【政策ページ】08.08/31提出

 

国土回復と復興の御礼

  EV127「FVB逆侵攻」も勝利に終わり、ビクトリーと蛇神様のお陰で死の荒野となっていた国土にも緑と命が甦りました。また、帝國をあげての復興支援が行われ、ちゃくちゃくと元の美しいFVBが戻ってきています。

  あらためて皆さまに御礼申し上げます。

 

FVBの課題

  しかし、8月18日現在、戦火により失われた一般人の居住用家屋の再建は遅れており、今なお多くの国民が体育館等に非難したままとなっています。

  そこで藩国としても、すべての国民に居住空間を与えることが火急の課題として対策をしなければいけませんでした。

 

 

復興の始まり

  帝國が共和国からの難民を大量に受け入れたのは、つい最近のことでした。5月末に、舌禍をきっかけに政情不安だった共和国が崩壊したことにともなう難民を、FVBは125万人受け入れたのです。
   しかし、今回は国土がすべて死の荒れ地と化し、国民の大半がアンデッド化するという災厄に見舞われました。幸いなことにテラ領域を挙げての支援によって、災厄 を巻き起こしたクーリンガンは逃走し、荒れ地には緑が蘇り、アンデッドと化した国民は蛇神さまやヴィクトリーの力によって命を取り戻しました。
  けれども、戦火で破壊されたライフラインや諸施設は自動回復はしません。
  帝國挙げての復興支援により着々と再建は進んでいましたが、被災者となった一般市民への支援は十分とは言えなかったのです。
「たいへんですよ!」
「どうしたんですか、みそらさん?」
「どこの体育館も公民館も避難してきた人たちで満員ですよ!」
  不変空沙子の報告に、摂政・曲直瀬りまも頭を抱えました。
   まだ被害の全貌は明かではないものの、今回は難民125万人どころではありません。最悪、1500万の国民すべてが被災者なのだ。王城、ドック停泊中の冒険艦か ら、地下施設の居住施設、体育館、武道場、温泉場の大広間まで使えるものはすべて使えという命令は下しているものの、いつまでもそのままにはしておけなません。
「みそらさん。アリア……小春さんに何か良い考えがないか訊いてみてください。住宅建設の方は、藩国として最優先課題として進めます」
「はい」
  6月に共和国よりの難民を受け入れたのは正解でした。
  情けは人の為ならず。そのときに得ることのできたノウハウが、これからのFVBを支えることとなったのです。

 

避難地

  国民の避難場所では、幻燈使いやお庭番達が忙しく動き回っていました。
  『幻燈使い』は幻を見せては子供達を楽しませてます
  『お庭番』は炊き出しや身寄りのない子供やお年寄りのお世話、そのほかの雑務をこなしてました。それと、国民達からそれとなく何か怪しい情報がないか聞き出してます。

  とにかく仮設住宅にしろ炊き出しにしろ、さあやれすぐやれとはいきません。いわば復興の本隊が動き出す前に、先遣部隊が活動を開始していたのです。 

 

国民住宅の建設

   FVBでは当初から「仮設住宅」の建設は考えていませんでした。結露が激しく、家財道具を置けないほど狭い上に、夏暑く冬寒い。しかも学校の校庭とかにとりあえず建てたので、半年足らずで追い出されてしまう・・・・・・そんな仮設住宅なら要らないのです。
  他の国ならいざ知らず、幸いにもFVBには地下洞窟網がある。ライフラインさえ復旧させてしまえば雨露をしのぐには困りません。穴居民族みたいですが、もともとFVBの民とはそういうものであり、地上の建築物は別宅か公共施設か観光客用かという程度の考えなのです。
  それでも、体育館等に非難する者が多いということは、地面の下から出現するアンデッドへの恐怖が消え去っていないということでしょう。これは無視して良い問題ではありません。
  とはいえ、緊急予算を投じて半端な大きさと設備の仮設住宅を数だけ作るくらいなら、最初からきちんとした一戸建て住宅を建設した方が無駄がないというものです。最初のうちは一戸に複数家族がすし詰めになるでしょろうが、それでも体育館や避難所暮らしよりはマシというものです。

  ここで共和国難民を受け入れたときの経験が生きてきました。
  万全の対策をしたつもりでも、事前準備の段階では所詮「他人事」であり、やってみなければ判らない不具合は少なくありません。ここで無視して同じ轍を踏むか、反省してより良い方法を考えるかが、国としての資質の差となるのです。

  まず重要なことは、同じ地域からの避難民は可能な限り、同じ一角にまとめることです。
  慣れぬ土地で見知らぬ他人と0から共同体を構築するのと、顔見知りの人たちと協力し合うところから始めるのではスタートラインが大きく異なります。特に年配者、あるいは他国から移民してきたばかりの者にとっては重大な問題です。
  既存のコミュニティを可能な限り活かさねばなりません。

  次に、住宅は可能ならば元の土地に、区画整理の都合などで不可能ならば、最低限、公共交通機関とリンクし、通勤や買い物に至便な位置に建設されるべきでしょう。
  安く、立派な家はできたが陸の孤島だった……では冗談にもならないのです。

  そして上下水道、電気、ガスが供給されていること。
  あまりにも当たり前の話ではありますが、目先の復旧が優先されるあまり、失念されがちなことです。
  高齢者の世帯ではオール電化も選択肢の1つですが、可能ならば電気とガスはどちらも利用できるようにすべきでしょう。水道光熱はライフラインであり、好きこのんでライフラインを限定するバカはいないはず。

  90年代にNY近郊で発生した大豪雪の際は、雪の重みで送電線が各所で切断されました。オール電化が進んだ家庭が多く、普及までの1週間、冗談抜きに家具を壊して薪にする生活が続いたといいます。単純な復旧速度なら、電気の方がガスより早いというデータもありますが、それを過信すべきではありません。

 

国民住宅街の建設

  FVBの復興には、宰相府を始め帝國各国から支援が寄せられていますが、そうした仮設住宅用の資材、食料、避難物資等の輸送には主に長距離輸送システムや水路が使われて今か。そして水路を使った搬入搬出には、『水夫』、『海賊』が活躍します。
  しかし物資が駅、及ぶ船着き場に着いたら厳重なチェックを受けます。クーリンガンの置き土産(気の長い伏線)やら便乗犯が出ないとも限りません。爆弾や何か怪しい物がないかのチェックは欠かせません。

  これは手間のかかるものではありますが、『機導師』の理力による検査、『お庭番』や『犬忍者』達の検査が、チェックは搬入と搬出の2回行われます。二度と同じ手は食わないぞという決意の表れです。
  さて、その後の輸送には、資源採掘地等で使われてる大型車が転用されています。とはいえそれだけでは間に合いませんから台車、リアカー等での輸送もしてます。とにかく、なんでもありの国家総動員です。倉庫で埃をかぶっていたI=Dにも火が入れられました。
  リアカー等の輸送では『宇宙の戦士』、『宙の神兵』達が中心となって輸送してます。何せパワードスーツを着てるので常人の数倍以上の力がありますから、リアカーに一杯積んでも楽々運んで行きます。場合によっては小回りの利く分、I=Dより活躍しているということです。

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  住宅建設には、建設土木要員、各国の支援部隊以外にも、は手隙の者が総出で働いてます。とはいえ、現状で「手隙」の者が居るわけありません。

  つまり、皆、通常業務をきちなとこなした上で、さらに業務外の休憩シフトでボランティア参加しているわけです。
  『機関士』は電気の設備、水道管の設置、ガス管の設置にその専門の業者達と一緒に作業してます。大忙しです。
  『犬忍者』は鳶職の人達以上の働きをしてます住宅の骨組みを跳び跳ねながら作業してます。
  『機導師』、『幻燈使い』は理力を用いて、作業員のサポートをしてます。
  『宇宙の戦士』、『宙の神兵』達は重い資材を運んで、作業員の負担を減らしてます。
  『海賊』、『水夫』、『宙侍』、『機甲侍』達は主に住宅の内装を担当してます。
とくに『海賊』、『水夫』たちは船の修理等もしますので、大工作業も手慣れてました。
  『宙侍』、『機甲侍』達は当初は上手く出来ませんでしたが、『水夫』、『海賊』達に教えてもらったり、自身の経験をナショナルネットで情報の共用をする事で段々と手慣れてきました。
  『お庭番』は作業員の休憩場所にお茶やお茶菓子の用意や、お昼ご飯の用意、作業員の邪魔にならないで掃除等をしています。

  彼らが過労で倒れては元も子もありませんから、藩王や摂政がオーバーワークの者を見つけ次第、無理矢理にでも休ませるようにしています。しかし、藩王や摂政もオーバーワークなので「オウサマが休まれたら、私らも休みますわ」といなされることが多いようです。

 

療養所の活躍

  もともと戦傷者の療養が設立の主目的の1つでもあり、完成したばかりの療養所がメンタルケアで本領を発揮しました。

  療養所においては、『幻燈使い』は医者と協力して国民のメンタルケアのために、時には楽しい幻、時には辛い幻を見せてます。辛い現実と向き合うためには、時には悲しい幻も必要なのです。カウンセリング専門家との連携で治療に参加しているのです。
  一方、『お庭番』は看護士の手伝いや衣類、ベットのシーツ等の洗濯、掃除をしてます。ベッドメイクや病人怪我人の介護は、(医療系アイドレスがまだまだ弱い帝國では)やはりバトルメイドが第一人者。その系譜に連なるお庭番の活躍する場面なのです。
  もちろん、ここでもやはり怪しい情報がないかそれとなく聞き出し、クーリンガンやその他便乗テロリストなどの警戒にあたっています。

 

見回り

  さて復興しつつある市街地や周辺山林海岸では、国の治安悪化を防ぐために『宙侍』、『機甲侍』、『機導師』が中心になって見回りをしてます。
  避難場所や療養所、資材の搬入搬出の場所やその他の施設、町、国の様々な場所に怪しい動きがないか調べるために、  『お庭番』、『犬忍者』達は国民や作業員になって、情報を調べてます。
  その情報は逐一、見回り組に届けられてます。すべて人々が一日でも早く安心して暮らせるようにするためです。

  そしてもし、見回り組では対処の出来ない事件(大規模暴動、テロ、立て篭もり事件等の)が発生した場合に備え、番所や宇宙港では『宇宙の戦士』、『宙の神兵』を中心にした特殊部隊が待機してます。
  本当は見回りにも出たいのですがパワードスーツの姿は国民に威圧感を与えないか不安で自粛しているのです。

 

 奥付

  文:光儀,曲直瀬りま

  絵:曲直瀬りま

 

 

 

最終更新:2008年08月31日 23:57