★概要

  現在、各国で無人機やロボット等への安全性確保(ロボットの叛乱等)や社会システムの安定(無人化の進展による失業率の増大等)について問題が表面化しています。
  
FVBは藩国独自の設定であるカカシロイドについて定義し、FVBにおいてはそのような問題は発生しない/解決済みであることをお知らせするとともに、万が一にも発生する可能性がないわけではない将来の危険性について対策が施されていることを報告します。

(曲直瀬りま:摂政・法官2級)

 


 ★無人ロボットとFVB

  現在宰相府等で無人ロボットや自動機械による産業システムの無人化が問題となり、解決されつつあります。だが、この問題はある意味FVBでは「すでに通ってきた道」でした。
  カカシロイドの存在です。
  カカシロイドとは、その名から判るように、もともと農作業用の作業機械であり、サイボーグ用の余剰パーツを組み上げた簡易アンドロイドです。初期には人間と同じシルエットのタイプも存在していましたが、現在では「そんな高度な機能は必要ない」「パーツがもったいない」等の理由で超簡易な寸づまりタイプがほとんどとなっています。
  さて、このカカシロイドはFVBの各所に配置され、活躍していますが、これによって人間が職場を奪われたとか、カカシロイドが暴走して人間に危害が及んだという話はありません。
  なぜでしょうか?

  それは、カカシロイドが本質的に「役に立たない」からです。

 ★無能なるパートナー

  カカシロイドは、他の自動機械と同じくロボット工学三原則に従ってプログラミングされています。そして、このことが反乱防止のプロテクトキーになっているわけですが、同じコインの表と裏のように、「カカシロイドは肝心なところで役に立たない」理由ともなっているのです。
  わかりやすいように、ロボット3原則をさらに単純化してみましょう。

  1.ロボットは人間に危害を加えてはならない。……これを日本語でひとことでいうと「事無かれ主義」となります。何か問題が起こって、人間に危害が加えられないことを優先するからです。
  2.人間にあたえられた命令に服従しなければならない。……しかし、すべての事柄について一々人間にお伺いを立ててもいられませんので、過去のケースから類推して判断することになります。つまり「前例踏襲主義」です。そして、それでも判断がつかない場合は、人間が指示を下すまで待ちます。「懸案先送り主義」です。
  3.前の2項目に抵触しない限り、自己をまもらなければならない。……つまり「自己保身」です。

  「事無かれ主義」「前例踏襲主義」「懸案先送り主義」「自己保身」……おわかりでしょうか?
  まるでカリカチュアされたダメ役人のようではありませんか!?

  そんなカカシロイドが人間に取って代わることは不可能です。少なくとも、常に未知の要素が出現する宇宙世界で生き抜くことは不可能でしょう。

 

 

 ★無能でも使いよう

  そんなに無能なカカシロイドですが、使う側がその点をきちんとして認識し(相手に万能性を期待せず)、きちんと指示を与えているのなら、これ以上はない人間の良きパートナーとなります。どんなに優れたアイテムやツールにも限界はあります。電卓で目玉焼きを作ることはできませんし、警察犬は裁縫をすることはできません。しかし、人間が電卓に入力してやれば正確な計算をしますし、警察犬は警官のパートナーとして犯人追跡などで活躍します。それと同じ事です。
  FVBにおいてカカシロイドは、軍で、港で、奉行所で、神社でと、実にさまざまな分野で活躍しています。そして、もちろんFVBの民は、彼らカカシロイドを良きパートナーとして、軍ではパレードの員数増や銃器等の整備、港の荷役作業や清掃の補助、奉行所での書類整理、神社のお神楽の巫女として、働いてもらっています。
  猫の手でも借りたいときにやってきて、猫の手以上に活躍してくれます。そして、彼らが手伝ってくれるから、雑事を片付けてくれるから、人間はさらに大きな仕事を、創造的な仕事をおこなうことができ、危険だったり退屈な仕事を最小限に抑えることができます。
  カカシロイドがこれほどFVBで普及したのは、この国が宇宙の民の国だからでしょう。
  宇宙でこそ、彼らが最大限に活躍する場所です。
  誰も訪れる者のない宇宙農場の管理。単純で簡単ではあるが危険な船外作業。どれもカカシロイドが活躍する職場なのです。

 

 

 

 L:カカシロイド運用指針 = {
 t:名称 = カカシロイド運用指針(政策)
 t:要点 = 活動制限,技術漏洩対策,コマンド入力制限
 t:周辺環境 = 2頭身,人型機械
 t:内容 = {
 *カカシロイドはFVBにおける人型機械の総称である。
 *人型をしていない自動機械についても、そのAI能力その他コンセプトはカカシロイドに準じるものとする。
 *カカシロイドの活動制限 = {
  側面:カカシロイドは、人間の補助者として人間の指示で活動する。
  側面:カカシロイドは、常に人がその挙動を監視していないとサボる仕様になっている。
  側面:カカシロイドの機能が正常かどうか、宇宙開発センター内でモニターされており、異常報告がされた場合はメンテナンス要員が派遣される。

 *カカシロイドの技術漏洩対策 = {
  側面:カカシロイドのパーツは既存サイボーグの余剰部品の流用であり、特筆すべき技術は用いられていない。
  側面:AIとして用いられているソフトウェアはロボット三原則に則った「事無かれ主義」「前例踏襲主義」「懸案先送り主義」「自己保身」で構成されている。
  側面:緊急モード「右往左往」で異なる命令を受けたり想定外の事態に直面した場合のセーフティが起動する。

 *カカシロイドのコマンド入力の制限 = {
  側面:カカシロイドは、ロボット三原則に反したコマンドは受け付けない。
  側面:カカシロイドは、FVB国民として登録された者の命令しか受け付けない。

}}

 


r:以下の記事は、文殊に登録されている国民番号を持つフィクショノート(プレイヤー)しか閲覧することは出来ません。
 

 ★作業担当者によるメモ

  本来は、正式にアイドレス化されていない藩国設定に対してここまで必要かという疑念がないわけではありませんが、何が火種になるかわからない現状であり、「療養所」の注釈で言及されているため、一項目を設けるものです。

 

提出 2008-12-12

 

最終更新:2008年12月12日 11:43