど。
まあ、だから逆にいいコンビになれるかもしれない。
普段はおとなしそうに見えるけど、その実めちゃくちゃ攻撃的で、直接対決するのが得意。
僕なんかは直接対決は苦手で、資料の矛盾を見つけたりするのが好きだけど。
まあ、だから逆にいいコンビになれるかもしれない。
「多田野っ、行くよ!」
先輩は帳簿の入った重そうな鞄をひっつかむと、意気揚々と署を出て行った。
そしてまた僕は後からついて行くのであった…
そしてまた僕は後からついて行くのであった…
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みなとホールへ着くと、すぐに事務室へ入る。
社長の工藤はまたいないみたいだ。
社長の工藤はまたいないみたいだ。
先輩はまた机の上の小物をチェックしている。
「多田野、見て、あれ」
軽くあごでしゃくって合図する。
「ほら、東亜信金のに変わってるわ」
手にとってよく確かめてみる。
確かに…
昨日は東洋銀行と書いてあったティッシュが、今日は東亜信金に変わっている。
これは工藤を追い詰める材料になるかもしれない。
確かに…
昨日は東洋銀行と書いてあったティッシュが、今日は東亜信金に変わっている。
これは工藤を追い詰める材料になるかもしれない。
そこへ工藤がやってきた。
またしても僕はぎくっとしたけど、先輩は笑顔で帳簿を返す。
先輩は落ち着き払っているけど、僕は正直心臓がバクバクで。
初めての税務調査でこんな場面に出くわすコトなんて、そうないぞ。
先輩は落ち着き払っているけど、僕は正直心臓がバクバクで。
初めての税務調査でこんな場面に出くわすコトなんて、そうないぞ。
「この間お借りした帳簿を調べさせていただきました」
「ああそうですか」
工藤が帳簿を受け取ると、先輩は僕に目で合図する。
ん?
先輩の視線をたどると、僕の手元。
あ、このティッシュ。
僕はドキドキしながら指摘した。
ん?
先輩の視線をたどると、僕の手元。
あ、このティッシュ。
僕はドキドキしながら指摘した。
「工藤さん、これ、昨日は東洋銀行のティッシュでしたよね?」
「ん!? あっ、それね、営業の人がよく来るんだよ。 口座作ってくれってうるさくて…」
あわてて説明する工藤に、すかさず先輩がたたみかける。
「ということは 東亜信金に口座はないですネ?」
「えっ!? いや、なに、そのー、女房がなんか言ってたなあ」
「そう…とぼけるんですね」
ニヤリ。
またあの笑顔。
ああ、先輩は肉食獣だ。
弱みを見せたら一気に食われる。
工藤…ご愁傷様。
またあの笑顔。
ああ、先輩は肉食獣だ。
弱みを見せたら一気に食われる。
工藤…ご愁傷様。
「おたくの預金を調べさせてもらったんですけど…」
「えっ!?」
「東亜信金から本人と息子さんの名義で2,700万円、すばる銀行からは奥さんの名義で2,300万円。
これだけのお金、どこからわき出てくるんですか?
税務署だってバカじゃないんですからね、今のうちに本当のこと言っときなさい」
これだけのお金、どこからわき出てくるんですか?
税務署だってバカじゃないんですからね、今のうちに本当のこと言っときなさい」
「いや、だから、それは、女房が勝手に…」
なおもしどろもどろで言い訳しようとする工藤を、先輩は一気にたたみかける。
「工藤さん…今なら5,000万円の申告漏れだけで済むけど、こんな程度の手口じゃいくらでもばれんのよっ!!
これ脱税ってコトになると罰金や追徴金で5,000万円以上もってかれるのよっ!」
これ脱税ってコトになると罰金や追徴金で5,000万円以上もってかれるのよっ!」
バンッ!
叩かれた机の上で貯金箱がはねて倒れた。
工藤もびっくりしてるけど、僕もびびった。
先輩にちらっとにらまれる。
叩かれた机の上で貯金箱がはねて倒れた。
工藤もびっくりしてるけど、僕もびびった。
先輩にちらっとにらまれる。
「えーっ、そんなっ! 女房に殺されちゃうよオレ。 怖いんだから、うちの女房」
「工藤さん、脱税ってね、立派な犯罪なんですよ? でも今なら手の打ちようがあるんだから。 ねっ!? 工藤さん」
一転、今度は優しい口調でなだめすかす。
あの手この手で何でもしゃべらせてしまうような気さえする。
お、恐ろしい女だ…
あの手この手で何でもしゃべらせてしまうような気さえする。
お、恐ろしい女だ…
「あんた優しいネ…うちの女房も結婚するまでは…
わかった。 1円でも助かるなら全部話すよ。
女房がこんなモノもらってきたからいけなかったんだ」
わかった。 1円でも助かるなら全部話すよ。
女房がこんなモノもらってきたからいけなかったんだ」
どうやら観念したらしい工藤は、そう言って一冊の本を差し出した。
「なに? この本は? 節税マニュアルって書いてあるわ」
僕も一緒になってのぞき込む。
節税の本なら珍しいものではないけど、この内容は…
節税の本なら珍しいものではないけど、この内容は…
「これ、節税じゃなくて脱税じゃない! 工藤さん、これどこからもらったの?」
「うちの客のヤマト建設とかいう土建屋からもらったんだ…」
工藤は詳しいことは知らないと言い、反省もしているようだ。
修正申告なら追徴もないし、遅延についての加算税もそう大きな金額ではない。
こんなことになるなら最初から…とうなだれる工藤を残し、僕らは税務署へ引き上げることにした。
修正申告なら追徴もないし、遅延についての加算税もそう大きな金額ではない。
こんなことになるなら最初から…とうなだれる工藤を残し、僕らは税務署へ引き上げることにした。
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「…それで、パチンコ屋の工藤はすぐに折れて申告をやり直すことになったんですけれど、どうもこの脱税マニュアルが町中に出回ってるみたいなんです…」
露口室長に結果を報告し、例の脱税マニュアルを提出する。
室長は中身を確認しながら、あきれたように言った。
室長は中身を確認しながら、あきれたように言った。
「こんなもので商売するヤツもいるんだな。 板倉くん、そのヤマト建設も当たってくれたまえ」
「はい、わかりました」
どうやら次のターゲットはヤマト建設ということになりそうだ。
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