シリンダーとシリンダーヘッドが一体の所謂タコツボシリンダーにはバルブアクセスのためのキャップが付いています。
一部の車両にはプラグが入る吸気側と違い何も付かず熱量が大きな排気側に放熱フィンを付けたものがあります。
その形状から通称「仏塔」と呼ばれ効果の程は不明ながらその独特の風貌から仏塔の付いていないタコツボシリンダーユーザーから羨望を集めています。

とまあかなり大げさに書きましたが私好きなんですよね、アレ。
んで勢い余って純正の排気側バルブキャップに真鍮で造った仏塔をブっ差していましたがちょっと前にバルブキャップが外れずソケットレンチを入れるために破壊してしまいました。
で先日思いがけずぶっといリン青銅の丸棒を入手したのでこれを肴に丸ごと削り出しの仏塔を作ってみる事に。

入手したリン青銅丸棒は70×150。アルミだと大した重量ではありませんが鉄より遥かに重い銅合金だとかなり嫌がらせな重量。
70mmの径を先ずは52mmまで削ります。
此処まで重い材料をこの旋盤で削った事無かったのですがいざやってみると振動がズゲェ。回転を抑えて削らざるをえず此処まで削るのもかなりの時間が。
やっぱ平置きじゃイカンなぁ。
仏塔の最大外径である52mmまで削ったらトンボして品物を掴む為の掴み代とネジを切ります。
ちなみにネジの外径は45.10mmでしたが結構キツメなので0.1mm減らし45mmにしました。
TPIは16です。
フィンの部分をテーパーに削ります。
心押しの下側に写っているまるで血のような液体は血です。
切子で手を切りました。やはり素手で切子を触るのはいけませんね。
等間隔に突っ切りで溝を入れて行きます。
溝の幅は3mm、フィンの幅は2mmです。
何時も使っているハイスの突っ切りはビビリまくりで切れず急遽手持ちの超硬刃付けバイトを引っ張りだして使用しました。
んで切り落とした図。
大分形になりました。
今度はフライス+割出台を使って6角面を切ります。
色々な6角の切り方があると思いますが私の場合現在の径を測って狙ってる6角の対辺でひいた数字を半分にしてその数字を1面に対して削ります。
52mmの丸を対辺38.6mmの6角にするには52-38.6=13.4を÷2して6.7mmを60度間隔で削っていけば良い訳です。
この方法が一番精度が出ます。
再び旋盤に戻って残工処理。6角面の角を面取り、座面上側のR付け、頭にR付けなど。
最後に突っ切りで切り落とします。
高級材料リン青銅を贅沢に使用したセレブな仏塔が完成。そして装着。
6角面よりフィンがでかいとちょっとダサイすね・・・
あと6角面の下側に細い突っ切りいれた方が良かったかな、など反省点も残るもののまあまあの出来。
後ろに写るS工機謹製のプライマータップのメクラボルトとスパークプラグと合わせて三塔物語の完成です。いや、ほら横浜なんで・・・
実際三塔とか呼ばれてる塔を見るとびっくりするほどショボイっすw。


queenは学生のころからのファン。
素晴らしいヒット曲の数々は勿論のことフレディーのパフォーマンスも魅力の一つ。
数あるビデオクリップの中でも一番のお勧めはコレ。
燃え盛る炎の中でドラムに飛び乗ったりギターを分捕ってすぐ投げ返すなど意味不明のかっこよさです。
  • 流石ですね。旋盤でのねじ切り前の外径寸法は-0.1mmしたほうが良いですね。
    実際ミリ螺子でも-0.1mmにしています。ねじ切り時は回転数はいくつでやっていますか?
    もしくは手回しでしょうか?ねじ切りバイトはハイスのヘールバイトでしょうか?
    もし、よろしければ教えてください。 -- 通りすがりS (2012-04-16 01:41:14)
  • 通りすがりS様、コメントありがとうございます。
    今回のこれは回転数80回転程度で切り上げしました。ねじ切り時の主軸回転数は材料によって変えてます。
    多分リン銅相手に手回しだと切り込みを相当少なくすればいけるかもしれませんが通常はカジッて綺麗に行かないのではと思います。
    当方ねじ切りバイトはステッキバイト+ステッキホルダーを利用しています。
    ホルダーは長谷川旋盤でも使えるようにシャンクを8mmまで細く削ったものです。
    -- flattank (2012-04-16 21:36:20)
  • コメントありがとうございます。
    ステッキのヘールバイトホルダですかね。よくしなりやすく、上手く行かない場合湾曲部内に竹を入れてしなり具合を調整する方もいるようですね。
    80回転ですか。正逆転で切ったのでしょうから忙しいですね。流石です。
    とても勉強になります。ねじ切りは山数にもよると思いますが、斜進法・直進法は細目・並目どの辺りで切り分けしていますか?
    もし、よろしければ教えてください。 -- 通りすがりS (2012-04-16 22:01:19)
  • こういうネタにお付き合いいただき有り難く思いますw。
    私がネジを切る場合極端に小さなサイズ(5mm以下位ですかね?)以外は常に斜進法でやってます。
    ネジ径によって斜進量を変えますが今回は切り込み序盤から中盤まで切り込み一回に付き0.1mm程度の斜進、終盤は0.05mmと言う具合です。
    ちなみに仕上げの削りは切り込み量を変化させず切子が殆どでなくなるまで3回以上繰り返します。
    ネジ径が小さくなれば相応に進める量を絞ります。ネジの形にならないとイタイのでw。 -- flattank (2012-04-16 22:53:57)
  • お、クイーンとは意外ですな
    -- 好調 (2012-04-29 23:06:35)
  • クイーンは結構好きだって前に話した気がしますが。
    PlayTheGameの他KillerQueenも変態的な動きを楽しめますのでおすすめです。
    いきなりマイクスタンドが天地逆な所が何ともw
    しかしあの頃のフレディーの動きは全盛期の竹中直人そっくり。
    恐らく竹中直人がQueenに相当インスパイアされたと思われます。
    ・・・本気でどうでも良いコメントですね、、。 -- flattank (2012-04-30 21:18:23)
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最終更新:2012年04月30日 21:18