ダグラスプロジェクト、徐々にですが進行中です。
本日はトリニティースクールで散乱していた本棚を整理しダグラスの資料を根こそぎ奪って来ました。(当然校長の許可は貰ってますよ)

ヲイヲイ、マニュアル類有るじゃねーか・・・頼んじゃったよ。
BMSへのマニュアル注文はうやむやになる事を希望w。

で、英語はかなり弱めなので資料本等をサクサク読み解きダグラス社の全てを解ったつもりになりたいのですがそうは中々行きません。
取り敢えず必要な部分のみを読み解き、色々と解った事を整理します。
先ずは書き込みのあったフロントフォークですがご指摘の通り”Radiadraulic"である事が判明しました。電波ゆんゆんでは無かった模様。
資料によると第二次大戦直後に新しい車体用としてトーションバーを用いたフロントサスペンションを開発するもキャッスルフォークの特許に抵触して販売できず途方に暮れていた所にダグラス社と馴染みの深いウォルター・ムーア(ノートンCS1の設計者として有名なエンジニア)がサクッと短期間で設計した物との事。
全然ダグ・ヒーリー関係ねーなー・・・
それはさておきラディアドロリックの大きな利点として非常に軽いバネ下重量と移動量(最大6インチ=152.4ミリ)を挙げています。
確かにバネ下にはアルミ製のスライダー(パーツリスト上ではスプリングプランジャー)とアームしか有りません。本体重量は重くともバネ下重量は当時最軽量だった事でしょう。
色々見てみるとどうしようもないな、と思ってたあのフォークも俄然輝いてきますw。
凄いぜ、ラディアドロリックフォーク!
んでお蔵入りになったフロントトーションバーのアイディアは後輪に移ったんでしょうね。

次はカムタイミングについて。
ワークショップインストラクションマニュアルにズバリとカムタイミングが書いてました。
それによると
吸気 開 BTDC55°
   閉 ABDC83°
排気 開 BBDC83°
   閉 ATDC55°
です。
実測とは当たり前のようにずれてますが大体これと同じと思われます。
吸気と排気が同時に開いているオーバーラップの角度は110°、総開度デュレーションは318°です。
チェッキングの記載が一切ないので実際の走行クリアランスと見ていいのでしょうかね?
更にマニュアルには”全てのスタンダード及びコンペティション(トライアル用)モデルのクリアランスは0.125ミリ、但しプラスシリーズのNo2カムは0.6025ミリ、No3カムは0.1778ミリ”と記載されてました。
No2とかNo3とかってナニ?と思って資料を見ると90+のカムは資料上では最低でも2種類は有るようです。
最初は上に書いたタイミングのカムシャフトが使われたようですがあまりに激しく問題が出たと(どうやらオーバーラップが大きすぎて高回転域でバルブがぶつかったんじゃないかと思われ。細かくは書いてませんが)。
そこでオーバーラップを90°まで落としたカムを新しく作りそれをNo2カムと呼んだとの事です。
問題点としてクリアランスを0.6025ミリまで大きく取ったのでメカノイズが大きくなった、と書いてあるのでかなり大きい0.6025ミリのクリアランスを取るのはオーバーラップ90°のNo2カムのみのようです。
この車両は恐らく初期のNo1カム?なので本来は吸排共0.125ミリで良いのでしょう。ちょっと小さい気もしますが。


最後に圧縮比について。
ボアストロークの数値及び圧縮比が解りました。
ボア60.8ミリ×ストローク60ミリ、圧縮比は8.25:1です。
純正ボアストロークから計算すると片側排気量は174.1cc。
燃焼室体積が25㏄だったので(174.1+25)÷25で実測は7.964の圧縮比になります。
燃焼室体積を24ccだったと見ると圧縮比は8.25となるので恐らく入っているピストンは90+のスタンダードで間違い無く且つシリンダーヘッドの面研等はされていないであろう事が判明しました。
90+はオプションで9.5:1と10.5:1のピストンもあったと記載されていますが流石に此処までずれている事は無いでしょうから面研はされていないと見て間違いなさそうです。
しかし鉄ヘッドで10.5:1って・・・そりゃトラブル起きるよ・・・。

プロジェクトはまず機関のレストアを優先とします。
とにかくかなりヤバいカムベアリング部が治らないと使い物にならないのでそこの修理が最優先。
ジグは作ったので後は割れた鋳物アルミにTIGの溶棒がキッチリ乗るかどうかがこの車体の運命の分かれ道です。
いや、しかしネットでヤバイ所も細かく報告しちゃったので直ったとしてもこれは誰も買わんわな・・・一生俺が面倒みるしかないのか・・。
  • そうですかラヂアドローリック・・・
    でもどっかでラヂヲドローリックとも書いてあったような・・


    ともあれ圧縮10.5対1と言うのはドープ燃料用でしょうな・・
    JAPなどもアルコール仕様だと鉄ヘッドでも12:1とかあったと記憶。


    この際アルコールで本土決戦に出撃しる (藁)


    たしかにこのバイクの排気音を聞くと、けっこうなオーバーラップを想像させる音だったと思う。


    -- 好調 (2012-01-18 22:48:22)
  • 私もどっかの資料でラヂヲと見た覚えがあったのですが持ってきた資料はすべてラディアでした。
    これは認めざるを得ませんな。


    アルコールで使うには逆に10.5:1は低いような気が。
    マヂでアイツ等10.5:1にガソリンぶち込んでたんでは?と思ったりしてます。


    手間かかる事が多すぎるのでダラダラの作業になってますが生温かく見守って下さい。


    -- flattank (2012-01-19 02:35:07)
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最終更新:2012年01月19日 02:35