まずは分解図を参照。
エアスライドとスロットルスライド2つのスライドの間にジェットが入る。以上。

構造は非常に単純。
通常のニードル入りのキャブレターがスライドの動きにより総吸入量を調整、ジェットニードルにより混合比を調整する物に対し
このキャブレターではガソリン供給量は常に一定、エアスライドにより混合比を調整、スロットルスライドによって総吸入量を調整するものである。

構造が単純で混合比を自分で調整出来る事も有り相当使い込まなければ修理の必要はないだろう。

ただし唯一のガソリン供給口であるメインジェットのチェックは厳しく行った方が良い。
付いているジェットの穴が目視で真円が出てなければ自分で作る。
楕円になったジェットと真円のジェットを使い比べれば判るがスムーズさが段違い。

作り方
先ず純正ジェットの寸法、高さや径などをしっかり書き留めておく。
次にミクニVM用メインジェットの100番を用意。
用意したVMのジェットを純正ジェットと同一の寸法になるように旋盤で削る。

次にジェットの受けを作る。
純正のジェットを加工して作っても良いしAmalのコンセントリックMk1のメインジェットを加工するのも良いだろう。
ただトライアンフキャブレターに付くジェットのネジサイズは1/4インチ24TPIと若干特殊なサイズなので注意。

削りだしたジェットの受けと加工したVMのジェットをしっかり嵌め込んで半田付けすれば完成

ジェット作製の図解、VintageMotorcycleWorkshopから抜粋。このように最小限の加工でも良いだろう。
ちなみにこの本とフィル・アービング著tuning for speedは戦前車弄りのバイブルに付き入手すべし。


  • はじめまして(宇宙大戦争でお会いしましたが)
    私、モデルPに乗っておりまして、キャブは貴殿と同型です。


    唐突で恐縮ですが、一つご教示願いたいのです。フロート室内のニードルの長さ、太さ、重さはいかほどでしょうか?
    私のバイクは、知人の皆様のお陰様でだいぶ調子が出てきましたが、時々、オーバーフローによるカブリ等に悩まされております。ひょっとするとニードルの長さが短く、上下運動の他、してはならない前後左右運動をしているのでは?と推測しており、ということで、お手すきの時にでも教えていただければ幸いです。
    千葉市 P -- model-p (2011-11-30 19:00:35)
  • P様 ご無沙汰しております。
    どうしてもという事であれば分解して計測してみますが先ずフロート単体でガソリンがしっかり止まるかチェックされた方が良いと思います。
    具体的にはフロートを本体から分離してジェットを外し、本体との勘合部に透明でガソリンの面が見えるホースを適当な長さで差します。
    その後コックを開けてフロート内にガソリンを入れてみます。当然ニードルの当りが悪かったりフロートに穴があいてたりすればガソリンはホースから溢れてきます。
    溢れてこなければそのあたりの部品はOKですから油面を調整します。
    一般的にジェットの取り付け面からジェットの上面までの間に入っていればOKですがおおよそ中間より下位に油面を持ってきた方が安定します。 -- flattank (2011-11-30 21:22:50)
  • 油面が高いとカブリ易いです。簡単な判別法としてエンジンをかけて車体を傾けてみます。
    走行中に傾く可能性がある位まで傾けてエンジンがストールする場合は油面が高めです。
    油面調整はニードルについているストッパーを動かして行います。
    アレはただかしめてあるだけ(のはず)なのでニードルを痛めないように上手く力を加えて動かします。
    嵌りが緩い場合はロックタイトの嵌め合い高強度を塗ってバーナー等で軽くあぶって強制的に固めれば大丈夫です。
    以上簡単に書いてみました。
    よくわかんないって場合はご遠慮無く言ってください。
    伝わるように何とかしますw
    -- flattank (2011-11-30 21:23:34)
  • とは言え気になると思いますので近いうちに測ってお知らせします。
    あとニードルとフロートリッド(蓋)との当り面が荒れているとそこから漏れる事もあります。
    直し方はちょっと乱暴ですがニードルを単体でリッドの当り面にまっすぐ差してお尻を数回加減して叩くだけです。
    私の奴も此処が原因でフロートレベルが決まりませんでしたがこづいてから今まで問題無く止まってます。
    ひょっとすると此処が原因かもしれません。
    -- flattank (2011-11-30 21:33:37)
  • 寸法測りました
    ニードル全長 75.7㎜、太さ2.3㎜、針先からフロートストッパーのフロート当り面までの長さ 36.2㎜
    です。
    針先とは逆の端部は長さ10㎜程度の緩やかなテーパーが切ってあります。


    -- flattank (2011-12-01 18:24:02)
  • flattank様
    ありがとうございました。
    油面調整は散々やったつもりですが、念の為見直してみます。
    また、計測いただきありがとうございました。
    油面で収まらない場合の(次の作戦の)安心材料になります。


    P -- P (2011-12-02 09:03:29)
  • 以前図った私のニードルのサイズ、全長75.5mmm(-0.2)、太さ2.3mm(同じ)、針先からフロートストッパーのフロートあたり面までの長さ30mm+@(銅線を2~3巻)全体的にほぼ同一ですが、上端からフロートのあたり面までの距離がやや短いかもしれません。
    ジェットはイラストと同じものがついてますので、貴殿のジェットも同様の高さであれば、私の方がやや油面が高いかもしれません。ちなみに私のニードルストッパー、真鍮製ですが、鉄製のニードルに食いついて離れません。熱しても冷やしても。そういうわけで、油面調整のために同線をこのストッパーの下位にまきまきしております。 -- P (2011-12-02 23:32:06)
  • 油面に関しては必ず透明ホースを差しての実測調整をした方が良いと思います。
    で、重量は当ワークショップに秤の類が一切なく測れなかったのですが銅線で重量が増した所為でガソリン漏れを起こしてるって可能性はないでしょうか?
    原理上あまり大きくニードル重量が増えるとフロートの動きが悪くなる可能性があるような気がします。
    銅線やそれを固める為にハンダを使ってたりすれば結構重量増になるような・・・
    -- flattank (2011-12-03 00:41:03)
  • flattank様
    考察ありがとうございます。
    おっしゃるとおりだと思います。
    時を同じくして、私もハンダ+銅線の重さが気になりまして、ストッパーを小型化しました。(0.5mm厚の銅版の小さなピースに変更)
    あとは、目視によるテストの段取りです。
    ありがとうございます。 -- P (2011-12-05 12:11:53)
  • 追記
    自製「フロートストッパー」の重さですが、計測していないので詳細は不明ですが、既存のすとっぱー(銅線(直径1mm)を3巻き+ハンダ)は手に持って、宙にポーンポーンと放り投げると、手に落ちたときに「ずしっ」とくる(というとちょっと大げさですが)見た目なりの重さがありました。比べて新造品(厚さ0.5mm、□型で一辺が5mmの銅板は「ふわっ」と蝶のような軽さです。うまくいくことを期待します。 -- P (2011-12-05 18:27:19)
名前:
コメント:
最終更新:2011年12月05日 18:27