第13ターン 傾向と対策

曲直瀬りま(摂政・法官2級)

 

 

 

 国際社会における食料品の安定供給への貢献

 ★穀物の輸出取引制限

  第13ターンにおいては、緑オーマの攻撃により一部藩国の農業に大きな悪影響が出ている。

  帝國市場において農作物はおおむね価格低迷しており、農業国でもあるFVBにおいても同様である。それゆえ、短期的な損得勘定で考えるのであればこれを機会に低迷している農産物価格の上昇に転じるべきかもしれないが、NW全体の安定があってこそFVBの経済発展があるのだし、「助けたい人を助けられる国に」「すべてを守る」という国是からも他人の不幸に乗じることは許されない。

  そこで、穀物取引については便乗値上げを抑制し、一般的な物価上昇の範囲にとどまるよう、一定の制限を設けることが適当だと判断した。

  FVBから輸出される穀物については、その取引価格を通関時に御蔵奉行に届け出るものとし、その際の取引価格が過去3ヶ月平均の取引価格より25%以上上昇しているものについては輸出許可を取り消すものとした。

  この政策は第14ターン開始時までとし、その時点で引き続き継続すべきか判断する。

 

 

 

 農業・漁業の持続的な発展と循環型社会の形成

  1.資源の活用による循環システムの発展

  宇宙国家であるFVBの社会システムは、原則として独立して機能する循環型社会であるが、100%循環型の生活環境(生命維持)システムを構築することは巨大宇宙船であっても難しい。
  少しずつでも新しい風、外部の人材や資源を迎え入れ、内部の人材や資源を送り出すことで世界全体で循環させ、それによって定期的に刺激を与えて活性化させていかなければ不純物が堆積し、社会システムそのものが停滞していくことになるだろう。
  内と外の調整弁の構築が、今後数ターンの政策課題である。

 

 

 2.食料自給率の維持と食料の安定供給

  FVBでは国土開発が進められているが、二次三次産業の発展のみに目を奪われるのではなく、食料自給率を維持するための戦略的な取組を忘れてはならず、また食品の安全確保への努力の手を休めてはならない。
  牧畜や養殖など、農業以外の産業も順調に発展しているが、これらについても適切な方向に発展しているか、注意深く見守っていく必要がある。

 

 

 3.環境保全と農業システムの維持

  化学肥料や農薬は医師の薬と同様に非常時の手段と理解し、必要不可欠ではあるがそれだけに頼らない農業システムを維持していくことが必要であり、再生可能な有機性資源(バイオマス)はその中核となるものである。
  循環システムの発展のためには、生物の多様性を保全することが不可欠であり、農業システムにおいてもそれは十分に意識されなくてはならない。その意味で、農畜産物におけるクローン技術の応用は最低限にとどめなくてはならない。(*1)

 

 

 4.一次産業の体質強化と高付加価値化

  移民してきた新国民への新規就農支援、流通改革を推進する。また、農林水産物・食品に国際競争力を与えるための法制上の輸出促進や、技術開発や加工のための施設設置への支援が重要である。新しい農作物の品種も、新規の加工や流通のための技術も、知的財産であることを忘れてはならない。

 

 

 

 

 

(*1) クローン生物は生物学的多様性とは対極に位置している。優れた資質を持つ生物を量産できるというのは強みであるが、たった1種類の病気や害虫によって壊滅的打撃を受ける可能性があることも事実である。長所と同様に短所も複製されるからだ。いまだ生物は完全体を生み出していないし、生み出したときは生物としての終着点にいることを意味している。

 

 

最終更新:2008年12月24日 00:40