まずはフロントブレーキ。
最初期のSDは自転車と同じブレーキシューをリムに押し当てて止めるスティラップドタイプ。
その後、少なくとも22年にはドラムブレーキに強化される。
ガーダーフォークのページでも書いたがここはトライアンフ社製ではなくウェッブと云う会社の物。
やや特殊な構造になっており、通常コイルスプリングで2つのシューの台座を引っ張る所をこのブレーキではライニングの内側にc型をしたばねが入り台座を押している。
完全にばらす場合はライニングのカシメを落とさなければならないと言う面倒な構造。
張り替える場合はばねをはめて台座が2個付いた状態でライニング屋に依頼すれば現在主流の接着工法で張り替えてくれる。

ハンドルのエンドから生えるインバーテッドレバーからハンドルの中をケーブルが通り、ハンドルの中心に空いた穴から外にでる。
ガーダーフォークにケーブルの受けが付いてそこからはスポークと同じサイズの鉄棒に変わり真直ぐブレーキアームに伸びる。
ブレーキアーム先端には鉄棒を挟み込んで固定する金具が付いていて任意の場所で固定する。

フロントブレーキサイズははっきり云って小さく恐らく5インチ程度しかない。
更にレバー比が良くない上にケーブルの取り回し上本来ブレーキに使いたいサイズのケーブルは利用できない。上記のロッドがたわんだりとブレーキが利かない要素がてんこ盛りである。

利かない原因が判っているので対策すれば良いのだがどれも外観や雰囲気が崩れてしまうためにそのままにしている。
当然ブレーキは利くに越した事は無いが利かないならそれ相応の運転をしっかり心がける、と言う考えもアリかと思う。

リアブレーキは雑感でも記した通り欠陥と言ってよい構造。
Model Hまではリアタイヤを駆動するための物だったプーリーをそのまま残しブレーキにのみ使用している。
固定方法もかなり強引でスポークにネジ止めされている。

フレームに付けられた支点にブレーキアームが付きアーム先端にブレーキシューが付く。
この支点は強く締めてはいけないとの事でボルトの頭が無くナットのみをスパナ等で回す。
当然途中でボルト全体が共回りしてそれ以上締められなくなるがその位の締め具合でブレーキを思い切り踏むと支点が動く。全く持って意味不明。
ここはボルト座面の油気を完全に落とし何とかきつく締まるようにする。

ブレーキを定位置に戻しリーディング側が食い込まないようにするための所謂リターンスプリングは付くには付くがなぜかトレーリング側に然して強くない板ばねが入るのみである。
はっきり云って殆んどまともな仕事はしない。
食い込んだりすると限界以上に押されて変形し物悲しくブラブラする。
ここは必ずリーディング側にリターンスプリングを入れるようにする。
シューがはまる台座自体を平板から切り出して0から自作しても良いしVeteranTriumphで売っているブレーキ台座のリーディング側に鉄の小さな平板を溶接しても良いだろう。

ブレーキのシューは左リンクのVintageMotorcycleClubで購入できる。
スラッグマテリアルとか書いてあるが早い話しが相当硬いゴムである。
以前使っていたがリターンスプリングをしっかり入れていなかった上に本来2つしかないカシメ穴をリーディング側ギリギリに1点追加しなければいけないのだがやっていなかったので食い込んで終了した。
ここに関してはまだ予備のブレーキ台座とブレーキシューがあるので何れ再挑戦の予定。

現在は自作の台座をライニング屋に持ち込んでシューを接着してもらった物を使っている。
食い込みロックの原因の一つとしてシューの変形が上げられるが現代のライニング材を使えば急激な変形は起こらないのでロックの危険性は大幅に減る。
しかしダミーリムに対して硬いライニング材を押し当てるとリムが負けて力が逃げる。
結局このシステムで効きを良くしようとすると材料はある程度柔軟な物を使わざる終えないだろう。
そうなると今度はロックする危険が出てくる。中々難しい。

VMCC製のブレーキシューや自作台座+ライニング張り以外にもダミーリム径にあった大きなVベルトを切ってブレーキシューとするのも手のようだ。


リアシュー、リーディング側にリターンスプリングを追加。
スプリングの固定はブレーキロッドにすると作動量が稼げる。
純正のリターンスプリング。どう考えても無理な位置。

20100913追記
最近リベンジと言う事でVMCC製ブレーキブロックとVeteranTriumphSpearsで売っているブレーキプレートを組み合わせて出来るだけの対策を施したものを使っている。
結果から言うとかなり良好で思いっきり踏めばリアがロックする位リアブレーキが効くようになった。
やはりダミーリム方式のブレーキで効きを求める場合、シューはVMCC製のブロック位柔らかい物を使用しないと駄目なようだ。
ただし摩耗は速く、状態を確認するたびに減りが認められる。かなりブレーキを酷使する東京、神奈川の幹線道路を主に走っているのが減りが早い原因で有るのは認めるがそれでも5000キロ程度は持って欲しい。
もう少し乗り込んだらこの辺りの対策法や耐久性をアップする予定。

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最終更新:2010年09月13日 22:38