どうも御無沙汰です。
ダグラスはその後まるで進んでいませんが半年前にイギリスに出していたクランクの修理が終わったと連絡がありました。
近日帰ってくる筈なのでクランクが帰ってきたらまたぼちぼち進もうかなぁ、と考えてます。
んで今回もバイクとは全く関係ない工作機械ネタを。
今回はフトコロと呼ばれる所謂Z軸(上下の軸)の幅が狭い井上フライスの懐を広げる改造をしたのでその報告です。
懐を広げると言ってもやり方は簡単でネジ止めされている土台部分とフライス本体の間に何か挟んでかち上げれば良いだけです。
今回は熟慮に熟慮を重ね70mmかち上げる事にしました。
つーわけで購入したのがスタープレートと呼ばれる定尺売りの金属プレート、モノタロウでおよそ11000円でした。
このプレートは既に2平面研磨加工がされているので上下2面の平面度、並行度は百分台で出ています。
こういった用途には最適です。
このバカみたいに厚いプレートに取り付け穴を開ける為のケガキを定盤+ハイトゲージを使って入れます。
しかしこの板めちゃくちゃ重いです。多分40キロ以上あります。
ケガキを入れた後はいきなりドリルを入れずにセンタードリルで芯モミを入れます。
14mmの穴をあけるので簡単にはズレないとは思いますが芯モミを入れておいた方が無難です。
んで開きました。
開きました、なんて気軽に書いてますがカナーリ時間が掛かってます。
芯モミを入れた事もあって穴のズレは殆どありません。
てかこれフライスで開けたほうがより正確で簡単だったなぁ...
で次はフライス本体をばらしていきます。
このフライス、構造がめちゃ簡単で見えてるネジを緩めて行くとどんどんバラバラになっていきます。
誰も興味ないと思いますので細かい事は省略しますがw本体部は予想通りに重いです。多分50キロ位あります。
今回は重い物を落ち上げてばっかりで死にそう...
残った土台です
フライスの本体がのっかっていた四角い部分にさっきのスタープレートを入れます。
めんどくさいので途中経過は省略でプレート乗っけて各部清掃、グリスアップの上組み直しました。(←一気に飛んだなw)
此処までの作業でおよそ5時間。時間はそうかからなくても重量物を持ちまくったので滅茶苦茶疲れた,,,
しばしの休憩後早速試し削り。
増えた懐の最大時の剛性を確かめるため割出台を寝かせた上にS45Cの端材を突き出してチャックに銜えた物をやや無理に切り込んで削ってみます。手持ちの装備と材料だとこんなやり方しか無かったもので。
こんな切削だと本体より割出台の剛性の方がヤバいです。
結果割出台がそれなりに暴れる中懸念されていた本体の振動等は以前とほとんど変わらない様子でした。
Z軸を最大まで下げるとZ軸のあり溝は半分くらいしか掛かりませんがサイズに対して元々大きめの作りなので加減をした通常作業では全く問題なさそうです。
最後に総括として幾つか
先ず小型とはいえやっぱり工作機械なので色々と重い。
クレーンみたいな物が無ければ基本的に一人での作業は避けた方が良いです。てかそこらじゅう切り傷だらけになったうえにツナギは切れるは二の腕がパンパンになるわで死ねます。
健康な男子が二人以上居れば多分死にません。クレーンが有れば鼻くそほじくりながら作業出来ます。
それと本体と土台の合わせ面には位置決めのノックピンが入っていて英国二輪車等に見られるようなわりとスカスカな感じではなくガッツリ百分台で噛み合ってます。
このピンをどうするか?途中で結構悩みましたがフリーのプレートを入れてしまうとプレート側のみにピン穴を開けても意味が無いしプレートと土台側にもピンを入れて元のようにガッツリ精度を出せるとも思えませんので今回はぶっこ抜いてナシにしました。
組み付け時に注意して組み付けたのもあり特に問題なさそうですが今後この辺りが起因するトラブルが出るかもしれません。
同じ型のフライスで同様の作業をしたいと考えている方は自己責任で。
最終更新:2012年10月14日 23:12