やる事が多すぎて逆にダラダラになっている当プロジェクトですがそれなりに前進はしています。
まず最大の懸念材料であったクランクケースのカムベアリング部の割れですが運ぶのを手伝ってくれた溶接番長のU兄貴に丸投げした所上手く行きました、と連絡がきました。
私も実際物を見ましたがキッチリアルミが乗ってます。兄貴いわく戦前のヤバい鋳物のような事は無く概ねユニットのトライアンフクラスの品質との事。
U兄貴本当にありがとう。今度とんとん亭のスペシャルメニュー、とんかつ+焼肉カレーをおごらせて下さい。(胃もたれ必須w)
当然元々の強度と比べるのはナニですが十分使い物になりそうな感じです。
あとは反対側のケースのカムブッシュとの同心円加工をするだけですが当然こういった専門的な加工は専門家のアールテックさんに任せる予定です。
次にクランクですが英国の専門店、アルファベアリングのカタログに90+のビックエンドやベアリングケージの記載があったのでパーツが取れればと思い問い合わせてみました。
するとバーツ云々の返事一切無くビックエンドの換装、ケージドローラー化、スモールエンド交換、バランス取りや直線チェックまでやってコンロッド当り158ポンドでやるぜ!と返事が。
結局ガタガタのタイミング側ブッシュの当り面も同時に加工してもらう事にして本日英国に送りました。
アルファベアリングはクランク回りのスペシャリストとして評判も上々。仕上がりが楽しみです。
で個人的な作業。本日はギアボックスの清掃をしつつ細かい部品の分解及びチェックを行いました。
右側にあるのは園芸用霧吹き。ポンプを数回押すとそこそこの勢いで中の液体が噴出されると言う代物で洗浄時に1つあると大変便利。中には灯油を入れて使います。
で受けのバットが無かったので取り敢えずオイルパンを使うも外に溢れまくりな上に暫く使ったら底が割れて灯油がダダ漏れ。
ねぢ穴を洗浄中。ねぢ穴の奥のごみはレストア時に必ず取ります。
穴の奥にゴミがたまったままねぢを締めてもケースが閉まらない、最悪ごみがケースを押してケースが割れるなんて事が起きるからです。
ピンセットや精密ドライバー等でほじくったあと先ほどの霧吹きで洗浄。
でこの部分をほじほじする事数秒、重要な事実を発見。このねぢ穴貫通でした・・・。
この後漏れる大量の灯油に耐えかねホームセンターへ何か良さそうなバットを探しに。
で見つけたのがとろ舟と呼ばれるらしいセメントなどをこねこねする為のバットです。
大きさ、深さとも手頃で衝撃にも強いと書かれているので先ほどのようにケースを転がしてたら底が割れたなんて事も無いでしょう。
ある程度洗浄してベアリングをチェックするとどこも結構ゴリゴリです。
これはイカンな、と言う事で外してチェックする事にしました。
アルミのケースとベアリングの鋼の熱膨張差を利用して温めて衝撃を加えます。
こういったダルマストーブがあると上に乗っけておけば良い具合に温まります。
この奥のベアリングを外したいのですが熱した後にケース本体を木などの柔らかい材料に叩きつけて衝撃を加えて外そうという算段です。外すのと同時に外れやすさから嵌め合いの強さも見れる重要な作業。
ある程度熱した後ケース自体を木材に叩き突けるとメインシャフト側は簡単に落ちてきました。後にチェックするとケース、ベアリングが熱い時は簡単に嵌りますがケースを冷やすと嵌らなくなります。
此処の嵌め合いは一応合格としますが嵌め合いが弱いので組む時はロックタイトを塗布します。
外れないカウンターシャフト側ベアリングを外す為全ねぢ棒登場。写真の棒は16mmです。
こういった全ねぢの棒はあると色々使いようがあるので持っておくと便利です。(とか言ってさっき行ったホームセンターで買ってきたばっかりですがw)
全ねぢ棒にナットとワッシャーを嵌めスライディングハンマーを付けて叩くと外れました。
此処の嵌め合いはかなり硬いので組む時は何もせず素で組み付けます。
次に細かいクラッチ側に付くカバーのベアリングを外します。
例の方法で温めて叩くとバラローラーのレースとスペーサー、シールのフェルト+ケージが出てきました。
よくよく眺めるとクラッチと嵌りあうスプラインの裏に金属のカバーがある理由が解りました。
あれがあるとベアリングプーラーが掛からないので凄い邪魔です。
この部分のシールがフェルトなのでシーリングが弱くギアオイルが当然のように軸から漏れてきます。
そのオイルを金属のカバーで受けて再度ケース内に戻す為のものでした。
オイルシールがまだ一般的でなかった時代の・・・と言いたい所ですがエンジンの方のクラッチ側には既にオイルシールが付いてます。
単純に古い設計のまま放置してあるだけのようです。The 手抜き。
ここは現在のオイルシールを上手く加工して取り付けこのリターン穴は塞ぐ予定。
クラッチカバー内のカウンターシャフトベアリングも外れて本格的にケース内はすっからかんになりました。
ベアリングのサイズを計測するとメインシャフトのドライブ側はインチサイズで内径25.4mm外径57.18mm幅15.85mmです。
カウンター側の両端及びプライマリーべベルギアのシャフトの右側の3つは同一サイズで外形40mm内径17mm幅12mmでメトリックのベアリング、品番は6203。
プライマリーべベルのドライブスプロケット側は6205とダイレクトにISO規格の品番が打っています。
メインシャフト以外はすべてメトリックなので此処の入手は簡単で助かります。
あとはゴロゴロで使い物にならないメインシャフトのドライブ側のインチベアリングがあればギアボックスは完成させられると思います。これ以上何もなければ・・・。
最終更新:2012年02月05日 23:02